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2025年1月18日土曜日

深く静かに潜行したり止まったりせよ

  年末にツーテンの虎ファンさんから、北海道銘菓詰め合わせが送られてきて、その中にしれっとディープクランクも数個混じってた。銘菓のほうはワシの口に、ディープクランクの方は根魚の口にというのが送り主の趣旨であろう。お気使い感謝。

 そのうちの1つが写真のルアーで製造元の変遷とかはあるけど、おそらくサンシャインフィッシング「ベクトロン60」だろうと思う。このルアーの特徴は樹脂製のクランクと言えばラトル入りがお約束だけど、コイツはノンラトルで結構釣れるらしく、このタイプのディープクランクはあまり種類がないのもあって、販売当時は知る人ぞ知る名作的な存在だったようだ。

 ラトルのあるなしって気にした方が良いような悪いようなで、ミノーとかだと、なきゃダメってこともないし、ない方が良いと単純に言える感じでもない。要素としても固定重心かどうか、とか動きの質的にブリブリ強い動きかユルヨタのおとなしい動きかのほうが重要には思っている。ただ、クランクベイトの太いボディーにラトルは相性が良いのは素人でも見て分かるぐらいで、クランクは激しく動いてラトルでアピール力追い打ちってのが一般的ではある。とはえいえラトルなしのバグリーのクランク軍団の強さを知ってると、クランクベイトにおいてラトル有りがいつも正義とは限らんなと思っていて、根魚クランクにおいても「DB3」をラトル有りのクランクとローテーションさせて使って、なんか反応違う気もするし結果も出ているところである。ただバグリーのルアーには欠点があって、食わせる能力は独特の強さがあって文句ないんだけど、バルサ製で、かつ貫通ワイヤー方式ではないので強度面に不安がある。バスやシーバスならよほどの大物でも、水揚げしてから網の中で壊されるぐらいで魚は揚がりそうで大丈夫だと思ってるけど、デカい根魚を力業で根から切るようなやりとりになると、バルサボディーが割れて後ろのヒートンが抜けたりする恐れがある。ある程度ヒートンを長さのあるものに変えて接着剤で固めてと対策はしてみたものの根本的な解決とはいかず、釣れる魚の型が大きくなってきたら改善策おいおい考えていこうと思ってたら、昨年の釣果をみるに意外にそれは急ぐ必要があるという気がしてきた。

 っていうところに、ノンラトルのディープクランクのベクトロンである。バルサのノンラトルと樹脂製のノンラトルで同じような効果が得られるか?というと、やや疑問がある。なぜならラトルがなくてもハリやスプリットリングが擦れて立てる音って案外大きくて、その音の響き方が中身がみっちりつまってるバルサ製と中身空洞の樹脂製では全く違うはずであり、なんなら環境中にある音を反射する様子の違いも魚が聞き分けている可能性もある。ノンラトルのバルサ製のルアーと樹脂製ルアーを空中でガチャガチャとハリ音させただけでもちょっと違うなと感じると思う。水中において空洞を中に有するかどうかというのは音響探査の分野では大きな違いとして認識されていて、浮き袋のある魚は明確に水(海水)と音の反射特性などの違う気体を体内に持ってるので魚探などではハッキリ映る。ところが浮き袋をもたないオキアミやらイカやらは今時の高性能な魚探なら映るのかもだけど、昔は映らなかった。アブラソコムツやらバラムツやらの”ワックス魚”が魚探に映りにくいのも奴ら浮き袋じゃなくてワックスで浮力稼いでるからで、昼は深海の深いところにいて夜はジグしゃくれるぐらいの浅いところまで一気に上がってくるってのは浮き袋もってる魚がやったらメンタマ飛び出るはずである。そして100m水深ぐらいから一気に船縁まで上げてきてもひっくり返ったりせず平気で暴れる。

サイレントじゃない5XD、マッドペッパーマグナム
 っていうぐらいで、単純にノンラトルのディープクランクならバグリー「DB3」の完全互換ができるかというと、できねぇだろうなと思う。思うんだけど完全な互換性なんてこちとらそもそも求めてなくて、他の主力ディープクランク、例えばストライクキング「5XD」のようなラトル有りそこそこしっかり動く、っていうのと違う性格の”何か変える”ための札として切れる手札となればそれで事足りる。ということで樹脂製ノンラトルディープクランクも試さねばなるまい。ベクトロンは意外と言っては失礼ながら、結構人気あったようで中古市場見るとそこそこ弾数もありそこそこ安い。こいつが根魚クランクタックルで海水で3mぐらい潜ってくれればまずは候補なんだと思うけど、調べてみた限りでは淡水でまあ14ポンド直結とかだろう条件で3m前後の潜行深度とされていて、ちと潜り足りない。ただ、調べてみると意外にディープクランクの名品にはサイレントバージョンが派生モデルとしてあったりする。まあ金型一緒でラトルなり重心移動なりを固定してしまえば良いだけなので、企画としては安上がりではある。「5XD」にも「マッドペッパーマグナム」にもサイレント版はあったようだ。あったと書いたように「マッドペッパーマグナム」の方は既に廃盤で、サイレント版「5XD」は現役のようだけど今時ディープクランクも流行らんのか正規で入ってないのか通販見てても売り切れてて補充されていない気配。あと主力と同じ形のだとワシ夜の釣りだとなるべくヘッドランプもつけたくないので、一々振ってラトル有りか無しか確認せねばならず紛らわしい。灯り付けて魚に警戒されるのもイヤだし、他の釣り人に釣り場を気づかれるのはもっとイヤ。

 で、調べてみたら良いのがありました。ディープクランクの世界では90年代から活躍している実力派、ボーマー「ファットフリーシャッド」のサイレント版は中古でも珍しくないぐらいに売ってるので早速いくつか買ってみた。潜行深度は約5mで海水中でも4m近く潜りそうでやや潜りすぎだけど、竿立てて加減してとかでなんとかなるように思う。まああかんかったら最悪、適当な潜行深度のヤツを穴開けてラトルやら接着剤で固定してもいけるけど、なるべくなら”つるし”の状態で使えた方が面倒くさくなくて良い。そして左上に写ってる変なオレンジのはなんやねんっていいうと、もう一つ切る手札として考えているのに”サスペンド”っていうのがあって、ぬこさんがレーベル「サスペンドR」試したらいけたとのことで、居るけど食い切らんってときとかに”止め”て見せるってのもデキれば戦略の幅が広がるなと思ったんだけど、こっちは難しい。サスペンドのミノーやシャッドなんかは珍しくもないんだけど、ディープダイバーで3.5~4.5ぐらい潜るサスペンドってさんざん探して、写真のストーム「ライトニンシャッド」の大きいのぐらいしか見つけられなかった。ストームがラパラに吸収される直前のモデルらしく、中古の弾数少なくてこりゃ確保も難しそう。サスペンドなので浮力はそこまでいらんということで、クランクベイトというより薄っぺらいボディーでシャッドの系統らしいけど、まあ使い方としてはディープクランクである。これも、最悪樹脂製のディープクランクに穴開けて水でもステンの玉でもぶち込んでサスペンドにしてしまえば事足りる。でもやっぱりなるべくなら”つるし”の状態で使えた方が面倒くさくなくて良い。

 ってなことを考えてて、年末ネットの海をさまよってて、ウォールアイ用のコットンコーデル「ウォーリーダイバー」にはサスペンドモデルがあって潜行深度的にもいけそうな感触、ABS(アメリカンバスショップ)さんの店じまい半額セールは今日までだったなと、大晦日に余計なモノも含めて買いました。ちなみに探していたサスペンドモデルは売ってなくて「マグナムウォーリーダイバーCD7」というカウントダウンかよ?っていうのしかなかったけど、海水でフックもシングルに替えてなのでちょうど良いぐらいになるだろ?というエイヤの博打で2個買った。ついでにどうしても気になって仕方なかった、ボーマーブランド史上最大ミノーである「サーティファイドデプス8インチ」も買ったった。使いもせんのにアタイのバカ!って感じだけど、マンズやポーは見逃せてもボーマーの最大ミノーは見逃すことがデキんかった。写真縮尺狂ってる感じでイマイチ大きさ分からなくなってるけど、手前の小さいシャッドみたいなのが”マグナム”ウォーリーダイバーで10センチぐらいのボディーである。真ん中の青いのはこれは実用品の良く飛んで丈夫な樹脂でデキたラトル入りFマグという感じのソルトウォーターグレードボーマー「ウインドチーターミノー」15センチ。

 で今回本命のマグナムウォーリーダイバーCD7、箱書きを読むといきなり「深い水深はデカい魚を意味する」ときたもんだ。トローリング想定で20フィート(約6m)潜るとのことだけど、キャスティングでも3.5mぐらい潜るらしく潜行深度的にはちょうど良い。サイズもそこそこあってゴトゴトラトルもあってアピール力も充分だろう。一体成形ではないんだけど、リップの根元がネジ止め式で強度補強が図られていて安心。リップの先の金属球は、レーベルのザリガニとかでもみられるけど「外すとフローティングとかになるのかな?」とか重量調整用だと思ってたけど、調べるとこれ、リップを下に向かせて安定して潜っていく様にするための重石らしい、たしかにディープダイバーはある程度以上潜るとラインの角度が立ってきて前傾姿勢だったのが水平姿勢に近づいていく。そういうのを防いでなるべく前傾姿勢のまま、かつ速度をあげても動きが破綻してひっくり返らないようにとかの目的でリップの先に重さを与えているようだ。金属リップのトローリングに強いディープダイバーの機能再現ということか?ブクブク沈むなら取っ払おうかとも考えていたけどあまりお薦めできない方法だろうな。

 で、フックを使用時のシングルにして、とりあえず真水張ってバケツに浮かべてみた。

 ウッキウキやんけ!なんならサスペンドでも何でもないサイレント版ファットフリーシャッドが一番ボディーが沈んでるぐらいで、ライトニンシャッドは薄いボディーで浮力小さくしてるんだと設計意図を読んだつもりだったけど関係ないじゃん、これはフックがどうこうのレベルじゃなくてポッカリ浮いてますやん。そしてコーデルのCD7はラパラの「CD7」とは全く違ってカントダウンの略じゃなくてコーデルのダイバーとかの略なんだろう。もろにフローティングでございました。まあ、この手の長い形状のミノーやシャッドで3.5mも潜るとなると他にはない存在なので手持ちの札としてはありっちゃありだな。悪くないかと。

 とはいえ、そうなると”サスペンドのディープダイバーが欲しい”というのが振り出しに戻る。スローシンキングのディープダイバーなら海水中ではちょうど良いぐらいになりそうで、そういうタイプをというとバグリー「DB3ドレッジ」、ザウルス「クランカウルス白目(スローシンキング)」が思いつくけど、そうなるとまたバルサ製プラグの強度の不安が生じるわけでこれも解決策たり得ない。なんかいいのないのか?良いの知ってる人が居たら是非ご教授願います。まあ、最悪サスペンドに改造は穴開けて適当な位置にオモリ仕込むなり水注入してしまえば良いんだけど、面倒くせぇんだよね。

 ということで、今年一発目のルアー図鑑うすしお味第78弾は、サイレントだったりサスペンドだったりのディープダイバーを探してみました。まあ今年も症状が出てルアーはあれこれ買ってしまうんだろうな。アタイ病気がにくいッ!

2024年12月28日土曜日

役作り

 蒐集家、コレクターの欲望はきりがないものである。何でも欲しがるクレクレタコラだと、収拾がつかなくなるのはこのブログの読者様方なら、大なり小なりご存じでしょう。ご自身が深い沼の住人であるならもちろん、周りにブクブク沼に沈みかけているご友人の1人や2人は居ることでしょう。

 ネットで見た事例で一番やばかったのは、ストームの「ホットN」を全色揃えようとしている御仁で、ルアーマンなら「ストームとバグリーはやばいでしょ!」ってヤバさが分かると思うけど、もう歴史のある古いルアーでかつ現役でラパラ傘下ストームブランドでも売られているから、クラッシックかつベーシックな色だけでも相当な種類があるけど、それこそサーモン用のメタリックカラーとか、地域限定版とかレアカラーも山とあるうえに、現時点でも新色追加とかあるだろうから、まさに”底なし沼”の様相を呈していた。そっちの沼は危ない。

 そして現実で一番やばかったのはツーテンの虎ファンさんで、ハンドル名のとおりヘドンの「210」とかルアーの蒐集もやばかったけど、それ以上にダイレクトリール中心に両軸がやばくて、ワシ自分のことを棚に上げて「そんなに沢山もってても使い切れないでしょ?どのぐらいあるんです?」と聞いたら「分からんけど、毎日違うリール使って何年かもちそう」とのたまわれてたのでひっくり返りそうになった。ワシなんて蒐集家としては下の下で、いつも書くけど沼の浅いところでピチャピチャ泥遊びしているに過ぎないと思う。毎日違うリール使ったら1年もたんからな。JOS師匠もそういえばスプーンマニアで、スプーンの本が出るときに取材協力とかでお宝公開してた。今現在フライマンだけど集めてるのはスプーンってのが蒐集の世界の恐ろしさの一端を表していると思う。

ABSに感謝を込めて
 ワシ基本的にルアーとか大量に買い込むのは「使いたいときに売ってなくて困るのがイヤ」というのがあって、意外に実用品を買ってるように自分では思ってる。自分では正常だと思ってるのが真の異常者だという意見も目にするけど、ワシは大丈夫だろう。フラットラップが廃盤になるときに実店舗、通販手当たり次第にあたってかき集めていたり、同様にFマグがカタログ落ちしてた時期に死にものぐるいでかき集めてたり、送料掛かるからまとめ買いせにゃならんと、箱買い勢ならお馴染みの6個単位で買いまくりのロングAだのレーベルだのがモノによってはキロ単位で備蓄してあるけど、買えなくなったらこまるから仕方ない。実際に箱買いでお世話になってた「アメリカンバスショップ(ABS)」さんという通販業者さんが今年で一般向け通販はやめるとのことで、釣り具業界厳しいとは聞いてるけど、結構な老舗通販ショップがなくなるぐらいで、欲しくても買うところがなくなるとか、作ってるメーカーが潰れるとか普通にあるご時世なので仕方ないのである。ちなみにABSさんの閉店半額セールではこれまでの感謝も込めてぶっ込ませてもらいました。これまでありがとうございました。

 とはいえ、読者の皆さんもうすうす感じてるかもだけど、ワシも若干収集癖が見られることがまれによくある。例えば、インビンシブルのよく使う8センチじゃなくて12センチの青黄赤の信号機色を揃えてみたくなったり、ストームのシッポ生えたクランクベイト「タビーズ」を揃えてみたくなったり、4桁PENNの使いもしない8500ssも買って全サイズ揃えたけど一度も使ってなかったり、まあちょっとぐらいは誰でもアルよねって程度には、人並みにはワシも収集癖あるのかなと思ったり思わなかったりしてます。今回はそんな感じで、別に必要ってわけじゃないんだからねってブツなのに思わず買いそろえてしまったルアーネタで行ってみます、ルアー図鑑うすしお味第78弾。なんというか、麻雀までいかないけど花札みたいに猪鹿蝶とか雨四光とか、集めてみたら風流だろうなって感じの役を狙ってみた、そんな感じです。


 で、最近買ったルアーといえば、根魚用のクランクベイトが多かったわけで、そっち方面の候補を検討していて、すぐに廃盤になりそうな国産の小規模メーカーの最近のモノは申しわけないけど候補から外して、今でも作ってるロングセラーやら、古くても当時のベストセラーで中古の弾数が多いのでなんか良いのがないかと、書籍にあたったり、ネットの海をさまよったりして探し回っていた。その結果が冒頭写真の有様。新しい釣りを自分で試行錯誤しつつ始めるとなったら、まあこうなります。ルアーの整理にお味噌のパックは使いやすくてお薦めです。

 当然、昔バス釣ってたころにお世話になったクランクベイトは信頼できるんだけど、まあワシあんまりクランクベイトって色んなの使ってきたわけじゃなくて、ぶっちゃけバスハンター、ピーナッツのダイワ安価良品シリーズと、さっきも書いたタビーズにクランクなのかバイブレーションなのかよく分からんミスティーとかぐらいで、あんま知識がなくて、逆にいまさらながらマグナムディープクランクのお勉強とか、なかなかに味わい深く楽しめた。そんななかで、そういえば得意にしていたクランクがもう1種類あったなと、思い出したのがレーベルの「ベビーブリーム」である。みたまんまブルーギルのルアーで、一世を風靡したレーベルお得意のナチュラルプリント柄の「ベイトフィッシュシリーズ」の一員で、なんというか今でいうフラットサイドクランクみたいな形状で、ゴトゴトラトルであんまり潜りすぎず2m行くかどうかぐらいで、使いやすいよく釣れるクランクだった。ただ、こいつリップが差し込みリップを接着剤で止めただけでそれなりに型の良いのを根から引っぺがす必要性が出てくる根魚釣りには使えんなと、弾込め候補からは外した。外したんだけどベイトフィッシュシリーズにはベビーブリームと同じ形の色違いクラッピー柄の「ベビークラッピー」、やや細長い形状のバス柄パーチ柄の「ベビーバス」「ベビーパーチ」が存在した。そういえば売ってたな。ベビーブリームはブルーギルの別名パンフィッシュブリームから来ててギル模様だし、ベビーバスもバス模様なので、日本にも居るからいいけど、日本にいないクラッピーやパーチの柄のルアーなんて釣れるのか?とナマジ少年は思ってた。今と違って素直でひねくれてなかったのである。今考えればベビーブリームもベビーバスもバスがギルや仔バスだと認識して食ってきてたかどうかなんて怪しいモノで、良い動きと音とそろってて、状況に合ってたら、クラッピー柄だろうと、パーチ柄だろうと普通に食ってくるだろうと思う。まあでもギル食ってるバスをギルルアーで釣るっていうことの楽しさは、ルアーの楽しみ方としては正しいように思うから、ベビーブリーム投げてバス釣ってた少年時代も楽しかったからよしとしておこう。よしとしておくんだけど、この手の”リアルプリント”ってなかなかに趣深くて、そんな人気もないし、珍しくもないから中古の値段も手頃だしいっちょ揃えてみましょうか、という気分になって。箱入り美品とかじゃなければ千円もしないぐらいなのでサクサクと集めてみましたレーベル「ベイトフィッシュシリーズ」4種コンプリート。釣れそうな顔してやがる。リップの補強考えて実戦投入してみようかしら?

 お次も、クランクベイトでこれは実戦投入の弾として集め始めたら、よけいな蒐集欲がムクムク湧いてきて、思わず星取り表まで作って中古買いあさってしまった。スミスの「ハスティー」シリーズです。深度別に機種を揃えた”システムクランク”の我が国では元祖的なシリーズで、1~4まで潜行深度が深くなるにつれ本体も大きくなる4種類のサイズが用意されていた。ハスティー1がワシの根魚タックルだと潜行深度が50~100cmの間で浅い石組みの上を通すのにちょうどよく、ハスティー3はカタログ数値だと3.5m潜るとなってるけど、8号リーダー付けて海水で使うと3m弱しか潜らない。ただ、3m前後が近所漁港では根魚の実績が多い水深で、ハスティー3は動きも良くカラーも豊富で3m弱のチョイ浅めのポイントや、わざと底を切ってやや魚の上方を通して根から離れさせて食わせる用途で重宝している。ハスティー4はリップのお化けのような特異な形状でリップからボディーの背中にかけて全体で水を掴んで暴れまくる感じで、動きはとても派手で使いどころはあるように思ってるけどまだ実績はない。むしろボートからやるサケ釣りとかでウィグルワートやホッテントット、タドポリーの代打が打てるんじゃないだろうか?実にいい顔してるルアーで見てるだけで楽しい。そしてハステー2も普通に良くできたクランクベイトなんだけど、潜行深度とキャラクターがピーナッツⅡDRとかぶりまくってて、ワシピーナッツでできる仕事はピーナッツに任せたいと思うぐらいに信頼しているので、ミスティー2の出番は残念ながらなさそうである。なさそうなんだけど、4種類ある上に、カラーも豊富でスミスさん良い色揃えてござる。全色揃えるのは無理にしても、何種類かは同じカラーで4サイズ揃えてしまいたくなった。何しろ使う目的で買ってたら、2のサイズ以外既にそろってたりしたので、これはついでにいっとくしかないなと思ってしまったのである。結局メタリックな”火の玉ハスティー”って呼ばれたらしいカラーのうち緑系と赤系、他に緑系のベーシックなのをと3色で4サイズ揃えることができた。三色同順というか四暗刻か?すごく良いルアーだと思ってるけど廃盤になってて、でもよく売れたルアーなので中古の弾数は豊富。昔よく売れたってことは、よく釣れた実績大のルアーなわけでそれが中古で安く売ってるなら買って使えば釣れるに決まってる。

 最後、ABU「ハイロー」は一見ナニが違うのかよく分からんように思うかもだけど、こいつらは実は産地が違う。もちろん古いのは本国スウェーデン製(med inじゃないところがやや怪しい)、ワシがシーバス用とかで買ってた時代は台湾製、そして意外なことに「Made in Japan」の時代があるんですねこれが。ABUマニアなら常識かもだけど、カーディナルCシリーズとかのリールは日本製のが結構あるのは知ってたけど、ルアーも作ってたとは知りませんでした。というわけで3つの産地と思わせておいて、最後世界の工場中国製が、実は背景に隠されているのにお気づきいただけただろうか。同じサイズで揃えたいところだけど、いまハイローって定番品としては作ってなくて、企画モノ的にこの20センチのデカいのとか、もうちょっとまともなサイズのジョイントとかが最近売られてた。ABU(ABUガルシア)のブランドがなくならない限り、たまにハイローは作られるだろうと思うので、次の生産国はどこになるのか?出たらいくつか買うんだろうなとは思っております。

 てな感じで、かわいらしい”役”を作ってたりするところだけど、実は狙ってる役満級の役はあって、一つはルアー関係なんだけどここ5年ぐらいで2回ヤフ○クに掛かったけど、2回とも競り負けて手に入ってない。2回目は根性で1万5千円ぐらいまで頑張ったけど、相手降りる気なさそうなので尻まくって逃げました。もういっちょはリールなんだけど、これはそもそも出てこない。イー○イでもヤ○オクでもメ○カリでも見たことがない。出てきたら相場もクソもないのでそれなりの金額突っ込む覚悟はしているけど、出てこんものはどうしようもない。生産された期間が短いのと、それほど注目を集める機種じゃないので出てこないんだと思う。高くても出てくればチャンスもあるんだろうけど出てこないとどうしようもない。まあ気長に待ちます。出てきて確保できればまたネタにしますので、うっすら期待しておいてください。

2024年9月7日土曜日

マイニューギアりました!

 「ギアりたい〜〜〜 めちゃくちゃマイニューギアりたい〜〜〜!!(by後藤ひとり)」とワシの中の承認欲求モンスターが暴れるので、最近手に入れたブツの紹介です。 

 まーたなんか買ってやがる。って話ですが、れいによって説明させてください。お願いします。

 まああれです、いま”根魚クランク”てなことをやってて、ベイトに16LBナイロン巻いてグリグリ巻いてるんだけど、我が家にあるベイトってボート根魚や雷魚釣りで使った丸アブの6500番代が多く、もうちょっと軽いのをというのと、海で使うのに樹脂製本体だと腐食の心配が少なくすんで良いなと、学生の頃並行輸入品を買ったABU「アンバサダーMAX」というのを引っ張り出してきて使い始めている。”アンバサダーLITE”系の電磁ブレーキ版の機種で、正規輸入品では「LITEスペシャル」「アンバサダーマグプラス」とかいうのが近い仕様のようだ。軽くて腐食に強い樹脂本体で電磁ブレーキ、”ウルトラキャストデザイン”で、投げるときレベルワインダーはスプール回転と連動しない分離式、スプールは軸と分離して回る。クラッチはサムバー方式。とてもシンプルだけど無駄がなくて、久しぶりに使ってるけど、ワシ遠心ブレーキの機種の方がなじみがあって「マグはイマイチ」と昔は思ってたけど、不思議なことに、慣れてきたら軽いのも使い心地の良さにつながってるけど、投げるのも良い感じに投げられるようになって、大きめのクランクとか気持ちよくぶっ飛ばしている(当社比)。スピニングで投げるのとはまた違う味があって楽しい。もともとLITE系は丸ABUとかに比べたら安かったけど、こいつはさらに並行輸入品ということで新品で7000円ちょいなだったように記憶していて、若い金がない頃に買った道具って、吟味して選んだだけあって安くても良いのを買ってた気がする。1980年代の今は昔。

 で、メインのリールとして使っていると、どうしても予備機か予備スプールがほしくなってくるというのは、みなさんご理解いただけるだろう(かな?)。仕方ないですよねウン。というわけで、LITEスペシャルあたりの中古をネットで安いのないか探してみると、実用性抜群の割に人気がないのか相場はお安い。まあアンバサダー好きな層はワシもその傾向あるけど丸ABU買うだろうし、非円形の電磁ブレーキのベイト買うなら日本製買うよねってことだろう。こりゃ狙い目である。安っぽい直接印刷した銘が消えてたりする見た目アレな個体だと、だいたい5千円以下ぐらいが相場。「銘なんて飾りです、マニアにはそれがわからんのです」って感じで、銘は結構格好いいのがついてると気持ちよく釣りできるのでおろそかにしてはならん要素だろうけど、安いのなら剥げててもワシャ許す。ということで、文字が剥げはげながら、箱と袋とオリムのカード付きの「アンバサダー”ブラックマックス”」というのがちょうど送料込み3500円程度で出てたので、スルルのポチチで確保とあいなった。「フックセットボタン」「フリッピングスイッチ」といらんものが付いているけど、シンプルなLITEスペシャルは手頃な出物がなく、安いしまあいいやということにした。邪魔ならエポキシで固めて水が浸入する穴ふさぎついでに使えなくしてしまえば良い。で、あんまり細かく写真チェックせず現物が来て驚いたのは、こいつオリムの設定した希望小売価格22,200円という高級機種で、上飯田釣具さん頑張って値引きしてるけどそれでも13,300円というワシには似合わんぐらいのお高い逸品。ボールベアリング3個も入ってる。ベイトでスプール軸の2個以外にどこに入れる必要があるのか全くよくわからんけど、この頃からボールベアリング数が多いのが高級品とされるようになってたんだろうな。アホクサ。

 我が家に来たからには使う前にまず分解整備がお約束。外観的にはMAXみたいなツヤ消しじゃなくてツルンとした表面で印刷が乗りにくそうだけど、形は左手の親指を置くくぼみがもうけられている程度でほぼ一緒の形状。ハンドルもおんなじでこのハンドルはつまみやすくてワシは好き。ハンドル側の上にポコッと出ているのがフリッピングスイッチと見せかけて「フックセットボタン」という謎の機構。フリッピングスイッチはハンドルに隠れてメカニカルブレーキの下あたりに地味にON、OFFスライド式のが付いている。

 良いじゃんこれ!って思ったのが、ブレーキ側の蓋が、ハンドル側の、樹脂製でつまめる頭にしてあるネジ2本を外すと外れて、スプールが外せるところ。

 ベイトリールの普段の整備って、海水浸水させない限り、ずぼらなワシは、一番海水がかかるレベルワインドのグルグル棒と、スプール軸とベアリング、あとスプールエッジへの注油ぐらいしかやらんわけだけど、手でネジ外してカパっと蓋開いてスプールが引っこ抜けるのは整備性良好でよろしい。さすがに今更こんなマイナー機種のスペアスプールだけ手に入らんだろうけど、売ってる当時ならスペアスプール体制組んだら戦闘力高かっただろう。MAXのスプールと共有できるかそのうち試したいけど、次に説明する謎の「フックセットボタン」との関係で互換性はやや怪しいところ。

 でその「フックセットボタン」の仕組みなんだけど、右の写真見ておわかりいただけるだろうか?

 左下のスプールに見えている、ピニオンギアに填まる爪の金具の外側円周上に歯車が付いていて、これに「フックセットボタン」から伸びている金具がかかることによって、ボタンを押した状態だとスプールがロックされるという、きわめて乱暴な機構である。いやフルロックは道具にも体にも悪いでしょ?米国でも売ってた機種なんだろうか?日本の釣り人にはやたらドラグをフルロックしたがる人種がいて、そんなことしたら竿立たんからのされるだけだろと思うんだけど、フッキングの時にドラグが滑るのが気に入らん人用なんだろう。ワシャ正直いらん。昔のリアドラグの使い方として、堅めに締めておいてガツンとアワセてから、ライン切られないようにドラグ緩めるってのがあったと「リールの歴史2」で読んだけど、海で最初強めのドラグだと一気に走られたら怪我の元なのでワシには全くいらん機能。「たとえラインを切られようともこれ以上は行かせられん」っていう状況で竿を魚に向けてフルロックとかで使うか?親指でスプール止めるので足りる気がしてならん。まあ、押し続けてないとロックしないので危なきゃ指はなせばいいだろうし、機構自体は単純で整備の邪魔ってほどでもないし使わんだら良いだけの気もするけどな。ボタンから浸水するようならエポキシで埋めてまえだな。MAXとのスプール互換性はこのフックセット用の歯車が邪魔する可能性がありそうに思っちょります。とはいえ同じような感覚で使えそうな予備リールが手に入ったのは運用上非常によろしい。

 で、ハンドル外してギア側の本体蓋を開けると、良いニュースと悪いニュースがあります。
 まず良いニュースは、逆転防止がおっさん世代のアンバサダー原体験で、外したは良いけど、どう填めれば良いのかわからなくなる青銅板で歯車を挟む方式で、瞬間的逆転防止機構にまだなってません。メインギアの下に入ってるのが分かるかな?この青銅版をちょいと広げて歯車挟んで、ギアと同時並行で逆転防止のドックを棒に刺してやるというお作法を、当時のバス少年たちはネットもない時代だから四苦八苦して学ぶというのが通過儀礼だったんですね。まあ、ベイトの場合瞬間的逆転防止機構が入ってても入る位置がハンドルの軸とかでスピニングのローター下のような浸水しまくる場所じゃないし、ローター戻してベールの位置調整なんていう上級者がやってるようなこともしないからスピニングに入れるより実害は少ないけど、F師匠はライギョ釣ってて、瞬間的逆転防止機構の丸ABUで思いっきりアワセ入れたら、ワンウェイクラッチのローラーが、締め付けるスリーブの表面をガリガリに削ったそうで「瞬間的に止まって遊びがないなんて、誰がどういう理由で欲しがってる機能なんだろう?」って不思議がっていて、逆転防止はやっぱり昔ながらの青銅板付きの爪でがっちり止める方式が信頼できると言っていた。全くそのとおりだと思う。
 で、悪いニュースはギアの上ハンドルの根元に銀色の部品が填まってるのが見えると思うけど、これボールベアリングです。ここに必要か?スピニングでボールベアリングを入れる優先順位を考えると、1にロータ軸のギア(ピニオンギア)で2がハンドル軸のギア側、3はハンドル軸の逆側って感じだけど、そもそも低速機ならボールベアリング0でもなんにも問題ないことは経験済み。高速機でローター軸にボールベアリングが入ってないと重いのは、この位置のボールベアリングが錆びたときに経験済みなので、入れた方が良いんだろう。と同時にハンドル軸には耐久性とか考えなければボールベアリングなくても大丈夫なのは、その錆びたボールベアリングをハンドル軸側に回したときにも経験しているし、大森スピニングの多くの機種でブロンズブッシュしか入ってないけどなめらかで何の問題もないことからも体験的に知っている。
 ベイトリールでもハンドルの軸にはボールベアリングいらんだろ?ハンドル周りはそこそこ防水性あるので、錆びそうな場所ではないからあって困るほどじゃないけど、ハンドル1回転するときに1回転しかしていない低速回転の軸にボールベアリング入れてもあんま意味ないだろ?まだ5.1:1に増速されているからピニオンギア周りに入れるなら分かる。実際にはスピニングみたいに回転軸を90度変えるような効率の悪い機械じゃないので、5倍速ぐらいで巻き取り時にピニオンギア周りにボールベアリングが必要かっていえば、実際なくて困ってないしいらんのだろうけど、ハンドルに入れるよりは役に立ちそうに思う。投げるときおもいっくそ高速回転するスプールにボールベアリングが入ってるのは意味があると思うけど、それさえべつにブロンズブッシュである程度はやれるって話で、この時代あたりからおかしくなり始めた”ボールベアリングの数が多い方がエラい”っていうアホな信仰は令和の時代にもなっていい加減やめろって心底思う。
 あとギア側蓋開けて思ったのは、この頃のベイトリールから、いわゆる”メカプレート”方式でハンドル側にフレームと蓋の間にギアやらクラッチやら乗っけた金属板を入れて組みやすくしている構造をやめて、フレームに直接ギアやらクラッチやらが乗ってる。丸ABUは最近?のでもメカプレート方式蹈襲なのでパカッと開けてちょっと新鮮な感じがした。

 まあ後はベイトはだいたいそんなに複雑じゃないしで、フリッピングスイッチもオンにするとクラッチがカチッと山を越えるまで上がらないように押さえてるだけの単純な構造と判明して、使わんけど邪魔にもならんなという感じでサクサクと分解していく。ちょっと困ったのがメインギアの乗ってる台座と、平行巻のグルグル棒が抜き方が分からんかったので、抜けるところまで抜いてティッシュでふきふきして新たにグリスなりオイルなり注しておいた。どなたか外し方知っておられたらご教授よろしく。

 ドラグが古いABUによくある大きな土星の輪っか状の革っぽい質感の1枚ワッシャーなんだけど、ペン純正グリスに塗り替えしたら格段に滑らかで調整幅もあるドラグに仕上がった。ギアにカパっと填めて上面だけ滑らせて使う構造なのでひっくり返して理屈上新品の面を使ったのも要因としてあるのかもだけど、今時のグリス類はなかなかに優秀な気がする。

 今回樹脂製本体なので金属部品だけ青グリス(ギアとドラグはペン純正)塗り塗りで、ギアの入ってる方は当分開けなくて良いようにグリスシーリングしておいた。スプール軸周りはベアリング含めオイルで仕上げ。
 MAXはシーバスジギングとか海でも使ってたので、今年使うことになって久しぶりにパカッと開けたら意外なところが錆びてたりした。電磁ブレーキの磁石は当然鉄系なんだろうけど、これが海水はいりそうな場所でもないのにスプールエッジあたりから浸水したのかちょい錆びてた。まあ非接触型のブレーキなので錆びても磁力が生きてたら良いと言えば良いけど、道具錆びさせるのは当然恥ずかしいことなので、今回こいつのマグブレーキの磁石にもグリス塗り塗りしておいた。
 逆転防止の爪以外にも、フリッピングスイッチの向きとか凸凹してるところの組み合わせ方とか、組み方は多少パズル的要素はあれども、ちゃんと分解しながらデジカメ写真撮っているので、分からなくなったら写真で確認して無事いっちょあがり。

 よっしゃ、新しい道具揃えると、釣りに行きたくなるっていう衝動が生まれる。使いもせん道具を積み上げるのは、病気なのでしかたないとはいえ不健全で、今回のような使う道具を買うのは必要経費で良い投資だったと書いておこう。早く使ってみたい。

2024年7月13日土曜日

脱線して遠投用ミノー

 海水温上昇対策事前準備の長い旅の途中ではあるけど、試し投げ中にスロープ沖の砂底でデュエルのマッディミノー(あんまり暴れないハズレ個体)に、なんかちょっと良さげな魚が食ってしまうという予定外の出来事が起こってしまい、今まで狙ってなかったし誰も狙ってない竿抜け的な釣り場かなと今後は意識して狙うつもりだけど、さすがに砂底の変化に乏しい釣り場で近距離戦でピンポイント狙いってわけにはいかず、ある程度ブン投げて広く探らざるを得ず、珍しく飛距離重視のミノーも必要だなと、またいらんことを考えてしまいそちらの方に症状が出てしまった。

 ただ、ワシ自称”近距離特化型”のルアーマンであり、重心移動搭載のミノーとかってあんまり興味がわかんのは事実で、それほど症状は酷くなく、かつ「なんかあるだろ?蔵に」と考える程度には理性も残っていた。実際蔵に転がってるミノーで概ね事が済み、多少?買い増しした程度で治まってくれて、アメルア方面では酷い症状にトラブルも重なってエラい目にあってるのでホッと胸をなで下ろしている。

 まああれだ、ヨーヅリネタでも出したけどハードコアなミノーとかボチボチあるし、コモモシリーズは重心移動関係無しに昔から愛用しているし、なんならデュオのタイドミノースリムもボートシーバスで使ってたのがまるまる残ってるし、シュガーミノーやらもあれば、元祖のKテンもあると言えばある。

 というわけで、シーバス釣りにいったときとかに潮待ちマズメ待ちの暇つぶしに投げたりして使えそうなのを選別してみた。この作業が楽しいのよねってのは実際のところ大いにある。巷に星の数ほどの種類のルアーがあるのも”いろんなルアー投げると楽しい”っていう病の元凶となるような根本的な要因があるような、ないような。

 まあ、重心移動っていえばまずはKテンなんだろうけど、これがワシKテンは相性の悪いルアーで、なぜか釣った記憶がないぐらいに魚釣ってない。シーバス野郎ども的には実績も評判も申し分なく、コレで釣ったことないとか腕のほどが知れるッテぐらいでお恥ずかしい限りだけど、誰でもあると思うけど苦手としかいいようがないので仕方ない。どう記憶をほじくっても175だかの大型ので50無いぐらいのをバラしたぐらいしか思い出せない。こうなると時既にお寿司で、苦手意識が強くて魂込めて投げられないので釣れるわけがない。ということで選から外す。しかし、この時代のセッパリ形状のミノーの持つブリブリとしっかりした泳ぎは、海水温上昇想定時の”強い”動きのミノーとしても有用だと思うので一種類ぐらいは欲しいところ。って考えるとKテン苦手なのになぜかマリア(ヤマシタ)が技術協力うけてKテンと同時期に発売したザ・ファーストは好きで、11センチ、14センチはKテンと同型なんだけど、Kテンとは形状の違う9センチ、7センチの特に7センチが昼間っから濁った内房の運河で今で言うウェイキングな感じの水面引きで活躍してくれたのでお気に入り。遠投性能まったく活用してなかったけど、ちょっとクランクベイトみたいに太くて高浮力でブリブリとよく泳いでアピール度高いのは昼間だと投げて泳がせてるだけでも楽しい。あとこのルア-で面白いことを怪魚ハンターの小塚氏が書いていて、ザ・ファーストはKテンのように重心移動のオモリを磁石で固定する方式ではなく、坂道を金属の円柱が滑り落ちる方式なので、ジャークやらツイッチやらするとボディーの中でオモリが暴れてイレギュラーにダートとかするとのこと。11センチで試してみたら確かにツイッチでクルッとか変なタイミングでターンすることがあって仰るとおりでナルホドと得心。その手の機能を売りにしたのはメガバスのグレートハンティングミノーが最初だったと思うけど、偶然にも同じような機能がそれ以前に備わっていたというのは面白い。ってのもあって中古の弾数多いし安いしゴソゴソと買いあさってみた。ここぞと言うときにジャーク入れてカコーンってワンノッカーみたいな音を出して、っていうのも小技としてはあるかもしれん。

 昔、九州で玄界灘の季節風対策で大型ミノーに片っ端からガン玉詰め込んだ話は何度も紹介してきたけど、その時の”落ち”としてネタにしてた14センチのザ・ファーストにガン玉突っ込んだら重心移動のスペースに空気が残るのでひっくり返った、っていうまさにその個体が、ガン玉詰め込んだままの状態で蔵から発掘された。せっかくなのでこの機会にガン玉抜いて、いつでも出撃できるように元の状態に戻しておいた。ドリルで開けた穴を再度ほじくって、ガシャガシャ振って玉を排出。綿棒の軸を芯にしてティッシュを巻き付けたものを穴にギュッと詰め込んでから出ている部分を切り取り、瞬着を染みこませて固めてからアート-ナイフで凸ッてる部分を削って、目印がてら蛍光オレンジの塗料でコーティング。って感じの簡単なお仕事。

 ま、マッディミノーのあんまり暴れなかった”ハズレ個体”の代替としては、このザ・ファーストの90Fぐらいで充分だろう。他には蔵を探ったら、それこそ重心移動を多目的に使うように設計してあるメガバスのX80もいくつか転がってた。ワシ的にはあんまりツイッチとか想定してなくてブン投げてやや早引き、ぐらいのつもりだけどカヤックで一緒に釣ったときにY君が80UPのスズキ様あげたぐらいで”デキる”ミノーだという認識なのでタダ引きでも働かんことはなかろうて。あとサイズ小さくならシュガーミノー80系、大きくならハードコアミノーF120パワーあたりかタイドミノースリム120ぐらいか。

 で、とりあえずはよしなんだけど、満潮になると砂浜とかと違って浅い方にやってきてスロープ上に魚が来るってあんまり想像できなくて、おそらくスロープ沖の水深深くなったところに魚留まってるんじゃなかろうかと思う。そうするとシャローダイバーより潜るのが欲しくなってくる。のでこれもまあ蔵に転がってるのをいくつか試してみた。

 結果、抜群なのがマジェンダFで何が良いかっていうと、リップ除いて8センチ位のミノー体型のディープダイバーなんだけど、この大きさのディープダイバーにしては引き抵抗が小さくて2号ナイロン使用のそこまでパワーのないシーバスに使ってる竿でも問題なく巻ける。マジェンダには固定重心の初期型と重心移動の後期型があって、見た目では分からんので中古は気にせず買って普段は足場高い護岸からの超近距離戦用に重心移動タイプも前後に動く方のオモリを固定して”ナンチャッテ固定重心”にして使ってたんだけど、そういう改造をしていない重心移動版を使ったら、飛ぶし巻き抵抗は少なく楽だし、潜り方も1.5から2mぐらいとちょうど良い感じで超優秀。デカいリップのわりに細かいバイブレーションみたいな動きで動きすぎないところが引き抵抗の軽さにつながってるんだろうと思うけど、そこそこサイズもあってラトルもあるのでアピール力不足って感じはしない。中古だと安く買えるので、弾数も写真に撮った程度じゃ済まされないぐらい豊富に備蓄してあるけど、なんでこんな良いルアーが廃盤で人気もなく安売りされてるかね?今日日の人気のダイビングミノーとかどんなんがあるか知らんけど、こいつに勝てるのってそうはないだろ。っていうかいわゆるスプーンビルミノーってもう流行らんのか?ラリー・ニクソンが琵琶湖でレーベルのスプーンビルをポンプリトリーブした時代とは年号2つ変わってるからな。

 でも、サクラマスとか大型サケマス狙いならまだその手のもあるよなと思うけど、今時のはどんなのがあるのか知らんので、そんなもん元祖のシュガーディープでも出しときゃ足りるだろうということで、これも蔵にはあるので問題なし。

 で、飛距離出てそこそこ潜って、砂底なので根掛かりはあんま気にしなくてイイとなるとシンキングミノーも使えるなと思うわけで、単純な飛距離重視ならジャクソンのピンテールに始まるヘビーシンキングミノーで良いんだけど、あれってそこそこ早引きしないと動かないとか、総じて動きは良くない。7fの短竿じゃなくて本格的に4.5mの磯投げ竿でブン投げなきゃならん釣りモノなら出番あるけど、港のスロープの沖程度ではそこまで飛距離は必要ない。とはいえCD7では飛距離足らんかなという感じの微妙な遠距離。

 これまた蔵に良いのがございます。またもヤマリアでフライングダイバー、固定重心だけどオフセットリップが効いてるのか飛距離充分。同様のタイプにバスディのドリフトツィッチャーもある。コイツらも案外良い仕事してくれるかもしれん。フライングダイバーは廃盤になった時に後継者選びをしてラパラのFマグ改にカヤックシーバスでのお仕事を引き継がせたんだけど、その後中古釣具屋でお気に入りの赤とか見つける度にお買い求めになってしまい、けっこう弾数あったりする。ドリフトツィッチャーは小さいのはメッキ釣りで活躍中だけど、10センチ前後の大きめのは色がいまいち夜向きの派手なのがないのであんまり使ってなかったけど、スロープ沖は明るい時間の釣りになりそうなのでここが使いどころかも。フライングダイバーの赤もどちらかというと昼向きだな。

 で、チョイ潜らせて深めを狙うなら、なにもミノーにだけ頼る必要もないだろうって話だけど、まずはバイブレーションと鉄板、クルクル系は外す。コイツら意外と底近くの棚を引っ張ってくるの難しくて早く引いてると浮いてくる、それが嫌で底転がすと多分まともに動いてない。引くべき速度の幅が狭くて意外に難しい。引っ張り上げて落としてというのの繰り返しが現実的だけど、なんかイマイチ上手にできる気がしない。引っ張り上げて落としての繰り返しをするなら、スプーンなら適当にやっても着底の感触も分かりやすく引いてくる速度もゆっくり目で底近くを意識すればやりやすいように思うので10g以上ぐらいの重めのスプーンはありかも。早引きが効くならメタルジグもありになってくる。ッテのに比べると、ミノーだのはリップがあって棚を維持して引っ張ってくるのに向いているので技術的に巻きっぱ中心で良くて楽。

 って考えると、リップがあって棚コントロールがしやすいルアーならミノーにこだわる必要はなくて、クランクとかシャッドとかでもいける、というかマジェンダはほぼミノーっぽいクランクなので、クランクはおあつらえ向きだろうと感覚的にわかる。リップが底叩く着底の感触とか分かりやすいし、ルアーごとの潜る深さを把握していけば、ルアーを深さに合わせて選んだら、投げて巻くだけで、自動的に底棚を引いてこれるようになるはず。

 ということで、クランクは重心移動搭載じゃなくても太いボディーの自重で良く飛んでくれるので、あとはシーバス想定のスピニングタックルで巻くのがしんどくないのを選ぶと良いはず。出番あんまないのでポーのセダー1100はどうかと思ったんだけど、飛距離も潜行深度も問題無いんだけど、個体差激しくて泳がんようなのもあったりしてワシいまいち好きになれんかった。ということで、ワシの好きなクランクはピーナッツⅡなので、ピーナッツⅡとそのDRのラトル有る無しを用意して、ついでに潜行深度ごとに数字があがっていく”システムクランク”なスミスのハスティーの1、2あたりを試してみたらそこそこ良い感じなのでこれも合格かな。ディープダイバーの良いところは砂底だとあまり関係ないけど障害物にアタったら止めて浮かせるとか、そもそもリップがハリを障害物から遠ざけ根がかり対策にもなるので、軽く巻ける小型のディープクランクとかは何かと使えるようには思う。

 まあ、このぐらい選択肢あれば色々試して遊べるだろう。ザ・ファーストをガサッと買い増しした以外には、ほぼ蔵の在庫であり、こっち方面での散財は最小限に抑えられたと思う。よかったよかった。

 ちなみに、ジグヘッドのワームという選択肢は全くない。ワームを使わない主義とかではなく、ワシ分解性のワームやワームっぽく使う鳥皮短冊(通称チキンリンド)とかは有効なら使うけど、近所漁港内でワームを使うと、3投もすればフグ軍団に囓られて消えてしまうので使えない。逆に言うとフグがキツくてワームが使いにくいようなポイントなので竿抜けになってて魚が残りがちってこともあるかもしれない。”フグと和解せよ”。フグを味方につけたらこれほどたのもしいヤツもそうはいない。

 などと、横道にそれて妄想しておりました、ルアー図鑑うすしお味第64弾は、珍しく遠投性能の高いミノーなんかを中心にあれこれ書いてみましたとさ。

2024年6月29日土曜日

ヨーヅリミノーの系譜

 株式会社デュエル(旧ヨーヅリ)の沿革をウィキってみると、その創業は1967年に疑似餌の製作工場としてスタートしている。その後有限会社洋釣り具製作所となり佐賀に工場を移転し、1976年から本格的に海外へ販路を開拓し、翌77年には株式会社洋釣漁具と改組、89年には商号を「株式会社ヨーヅリ」に変更、95年に、たしかイタリアのトローリングリールブランドだったかのデュエルを買収だかしたように記憶しているけど、最初別会社としてデュエル株式会社を設立のの後、97年にはヨーヅリとデュエルを統合し今の株式会社デュエルの形となる。本社も佐賀から福岡になっていて、ワシが九州に居た頃は本社が博多の通勤途中にあって、ビルに入ってって「こちら小売りはしてないんですか?」と突撃して、やんわり追い出された記憶がある。その頃とは本社の場所自体は変わっているようだけど、今も博多の地から地元の九州男児から世界の釣り人までを魅了するルアーを発信し続けているようだ。実際のルアーの生産工場はフィリピン、ベトナムに持ってるそうだけどな、ラインは今現在でも国内生産と知って逆に驚いた。いずれにせよ疑似餌作って半世紀以上の老舗である。

 「アオリーQ」で有名な餌木を昔から作ってるってのもあるけど、潜行板やらウサギ型のいわゆる”ヒコーキ”などトローリングというよりは曳き縄の釣りの、職漁師仕様の漁具を扱ってるっていう印象がワシには強くて、ヨーヅリになるまえの「(株)洋釣漁具」の社名はしっくりくるモノがある。現在のウェブカタログみていると、弓角もスキップバニーちゃんも、小っちゃいタコベイトの「ワームカット」とかも、もう作ってないようで時代は変わったなと昭和のジジイはちょっと寂しい。かわりにタイラバ系とかインチク系とか漁具系の流行り物はおさえてるけどな。

 今回ヨーヅリミノーをネットオークションとかでかき集めてみて、一番古かったのが左の写真のミノーで、他にプリズムシート内蔵のキラキラのやジョイントものもあったけど、シンプルなこの色にしてみた。名前は特になく、サイズがかすれてるけど10センチと書いてあるようだ。

 ミノーとしてはなんてことはない感じで、約10センチのやや太目のボディーに立った角度のリップが突き刺さってて、プラのミノーなんだけど形状的にはラパラCDっぽい。しかしながらはコイツフローティングなんである。太目で立ったリップとなると、タイガー・・というより後ろフックのアイの位置からいってマーベリック的な水面使いで楽しそうなミノーである。あるけど、さすがに新品袋入りで一個しか持ってないので、使う勇気がない。資料として蔵に寝てもうらうことになりそう。

 趣深いのがまずは”札”の部分で、お馴染みの「YO-ZURI」表記の上に、イカを象った意匠で「YOFISHING」と記されているYO。

 でもって、裏面見ると海外向けも展開していた品らしく、メイドインジャパンの文字とイカマークに加えて「FOR COMMERCIAL FISHING」、つまり漁業用となっているのが興味深いところ。

 ラパラマグナムとかが曳き縄漁師に使われてたってのは、日本に限らずあったようだけど、そういうプロの使う漁具として売ってますっていう方針だったのか、宣伝戦略だったのか、いずれにせよ曳き縄でガツンと良い魚を掛けても大丈夫なようにか、単にラパラを参考に素材をプラに置き換えただけなのか、ワイヤー貫通式の構造になっていて、そこはプロ仕様を謳っても良いぐらいの美点だと思う。海外に売ってた気配がアリアリの包装なので、1970年代後半ぐらいの、海外へ販路拡大してた頃の製品ではないかと思われる。ネットで同様の包装の製品を探ってみると、他にソフトベイト的なドジョウやイカが確認できた。ドジョウに関しては隠れたロングセラーじゃなかろうか?90年代ぐらいまでタチウオ仕掛け、タチウオテンヤと一緒の棚あたりで売られてたのがあったように思う。

 というように70年代後半に始まったらしいヨーヅリミノーは、80年代の第2次ルアーブームのあたりで爆発的に増殖し始める。

 おそらく順番的に、先陣を切ったのは以前チョロッと取りあげたLジャックミノー軍団あたりだろう。当時の(今でもか)ミノーのお手本であるラパラ軍団を、プラで再現してるんだけど、その際のヨーヅリ的解釈が独特で、そこそこの数買ってみたけど、結局はこれはあんまり頼りにならないなということにあいなった。性能的には特に問題があるようには試投段階では思えなかった。なら何が頼りにならないかというと、フローティングの中古の弾数が少なくてかつ、フローティングとシンキングの見た目での判断が難しいからである。Lジャックミノー軍団には通常のリップが付いたLジャックミノーのフローティング、シンキングがありジョイントもそれぞれあり、ラパラFマグのようなオフセットリップが付いたLジャックダイバーのこれまたフローティングとシンキングがあり、さらに金属リップのLジャックマグナムにもなぜかフローティングとシンキングがあるという、ラパラ軍団をさらにややこしくしたような軍団構成になっている。ちなみにラパラのオフセットリップのはフローティングマグナムでシンキングはないし、金属リップはカウントダウンマグナムに採用されており金属リップのフローティングはないという役割分担だけど、ヨーヅリがパクるにあたってはガン無視されている。デキ自体は悪くない。Lジャックミノーはその後反射板入れてタキオン名でも売ったようだし、オリムでも名前変えて売ったようで、ラトルの入ったレーベルミノーみたいな感じで、かつ、貫通ワイヤーのリグをここでも踏襲していて、丈夫で基本性能を押さえたミノーになっていると思う。しかし、先ほど書いたように、フローティングとシンキングの見分けが箱無しだとつかない。マグナムは目が小さいのがフローティングっぽいので見分けられるカモだけど、その他はどうにも外見ではわからん。買う前に質問するのも500円かそこらのルアーについて細かいこと聞くのは、結果買うなら良いけど「じゃあいらないです」って断りにくいノーといえない日本人なワシである。ということで結局これだけ集めて、フローティングは買い増しした分ではLジャックミノーでは当たらず、ダイバーとマグナムで一本ずつという惨憺たる結果になってしまった。シンキングはシンキングで使いどころはあるんだろうけど、ワシには今のところ用が無い。フローティングは中古市場の弾数もそれほど豊富じゃないようなのもあわせてLジャック軍団は諦めた。

 多分ずいぶん昔から蔵に転がっている、上の方の巨大ミノーたちもLジャック軍団の一員なんだろうな。もちろん全く使うアテはない。ていうかデカいジョイントのほうはデカさのわりに重さがなくて投げられん。それこそ曳き縄用想定なんだろう。2番目の方は7インチ級でまだ常識的(いつどこの誰の常識か?)。

 Lジャック軍団より、独自性を打ちだした”ヨーヅリオリジナル”なミノー達もおそらくLジャックより後に出たんだろうけど、だとしても同時に存在したくらいのタイミングで80年代に最初の世代が生まれているのだろうと推定している。それはスイングミノー、クリスタルミノーの登場であり、そのぐらい古いのだろうというのが”金バリ”付きの個体が散見されることから推定できる。

 という時期である80年代にヨーヅリは”アタックル”ブランドを展開し、バス部門では頭のおかしい奇天烈ルア-を爆誕させまくっていたけど、ミノーはタキオンやらパイクといった、反射板を内蔵しているのが新機軸なミノー達をぶち込みつつ、スイングミノーやクリスタルミノー、トビマルといった実釣能力の高い”ヨーヅリミノー”をも生み出しつつあったんだろうとみている。ちなみにタキオン買ったらコイツらもシンキングでLジャックミノーに反射板入れただけの方じゃなくて、丸っこい小さい形状の可愛いのはハリをシングルの軽いのにしたら何とか浮いた。

 で、90年代真ん中になるとデュエルブランドを立ち上げて、新機軸のルアーはそっちで展開していく。1996年のカタログが手元にあるのだが、デュエルとヨーヅリでは別冊になっていて、デュエルではバスルア-として”フューズ”ブランドを前面に押し出していて、バナナボート(ペンシル)、ZZポップ(ポッパー)、今回買ったマッディミノー(ミノー)、クランクマックス(ディープクランク)、ロケットシャッド(ディープシャッド)、ジャミングバイブ(バイブ)と一通りそろえてジュニアサイズとワームもなんぼかという布陣。正直このシリーズは評判もとれず売り上げもそんなに良くはなかったように思う。海外展開ももちろんありで(米国ではフェンウィックブランドで!)、安いのでそれなりには流通しただろうけどあんま評判聞かないし、その中では良くできてるというマッディーミノーを”濁水対策ミノー”といううたい文句に期待して入手してみたけど思ったほど暴れず迫力不足だった(この個体がハズレだったかも)。しかし試し投げ中に魚が食うということが起こってしまい、ちょっと買い増し決定。ルアーにおいて魚が食うのは正義。一方、トラウト用として”アイル”シリーズがフローティング、シンキング、リップレスとこれまた一揃いなんだけど、こっちは細身でシュッとしつつもジャパンミノー伝統のセッパリ形状をやや踏襲して重心移動をぶち込み良い感じに仕上がっている。こちらはこの時期のデュエルを代表するようなシリーズになっていって、この年海でもデビューで”ソルティーアイル”が海のアイルデビューと紹介されている。で、もひとつ90年代のデュエルの海用ミノーとしてはCSミノーが一時期雑誌広告もバンバン打って売り出していた。「高性能トラッド」を謳い形状的にはラパラCDに近く、重心移動搭載したCDの線を狙ったルアーだったと思う。一時期よく売れてたけどいつの間にか消えたように記憶している。ワシの蔵にもなんぼか転がってるかと思ったけど見あたらんかった。ルアーでは良くある現象だけど、大ヒット作が長寿ルアーになるとは限らない。ぶっちゃけCDの方が釣れるから一回試してみて「こんな感じか」で終わる。次はCDを買う。釣果であれにはなかなか勝てんだろ。

 一方、同96年のヨーヅリカタログには、定番のクリスタルミノー、左写真のトビマル、に加えここでアークミノーが”NEW”っと登場、ということはその前身であるスイングミノーがお役御免。あとはミノーとしてはマイナーな断面3角のデルタソード、タチウオ用の夜光3色のみのサーベルミノーはデルタソードの色違いっぽいかんじ、ってのがあって、海でもライトなルアーが流行りつつあったのを反映して、淡水用からピンズミノーがソルトっぽい色にお色直ししてピンズミノーSWとなって新登場のほか、トビマルをシンキングにして小型化していったようなエンペラーミノー系統が配色系統の違いで3シリーズも用意されていて、加えてさらに小っこいクランクみたいなこれも淡水用先行だった気がするLミノーもラインナップ。

 ってのが90年代中盤までのおおよそのヨーヅリミノーの展開具合だけど、その後ぐらいから、さらに新世紀に入ると商品開発の間隔が釣り具でも短くなり、新たなシリーズが生まれては消え、また生まれしていく、トラウト用ミノーで始まったアイルシリーズに何が違うのかよく分からんけど特許技術のマグネット式重心移動システム搭載のアイルマグネットミノー誕生、そこから派生した写真のマグダーターとかいまだに九州男児御用達のようで、ヨーヅリブランドでマグダーターとしてもいまカタログモデルだし、デュエルブランドからは新生アイルマグネットTGダーターとなってでている。まあ金型一緒で鉄球が磁性タングステン球に変わったとか、そういう経費削減したお色直しはヨーヅリお家芸。

 アームズシリーズとかちょっと価格お安めシリーズのミノーとかピンズミノーに重心移動乗っけたなって顔してるし、クリスタルミノーも自社魔改造により重心移動搭載のマグクリスタルミノーになってたりする。と同時に重心移動無しも健在が嬉しい。クリスタルミノーは中古の弾数多いのに加え新品も買えるので弾切れ起こしそうになく安心。

 そして、先進の技術を突っ込んだ”売り出し”モデルはハードコアーブランドから近年は出しているようで、ワシもタングステン重心移動システム搭載のハードコアTTリップレスミノー90FSRとか、とりあえずコモモ以外のリップレスミノーとして備蓄している。気合い入った新製品はハードコアブランドって感じか。たぶん写真の中にはタングステンじゃない鉄球の入った旧モデルも混在している。金型一緒、塗装の印刷も一緒、経費削減してても、なんか新しくて釣れそうな雰囲気を醸し出してくる、それがYO-ZURIの市場戦略。

 と同時に、海外向けイカ野郎向けにはYO-ZURIブランドは強いので、いかにもメイドインジャパンな奇天烈ギミックをぶち込んだのとイカはこのブランドで出る印象。デュエルブランドの立ち位置がイマイチ分からんけど国内向けか?本体表面にホロシ-トを張るのではなく、ボディー内に立体的に配置したようなヨーヅリブランドの”3D”シリーズとか見たことあるようなルアーのお色直しだったりしても、ちょっと手が出てしまう感じで3Dインショアサーフェスミノーとかはこの地でも活躍してくれている。こういう新技術の見た目のルアーって海外の釣り人から見たら、いかにも”メイドインジャパン”っぽくって良いンじゃないでしょうか?ヨーヅリブランドのルアーは国内では積極的には売ってないようで、通販ぐらいでしか見かけないけど、モノは良いので新品700円とかアホみたいな値段付いてたりするので買って損はなし。でもこのシリーズ今カタログ落ち。まあまたお化粧直しして再販かかるでしょう。

 見た目の奇天烈ギミックでは、ボディーに細かいギザギザ山が刻んであって、山のこちらと向こうで色が違うのでの後ろから見るのと前から見るので色が違うという、なんじゃそれ、な”SASHIMI”シリーズとか、今でてるのでは”L-ブルー”シリーズのレンズフィニッシュとかもそう、もっと素材から奇天烈で、昔出てた金魚とかケロちゃんベビーみたいなワームほどじゃないけど柔らかい柔軟性のあるプラ素材を使用した”ゾンビ”シリーズとかもあった。ゾンビシリーズ惜しむらくは、ハリ音とかしないという嫌われにくい特性は、シーバスとかでこそ生きるだろうに、やっかましいほうが釣れがちなバスルア-方面で展開してたのがもったいない気がする。

 てな、アタックル時代から続く奇天烈方面の伝統を守りつつあるのも嬉しいけど、もう一つ嬉しい伝統なのが、海のルアーでは本気で行くぜ!なワイヤー貫通構造のルアーが最初期の名も無きミノーから始まって、いまだに用意されていることで、ワシんちの蔵にあるのでは、写真のハードコアミノー120Fパワーがそうなんだけど、こいつはすでに一世代前で、現役だと新生アイルマグネットシリーズのTGミノー、TGダーターはワイヤー貫通構造なんですよ。ってところに別にエイト管だからってクリスタルミノーがぶっ壊されてハリだけ持ってかれるとか思ってないけど、それでも想定外のことが起こる、何でも起こり得るのが”海の釣り”なので、想像もしなかったような”強い”魚にルアーを破壊されても、ワイヤー貫通なら魚はあがる!っていうのが心にあれば、そのルアーを魂込めて投げることができるのではないだろうか。などと妄想が捗るのである。

 ヨーヅリが守ってきた伝統、それは時に奇天烈と釣り人の目に映るぐらいの挑戦的な試み、そして海に投げるルアーには一ッポン筋を通したのを用意しておく、ってのが貫かれているのではなかろうか、などと贔屓の引き倒し気味に書いてみました、ルアー図鑑うすしお味際63弾。YO-ZURIミノーの歴史を急ぎ足でササッとかいてみましたとさ。まあヨーヅリはこれからも安くて頼りになるルアーを作り続けてくれるだろうってことは、これまでの歴史を見ればまず間違いなかろうて。

2024年6月22日土曜日

ヨーヅリミノーのワシ的2強

  酷い症状が出ていたヨーヅリ方面、とりあえず自分が何を押さえておくべきか固まってきて、実際に弾数も確保して、何とか症状が治まってきました(ヨーヅリに関しては)。

 結果から書くと、ワシが今後の海水温上昇にともなう紀伊半島”南の海化”に備えて確保しておくべきヨーヅリミノーは、「スイングミノー」「クリスタルミノー」の2つを中心に、トビマルとかもなんぼかぐらいで、あとハードコア勢の現役モデルは今使ってる「3Dインショアサーフエスミノー」とかリップレスミノーとかもそこそこ在庫しているので間に合うかなという今のところの結論にいたり、じっさい最初の2種類はガッチリ買い込んで弾数確保できてめでたしめでたしなんだけど、そこにいたる紆余曲折、手に入れたルアーから分かったこと、グダグダと考えたことなどヨーヅリミノーに関して2回ぐらいに渡ってアレコレと書いてみます”ルアー図鑑うすしお味”第62弾、ご用とお急ぎでないヨーヅリ好きの皆様どうぞごゆっくりと楽しんでいってください。

 では、今回備蓄決定した「スイングミノー」と「クリスタルミノー」についてひとくさり書かせてもらいます。どちらも中古を探していると写真のような80年代ぐらいの”アタックル”版とみられる金バリ仕様のが散見されるので少なくともその頃から販売されており、クリスタルミノーとトビマルは90年代の重心移動ミノーが全盛の時代になっても生き残り、なんとクリスタルミノーは現在でもカタログに乗ってるというすざまじいロングセラー、国内で現在そんなにクリスタルミノーが使われているように思わないので、ヨーヅリを高く評価しているお客さんはむしろ欧米やら海外なので、海外の根強い愛好家が買い支えているのだろうとは思う。思うけど凄い。Kテンやアスリートを抑えて国内最長寿ミノーではないだろうか?シーバスハンターも古いけどあれはシリーズであって初代とⅡ,Ⅲは別物だしな。

 というクリスタルミノーと同時期の80年代ぐらいに発売になったんだろうと思うけど、スイングミノーは90年代にはカタログ落ちして、よく似た形状のアークミノーというのが代わりに登場している。写真だと一番上がスイングミノーで2番目がアークミノー、3番目がツルミノー。アークミノーはケミホタルをお腹にぶち込めるという”これぞヨーヅリ”なけったいな機構が売りなんだけど、そんな機能使わんっていうよりも、形は似ているけどスイングミノーとは全く別物になっているのでワシにはちょっと響かなかった。アークミノーは今時の樹脂製ミノーとほぼ同じ作り方で、それだとスイングミノーの独特の良さが消えてしまう。スイングミノーは知ってる人はご存じのとおり発泡樹脂素材で作られていて、ワイヤー貫通構造の硬派なミノーなのである。スイングミノー自体はヨーヅリのカタログからは落ちてしまったけど、ヨーヅリから独立した津留崎氏が自分の立ち上げたメーカーで飛距離を出しやすいように太らせて重量増したような「ツルミノー」にその設計思想的な部分は引き継がれ、ついでにスイングミノーも復刻してたみたいで、津留崎氏のGL工房製のどうみてもスイングミノーな「ツルミノークラッシック」がちょくちょく中古でも出てくる。中古屋とかで知らずに買ってた写真の下2本の目が大きいのが多分それ。

 で、発泡樹脂製のスイングミノー、軽い樹脂素材で作ってるので動きが滅茶苦茶良い。ロール強めペラペラッという感じの軽快な動きで超釣れそう。特に11センチフローティングが個体差なのかもだけどややジャジャ馬でミノーのくせにたまにバランス崩してヒラっと千鳥りやがる。実際九州男児御用達の人気シーバスルアーだったようで、磯ヒラとかもこのルアーの15センチとかで実績ガンガンあがってたそうな。で滅茶苦茶動きが良いルアーにはありがちなんだけど、軽くて飛距離がイマイチっていうのと細いボディーを発泡樹脂素材で作ってるので強度もイマイチって書かれていることが多い。確かに投げてみると飛距離はイマイチかもだけど、ラパラフローティングほどではなく、ワシみたいな近距離特化型の釣り人には動きの良さの魅力の方が断然大きい。強度はさすがに物理の話なのでどうしようもないけど、ワイヤー貫通式なので本体が折れても魚はあがる。そのへんはラパラと一緒。ツルミノーを太らせたのは強度確保もあるんだろうと思う。そういえば昔、フィッシャーマンの鈴木氏とヨーヅリ時代の津留崎氏がロウニンアジ釣りに行くビデオで、当時ナイロンラインだったんだけど、津留崎氏サーフェスクルーザーでナイロン時代には限界近い大きさだった30キロオーバー釣ってて、サーフェスクルーザー、ロウニンアジにポッキリ噛み折られてた。でもこれまた貫通ワイヤー構造なので魚はあがってた。ちなみにサーフェスクルーザーも発泡樹脂製で現行モデルは樹脂が”破壊不可能”を謳う丈夫なのに変更されている。

 で、スイングミノーだけど、こいつはなんなら今使うか?っていう9センチから来たるべき未来に向けて11センチ、13センチ、15センチとフローティング中心に買ってみた。ついでにツルミノーもいくつか。

 動きがよくて、貫通ワイヤー方式でデカいのがいきなり来たりしても何が何でも魚はあげる方式なのがいたく気に入ったんだけど、なにげにカラーリングの面白いのが多いのも気に入っている。ヨーヅリ伝統の技だと思うけど、カラーリングを変えて売るっていうのが80年代から炸裂していたんだろう。初期の頃のシンプルな青鯖模様とかも味わい深く、出品者の方は内水面中心のルアーマンなのか「ブルータイガー系」と表現してたけど、まさにそんな感じで、青に横縞が入るというありがちな魚の模様を象徴化記号化したようなデザインでなかなかよろしい。それ系ではゼイゴを点々と黒で書いただけやんけなアジカラー、と青っぽい色に黒点のマイワシカラーのあたりのわびさび感というか、今時の鱗まで立体で表現しちゃうような”人が釣れるリアルカラー”の対極の、デザイナーさんが仕事した感がよろしいのではないでしょうか。逆になんかリアルミノーって流行ってるんだって?って自社でも影響されてその手のカラーも導入するにあたって、他ではあんまり見たことない手法をぶち込んでくるのがヨーヅリ品質。写真の下から2番目、マイワシのリアルカラー、ホイルフィニッシュとリアル系プリントの合体技で、アルミ箔になんか図鑑から引っ張ってきたような魚の絵をカラー印刷してルアーの表面に貼り付けてある。ハッキリ言っていわゆる”不気味の谷”に落ちてしまっていて、本来立体の目が入る窪みに充血したような赤い目の絵がハマっているのとかキモくて最高。まあでも普通のホイルフィニッシュとか定番の赤金とかがやっぱり釣れそうには見えるね。

 固定重心で動きは最高、ラトル無し、本体空洞じゃなくて発泡樹脂製と嫌われる要素は少なめ。欠点の飛距離はワシにはあんまり関係ない。実際試投した際にも問題無い飛距離が出てた。いままで使ってこなかったことが悔やまれるぐらいワシ向きのミノーのような気がする。一般的にはツルミノーの方が完成度高く良くできてる傑作ミノーな気がするけど動きの良さに全振りしたかのようなスイングミノーの潔さがワシ好み。

 で、お次が「クリスタルミノー」。カタログにはアクションは”タイトウィグリング”となってて、ワシいつから言いだしたのかウィグリングってなんね?ってきっしょく悪い言葉だなと思ってるんだけど、要するにローリングのことらしく何でわざわざ分かりにくくかつウォブリングとも混同しそうな言葉を使いたがるのか理解に苦しむんだけど、まあ言葉の問題はさておき、タイトはネーだろこの動きは?って実際に投げてみると思う。小さいサイズほど顕著だけどおもいっくそグワングワンにロール気味に暴れる感じで、頭の方起点のグワングワン系の動きはちょっとタイガーを想起させる感じで、そりゃ海外で人気なのも頷ける。

 ちょっと面白いのがフローティングはラトル無しなんだけど、シンキングはラトル有りで、シンキングは昔カヤックシーバスで使えるかなと日本の釣具屋では売ってないのでバスプロショップスでまとめ買いしたんだけど、今一パッとしない動きで立ち上がりもモタクサしてて気に入らなかった。シンキングタイプは、フローティングに金属のボールぶち込んだだけじゃないのか?と疑ったけどカラカラ鳴らしてみた感じさすがにそれはなかった。でも重くした分動きが確実に悪くなって、ワシの求める”強い動き”のミノーはフローティングが必須条件なんだろうなと再認識。フローティングにはオモリなんか入ってねえんだろうなって感じで軽いんだけど、スイングミノーに比べると太目のミノーなのと、名前の由来にもなっている両側面に張ったなんとなくクリスタルなプレートの重量もあるのか飛距離はそこそこ出る。かつ浮力強くてトップウォーターミノーイング的にチョンチョンやって頭突っ込ませても良い動きしそう。まあワシただ巻きでグワングワンさせるんだろうけどな。ということでスイングミノーは細いので沈めるにもオモリそんなに使わなくていいのかシンキングも良い動きしてたけど、クリスタルミノーはフローティングが傑作でシンキングは凡作かなと思いましたとさ。

 で、スイングミノーとクリスタルミノーに共通した美点、それは中古価格が安いことで、もともとが安いヨーヅリのルアーで我が国じゃ人気もそれほどない一昔前のミノー、送料込みで安いと500前後の投げ売り価格。かつスイングミノーは数売れてたみたいだし、クリスタルミノーは長期政権だしで中古の弾数が多くて実弾補充が容易。安くて手に入りやすく性能よくてちゃんと個性的で使ってて楽しそう。文句なかですばい。

 ついでに、今回買い増しの対象としなかったけどワシ的にはヨーヅリミノー御三家が一角と認識しているトビマルについてもひとくさり書いておきたい。

 以前もどっかで書いたけど、九州時代にトビマルにはお世話になったけど、ノーマル状態ではなく、初冬の荒れた玄界灘の浜で体斜めにしないと後ずさりさせられるぐらいの向かい風に向かって、トビマルのボディーにガン玉しこたまぶち込んで”超重量トビマル”にして、たまに動く程度のヘビーシンキングミノー(当時そういう代物は無かった)化して使ってたので、ノーマル状態で泳がせたのは、”フラットラップ廃盤ショック”のおりに後継ルアーを探すときが初めてであった。その時の感想は「今時のミノーみたいな振り幅狭い動きで、太さで重さを稼いで飛距離も出るしいかにも釣れそう。ちなみにこれだけラトル入り。」と書いている。そう、見た目太目のミノーなのでブリブリと激しく泳ぐかと思ったらそうでもないのが意外だった。なぜそういうアクションになったのか、ちょっと面白いブツを手に入れてなんとなく想像がついた。そのミノーは「スイングマレット」という。ほぼ形状はトビマルで多分名前とラトルの位置か個数が違うだけのトビマルの旧版と考えて良さげ。で、コイツが半透明で、オモリの位置を見ると動きがおとなしい理由が分かる。拡大写真で見てとれるように後方にオモリがハマっていて、それが仕切りも兼ねててお尻にラトルルームがある。後方重心なので飛距離は出る。何せ改名したらトビマルって名乗るぐらいだから。でも名前に”スイング”って入ってるってことはスイングミノーは既にあって、その派生として軽くて飛距離がイマイチなスイングミノーの欠点を補うために、全体的に太らせて浮力を稼ぎオモリを入れても動くぐらいにしたうえで、後方重心にして飛距離を出す設計。なので泳ぎの派手さは損なわれてしまっている。そこでアピール力不足を補うためにラトル入れたのかなと。ちなみにトビマルの130のほうはラトルは本体の前方にも回るようになっててカラカラ鳴ってる。Kテンで重心移動が生まれるまでは、飛びのよいミノーは後方重心で動きの良さを犠牲にせざるを得なかったという事例の一つで、もいっちょ代表的な飛距離出るけど泳ぎ下手のミノーと言えばダイワのロビンがあったりする。重心移動は偉大な発明なんである。ワシャあんま使わんけどな。で、トビマルは当時の”よく動くミノー”が求められていた市場では動きの弱さは弱点だったかもだけど、今時のおとなしい動きのシーバスミノー全盛の視点で見ると、その動き釣れそうなんである。っていうか当時も良く飛ぶので釣れると思われてたんだろうけど、むしろおとなしめの動きが効いてたってこともあったのかも。ならば今現在ラトル抜いておとなしい太目ミノーっていうありそうでなさげな隙間をついたら化けるかもしれない。ラトル抜くのは簡単である。なにせ昔逆にガン玉しこたま詰め込んでたぐらいで、ドリルで穴開けて抜くなり入れるなり好きにして、テッシュネジって詰め込んで瞬着で固めて適宜削って防水にエポキシでもかけておけば完璧。

 ガサゴソ蔵探ってたら当時の超重量トビマルがでてきて、ついでに浜に漂着して砂に塗装削られてしまってるのを、だれかが鱗シールで復活させたけど根掛かりロストして、さらにそれをワシが拾ったというブツも出てきてので、重量比較してみた。右が重量変えてない砂浜が削ったトビマル26g、対してワシがガン玉詰めまくった超重量トビマルが52gで倍増。このぐらい重量上げてやらないと、向かい風でミノーが吹き戻されるような、そんな季節風の吹きすさぶ玄界灘の釣りだったのだ。当然波も荒く砂浜の砂が舞あげられてサラシのように白濁りしているので、ジグでも飛距離は足りるけどアピール力が足りない。これだけ重量上げるとトビマルもジャークしても動いてるんだか動いてないんだかだったけど、動かなくても釣れました。これは使えると、手持ちの大型ミノーを片っ端から超重量化していったところ、重心移動のスペースに空気が残るのでザファースト130Fはひっくり返って用を為さず、固定重心のアスリートシンキングはトビマルよりもジャーク時ちゃんと泳いでくれて使用可能となり、ラパラFマグの腹に穴開けまくって茄子オモリを填めまくった”乳牛チューン”はジャークとかで速度上げてやればキッチリアクションして、さすがラパラと感心したものである。

 ということで、トビマルも今回の課題の”強い動き”のミノーからはずれるけど良いミノーでまあ安いしどっか使いどころはあるかなとチョロチョロポチりました。

  とまあ、実弾補充強化ミノー+αについて書いてみました、ルアー図鑑うすしお味、次回第63弾は引き続きヨーヅリミノーネタで、今回紹介した他にも色々買ったので、ヨーヅリミノーの歴史的な流れと、昔から変わらぬ伝統とをちょろっと書き記しておきたい。お楽しみに。