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2026年10月3日土曜日

秘密じゃないクランクベイト

 雨貝健太郎著「秘密のクランクベイト」は面白い釣り本だとは聞いてたけど、米国バストーナメントを背景とした話らしいので、発行当時はあんまワシ関係ないなと読まずにいたんだけど、ここに来てパチモノクランク達をいじくってて、というかそれ以前から根魚をクランクで狙うようになってた影響や、紀伊半島が南国化するにつれ”強い”動きのルアーで迎え撃とうということで、ミノーをあれこれ物色したときに、ミノーで間に合わんかったらクランクだなと感じた経緯もあり、クランクベイトについてちょっとお勉強してみようかなと思いましたとさ。てなわけで2003年発行のこの本を読んでみることにした。クッソ、プレ値ついてやがって定価2400円が中古で4000円もした。とはいえ、内容はしっかりとした”クランクベイト論”で勉強になったし、読み物としても楽しめたのでまあお値段以上の価値はあったと思っておこう。

 読み始めると、まずは”元祖クランクベイト”フレッド・ヤング氏謹製の初期ビッグOから紐解いてファットボディーでブリブリ泳ぐクランクベイトの特徴と機能を、プロトタイプも含めた初期ロットの”ビッグO”のコレクションを用いて、その生い立ちから明らかにしている。そして、もう一方当時流行りだしていた薄いボディーでややおとなしい動きのフラットサイドの系譜についても触れ、という感じにクランクベイトの歴史から入り、クランクベイトのなんたるかを整理していく。

 クランクベイトとはなんぞや?という問いに「リアクションルアー」である。と筆者は述べる。北米にあんな形状の淡水魚はおらず、ベイトに合わせて形作られたルアーではなく、潜ったり障害物を回避したりする機能をもち、動きなどで魚の補食行動を誘うために必要な形をしているだけであり、リアルさなんぞは必要としない。と看破している。このあたりまったくその通りだと思う。ワシなんぞルアーのほとんどはその整理でいくとリアクションベイトであると思ってて、マッチザベイトとかルアーマンが言い出した時点で負けが9割方確定しているとこれまでも書いてきた。ルアーは餌に似せているのではなく、餌などを捕食するために魚が指標とする要素を、強調したり抽出したりして表現しているモノであり、よほど特定の餌に狂ってる場合を除いてマッチザベイトは役立たずだし、マッチザベイトが必要なときでさえ、たとえばバチ抜けでは細長い物体が真っ直ぐ進むという要素が重要で、脚とかウネウネした動きとかいらないなど、限られた要素を押さえていれば魚は釣れて、その限られた要素の絞り方、見せ方にどういうルアーが必要かということで、条件さえ満たしていれば割り箸にハリぶら下げても釣れるのである。加えて、適当な棚に沈むか、潜るかというような機能も備えておらねばならないので、そのへんからルアーに求められる魚に反応させる要素、と魚の反応する範囲に通すことができる機能を盛り込んだモノがルアーとして成立するのだとワシャ思ってる。単純明快な典型としてはスプーンなんて金属片のキラメキとゆらゆらする動きのみで魚に口を使わせるし、加えて魚に届けるために重量で飛距離を稼ぎ狙う棚に沈むような機能を持っている。人から見たリアルさなんぞ無用である。逆にあの金属のきらめきは遠くまで届くような天然の餌にはありえない強い刺激があり、時に自然物である餌よりも激しい魚の反応を引き出す。

 ただ、「シャロークランクは基本的にカバーを釣るためのルアー」であるとしていて、トーナメントシーンでは沈木だのにガンガン投げて当ててすり抜けさせて使うらしく、障害物回避能力が求められ、アメリカのトーナメントプロとかに言わせると一昔前の日本製クランクはゴミ扱いだったらしいけど、これには異論を唱えておきたい。まあ米国のバス釣りはトーナメントシーン中心にボート前提の釣りが多く、根がかってもシャロークランクなら近づいて回収機で回収できるだろうし、飛距離も軽視して回収重視で太いラインも使えるだろう、一方、日本では一部のトーナメント志向の釣り人を除いては、陸っぱりが多くてまた違うと思うところ。陸っぱりでクランクベイトでカバーに当てて釣ってたら根がかってルアー失って釣り場にゴミ残しつつ釣具屋ばっかり儲からせてしょうもないことになる。それはそれこれはこれって話であり、海でクランク使うワシの個人的な釣りにおいてはなおさら障害物には当てられない。蛎殻の生えた石組み、ロープ、一発でアウトの障害物が淡水とは状況を一変させる。それぞれの状況でもまた同じクランクベイトでも求められる要素や機能も変わるということで、アメリカバスプロの最強クランクベイト運用法が日本の野池や、いわんやおや紀伊半島の漁港においておや、ということを分かって混同しないようにして、米国プロトーナメントにおいての話として読んでいく。アメリカのバスプロ仕様の戦略と、紀伊半島のワシの戦略は違う。違うけど同じクランクベイトを使うなら参考になって、自分の釣りの知識を深めるのにおおいに役立つこともまたあるのである。

左から、古め練り大、復刻バルサ大、現行C80大、中、小、小小
 とりあえず、クランクベイトと言って思い浮かべるような、太っちょで高浮力、大きめのリップ、「ワイドウォブル」と表現されているけど、ようするに大きくブリブリとケツ振って泳ぐ、という特徴が上手くあわさると、アピール力高く、障害物もデカめのリップを振り回してはじいて高浮力も手伝ってかわしていく、メリケン仕様のシャロークランクの基本形ができあがる。これをまさに体現しているのが開祖フレッド・ヤング氏謹製のバルサ製だった頃の「ビッグO」だと著者は述べている。ちなみに手作りでは限界のあった生産を、コットンコーデル社が版権買ってプラスチックで大量生産した今でも入手できる「ビッグO」は優れたルアーではあるけど、初代の持っていた「バルサウッド独特の浮力とアクションはやはり失われていると言わざるを得ない」としている。まあそうだろうな。で、バグリーのバルサB系が初代の後を継ぐようなものである旨述べている。

 で、もう一つのシャロークランクとして、当時旋風を巻き起こしていた「フラットサイドクランク」についても新しくカテゴライズされた別の進化を辿ったルアーとして取り上げている。家内制手工業で作られるようなシダーウッド(杉)製の、薄くその名のとおり側面が平面のボディーで低浮力、動きは「タイトウィグル」な小さくプルプル震えるルアー達の、無視できない強さについて解説している。どうも”タービュランス”水を乱す力とでもいう要素が鍵らしい。フラットサイドクランクについてはかなりページを割いていて、ディープダイバーのような「ダイビングクランク」については、使用目的が多岐にわたるとして、各個撃破的に詳細な説明はせずシャロークランクが地形の上に存在する障害物である”カバー”を釣るのに対して、かけ上がりとか「主に地形変化を釣る」とサラッと流しているのと対照的で、当時の”フラットサイド熱”とでもいうものがしのばれるところ。

 フラットサイドクランクは、カバーの少ないテネシー州の人造湖で盛んに使われていたようで、その特性から、障害物回避能力は高くないけど、より”フィネス(嫌われる要素が少なく地味ぐらいの意味)”な釣りにマッチザベイト的に使われることが多かったようだ。ところが、当時のトーナメントシーンでは、本来障害物回避能力の高いビックOタイプのクランクで狙うべきシャローの障害物周りを、フラットサイドで攻めることが流行していて。一部のトッププロの”秘密”のクランクベイトだったのがバレて流行りだしてしまっている状況だったようだ。わざわざフラットサイドのクランクに、障害物に強い大きな”コフォン(棺桶)型リップ”をあてがってまで使ったのは、フラットサイドのボディーは先ほどちょっと触れた要素「タービュランス効果」、水流を”乱す”効果が大きく反射的なバイトを促進する効果があり、かつ、それはラトル音ほど不自然で飽きられやすくないとされている等の理由からだとのこと。フラットサイドが普通の丸っこいボディよりタービュランス効果を生みやすいのは、げんこつと平手で水をかいた時の差を例に出していたけど、イマイチぴんとこなかった。太いボディーのクランクの方が水を動かしてそうでタービュランス効果も大きそうに思う。でも、色々お勉強してタービュランスとウォーターディスプレイスメントの違いを理解すると、しっくりくる。太って丸っこいボディーはタービュランス効果は小さいけどウォーターディスプレイスメントは大きい、平べったくて平面なボディーはその逆。例として船を考えると釣り人なら分かりやすいかも、タービュランスは船のペラにまさに求められる性能で、ペラは曲がってるにしてもおおよそ薄くて平べったく設計される。肉厚で太ったスクリューとか重いだけで効率悪いだろう。対してウォーターディスプレイスメントは水を押しのける力で、船が進むときにその船体の水中部分で水を押しのける効果であり、その効果は遠くまで伝わる。船が沖を通過するときに、引き波が足下までやってきてジャバジャバするのは釣り人なら日常的に経験することだろう。対してタービュランスの効果は船を動かすほど強くても遠くには伝わらない。大型船の離着岸の時に海底の泥が巻き上げられることはあるけど、それでも効果が届く範囲は限定的でスクリューが掻いた水が岸壁でザバザバするようなことがあればその船は転覆しかかってるかなにか大きな問題を抱えている。ウォーターディスプレイスメントは水を押しのける、Dr.柏木いうところの”水押し”力とでもいうもので、ブリブリ大きな動きで泳ぐ太くて丸っこいクランクは、大きな船体が、水を押しのける動きで水を動かしたように、ウォーターディスプレイスメントが大きく、その”水押し力”の効果は遠くまで伝わってアピール力が強い。逆にタービュランス効果で”水を掻く力”が強い、バイブレーション的な小さな動きの薄くて側面が平面のいわゆる”フラットサイド”クランクは、ボディーの体積自体小さく水を押しのけて発生させる”水押し力”は少ないのでアピール力こそ劣るけど”水掻き力(という用語を提唱します)”は高くて、近くに寄った魚に口を使わせる引き金を備えている。ということだろう。クランクベイトを始めルアーを理解するうえでとてもためになる要素のとらえかただと思う。

 で、本書ではそういったクランクのそもそも論を第一章で論じてから、第二章ではカラーや素材に塗装、リップやラトルの有無の違いなどの基礎的な話を論じて、第三章で、本場米国バスプロトーナメントの取材を通じて目にしてきた、プロ達のシークレット、タイトル回収的に「秘密のクランクベイト」達を紹介している。ここがおつゆたっぷりで読み物として面白いところで、プロ達のそれぞれの戦略やら秘密にしておくその隠しっぷりとかも知れて面白い。で、読んでると当然その”秘密のクランクベイト”達が欲しくなる。幸いなことに当時はプレミアついて売り買いされただろう秘密のクランク達も、20年も経ちゃあ、すでに秘密でも何でもなく皆の知るところであり流行も落ち着いていて、買おうと思ったら買える値段で中古市場に出てるのもある。あるけど、よく考えるまでもなくワシ米国に渡ってバストーナメントに参戦するどころか、バス釣りさえ年一回行くかどうかで、ワシの日常の釣り場である海で投げるところがあるのかって話であり、さらによく考えると、既に持ってたりするのも多いし、ドンピシャじゃなくても似たような性格のモノは蔵に転がっていたりする。なので、「秘密のクランクベイト」として紹介されているクランクと、それに対応するであろう我が家のクランクベイトを紹介してみたい。

 まずは、”スパーシャロー”の刺客、1996年ポトマック川での勝利から注目を浴びるようになって、今時クランクベイト作ってるメーカーならシリーズに”SSR(スーパーシャローランナー)”を用意してるのが普通ってぐらいに、数々の追従者(≓パクり)を生み出したマンズ「ワンマイナス」。ご存じのように潜らないクランクベイトで、藻面の上とかの水面直下の美味しい棚を引いたり、なんなら竿立てて水面波立てて引いてくる”ウェイキング”も得意。これは、さすがに現物持ってる。オリジナルサイズとベビーサイズがなんぼか蔵に転がってる。ついでにストレッチベビーワンマイナスも転がってる。まあ、ワシ的にはクランクベイトは可能ならすべて「ピーナッツⅡ」一族に任せたいと思ってるので、ピーナッツⅡのSSRはデカ、ノーマル、タイニーと蔵にございます。シーバス狙いでタイニーは使ったけど結果は思わしくなかった。でも藻場の表層をラトル音させて引いてくるとかそのうち出番がありそうに思う。在庫は充分だぜ。

 続いては”オールドバグリー”日本でも真鍮アイの古物とかは人気で中古市場で高値がついてるけど、バグリーの「バルサB2」とかに米国のバスプロがご執心という話は、以前からワシの目に入るぐらいだから有名だろうと思う。できの悪い中米産のを箱買いして、良い動きするヤツだけを選別して、他はすぐにネットオークションに流すとか、昔のが手に入らないので塗装引っぺがして昔風に塗り直すとかとか。本書ではラリーニクソンの「ビティーB」、ケビンバンダムの「キラーB3」が典型例として紹介されているけど、日本でなら大森選手の「バルサB2」が有名か?わし、バグリーが新体制になってドミニカ工場で作り始めたときに、80年代の綺麗なバグリーが帰ってきたと思っていくつか買ったぐらいだけど、ドミニカ産ではいかんのか?と思うんだが、この本の当時はまだドミニカ工場じゃなかったし、ドミニカ産の綺麗な塗装は逆に重くてバルサの動きの良さを削ってしまいそうではある。まあワシはドミニカ産で充分。そんなトーナメントレベルでのシビアな違いなど分からんしな。でも古いバグリーもあることはある。写真の青い「バルサB1」は真鍮リグ。どっか中古屋でえぐったブツ。バグリーは差し込みリップのモデルだと、ぶっ壊されてリップが抜けるのが怖くて使いにくいけど、ワイヤーが貫通してるモデルなら出番はあるかも。そんなバグリーも今は工場セルビアだとか聞く。


 で、お次。本書の本命筋が初代ビッグOからバルサB系の流れとしたら、裏本命というか対抗馬的な位置づけの家内制手工業のフラットサイドクランク。「スタンフォード」、「テネシータフィー」、「ソニー・マクファーランド」あたりの小規模メーカーが紹介されていたけど、我が家の蔵にも大量生産で入手しやすいポーの「RC」シリーズとかは転がってるし、スミス「シャッティー」シリーズとダイワ「BHシャッド」シリーズ、「バスジャッカーⅡ」、レーベル「ベビーブリーム」あたりはフラットサイドクランクとしてもイケるのではなかろうか?ラトルなしならシャッドラップやらのバルサ製シャッド系はだいたいイケそうに思う。このあたりは普通に使ってるのも多い。シャッドラップとか今考えるとフラットサイドクランク的にタービュランス効果も効いてたんだろうなって思うけど、理屈は知らんけど釣れると分かってればそれで良かったっちゃそうなんだけど、知ってた方がモアベターよ。

 最後はスモールクランク。アメ人もずいぶんとまたせせこましいこともやるんだなと、”メリケンクランク使い”ならDD22とかぶん投げてボートデッキに膝ついてモリモリ巻いてるもんだという偏見を恥じたしだい。クラッピー用とかのスモールクランクにハリだけ大きいの乗せて使ったりするんだと。以外にお盛んらしく例としてノーマン「ディープタイニーN」、バグリー「ビティーB」、ボーマー「ファットA4F」、同「モデル5A」、ラパラ「リストラップRR04」、同「ラトリンファットラップRFR04」と色々出てきてた。まあワシも浅いところ用にファットA、モデルA、ラトリンファットラップは使ってる。どこでもそうだろうけど、特にトーナメントなんかやってる場所では魚がスレてて小さいルアーじゃないと口使わないとかあるんだろうってのは想像に難くない。つらいところである、と同類相哀れむところ。

 という感じで、楽しく読了したんだけど、そのお勉強した視点で自分の主力クランクベイトを考えてみる。現在”根魚クランク”で実績が高いのはストライクキング「5XD」、サンシャインフィッシング「ベクトロン60」、ベルズ「マジェンダ80」の3強である。まずはワシの求めるクランクベイトの性能としては、何はさておき潜行深度が重要である。潜りすぎて底の石組みとかに当てると高確率で蛎殻とかに根がかるので、底のちょい上50cmぐらいを安定して引いてこられるのが大事。たまに底に当たったぐらいならその後竿先上げるなり一回浮かせるなりしてなんとかできるけど、ガツガツと底を叩くようなことは砂底でもなければ不可。その”潜行深度”という際に、海水という浮力が強くなる条件下で12号50ポンドのナイロンリーダーを背負って潜らせるので、カタログスペックとはだいたい1mぐらい違ってくるし、そもそもカタログスペックも投げて巻くのか、トローリング的に船で引くのかでも違うのでぶっちゃけテキトーなことも多く、いちいち試して、潮位変化に応じたポイントごとの深度とあわせて把握しなければならない。5XDとベクトロン60は3m水深担当で、干満差とか海底の傾斜とか多少の水深差は、膝ついて竿先海中に突っ込むか、普通に立ち上がって竿立て気味に巻くかとかで調整できるけど、普段より1m以上浅くなるような大きく引いた干潮時とかは、ベクトロン45とかハスティー3とかの2m水深対応のものにバトンタッチする。5XDはそれなりに側面が平らなディープクランクで”水掻き力”もある程度期待できる。この形状はおそらくボーマー「ファットフリーシャッド」からの流れで、ファットフリーシャッドについては後世に残るだろうと書かれていたけど良くできてると思う。そいつをさらに発展させて急速潜行しつつ深く潜るように詰めてある優等生がストライクキングの「XD」シリーズで、ラトルも水掻きも水押しもバランス良く”全部のせ”してあって実際良く釣れるのも納得である。対してベクトロン60の方は、太っちょなアメルアらしさのある形状のディープクランクで、特徴はノンラトルであるということ。もともとバグリー「DB3」が5XDとか引いた後でも”変えると来る”で魚を連れてきてくれたんだけど、バルサ製で差し込みリップに後ろのフックアイはヒートンでは40UPの根魚が釣れてくるようになって強度不足でぶっ壊されて魚逃がす懸念が生じてきたので、代替となるモノをと考えて導入したものである。樹脂一体成形のベクトロンは強度的にはまあ安心だけど、ノンラトルだからといってDB3と同様の性格かというと、厳密には違うと考えてはいる。バルサなど木製ルアーと樹脂製ルアーの違いというと比重の違いでバルサは軽いということが注目されているけど、意外に違ってて釣果にも影響してきそうなのが、木製なら内部が充填されているけど、樹脂製は硬質発泡素材とかの例外を除くと、内部が空洞であるという点で、何が違うかというと音響特性が全然違ってくる。ノンラトルのルアーでもハリが当たる音やスプリットリングが擦れる音は発生させていて、その響き方は人間が聞いても違うレベルだし、イルカのような自ら超音波出して”音響定位”できるソナー持ちでなくても、自然音の反射の具合の違いは魚も聞き分けてておかしくないと思っている。でも、ラトルのような積極的に音を響かせているのと、ハリ音とかでは程度の違いが大きく、ベクトロンは水掻き効果も少ない曲面ボディーであり、全体的に大人しく仕上がってて嫌われる要素少なめ、でもそれなりに水押はブリブリと力強くアピール力はあるという良いあんばいなので、長くノンラトルクランクの名作として幾多のブランドを乗り換えつつ売られ続けていたのだろうと思う。DB3の完全互換ではないけど、5XDとローテーション組ませるには良い感じの違いのあるルアーだと思っている。でもって、マジェンダ80がまた独特で、水掻きも水押しも弱いミノーっぽい細いボディーで動きも細かいバイブレーションみたいな大人しい動きでスルスル動く、でもそういう弱いミノーみたいな特徴の中で1点ラトルだけが派手にアピール度高い。アピール全振りでも、フィネス全振りでもない、なんか一点豪華主義な感じのルアーでこれが理屈はよく分からんけどなぜか良く釣れる。あれか、地味なメガネのオネェチャンがチチだけデカいとめちゃくちゃモテるってのと共通か?しらんけど。なんにせよ良く釣れるので、よく売れて流行に習ってリアルになった後継型とかも含め長く愛されてきたけど、ワシはクランクとして使ってるけど、昨今一般的な分類で言うスプーンビルミノーってもう流行らないのか廃盤になって久しい。でも雨貝氏も、結局古いバグリーや、なんならバルサ版のビッグOでも、今でも売ってるならバスプロ達も使うだろうってぐらいで、よく釣れるルアーが流行り物として消費されて「まだそんなルアー使ってるの」ってな言い方されるのはかんに障るようで、「名作は色あせない」って書いてたけどけだし名言である。


 で、流行っていうと、本書から20年から経った現在までのクランクベイトの流行というか趨勢を振り返って見てみると、まずは大きな動きとしてバルサ製クランクの動きををプラで再現するっていうのがあったようだ。そらいつまでも古いバグリーとか供給の途絶えたルアーに頼ってられんって話で、その嚆矢となったのがラッキークラフトUSA「RC」シリーズらしく、そのへんの開発苦労話は書籍になってるようだけど、一部釣り人社のサイトで読めてなかなか面白い。で、その大きな流れの中で、マグナム化やウルトラディープ攻略とかの枝葉もでてきて現在に至る。フラットサイドクランクは一時の流行は収まったけどそこそこ定着。あと小規模工房の作るバルサB風のクランクも一時流行ったようだ。という感じか。写真のクランクはまあ、そうなると欲しくなるよねって話で、RCシリーズの後継というか廉価版?のLCシリーズ「LC1.5」と「LC2.5」。確かに素人目にもバルサクランクみたいな良い動きしてる。とはいえ素人目には前回取り上げたパチモノクランクも良い動きに見えるけどな。マグナムサイズもUSAラッキークラフト製「SKTマグナム」とかデカいのに良く動いてやりそうな雰囲気ムンムンで思わず3つぐらい確保してある。いつの日か50グラムからのマグナムクランクが火を噴く日を夢見ている。ウルトラディープ攻略の恩恵はワシXDシリーズやデュエル「バレットクランク7+」とかで享受しているところ。ありがたいこってす。

 しっかしパチモノだらけは今に始まったことではないにせよ、洋の東西さえ関係なしだな。もう各社から出てるシャロークランクが樹脂製でスクエアビルの「RC」シリーズのそっくりさんだらけ。まあ、ビッグOがその設計の基本部分をパクられてアルファベット戦争が勃発した際に、百花繚乱のルアーを選ぶ楽しみが釣り人にもたらされたわけで、単純に悪いとは思わんけど、丸パクは論外として、結構な大手が後発で「うちはリップを基盤リップにしました」とかちょい独自性っぽい設定を加えて売り出してるのとか、コーモランがファッツオー丸パクで怒られたかなんかで、ヘルメットかぶらせたのと大差ないやんけと思ってしまう。昭和のパチモノメーカーと令和のメイドインジャパンとで一緒のことやっててどうするねんって正直思う。

 ということで、ルアー図鑑第94弾は、クランクベイトはどこから来てどこへ行くのか?あたりにせまってみました。バス専用だと思われてるふしがあるけど、釣れる要素と機能を備えたらできあがった形なので、見た目に惑わされずなんだって釣れると信じて投げてみてください。ワシもそうしてます。

2026年9月26日土曜日

ついでにコーモラン

  B級好きなら避けて通れない、キングオブMede in Japanパチモノなコーモラン。まあお世話になった世代で、思い入れもあるけど、そこまで蒐集欲をそそられない。なんでか分からんけど。でも、まとめて買うと送料お得感が出るという謎の動機や、そもそも一山いくらで売りに出てるのに混ざってきたりして、それなりに蔵に転がってる。まあ今回はそのあたりをいってみます。

 ま、コーモランといえば、ハズレ引くとまともに動かんってのがお約束で、この機会にコーモじゃないかもなパチもんも含め、試し投げの結果も含めご紹介していこうかなと思います。とりあえず第1弾。こんな感じ。

 全体的な感想としては、意外にみんなまともな動きというか、良い動きしてて、ガキの頃「横向いてまともに動かんやんけ!」と憤慨したのは、ラインアイをペンチで左右に曲げるいわゆる”トゥルーチューン””アイチューン”という調整方法を知らなかったからというのもあったのかもしれないと思わされた。コーモランに限らずだけど中古で手に入れた状態でまともに動かないチューニングが狂ってる個体が多いってことは、みんなちゃんと調整してないのでダメルアー認定で中古で売うっぱらってるんだという気もする。チューニングの仕方知ってると、逆にわざと斜めに泳がせて岸壁沿いに当てつつ引っ張るとかもできるってのもあるけど、まあまともに使うために必ず知っておいた方が良いと思う。ラパラの箱には昔チューンの方法書いてあったような気がするけど、ペンチで摘まんで泳ぎが曲がる方向と逆に曲げるだけである。

 で、まずはミノー系。一番上のは「スーパーコッド」という名前のミノーで、コーモランがパクりじゃなくてオリジナルなルアーを世に出し始めた頃のルアーのようで、頭出して縦浮き系でノタノタと緩く泳ぐ感じで、頭を突っ込ませてお辞儀とかのトップウォーターミノーイング用に作られているらしい。ネットとか見ているとアルミ貼りでもっと豪華なのもある。側面平面系なのでアルミ貼りだとギラッギラして確かに良さげ。2番目のはコーモラン版ロングAのジョイントタイプ「フォルテシモ」これは、あまり潜らず良い動きすると教えてもらってて見つけたときに確保したもので、これのジョイントじゃない「フォルテ」は「コーモランのロングA」と呼ばれて、ガキの頃仲間内では釣れるルアーと認識されていた。フォルテシモも実に良い動きでこれは釣れるという感じ。で3つめはスピードシャッドっぽい形に尻ビレがついている「ビブフラット」だと思う。コイツも本家に負けず劣らず良い動きしている。

 でお次がクランク系。一番上、人気のの「マルちゃん」シャロー巨人ヘルメット版はメットが邪魔で泳ぎ破綻するかと思ったら、意外に普通にちゃんと泳ぎます。問題なく魚釣れそう。まあ元ネタがファッツオーなら動いて当たり前かとも思うけど、元ネタ通りに動かないのがあるのがコーモランクオリティというのもあって、ちゃんと動くとお得な気分になる。中段右は「ベイビーバグ」で本家のストーム「バグプラグ」よりリップが立った形状だけど、良く水を噛んでブルブルと小気味よく泳ぐ。中段左の名前が分からんけどリップに刻印ありのレーベル「クロウフィッシュ」系もつぶらな可愛いお目目で元気にぶりぶり泳ぐ。ここまでまともすぎてつまらんぐらい。で、下段の2個はコーモかどうかも分からんパチモノで、さすがにまともに泳がないのではと”期待”したけど、右側の素朴なシャロークランクは普通に泳いだ。左のディープダイバーっぽいのが一番危なっかしくて、リップが大きすぎるのかフラットフィッシュを思わせるような、つんのめるような動きが混じって早引きするとひっくり返ったりする。でも使えないってほどじゃなさげ。案外この程度でも魚良く釣れそうには思う。

 で、もいっちょはトップとスプーンで、スプーンはオークラのコーモ版で「コデット」でいいのかな、これは本家の薄っぺらさを上手くパクってる感じでわりと良い動き。コーモのスプーンは北海道仕様のパチ「ドサンコ」が使えると人気らしい。今でも売ってるけどプレス用金型壊れて主力の重さが廃盤になるとか。ちなみにパラバンのバッハスペシャルが元ネタ。ベビトーっぽいのはパクられがちなのでコーモじゃないかもだけど、コーモなら「トップー●」とかの名前だと思う。まあこの形でやることは引っ張ったらペラが回れば十分で、そこはなんなくクリア。で、今回是非泳がせてみたかったのが、「バッカス」またの名を「TOP-4」というヘドンクレイジークローラーのパクりで、これ人によって「泳ぎ不如意」「羽いじっても何やっても泳がない」という意見と、「ちゃんと泳ぐ」「本家のオリジナルとタイニーの中間の大きさなのでローテに入れている」とかいう見解とに大きく分かれる。この形で泳がないってないだろうって思うけど、名前が酒の神バッカスだから酒飲んで泳いで溺死してるのか?とか謎だったけど、今回泳がしてきました結果、この個体はちゃんと”羽モノ”の動きで泳ぎます。泳がないっていう意見が散見されるのはなんでだろう?個体差か、あるいは動かない仕様だったのを後年変更したとかか?いずれにせよちゃんと泳ぐ個体もありま~す。ちなみにフローティングワームヘッドの「パクパク」は今回出してみたら表面塗装が溶けて、袋にべったりとくっついてしまってて泳がせることはかなわなかった。古いコーモランの塗装がベタベタに溶けてしまうのはたまに聞く。

 でお次が第2弾なんだけど、「ビッグO」タイプのシャロークランク達で、こいつらコーモランじゃないパチモノが多い。じつは白ベースにグリッターが振りかけてあるのは、コーモの箱に入ってネットオークションで売られてるのを見た記憶がありコーモラン製だと思ってたけど、違うブランド名のパッケージに入ってるのも散見され、どうにもコーモではない気がしている。っていうかこのあたりの、古いパチモノシャロークランクは複雑な事情が絡むようで、興味持って調べてる人も少なく、資料も現物箱入りぐらいしかない状態で、思わぬところに深い沼として存在していて足を踏み入れた人間を飲み込む。ワシっ、もうダメかもしれぬ・・・ブクブク。

 そもそもは、神奈川在住時に近所の黄色い中古釣具屋(ああっ懐かしい!)で件の白ベースグリッターのを手にしたところ、ノンラトルでかつリグも鉄板リグで興味を引かれるモノがあり、シーバスに投入目的で2個同じのがぶら下がってたのを買ったと記憶している。値段は300円ちょいの在庫処分価格だったけど、その値段にふさわしいショボい作りのクランクベイトである。買った当時は名前もないような国産パチモノだと思ってたけど、前述のようにコーモの箱に入って売られているのを見かけたので、コーモの一味なのかと納得してたんだけど、これが別のネット記事で「サンゴルアー」のパッケージに入ってるのもあると知り、コーモじゃなかったのか?と思ったんだけど、これそんな単純な話でもないようである。同じような鉄板リグのクランクを安くネットオークションで見つけて確保してみたら、今度はラトル入りでかつ塗装の感じもちょっと違う。で、色々と探ってみるとサンゴルアーの方は他にも鉄板リグのミノーとかもパッケージ入りで出てくるけど、プラグ以外にもパチモノ臭いルアーがこのブランドで出ていたようだ。会社は「TONOSAKI FISHING HOOK」というハリ屋のようで、フックを納入しているつきあいからか、どうもパチモノのルアー作ってるような会社から流れてきたブツを自社ブランドで売ってた気配がしてくる。そうなると製造元は別ブランドにもパチモノ作って流しててもおかしくなくて、 コーモランが自社パッケに入れて売ってても不思議じゃないし、コーモランが製造元っていう可能性も否定できない。こんなもんただでさえ40,50年昔の話で、まともに資料も証言も残ってるわきゃないので想像するしかない。

 しかし、もういっちょの青いラトル入り鉄板リグの方は、どうも香港シェイクスピアが作ってた「ビックSHAKER」シリーズのミディサイズの売れ残り在庫の横流しバッタものの可能性が出てきた。SHAKER(シェイカー)シリーズも時代によってリグが普通のエイト管だったりするけど、香港時代のは鉄板リグのもあったようで、本物?は腹にペイントで名前が書いてあるので、箱入りでなくても分かりやすいんだけど、これが、腹に名前の書いてあるモノが「KYOTO」というパチモノ感丸出しの製造元不明のブランドのブリスターパックに入った状態で出てくる。これなど、当時日本でシェイクスピアの企画やらもしつつ代理店してたのはコーッタックらしいけど、香港の製造元がコータックに収めなかった余り在庫をそのまま適当な日本語っぽいブランドロゴのパッケージに入れて売ったんだろうと見てとれる。面白いのは、同じ「KYOTO」のパッケージで同じような造りのクランクが、銘のない状態でも存在するところで、写真の小さめの方は銘がない。ついでにエイト管。でもネット画像で出てくる銘ありエイト管の個体と独特の出目の作りが同じに見える。そうなると正規に発注元に収めなかった余った在庫品のみならず、調子に乗って同じ型使って生産して無銘のままKYOTOブランド?で売ってたのではないだろうか?だとすると、製造元と企画販売元ブランドが異なっててって話で、製造元が正規に発注元に納めたモノ以外に流通させたバッタモノが出てくるのはある意味当たり前で、香港だろうが中国だろうか韓国だろうが、もちろん日本だろうが、こういう適当にパクったパチモノなのか正規品の横流し的バッタものなのかわからんのはいくらでもあって、今更パソコン椅子探偵が頑張ったところで「真実は一つ」とは特定し得ないし、真実が一つとも限らないのではないだろうか。ワシも若い頃、スピードスティックの銘を入れる前のダイコーからの横流しバッタモンという竿を愛用していた。クランクベイトではザウルスが「ジャララ」の名前で売ってた体側に溝が入るブランクスが、あちこち出回っていろんなブランド名で出てるのも、わりとB級好きには有名な話かと思う。鉄板リグとか目立つ特徴があったので今回ある程度推理しようとは試みたけど、そもそもビッグOっぽいパチモノクランクで普通のエイト管リグのなんて推理のとっかかりもないぐらいありふれているだろう。

 で、昔のは分からんでも今のパチモノなら追えるかというと、製造元が東南アジアの新興工業国あちこちに広がって、かつ製造(コピー)技術も上がっているので、やっぱりわけの分からん出所不明のパチモンが出てくる。写真のブツも側面の溝からバンディット「200」かなと思って安かったので手を出したけど、バンディットにこの歩脚まで書いたザリガニカラーはないようだ。このザリガニのプリントカラーはボーマーにはある。でもボーマーにこの形のルアーがない。ネットの海に潜って調べていると、ブランド名もクソもない、紙に英語ワープロ書きの「CRANK BAITーDeep Daiver」 サイズ2、カラークローダットとかプリントアウトされたシールが貼られたブリスターパックで、同じモノが売られているのを見つけた。見つけたけど情報少なすぎてどこのどなたが作ってるのかさっぱり分からん。

 というなかで、実際にルアーを投げてみて思ったのは、ビッグOタイプのパチモノはだいたい良い動きをするなということで、当時は飛距離がどうとかあまりいわんかったので、オモリも入ってるか疑わしい限りの軽い作りで、ポカンと浮いてキビキビと泳ぐ。クランクベイトのあの形は、太いボディーで浮力を確保し、水をたくさん押して動かしつつブリブリと泳ぐという機能のために、開祖フレッド・ヤング氏が設計したもので、パクりは褒められたモノではないけど、パクってもそれなりにその設計した意図のとおりに機能するというのはヤング氏偉いッ!ってことなんだろう。思わずもっと欲しくなってビッグOパチモノを意味もなく買ってしまった。ついでに見つけたオリム「ビックI」?とウィーRパチで鉄板リグの「DAE YANG 」にもマウスが滑った。こいつらもパチモノそのものだけどDAE YANGは妙にできが良い。けどちゃんとリップに名前が書いてあるのは偉い。ビックIとか名前どこにも書いてないので他のパチモノと区別するのが難しい。ケツがヒートンであとはカラーがそれっぽいとネットで見比べて見分けてみたけど正直自信がない。同じようなパチモン他にもあっただろうし、同じモノが別の名前で出ていてもおかしくない昭和の混沌。あとクロームカラーのもノーマン「リトルN」かもだけどノーマンは銘を入れないのでパチに紛れると分からんくなる。そいつを含め上から2段目は全部エイト管モノでそれぞれ目の処理が違うので製造元は少なくとも違うっぽい。にしても、古くて安っぽいパチモノには意外に鉄板リグが多いのは真鍮の板を打ち抜いて穴開けるだけの鉄板リグの方が、ステン硬線を曲げて作るエイト管より安く上がるとか理由があるのだろうか?実は上の写真の真ん中の段の同じパーチ柄の鉄板リグモノ2つ、片方だけラトルが入ってる。もう、わっけわからんな。なんにせよ買いすぎで、アタイ病気が憎いッ!思わずシャロークランク以外の鉄板リグモノにも誤爆している。ついでにパチモノ界隈では大御所の一角ザ・プロデューサーズものもなぜか蔵にあった。一瞬ピーナッツⅡDRに見えるけど表面の鱗模様が独特だし銘がちゃんとある。堂々としたものである。パチモノではないけどダイビングクランク繋がりで誤爆したバークレー「フレンジー」はなにげに新型。金型新しくするぐらい売れたということだろうけど、エエんかアメ人的にはあれで?パチモノ軍団と並べても何ら遜色のない胡散臭さはなかなかのものである。

 今時の”良すぎる”パチモノは正直ワシ使いたくないとこれまでも書いてきた。苦労して開発したり、釣り方さえ提言して売れるところまで育てたルアーを安易に丸パクされて、その市場を食われてしまうとすれば、まともに開発、開拓するのが馬鹿臭くなって、先駆的なルアーメーカーがいなくなりかねない。ただ、40年から昔のショボいデキのパチモンルアーに関しては、笑って許して味わうのも一興かなと思ったところ。

 ちょっとコーモ以外のルアーに話が逸れたけど、コーモランも既に昔のパチものだけのメーカーではなく、いまだと「VIVA」ブランドや、ちょいまえの「プライアル」ブランドでオリジナルの自社製品を世に出すようになっている。とはいえまだ、ヘドン「ソナー」をパクったロングセラー「コーモソナー」も2代目になってしっぽの方がちょっとかっこつけてあるようになって健在だったりする。ソナーって音波探査機の類いの一般名詞でもあるけど、ルアーの世界では当然ヘドンのそれで、それをルアーも丸パクしたうえで、バス釣り少年がフォルテを「コーモランのロングA」と呼んでたのと同じようにコーモラン公式が堂々と「コーモソナー」と命名していたその度胸はちょっと笑える。現在オリジナルな製品が多く、わし次の冬用にコーモラン製の魚バサミなんてのも用意したところだけど、パチモノの王者としての仕事もまた忘れていないようだ。ビックバドのサイズ違いとかも出してるはず。しかも良いできだと高評価。まあ、パチモノは褒められたことではないけど、コーモランなら仕方ないと思わされるぐらいに歴史と伝統のあるお家芸ではあると思う。フロッグの世界では、ほぼスナッグプルーフに端を発する上向きダブルフックの中空タイプが席巻し標準仕様となってしまった中で、脈々といにしえの上向き1本フック”ガルシア”方式を「かへるくん」の昔から、現代の「愛アマカエル」で今に伝えてるのとか、なかなかに味わい深いモノがある。

 ということで、 ルアー図鑑うすしお味第93弾は愛すべき”キング・オブ・パチルアー”コーモランと、よく分からんパチモノクランクあたりでいってみました。ちなみにコーモランって鵜のことだけど、知ってました?

2026年9月12日土曜日

謎ミノー なんじゃこりゃ?詳細希望!

  まあリールや竿も買えばルアーも買うよねってことで、ルアー図鑑うすしお味第92弾はよくわからんミノーでいってみます。

 ミノーも格好いいのが色々あって、ボーマー「ロングA17A」とかフルーガー「マスタング」とかとか、まあそういうのも好きなわけで過去とりあげてきたけど、格好良さとは離れていくかもだけど、変なミノーもこれまた好物なわけで、安い値段で出てるのをネットで見つけると思わずマウスが滑ってしまう。アタイ病気がにくいッ!

 ということで、ちょっと変なのが蔵にたまってきたのでご紹介したい。

上ハードコアミノー210F、下タイドミノースリム200
 まずは軽くジャブから、デュエル「ハードコアミノー210F」は、とにかく長い。海外のマスキー用とか海用なら21cmの長さも珍しくはないのだけど、その場合長さもあるけど太さも出てくるので、道具からして大物対応のものが必要になってくる。だけど、このミノーが出てきた背景には、シーバス狙いでのコノシロパターンやボラパターンはじめ、長いミノーのアピール力が欲しいという場面に対応したってのがあって、長くて細いミノーの世界はDUO「タイドミノースリム」が開拓した分野で、最初120と140がメインだったのが、「長い方が釣れる」という要望に応えて175と200が追加されていった。その時に、ベイトタックルとか特殊な道具立てではなく、多少強めのシーバスタックルで投げられるってのが売りで、そうなると当然長細いミノーに仕上がる。大手メーカー含め長いシーバスミノーというのは1つのジャンルを形成するに至り、なかでもデュエルは後出しジャンケンで210mmのを突っ込んできて、東京湾でシーバス釣ってた当時、「タイドスリムミノー200」は購入済みで、かつデカい餌食っててもルアーのアピール力は強いので、よっぽどのことがなければ145mmで食ってくるってのも感じるところだったので、210mmと言われても食指が動かなかったけど、塗装はげちょろげで700円とかでネットフリマに出てきたら、思わずマウスが滑ってクリック。そのうち暇をみて、黄色に塗り直すなりして青物でも狙ってぶん投げてみたいところ。

 お次が光りモノ。まあ黒蝶貝とかで作った釣り針を使ってた石器時代のご先祖様の大昔から光が魚の興味を引くというのは注目されてきたわけで、各種科学技術が発達した現代においては、反射光や蓄光を利用するだけでなく、自ら発光する仕組みをそなえたルアーも色々と作られてきた、単純明快なのは写真下のヨーヅリ「アークミノー」のように”おなかにポケット”等ケミホタルを装着することができるタイプで、最近ではアーボガスト「ジッターバグ」にケミ搭載用の金具が付いてるモデルがあったりするようだ。ワシそんなの売ってなかった時代に、クリアカラーのジタバグに穴開けてケミを入れる筒を仕込んで光るジッターバグ作ったりしてた。光るジタバグは思いっきりナマズに嫌われることがあって、普通に黒か黄、白あたりの色が無難だと思っている。で、光らせるなら当然電気浮き方式で電池で光らせようという発想も出てくる。我が国では、ナショナル→パナソニックと大手電機メーカーが”光るルアー”の伝統を引き継いでいる。ナショナル時代のは目が光ったようだけど、00年代に作られた”平成最新版”のものは、頭が全体的に光って、かつバイブレーションとポッパーも展開していて、意欲的な怪作となっている。ただ、傑作ではあっても名作ではないようで、あんまりこれで釣れたっていう評判は聞いたことがない。蓄光のジグあたりでも、嫌われるときは思いっきり嫌われて警戒されるので、とある船長さんは周りに迷惑かけるから使わないでくれとまで言ってた。でもグローカラーのジグも釣れるときは蓄光が効いてるかどうかは別として良く釣れたけどな。自ら光って魚を誘うってのはハマりどころがありそうな気がするけど、それがいつどこで何を対象になのかはよく分からん。なのでワシが使うことは想定されない。けど、けっこうネットの中古市場には弾数多くて、送料割安感を出すのになんかついでに買っておくかと、200円のレッドヘッドに手が出てしまった。電池は電気浮子用のがあるので光らせてアークミノーと共に写真撮ってネタにしようと思ったら、配達されてきた個体はジャンク個体で発光せず。200円の動作未確認品だし文句も言えんけど、結局送料込み600円のイワシカラーのをおかわりしてしまった。いつかこいつらの光が、捕食者共のやる気スイッチを押しまくることがあるのだろうか?ちなみにアークミノーが光るところを撮影するためにケミを一本消費したわけではない。ケミって冷凍庫で保管するとポキッとして光り始めた後でも反応を止めて保管しておける。半年ぐらいは問題ない。釣り終わったらその場に捨ててくとかもってのほかなので持ち帰って冷凍庫保管して何度も使って欲しい。

 話横道にそれるけど、久しぶりに蔵から出した、ケミ装着改造ジッターバグ、実に良くできている。ケミが突っ込める筒を本体横っ腹に貫通させているんだけど、片方の端に少し径の小さい筒をハメて接着している。ケミを突っ込んで小さい筒に当たって止まるまでしっかり押し込んで使って、ケミを外すときには小さい筒に千枚通しかなんかを突っ込んで押し出すことができるようになっている。ワシ、若い頃からこの手の細工物は得意だったんだなと思いましたとさ。ナマズ釣れなかったけどな。釣れなくてもいろんなこと試していくのが大事。10のアイデアのうち一つでも上手くいったら儲けものである。アークミノーのケミ突っ込むところは単なる窪みだけで、適当に出っ張らせてチューブで突っ張り棒みたいにしてやらないと装着できない落っこちそうな仕様より安全確実と自負している。

 で、お次が顔のない「BETEミノー」ニールズマスター時代だろうと思うけど、ひょっとしたらBETEがニールズマスターに吸収されるときに持ってた塗装途中の在庫が流れたバッタもんかも。単に塗装はげただけか?っていうBETE社なんだけど、ダイワの「チヌーク」やらのネタ元の一つだと思う「ヤムトランド」とかのスプーンが有名で、スプーン好きにはおなじみのブランドだけど、スプーンマニアの方々の情報を見ていると、BETE社はTYSK社に買収されたかなんだかで、ブランド名が変わって、BETEのスプーンのパッケージに「TYSK」のシール貼って売られていた時代もあったようだ。となると、その後だと時代的には考えられるニールズマスターへの吸収のさいにはブランドはTYSKだったと考えるのが自然だけど、なぜかBETEとなっている矛盾。ニールズマスターの公式サイトにもBETEブランドで今でもヤムトランドやウトーといった伝統的なスプーンがラインナップされている。TYSKブランドあんまり浸透してなかったので、なじみのあるBETEブランドをニールズマスターが復活させたとかだろうか?真相ご存じのかたはタレ込みお願いします。

 で、もいっちょフィンランドものが、「フィンランディアミノーウォブラー」といういわゆるスターホイルのクラッシックなミノー、リップには「Original Finlandia uistin wobbler」と明記されていて、おなかにはメイドインフィンランドの赤文字が誇らしげに記されている。”uistin”はフィンランド語でルアーの意味のようで、フィンランド産ルアーのパッケージとかでちょくちょく見かける単語だと思う。これ、売り主さんはニールズマスターのフィンランディアの初期版と考えてたようだけど、ちょっとそのあたりが怪しく確証が持てない。ニールズマスターの初期のルアーには七種類あってその1つがハーカーみたいな平べったい系の「コンカラー」でスターホイルが貼られている。ってのがDab氏の”B列伝”で紹介されていたと思うけど、残りの六種がなんだったのか、そのうちの一つがコレなのか?ただ、コンカラーにはすでにリップに”NILS MASTER”の銘が見える。
 気になって探したらリップに”NILS MASTER”の刻印ありのスターホイルなフィンランディアも見つけてヌルッとマウスを滑らせて入手できてしまって、なおさらニールズマスター製なのかどうかこんがらがってきた。いずれにせよ60年代ぐらいの、ラパラに触発されたというかパクったフィンランド製ルアーなのは間違いない。詳細ご存じの方がおられたらこれもタレ込みよろしくお願いします。って、引き続き調べてみると、丁寧に年代とブツを追った推理でニールズマスター社の前身の製造であるとしている方がおられました。ラパラの真似してこの形式のミノー作ってた会社は、知的財産権とかも適当だった当時はフィンランド国内に複数あったとか。そういうラパラの真似で始まったけど、1963年あの独特の感性を爆発させて7つのルアーをひっさげてニールズマスターという個性的なルアーメーカーになったということなのかな?なかなか説得力のある説。ちなみに最初のニールズマスターの七種類はスピアヘッド 8 cm、インビンシブル 8 cm、ウォリアー 8 cm、コンカラー 7 cm、デストロイヤー 5 cm、プレデター 5 cm、スタルワート 8 cmだったそうな(あれっフィンランディアがない?)。
上と右がニールズマスター製
 入手したニールズマスター製スターホイルなフィンランディア?を見ていくと、リップはニールズマスター刻印ありの丸い形状のに変わっている。腹に赤字のMaid in Finlandもない。ただその他は多少体高が高いかなというのはバルサ製なので個体差かなという感じで違いが見あたらない。特にフロントフックのアイの形状がちょっと尖ってるのとか癖が一致するのは同一の製造元であることを想起させる。細かいところでもう一点スターホイルの鱗パターンが、星の間隔といい、星の中にも点が入ってることといい、同一の”鱗ローラー”が使われてるように思える。アルミホイルに鱗描くのは鉄筆使って定規で線引く方法と金属製のローラーを転がす方法が代表的だけど、今回のもそうだけどラパラのような細かい鱗模様は後者で、金属製の円筒に模様が切ってあるのを、ローラー刷毛のような治具にハメるか直接かいずれにせよ押しつけて転がして鱗模様にする(スターホイルの場合星形のを押してから細かい鱗模様を押すのかも?)。オルファのアートナイフのグリップ部分とかいつも「アルミ箔に細かい鱗描けそうだな」って思いながら使ってる。同じ”鱗ローラー”を違う製造元が使ってたとも考えにくいので、製造元同じって可能性が高いかとパソコン椅子探偵としても推理するところ。真相を知る方がいたらご教授願います。なんにせよラパラのスターホイルものとか復刻版以外だと手が出ないぐらいにお高いけど、ニールズマスター製始め、ラパラは周辺のものも含めて面白くて案外ラパラ以外が狙い目かもと思ったりして。じつはニールズマスターの初期のものはリップに、刻印ではなく社名が”けがいて”あったとかで、刻印リップものはその後の時代のもののようなので、引き続きなんかそのへんも狙ってみたい。

 そして最後が、ある意味今回の本命ネタ。なんじゃコリャ?ってブツ。たぶんボディーの意味深なくびれは、スカートとかなにかを装着するためのものと見て取れる。頭切ったタコベイトとかなら問題なく装着可能だろう。ただ、単にスカートを装着するだけなら、くびれが一カ所あればいいだけで、こんなしっぽの方まで何かに突っ込んでカチッとはめるような構造が必要とは思えない。ボウガンみたいな射出装置にカチッとはめて、バシュッと撃ち出すんじゃないかという感じの形状に見える。ただその場合後ろのフックが思いっきり邪魔なので現実的ではないか?だとすればこのミノーはなんなのか?色違いのパーツを左右からパチッとはめたりするとかか?まったくわからんので、こういう珍品は”B列伝”かえぐり氏チャーリーさんのサイトを見ればでてくるだろうと、調べてみたけど出てこない。出てこないけど、さんざん悩まされた「トップ45Ⅱ」とかB列伝でしっかり紹介されてたりして、知ってる人は知ってるものだと感心した。いろいろ調べてみたけど、結局答にはたどり着けず。ただ、ルアーをバシュッと撃ち出すっていう装置は今も昔もあるようで、カタパルト方式からボウ&アロー方式、変わったところでスパイダーマン方式まで各種あるようだけど、どれ一つとして「竿とリールで投げとけ!」というツッコミから逃れられるモノではないと思う。ちょっといけそうなのが、まあ三平君の”デカバルト”の昔から、ドローンでルアーを運ぶっていう発想はあって、ドローンはありかもで、ドローン撮影と組み合わせたら面白いかもしれない。魚群の探索とかに使ってる人は既に居る。まあ、便利な分めんどくせぇけどな。などと暇はつぶれたのであった。にしてもこのミノーがいったい何なのか、分かる方、探し求めてたという熱烈なマニアの方、ご連絡お待ちしております。

 ということで、謎めいた?ミノー達を紹介してみたんだけど、なぜ我々は(ワシだけか)こうも謎にロマンを感じてしまうのだろうか?分かってしまえばしょうもない話だったとしても、分からないこと自体にあらがえない魅力があるように思ってて”私気になります”っていう気持ちが抑えきれない。好奇心はネコを殺すらしいけど、我が家では好奇心が老後資金を削っております。ホドホドにせなあかんね。かまうもんか、ブレーキなしでアクセル全開だぜ!(by JF)

2026年8月1日土曜日

阿波踊りするコメットさん

 大学時代の友人アユ君がコメット使いだったので、自分がコメットを使うことはないだろうと考えていた。リールが仲間内でかぶるのは避けたいところだし、その人とリールの関係に敬意を払っておきたい。ワシが大森好きになった最初のきっかけはアユ君が大森製作所をコメットを激褒めしていた影響で、「マイコン302TB」続いて「キャリアーNo.1」と購入。確かに使いやすくて消耗品だったベールスプリングが折れる以外に不具合が生じない丈夫さもあってすっかり魅了されていったのであった。今でも大森製作所のリールのデキの良さは何ら価値を失ってない、どころか重くて作動が不確実で濡れると困る瞬間的逆転防止機構をはじめとした蛇足を付けすぎてムカデみたいな歪な姿になってる今時の最新のスピニングリールより、スプールエッジの形状の”緩さ”とかの欠点はあるけど、基本性能のしっかりした無駄の少ない設計の”実用機”としての魅力は、ますます輝きを増しているように感じる。ワシ欠点はれいによってアレして解消する改善方法を考案・実践済みでありどうとでもなる。

 というわけで、「コメットG1」である。コメット使うことはないんと違うんかい?って自分でも思うけど、冒頭写真のように脚を短く改造した個体が安くネットオークションに出てきたので「コレって、逆転防止スイッチを切っておいてローターの下部を指で押さえて調整しながらラインを放出してやる逆転釣法用の改造だよね」と興味が湧いて、ものは試しと入札してみたらアッサリ落札。一時期5万円とか異常な値が付いてた人気機種が我が家にお越しあそばせになった。前々から、取っ払える機能を取っ払えるだけ取っ払って逆転釣法で使うためのインスプールの改造用素体をさがしていたので、現状でスプールに指が届きやすいように脚が詰めてあるならちょうど良いおあつらえ向きの個体だ、とこいつをいじってみることとした。常々書いているけど、トラブルにならないようにスプールエッジにひさしがついてたり、ふけたラインを巻き込まないように”しごく機構”がついてたりといったまともにスピニングを使えないヘタクソ向けな機能や、重くて複雑で動作が不確実で濡れたら困る瞬間的逆転防止機構や、意味不明に多いベアリングとかの、実超能力にあまり関係のない空回ししたときの店頭性能とカタログ上のこけおどしでしかない無駄機能でゴテゴテに飾り付けられた、ガキが喜んで乗るような電飾ぴかっぴかの補助輪付き自転車みたいなクソリールはダサすぎると思っているので、その逆の必要最低限な単純な機能で、足りない機能はカリスマの腕で補って釣るようなスピニングリールをと考えていたのである。これまでに、ラインローラーのベアリングを樹脂製ブッシュに換装したり、ベールワイヤー取っ払ってベールレス機にしたりという改造は行ってきて、あと取っ払えるとすれば何だろうと考えて、逆転防止とドラグだなという結論に至った。もいっちょ取っ払うならスプール上下機構だけど、クローズドフェイスリールで体験した感触ではグシャッと巻かれすぎてラインの傷みが早い印象もあり、あった方が良いとの判断になった。今回のコメットG1の改造は、ベールレス機にして逆転防止機構を取っ払い、ドラグを殺して”逆転釣法仕様”でいきます。もちろんスプールエッジはアレします。

 ということで、方針は決まってるしスプールエッジの修正とラインローラーの作成ぐらいが生じる作業で、逆転防止機能はすでに別途「キャリアーss」にスイッチ移植してしまって無いし、ドラグは滑りの悪い赤いファイバーワッシャーをドラグパッドにしてギッチリ締めれば機能しなくなるだろうし、サクサクといくと思ってたら思わぬところで不都合が生じた。この脚の状態だとフットを中指と薬指の間に挟めんがな。写真上のようにローターが近すぎてベールアームが普通に巻いてるときにも人差し指にブチ当たって巻けん。これ、フットを人差し指と中指の間?に持ってくる握りを前提にしているようで、そうすると写真下のようにスプールエッジにも人差し指は届くので投げる時のフェザリングもできるし、当然ローターの下の方に指を当てて逆回転を制御するのも容易な位置になっている。そういうモノだと割り切ってこのリールを使うときだけ握り方を変えて使うというのも考えなくはなかったけど、なんか気持ち悪くてしっくりこない感じだったので、グリグルと巻いてある補修糸を引っぺがして、添え木あてるなりなんなりして脚を伸ばすこととした。握り方にこだわりはあまりない方で、基本のサムオントップじゃない軟式庭球握りで握ってたりするけど、リールの脚の位置はさすがに許容できない感じがした。”逆転釣法”特に徳島あたりの磯釣りで行われていた”阿波釣法”で使われていた実機で歴史的な価値もあるだろうけど、まあ使うとなれば仕方ない南無三という感じで、一回解体作業に入る。”阿波釣法”はその名の通り徳島の磯釣りで行われていた釣法で、浮子だの仕掛けだのも含めた釣り方の呼称だと思うけど、象徴的なのが、竿をノされたときにラインを瞬時にくれてやって立て直すために、脚を短くして指が届きやすくしたインスプールリールのローターに人差し指をあてて回転の制御をしつつ、逆転防止は切ってラインを出すという技術で、それ様にオリムピック「トゥルーテンパー727」や今回の「コメットG1」の脚を切って溶接したり、グルグル巻きで短くしたりという改造が行われ、「リールの脚を切って短くするといっても、普通の人はなかなかできんで。ほなけん、ようする人は注文を受けてやりよった。そうこうするうちに、足の短いインスプールリールがリョービから出てきた。グレキラーっていうやけど、よう売れたな」そしてS45年にスポーツライン500LB、1000LBが登場。「あっという間じゃ。皆がLBに変わった。そら見事やった」という流れだったと「磯釣りスペシャル」で阿波釣法の生き字引である高橋康生さんがインタビュー受けている。氏の阿波釣法に関するお話は「徳島釣りの輪」主催の「阿波の釣りの夕べ」という講演がYOUTUBEにあるので、ご興味ある人は観てください。紀州勢と阿波勢のしのぎの削りあい、技術の交流で釣法が伝播していく様とかなかなかに興味深いお話です。

 で、途中に白のラインを入れてあっておしゃれだったりする補修糸を引っぺがしていくと、なかなかに面白い細工がしてあって昔の人の創意工夫に感心する。
 単純に切った脚を束ねて太い補修糸でグルグル巻きにしてエポキシかなんかの樹脂で固めてあるだけではなくて、双方にドリルで穴開けて釘を突っ込んである。釘なので片方の頭がきっちりと引っかかって抜けないし、ネジのように出っ張ったりしないので、補強としてはかなり効いているように感じた。グルグル巻きだけでズレたりしないのか?と疑問には思ったけど、まあ逆転釣法でラインテンションを自由に抜けるからそんなにギリギリとリールの脚に力が掛かる使い方はしないんだろうなぐらいに思ってたけど、これならまずズレたりといった不具合は生じないだろう。溶接となると鉄工所にでも持っていかないとダメだろうけど、このぐらいならアルミに穴が開けられる程度のドリルが一本あれば加工可能である。今も昔も、釣り人はというかホモサピは自らの創意工夫と手の技術で道具を改良してきたんだなと、その末裔として感慨深いモノがあった。
 ということで、釘突っ込んでグルグル方式をまねさせてもらう。左上の写真のように、釘を刺す穴をもともとの本体根元寄りから先の方に開け直す。使わなくなった根元の穴にはステンレス硬線突っ込んで前後挟む形にして補強にする。隙間を適当に埋めて補修糸グルグル巻いてエポキシで固める。これで、だいぶ脚の高さは確保できて、中指と薬指で挟んでも問題なく使える。ただ最初補強に入れたステンレス硬線の分が脚の後方が出っ張ってとがってしまい、使用時に時間経過とともに薬指の腹の脚が当たっている面が痛くなってしまい、当たる面が平面になるよう形状を調整した。

 本体がなんとかなったので、内外細かいところをいじるところはいじっていく。
 左写真真ん中のように、ローター軸ギア上の逆転防止のための歯車はそのままつけたままにしたけど、逆転防止のスイッチ関連、つまみと銅製の逆転防止爪を上げ下げする部品は取っ払ってあるので、逆転防止の機能はそれで無しになっている。スイッチがなくなると填まってた穴が残るので樹脂板を適当に切って接着し蓋しておいた。ドラグは本格的にやりたければ、軸にあわせた俵型の穴とスプールに固定する出っ張りの両方をもつワッシャーを1枚入れれば完全だけど、まあ簡単にドラグパッドを大森標準装備の硬質フェルト製から滑りの悪い赤いセルロースファイバーワッシャーに換装しておいた。これでほぼガチッと回らなくなるぐらいまで締められるので、実質ドラグ機能をキャンセルできる。
 ベールアーム取っ払ってマニュアルピックアップ化するのは、れいによってポリアセタールのスリーブを切り削ってヤスリがけして成型。純正のベールワイヤーをぶった切る覚悟があれば、純正のラインローラーとか使ってでっち上げるのも簡単だけど、場合によってはベールワイヤーありの自動でベールが返るフルベール仕様に戻せるように、純正部品は原状回復可能な感じで温存した。ベール反転関連とかの使わない部品は別途保管。

 スプールエッジのアレは、アウトスプールだとスプールのスカートの径ぎりぎりまで大きくしても何ら問題なさげなので、いつもそうしているけど、インスプールの場合はあんまりスプール径を大きくすると、放出性が悪くなりそうで、色々悩んだ結果、元々のスプールのエッジの径を超えないことにして、それよりやや小さい径の輪っかをはめて、スプールの上下幅にあった糸巻き幅として、微妙にひさしの付いたぐらいの形状にしておいた。実に微妙な形状の変化で、こんなもんで効果あるのかなと疑りながら投げてみたけど、思いの外ライン放出が素直で投げるのが気持ちいい感じで、スプール上下幅にスプールの糸巻き幅をそろえて、スプール上部のエッジは平面スパッとを基本にするだけでラインの放出性に関する性能はかなり向上するというのが改めて感じられたところである。

 で、概ね覚悟完了なんだけど、実際にライン巻いていじってみると、ローターの下部って、だいぶ下の方にあるので、人差し指でローター下部を押さえようとしても、指を折れそうな角度に曲げないと無理。実際にはローターのベールアームとかにガンガン当たる位置にしか人差し指は来ない。これ、リールがもう少し大きければましかと思って、試しに大森「デラックススーパー777」とかで試してみるも、キャスト時スプールエッジに人差し指が届いて、その人差し指でローター下部を押さえてローターの回転を制御とか人の指の構造からして難しい様に感じた。しかたないので、今回ベールレス機にしてしまって、ベールアームは固定状態なので、ローターの回転から飛び出たベールアームが当たるから指が痛そうだけど、ローターの回転にベールアームを緩く包み込んでしまえば良かろう、と考えてローターの外周をぐるっと薄い樹脂板で囲って、要所要所ウレタン系接着剤で止めて、ベールワイヤー支持部でネジ止めした。まあ及第点という感じで、結局ベールアームの背中とかが指に一番良く当たる。実際に逆転釣法が必要な状況になって、走る魚に対してラインを繰り出してやるときにどこまでできるか?ちょっとやってみないと分からない。

 この時点で、ローターの下部を人差し指で押さえて回転を制御っていうのは、脚を人差し指と中指で挟まないといけないのかな、という気もしていて、それだとやや当初めざした”逆転釣法”の使い手として、”阿波釣法”版コメットG1を現代によみがえらせる、っていうのからは遠ざかる。写真みていただくと、1段は人差し指と中指の間に脚を挟んだ場合で、スプールエッジにもローターの下部にも人差し指は届く(スプールエッジには届くけどラインを拾うのはやや難儀する)。やや脚を伸ばした現在の状態でもそれは容易。で、下段の人差し指と薬指で脚を挟んだ場合、スプールエッジに人差し指が届くのは問題ないけど、ローター下部には人差し指届かず、ローター上部のベールアームとかがあるあたりしか触れない。それでも、日本製スピニングのドラグ暗黒時代には、魚が突っ走ってラインをくれてやるために、小指で逆転防止のスイッチ切って、アウトスプールのゴツいベールアームの付いたローターを指で制御して対応する技も存在したわけで、やってやれないわけじゃないけど、イマイチすっきりしない結果。まあこんなもんか?

 って悩んでたら、面白いブツを手に入れて、なかなかに示唆に富むリールで良い買い物だった。阿波釣法の歴史の中でも言及されていたリョービ「グレキラー」が入手できて、逆転防止が死んでるジャンクという触れ込みだったけど、単なる爪を押しつけるバネ周りの油ぎれで、動作品に復活。写真下段のようにスプールエッジに人差し指が届きつつ、ローターの真ん中、ちょっと頑張れば下部に指が届く。なんでかっていうと、写真左上を見てもらうと分かると思うけど、そうなるように脚の位置がだいぶ後方にある設計。脚が後方で長いままだとスプールエッジには人差し指が届かなくなるだろうけど、短足仕様でその点を回避している。なかなかにリョービの技術者は「どうやって使うのか?」という目的が分かってらっしゃる。ドラグじゃなくてローター逆転でラインの出し入れ調整して魚とのやりとりをするってのも分かってるから、このリールにドラグは装備されていない。潔い。本来、ライン始め道具や人の体が壊れないように、適切に機能しなければならないドラグが”締まれば良い”ぐらいににしか考えていない程度の低い輩どもに合わせた仕様で、ドラグが”抜けている”ような抜け作リールとは全然違う。
 レバーブレーキの登場で、その役目を短命で終えてしまったあだ花的な機種だけど、釣り人達の工夫、ローカルな釣りの現場から生じた改造が基になって商品となった、なかなかに歴史を感じさせる味わい深い1台であった。けど、普段使いするにはちとデカいのよね。370g強でコメットG1が220g強なのと比べると大きいし、350g級でもPENNみたいなミチッと詰まって重いのとちがって、脚を後ろに持ってきたのもあって、長くてバランス的にも既存の竿と合わせるのが難しそう。コメット今回の個体は逆転防止スイッチとっぱらってるから、そのあたりから後方に脚が生やせないかとかも検討したけど、ちょっと現時点でのワシの技術力では難しい。まあ、とりあえず現状の形で魚釣って”逆転”させてみるんだろうな。魚釣らないことにはなんとも評価できない。

 とりあえず、なんとか形になった、阿波釣法の流れを汲む”逆転釣法”仕様のコメットG1、せっかくなので道具としてもう一働きしてもらって、魚釣るのに「無駄な数のボールベアリング」も「逆転防止機構」も「反転するベール」も「ドラグ」もなくても、投げて巻く基本性能と多少の”腕”があれば、魚釣るのに困らないってのは証明してみたいところ。こうご期待。

2026年6月20日土曜日

へちま

  「お染二の字」、「白熊中金」、「八つ橋荒巻」、「黒三光」、「源氏車」、「八ッ橋赤底荒巻」、「新魁荒巻」、という新しい打順の鮎毛針浮き流し釣りの仕掛けをこしらえた。

 今期、我が鮎釣りポイントのアユの遡上具合は”小当たり”ぐらいで、まあ夕マズメに頑張って10匹ぐらいは釣れるかなというぐらいの、夕涼みにはちょうど良い塩梅である。

 てな話をしてたら、去シーズン当地で鮎毛針釣りも楽しまれたひじさんから、「閉店するっていってた古い釣具屋の閉店セールで入手した鮎毛針(デッドストックもの)をまだ送ってなかったので送ります。「へちま」と書いてあるのは、付属ハリスがナイロンでなく本テグスだそうです。天然のテグス蚕製!僕は初めて触りました。いつのだよwww おまけに同じ店で入手したこちらもデットストックの流し浮きも付けます。」と物資補給があった。ありがたいことである。特に鮎毛針はワシは自作するときフライフックの18番20番といった小さいハリにチマチマと巻いているので、ある程度巻き貯めた備蓄はあるけど、それだけだと心許ないので、ネットでそれこそデッドストックを投げ売りしてるようなのを探して、ちょくちょくと予備弾倉を補充していたので実にタイムリー。

 ということで、いつもはフライパターンとかを独自解釈で鮎毛針に落とし込んだ、「仇虫(アダムス由来)」、「水の女王(クィーンオブウォーターズ由来)」、「借苦(シャック由来)」とかいい加減な毛針で打線組んでるけど、今回は買いためてあったり、自作したりも含めて伝統的な鮎毛針で組んでみた。ひじさんにいただいたのは大阪の「カク久」というところのもの、購入済みのは加賀の「秀峰」謹製となっている。右端の2本はナマジ謹製。

 いただいた流し浮子はダンベル型にリリアン貫通のジタバグのように左右に揺れるタイプで、ひじさんが使ってみたところ、どうも仕掛けが絡むトラブル多い印象、ということだったので、まあそのへんは小物釣り師は絡む仕掛けにゃとりあえずパイプってなもんで、パイプ突っ込んでみた。リリアンのような柔らかい部分があると絡みやすい。逆に張りのあるパイプを使えば絡みにくくできるハズ。で、浮子の位置は前後に浮き止め入れてやれば好きなところにできる。場合によっては浮子上げ下げして、毛針を水面に叩きつけるようにして誘ったりもするので、浮子の位置は好みの位置に調整できるとベター。いつも使ってるのは写真の左端の棒状のタイプで、この単純な形状でも流れの抵抗を受けてジタバタとクロールするように揺れる。

 で、仕掛けはハリを結ぶメインライン部分は0.8号ナイロンで、上の方の道糸部分は視認性重視で、ピンクGTRの1.5号を使った。仕掛けの上部に流し浮子、最後の方にシモリ玉の浮子、浮子の間に毛針が6本、シモリ玉の後ろに1本で、毛針は枝ス方式で0.8号のメインのラインに8の字結びを作って、締めずに隙間を空けたままにして、下に向いてラインが突っ込む穴に枝スになる毛針の付いたハリスを突っ込んでメインのラインに電車結び。ハリスの長さは、長すぎると絡みやすいので適当に。長さ多少ランダムにして動きに差が出るようにしてる。絡みやすさはラインの種類によっても異なり、ホンテロンのようなエステル系は堅めで絡みにくく、ナイロンの方がしなやかで絡みやすいけど、気持ちしなやかな方が掛かりが良い気がするので、絡むと面倒な上の方のハリにはエステル系ハリスのを使って、後半の食わせたいハリにはナイロンとか一応変えている。今回いただいた毛針には”本物のテグス”が使われていて、パリッと堅めの感触だったけど、この乾いた状態だと弱いらしく、結ぶときにも濡らしてから結ぶようにとのことだった。たしかに濡らすとちょっとシットリとしてパリパリ感が薄れて結びやすい。で、どのぐらいの強度があるのかと、余ったハリスで引っ張って切ってみたら、普段使ってるナイロン0.4号とは比ぶべくもない弱さで、全体が伸びるのではなく、ガムとかみたいに切れるところに近いあたりがミョーンと伸びつつボツッと切れる。10センチやそこらのアユに切られるおそれはないと思うけど、尺ウグイちゃんとかだとちょっと心許ないぐらい。でも竿も4.5mで柔くてためが効くし案外なんとかなるかも。今時の0.4号ナイロンの強さが異常なのかもとも思う。

 という感じで、伝統的な鮎毛針をお題に1打線組むのを楽しんだんだけど、”へちま”と呼ばれた”本テグス”についても、ツーテンの虎ファンさんも交えいろいろメールでやりとりして、その歴史やら製法やらいろいろと興味深かった。その時のやりとりを、一部抜粋、改稿してのせてみると、

ナマジ:ありがとうございます。テグス蚕のテグスは私も触ったことないので、どんなのか触ってみたいですね。私の持ってる毛針で本テグス仕様を謳ってるのは、ホンテロンとかのエステル系のハリスでした。違うやんけ。絹もそうですけど、天然の繊維でも保存が良ければ長持ちするもんですね。

虎ファンさん:テグスという言葉自体久々に目にしましたが、こんな風に作られていたとは驚きです。知りませんでした。web.tuat.ac.jp/~kaiko/03/dissect/SilkenGut.html

 ナマジ:クスサンからテグス作るのは三平君もやってたので酢で固めるとか知識としては知ってました。繭を作る前の終令幼虫は独特のシワシワ感が出てくるそうで、秋田ではその状態を指す言葉として「ひきってくる」というらしいです。養蚕用語かな?(正解でした)あと、誰だったか忘れましたが、引っ張って伸ばす伸ばし方で太さを調節するんだけど、片方だけ細く伸ばしてテーパーつけてテーパーリーダーのようなモノも作れたとか書いてました。文明崩壊後してナイロンラインが手に入らなくなったら、クスノキ蹴っ飛ばしてクスサンの幼虫捕まえねばならんですね。

 虎ファンさん:三平がテグス作ってたっけ。覚えてないなあ。でも、面白いな。 ポテチやかっぱえびせんの袋が白黒になっている時代やし。

ナマジ:三平君じゃなかったかも?矢口高雄先生の子供の頃の想い出とかを綴ったエッセイかエッセイマンガだったようなおぼろげな記憶が蘇ってきました。と書いて、データ化して持ってるかもなと探してみたらありました。「釣りキチ三平の釣れづれの記」(「続・釣りキチ三平の釣れづれの記」もある)でした。イラスト付きのエッセイ集ですね。ちなみにクスサンじゃなくてヤママユガの幼虫つかってました。テーパーラインの話もこの本に出てました。

 虎ファンさん:その本、我が家にはなかった。クスサンに限らないのか。三平の話になると、秋田県の「横手市増田まんが美術館」に行ってみたくなる。

ひじさん:盛況ですね。テグスサンは中国にいるけど日本には分布せず、日本ではクスサンを使うんですね。テグスとクスでややこしいなあ。 ところで、テグスサン・テグス・・どっちが先なんだろう。テグス=漢字だと「手繰糸」で、これが取れるからテグスサンだと勝手に思ってましたけど、ウィキの説明は、「天蚕糸」で「ティエン・ツァン」が「テグス」に転じ、テグスサンから取るからテグスだと。「糸」は読まない漢字(有名なのは鹿児島の頴娃(えい)の「娃」)てことかな。 じゃあハリスやエダスは?釣り人用語なだけ? ますますわからなくなってきました。 

ナマジ:テグスの語源はネットで検索かけてみると、「天蚕子」中国語読みから説が優勢ですね。子が読まない漢字ではなくスーと読むのならティエン・ツァン・スーからテングス→テグスとなりそうな気もするし、ハリス、枝スのスも糸と同じ意味で使ってそうに思うのですが、ネットのお勉強ではそこまでたどり着けませんでした。推理としては悪くない気がしてますが。クスサンの繭はなんか雑なつくりでそんな穴だらけで大丈夫か?という代物ですが、ヤママユガの仲間のウスタビガの繭は拾ったときに緑色のオシャレな感じといい、パカッと上部の口が開いて成虫が出て行ったらしい良くできてる機能性といい感動して、子供の頃蛇の脱皮ガラとかと一緒に宝物箱に入れてました。ヤママユガの繭も薄緑の綺麗な色で後にヤママユガの繭から糸をとって布にするという雅な技術が存在すると知ったときも、あの美しい繭なら良い糸が採れそうだなと納得したモノです。今でも長野とかでは生産してるとか。https://oishii.iijan.or.jp/products/post-1880こちらも「天蚕子」と書くけど読み方はテンサンシだそうな。って考えると、テグスがとれる蛾からは繭から糸もとれたりする。逆に絹糸線がある大きな蛾の幼虫からは絹糸線引っ張り出して酢で処理してテグスが作れそう。お蚕さんでもできそうに思いますけどどうだろ?お蚕サン、韓国出張行ったときに、屋台でサナギの揚げたのが売ってるのを買って食べてる人が居たので(ひょっとしてひじサンだったか?)1つ2つ摘まんでみましたが、食べられなくはないけど、鼻から匂いが抜ける度に、「大ごい」の茶色のパッケージが頭に浮かんできて、美味しいというほどのモノではなかったように記憶してます。コイ様に食べていただくための餌を人間ごときが食べるのは分不相応なのかもです。

虎ファンさん: 嫁と長野旅行をした時に岡谷の天蚕博物館に行ったことがあります。「あゝ野麦峠」の世界の説明やトヨタだけでなく、日産までも自動織機を作っていたのかと感心したことよりも、ご自由にお食べ下さいとあって、反射的に口に放り込んだサナギの味と臭いの方が記憶に残っています。

ひじさん:なお、僕もまだ使ってませんが、本ヘチマは濡れてないと切れやすいらしいので、仕掛け作りの際は気をつけて。まあ大物釣る仕掛けじゃないからギュウギュウ結ばないとは思うけどね。

 ナマジ:毛針と浮子届きました。ありがとうございます。本ヘチマのテグス、触ってみましたが乾いてるとパリパリしてて確かに結びに弱そう。張りがあるのは絡みにくいので、そこはホンテロンハリスと似たような性格か?「お染」は単純で自分でも作りますが名作です。透け透けに荒く巻いてお尻にオレンジっていう色っぽいハリです。打線組むの楽しんでみます。

 って感じでした。

 その後、引き続きお勉強してたところ、なぜへちまという呼び方になったのかとか、詳しく紹介されているブログ「長良川と郡上竿の世界」にたどり着きたいへん勉強になりました。勝部直建著「テグス文化史」というのが参考資料として優れているようで、孫引きさせてもらうと「中国でテグスが作られ始めたのはいまから800年前の南宋時代であるという。その元となる虫は、中国南部産の楓蚕(フウサン)と呼ばれる蛾の幼虫で、テグス蛾、天蚕とも呼ばれた。」という古い歴史のあるもので、中国で作られたテグスが江戸時代に持ち込まれ、全国各地に行商人が卸して回ったとのこと。

 その後、「テグスの断面をまるく、太さを均一にするために輸入された”荒テグス”を磨く(金属板に開けた穴を通したりして削って整える)ようになり、明治の頃には各太さの磨きテグスが全国に流通するようになったとか。その中で輸入テグスにも産地により品質に差があり、ヘソ、アイス、ヘチマなどの名前をつけてランク分けされた。最初は中国湖西省産の最高級テグスがヘチマと呼ばれたが、終盤にはヘチマを名乗った様々な商品が出回った。」とのことで、ナイロンやエステルに取って代わられる直前のころには高級な本テグスに「ヘチマ」と名付けられていたようで、いわば”ヘチマ”は「高級テグスですよ」という宣伝文句のようなモノになっていたようだ。

 「国内では、1800年頃から信州で、ヤママユガやクスサンの幼虫からテグスが作られ始め、輸入のテグスが希少で高価であったため、全国各地にも生産が広まった」とのこと。やはり、ワシが想像したとおりお蚕さんからもテグスを作る試みはなされていたようだけど、とれる長さも質的にもイマイチだったようだ。

 輸入した荒テグスを、日本で加工した「磨きテグス」はその技術が高く評価され、戦前には世界中に流通したようで、淡路島が高級ブランド産地だったそうな。0.4号の細さにまで磨いた製品が流通していたようで、たしかに凄い技術だと思わされる。

 で、その蛾の絹糸線から作った”本テグス”がナイロンやらの合成樹脂に取って代わられていったという歴史だと思っていたけど、今回お勉強して、その間に「人造テグス」という絹糸を芯にゼラチンで固めたような製法で作られていたと知った。長尺のものが作れるのは良いけど、製造できる太さがやや太く水を吸って弱くなっていくのが欠点だったのが、水を吸ってふやけて弱くなっていく難点を克服したのが、いまも小もの釣りの「ブラックラーヂ」とかに名を残す最初の人造テグスの「ラーヂテグス」で、日中戦争、第2次世界大戦の時代に本テグスの供給も滞ってしまったなか、お茶やタマネギの皮で煮るなどして当時の釣り人は長持ちさせて人造テグスを使っていたそうな。という人造テグスがあって、その次にお馴染み東レからナイロンテグスが現れるまで、人造テグスは道糸用だったのでハリス用には”本テグス”が使用されていたのだろうと推定している。

 東レによるナイロンテグスは昭和20年前後、昭和17年にまず商品名アミランのナイロンラインを「東洋合成テグス」として販売開始。その後昭和22年に、ナイロンの透明化に成功し泣く子も黙る「銀鱗」ブランドの発売を開始している。その後輸入も含め他社製品も出てきて、ナイロンラインが本テグスに取って代わっていったのだろうと思われる。

 つまり本テグスが付いているいただいた毛針は、ナイロンテグスが発売される前か、発売されて過渡期に本テグスがなくなっていくまでの幾ばくかの間に作られたデッドストック品かもと推理できそう。昭和20年とかで80年前、その後過渡期が長かったとしても20年も本テグスの生産、流通が持ったと思えず、60年よりは前かなと推理してます。ワシより年寄りの毛針。長さの単位の書き方がセンチが漢字で”糎”なのも、古さを物語っている。

 と、ブログ「長良川と郡上竿の世界」の内容から引用、簡素化して、長々と他人のふんどしで書かせていただき、申し訳ないところだけど、あげられてる参考文献がなかなか手に入りそうにもないので、ご容赦願いたい。道具の歴史、発達の経緯って知ってると、なぜその道具が必要とされたのか?という根源に迫ることができ、自分にとって必要な道具を適切に選ぶためのベースとなる知識たり得るんだけど、なかなかそういうところにまで突っ込んでる情報って出てこないので、是非紹介したく書かせてもらいました。釣りで大事なのはハリと糸っていつも書いている釣り糸の歴史。

 その釣り糸の歴史の源泉には馬毛、絹糸を処理したモノ、麻縄など植物の繊維から得たモノもあるけど、透明なハリスの源泉としては糸を吐いて繭を作る蛾の絹糸線から作り出した”本テグス”があったということは、今日日強力な合成繊維が普通に使われているのと対比してなかなかに”遠くに来た”感じがすると同時に、小さな虫の作り出すテグスが透明な繊維が他になかった時代、魚釣りにおいて決定的な仕事をやってのけていただろうということに痛快さというか面白みを感じるところである。早速、アユ釣りに行ってみたけど今でも”ヘチマ”のハリスは小アユぐらい問題なく釣る実釣能力を備えていた。経てきた年月を思うと、なかなかにものもちが良く、絹にせよ、漆にせよ、鳥の羽根飾りにせよ、適切な保存状態における生物由来の素材の長持ちする性能には感心するところである。漆とか千年持つからね。

 って、本テグスについてお勉強してたら、「絹糸からケブラーに匹敵する繊維素材」カイコの糸を摂氏125〜215度、1900〜9800気圧で加工すると、絹本来の結晶構造を保ったまま繊維同士が融合し、透明で緻密な固体素材が生まれる。強度は防弾チョッキに使われるケブラーに匹敵し、弾道試験では炭素繊維強化ポリマー(CFRP)とほぼ同等の耐貫通性を示した。っていう報告なんかもネットニュースになってて、生物由来の素材の有用性、発展性ってまだまだあるんだなと思ったりもして、そういう色んなことを考えながら、本テグスで釣りすると、釣果がUPするとか下品な話ではないにせよ、釣りがちょっと楽しくなって、自分が今やってる釣りが、どういう歴史の流れの中で培われてきた道具や技術を用いているのか?自分の釣り師としての立ち位置が意識できたりして趣深いモノがあったりします。

 とにかく強くて切れない糸を使っておけば良いっていうのは、適切に切れないと危なっかしかったりするという実害もありつつ、思考停止で適材適所を踏まえられていないことも多く、時に強くもなく切れもする、でも必要十分な面白い道具を使っておくってのは、楽しみの面で利する面が大きいのかなと思っちょります。

2026年5月16日土曜日

さがし物はなんですか

 上の二本のインビンシブルが26センチとデカすぎて縮尺狂ってしまってるけど、この二本は首都圏に住んでたときにサ○スイで売ってるのを目にしていたけど、5千円以上してたので、使いどころないし欲しいけど買わなかったのを、ニールズマスターで検索掛けてて出てきたので、思わず手が出てしまった。探してたっていうのとはちょっと違うかもで、下半分のショボいルアー達が今回の主役です。ということで、ルアー図鑑うすしお味87弾はニールズマスターとベーテの関係と、ヨーズリ「トップ90」あたりでいってみます。とりあえずあれだ、一回欲しいと思ってしまったものは結局買うことになりがちなので、四の五の言わずに欲しければ買っておけってのがデカブツ手に入れての教訓かな。良い子は真似しないように。マニア達は後に続け。

 で、まずはニールズマスターで検索掛けて探していたブツの一つがこの箱入りの「ベーテミノー」である。箱にはフィンランディアと記載されているけど、中に入っているミノーは、コータックが輸入元だったことろのフィンランディアと同じように見えるけど、リップに「BETE」をかたどったロゴマークがある。ニールズマスターで検索掛けてたのは、実弾としての「インビンシブルDR8」の補充とかのためもあったけど、読者さんからの問い合わせで、どうもベーテミノーと呼ばれるフィンランディアのような形のミノーが存在するというのを知って、BETEで検索もしつつ、ニールズマスターで出てくる可能性も高いだろうと張っていて、予想どおりに出てきたので、ちょいお値段高目だったけど欲しいので購入。以前にも書いたけど、もともとニールズマスターのフィンランディアは、ラパラのオリジナルフローティングみたいな、標準的な形状のフローティングミノーだった。それが、なんで「スタルワート」っていう下あごキール形状が共通のミノーがあるのに、下あごにキールを出っ張らせたのか?不思議に思っていた。ちなみにスタルワートの下あごにはオモリが仕込まれているようで、その重量で頭を下にして逆立ち浮きする個性的なミノーである。

黒金がベーテミノー、赤金がフィンランディア
 フィンランディアの下あごキールの謎が、どうもベーテミノーとの関係から見えてくるように思う。BETEというスウェーデンのルアーメーカーはバスマンとかよりはトラウトフィッシャーのほうが馴染みがあるだろう。北欧らしくスプーンが有名なメーカーで「ヤムトランド」「ウトー」あたりが代表的なルアーだと思う。で、そのロゴマークがリップに入ったフィンランディアそっくりなミノーがあると知って、たしかニールズマスターの公式WEBサイトみたときに、BETEのスプーンとかニールズマスター扱いで売ってたよなと思いだして確認してみると、昔からのスプーンが何種類かと、実に魅力的な魚ボディーのスピナー「ロト」がBETEブランドで作られている。「ベテは、スウェーデンのティスクリンド家で誕生しました。ティスクリンド家は、代々釣りの伝統を受け継いできた家系です。」「今日でも、フィンランドで製造されるベーテのスプーンは、伝統的な道具と厳選された素材(銅、真鍮、洋白)を用いて作られています。」とのこと。フィンランドの名門ラパラは米国企業っぽくなってストームやらブルーフォックスやらルーハージェンセンやら統合してるけど、地元密着企業と思ってたニールズマスターもお隣スウェーデンの金物ルアーメーカーを吸収していたようである(ワシの記憶が正しければ「フィンマグ」のヘイモ社も吸収してたかも)。で、おそらくベーテミノーはニールズマスターに吸収される直前までベーテ社から出てたのを、吸収したときに在庫してた分を、「フィンランディア」ってことで売っちまえってニールズマスター社の箱に詰めて売ったのでは?というのが、1つめの推理。その場合、型とかを引き継いでリップだけ形状変えて後に「フィンランディア」として我々に馴染みのあるコータック扱いのものになったのだと考えられる。ただ、その場合に問題になるのが、今回手に入れたフィンランディアの箱に入ってるベーテミノー、名前はまあ「フィンランディアなんです!」って言ったモン勝ちで問題ないにしても、キッチリ”メイドインフィンランド”って箱書きがあるのは、スウェーデンで作ってたとしたらまずい気がする。で2つめの推理が、ベーテミノーはもともとBETE社が木製ミノーの製作はお手のもの、キールの出っ張った複雑な形状でもドンとこいのニールズマスター社に発注掛けて作らせていたOEM(相手先ブランド名製造)品だったのではないか?というもので、その場合ニールズマスター社はベーテミノー作りつつ、リップ変えて自社版としてフィンランディアも売ってたってのもありそうな気がする。いずれにせよ金物得意なルアーメーカーがいきなり自社で木製ミノー作るかっていうとハードル高いと思うので、ニールズマスター社によるOEMっていうのはありそうな話ではないだろうか。なんにせよニールズマスターの「フィンランディア」ということで箱に入れて売られていたベーテミノーが存在するっていうのは、そのへんを推理するのに大きなヒントになるもので、ちょっと張り込んで買った甲斐があったというモノである。元々がBETE社のミノーとして産まれたので、ニールズマスター社のスタルワートとのキャラかぶりは気にしなくて良かったんだろう。逆にラパラやニールズマスターがあるのにあとから木製ミノーを出そうと思ったら多少キャラ付けしなきゃならず「下あごでもだしておくか」という特徴をもたせたんではないだろうか?そのへんフィンランド本国のニールズマスター沼の住人とかのネットへの書き込みとか検索したら分かるのだろうか?自動翻訳がある程度使える水準になってきてるので暇があったら調べてみたいところ。

 で、もういっちょのヨーズリ「TOP90」。これは我が国のルアーだから我が国のヨーヅリ沼の住人であるワシがある程度語れなければウソで、っていうかDab氏が”B列伝”で紹介済みで、今さらワシが書くこともないって話かもで、同期の「トップ45」が頭を下にして尻の方にラインを結ぶという、”変態ルアーメーカーヨーズリ”の実力を遺憾なく発揮している異端ぶりなのに対して、トップ90は普通の立て浮子系ペンシルで実に地味。地味すぎてあんまり人気がなくてなかなか中古市場に出てこないのはDab氏もご指摘のとおり。なんだけど、名称不明かなんかで引っかかってきたのを目ざとく見つけてゲットしておきました。上の写真の上のブツがそれです。で、その下の写真のが以前紹介した謎のヨーズリ製ペンシルで、立て浮き系で顎のところにラインアイがあるという特異な設計なんだけど、たまたま今回入手したトップ90と同じアユカラーで、色の処理や鱗やヒレの描き方のクセがまったく一緒で、ラインアイの位置が違うので顔は若干違うけどヨーヅリ製なのは間違いないという思いを強めたところ。でも、コイツの名前は分からん。っていうなかで、この謎ペンシルと形状一緒でラインアイが尻にあるフックの付け方をした写真一番下のブツが出てきて、やっぱりこの形状でその上に写ってるトップ45と同様に頭を下にして浮くペンシルがあったというか、トップ45のサイズ違い大きい版があったのかなと入手してみたら、コイツも普通に頭を上にして浮きやがって、謎ペンシルの色違いでしかないと判明して一旦ちょっとガッカリ。ただ、売りに出した人もフックをこの位置に付けたくなるぐらいに、トップ45と醸し出す雰囲気が似てるし、なんか大きい版のトップ45があったようなおぼろげな記憶もあるんだけど、そんなことばかり考えているのでニセの記憶が芽生え始めているのかもしれずどうにもすっきりしない。あと、このフック位置にしてあるもう一つの可能性として、沈んでる尻にラインを結んでアクションさせるという変態ペンシルだったというのも思いついてしまい、ヨーズリならやりかねんと思うだけに、思考が混沌の沼に沈んでいくのである。
 って、書いてからネットで検索していて驚愕の事実というか”謎は全て解けた!”という事態に進展した。関係者を集めてくれたまえ。実は・・・
 トップ45は、頭を下にして浮きません。頭を上にして浮いて、尻の方の沈んだラインアイを引っ張るとモタクサと変な動きをするルアーです。
 なんと後者の可能性が正解で、学生時代に鮎迷人が使ってたシーンが頭に残ってるんだけど、そのシーンが頭を下にして浮くという”ニセの記憶”にすり替わっていて、ネットでラインアイ側が沈むと目にして、まさかと信じられない思いと困惑を胸にトップ45をバケツで浮かせてみたら頭が上です。まったくもって人の記憶なんてアテにならんなとあらためて思わされたしだいである。そこまで分かれば後は簡単で、謎のペンシルはやっぱり尻がラインアイで正解で、その名も「トップ45Ⅱ」というらしく、トップ45の大きい版があったような記憶は間違ってなかった。さすがヨーズリ、ラインアイを沈んだ尻にもってくるような奇天烈ルアーの”Ⅱ”を世に出しているとは改めて恐れいったしだいである。

 ニールズマスターもヨーズリも超実戦的な釣る力の強いルアーを世に送り出しつつ、なんか謎のルアーも出してたりする歴史と実力のあるメーカーで、これからも沼に潜れるだけ潜ってみたいようなみたくないような、そんな感じです。

2026年5月9日土曜日

今期お楽しみルアーとバスジャッカーの謎

 春のシーバスシーズン突入して、もう3年はご無沙汰しているスズキ様に是非お会いしたいものだと思いつつ、いつものように雨が降ったらとりあえず出撃の方針変わらずで過ごしている。セイゴの沸きは今期は今のところヒラにノーマル混じりという感じで悪くはないので、セイゴの反応や引きを楽しみつつ集中して型の良いのを待てる状況にはなっている。とはいえ、いつものことではあるけど、やることシンプルなシーバス釣りには”お楽しみルアー”が必要である。とりあえず、この冬の1,2月ドツボにはまってた時期に発症していたミノーの付いたスピナー熱から、冒頭写真下のメップスグリアロングと自作シリコンミノーをコンビにしたモノをでっち上げているので、それはちょくちょく投げてみようと思う。シーバス、スプーンではもちろん釣っているし、スピナベとかでも釣ってるけど、スピナーではこれまで釣ってない。釣れない理屈もなさげなので使ってみるけど、スピナーの場合回転して糸が縒れる問題があるので、魚居るけど食いが悪いなとかいうときにスポットリリーフ的に使ってみたいがどうだろう。

 で、もいっちょ、ワシのシーバスの釣りで主力の一つに小型の水面系プラグがあって、現在ハトリーズの小っちゃいトップ系、キューティデビルやリトルダイナマイトは1軍起用している。このあたりは各社から種々でている中で、使いたいのを選んできても良さげにも思えるけど、リトルダイナマイトはポッパーというより水面張り付き系のミノーとして使ってるので条件やや面倒で、一方で小型のペンシルなら、今一軍起用しているキューティーデビルの代わりはなんでも良いんじゃなかろうか?ということで、じゃあ何にしようって考えるなかで、ザラパピーやらも含め過去使ってきた名作たちより、投げてみようと思えるものをと考えるとなかなか選択が難しい。今時の高性能な小型ペンシルならだいたい機能的には問題ないだろうけど、投げて楽しいかというとそうとも限らない。かといってあまり手に入りにくい古物では実弾としては弾込めしずらい。ってなことを考えてたら、そういえばシーバスにビックラッシュスケーターを導入してはみたけど、その年ぐらいからあまり型の良い魚が川に上がってこない状況になって断念しているけど、ビックラッシュにはJr.サイズとベイブサイズがあって、ウォーカータイプとスケータータイプがあるうちのスケータータイプのそれは、シュッと細身でシーバスには向いてそうに思う。”シーバスのペンシルは横浮き系がフッキングが良い”って思ってるのでその条件にも合致する。ということで、この春のお楽しみルアーとしては、スピナーの他にバルサ50「ビックラッシュスケーターJr.」「ビックラッシュスケーターベイブ」をいくつか用意することにした。写真上から2枚目の左が現在1軍のカクーン、ザラパピー、キューティーデビルで、右が対応するサイズって感じのビックラッシュスケーターのオリジナル、ジュニア、ベイブである。

 廃盤品ではあるけど、ザウルス潰れたときの放出品関連か、中古市場に弾数多くて確保も楽。値段もこなれていて疵ありとかなら千円台で買える。とりあえずベイブを2個、Jr.を3個確保済み。Jr.のうち一つは塗装はげで片目がない状態で600円送料込みとかの投げ売りを買ったけど、実釣用なら目ぐらい入れれば良く、実にお買い得。

 ついでに、蛍光緑のベイブもひび割れているところとかエポキシで軽く穴埋めして、塗装はまとめてやるとウレタンのコーティング剤とかの無駄が少なくてすむので、過去に入手して貯めてた要補修ルアーとかもついでに目を入れたりコーティングしたりしてみた。写真上からタイガーカブは5,6百円でたたき売られてたのをエグったブツで、反射板入りの古い時代のモノで塗装が剥がされていた。筆書きでタイガー模様描こうかと思ったけど、目を入れただけで反射板のおかげもあってか良い感じの面構えになったので、目だけ書き目でいれてウレタンコーティング。吹き目だと雰囲気でたかもだけど、そこまで凝らない。ラパラみたいなミノーはフィンランド製でハゲ掛かってるけど独特のプリズムな鱗模様から「パルサ」なのかな?リップの樹脂板が劣化してボロボロに崩れたので、基板リップをおごっておいた。出番の多いワンダースリム70は紀伊色にお色直し。

 ということで、今年の春シーバスお楽しみルアーのバルサ50ビックラッシュスケーターの小さい弟達は、安い出物があったら弾補充しつつ使える体制が整った。バグリーと同様にヒートンが抜けるおそれありという欠点はあるけど、ヒートンはエポキシで固定して強化しておく。人気があって”高値”の花だったころにはバルサ50をシーバス釣りみたいな荒い釣りに使うのは抵抗あったかもだけど、中古市場に弾数多く、かつ時代を彩った名品、人気がなくなったからといって、タタキ売りされていて使われもしないというのはしのびないので、魚釣ってルアーとしての本懐をとげさせたいところ。

左端だけノンラトル、右端だけⅡが付く
 っていうなかで、ボロくて安いルアーを1個だけ買うのは送料的にもったいないなと、余計なことを考えて、同じ出品者から使えそうなルアーを買ってまとめて送料お得感出してみる。っていうなかで、ダイワの「バスジャッカー2」が安かったので反射食いしてしまった。初代ダイワ「バスジャッカー」はレイジーアイクの「ナチュラルアイク」の版権・金型買ったんだったかで、発泡樹脂製でラトル無し空洞無しの音響特性的にはウッドに近い感じで、釣れそうには思うんだけど、リップが薄くてそこにヒートンが刺さってるだけで強度的に無しだなと思ってたけど、2は普通の中空プラ製になって一体成形リップで丈夫そうではあるんだけど、ラトル入りっぽいなとラトル入りのこのテのクランクはそれこそ、同じダイワのピーナッツⅡとかがあるので今までバスジャッカー2には手を出していなかった。けど、300円とかなら買うよねって感じでマウスが滑った。で、そいつが配送されてきて現物見ると、ラトルが入ってない。ラトル無しでギル体型なディープクランクは手札に無いので、これは良いかもなと高いルアーでもないので4つほど追加でまとめ買いした。ところが追加入手分は全部ラトル入り。なんでやねん?って話で、ラトル有りと無しがあったのか?あったのならその見分け方は?とかネットで調べても出てこない。どなたかご存じの方がおられたらご教授願いたいところ。一瞬最初のノンラトルのリップのルアー名は「BASSJACKER」となっていてⅡが付いてないのはノンラトルかと思ったけど、追加で買った4個にはⅡあるのも無いのもあって、関係なさげ。まああって困るわけじゃなしだし、無し版がよく働くようなら穴開けて瞬間接着剤でも流し込んでラトル固定してしまえば良いんだけど、バスジャッカー2にはノンラトル版があったのか?たまたま、手にした個体がラトルが鉛で膨張して固着したりしただけのエラー品なのか”私気になります”なのでタレコミ情報お待ちしております。

 というわけで、ルアー図鑑うすしお味第86弾は、ビックラッシュスケーターの弟達とバスジャッカーなどでいってみました。