2024年7月13日土曜日

脱線して遠投用ミノー

 海水温上昇対策事前準備の長い旅の途中ではあるけど、試し投げ中にスロープ沖の砂底でデュエルのマッディミノー(あんまり暴れないハズレ個体)に、なんかちょっと良さげな魚が食ってしまうという予定外の出来事が起こってしまい、今まで狙ってなかったし誰も狙ってない竿抜け的な釣り場かなと今後は意識して狙うつもりだけど、さすがに砂底の変化に乏しい釣り場で近距離戦でピンポイント狙いってわけにはいかず、ある程度ブン投げて広く探らざるを得ず、珍しく飛距離重視のミノーも必要だなと、またいらんことを考えてしまいそちらの方に症状が出てしまった。

 ただ、ワシ自称”近距離特化型”のルアーマンであり、重心移動搭載のミノーとかってあんまり興味がわかんのは事実で、それほど症状は酷くなく、かつ「なんかあるだろ?蔵に」と考える程度には理性も残っていた。実際蔵に転がってるミノーで概ね事が済み、多少?買い増しした程度で治まってくれて、アメルア方面では酷い症状にトラブルも重なってエラい目にあってるのでホッと胸をなで下ろしている。

 まああれだ、ヨーヅリネタでも出したけどハードコアなミノーとかボチボチあるし、コモモシリーズは重心移動関係無しに昔から愛用しているし、なんならデュオのタイドミノースリムもボートシーバスで使ってたのがまるまる残ってるし、シュガーミノーやらもあれば、元祖のKテンもあると言えばある。

 というわけで、シーバス釣りにいったときとかに潮待ちマズメ待ちの暇つぶしに投げたりして使えそうなのを選別してみた。この作業が楽しいのよねってのは実際のところ大いにある。巷に星の数ほどの種類のルアーがあるのも”いろんなルアー投げると楽しい”っていう病の元凶となるような根本的な要因があるような、ないような。

 まあ、重心移動っていえばまずはKテンなんだろうけど、これがワシKテンは相性の悪いルアーで、なぜか釣った記憶がないぐらいに魚釣ってない。シーバス野郎ども的には実績も評判も申し分なく、コレで釣ったことないとか腕のほどが知れるッテぐらいでお恥ずかしい限りだけど、誰でもあると思うけど苦手としかいいようがないので仕方ない。どう記憶をほじくっても175だかの大型ので50無いぐらいのをバラしたぐらいしか思い出せない。こうなると時既にお寿司で、苦手意識が強くて魂込めて投げられないので釣れるわけがない。ということで選から外す。しかし、この時代のセッパリ形状のミノーの持つブリブリとしっかりした泳ぎは、海水温上昇想定時の”強い”動きのミノーとしても有用だと思うので一種類ぐらいは欲しいところ。って考えるとKテン苦手なのになぜかマリア(ヤマシタ)が技術協力うけてKテンと同時期に発売したザ・ファーストは好きで、11センチ、14センチはKテンと同型なんだけど、Kテンとは形状の違う9センチ、7センチの特に7センチが昼間っから濁った内房の運河で今で言うウェイキングな感じの水面引きで活躍してくれたのでお気に入り。遠投性能まったく活用してなかったけど、ちょっとクランクベイトみたいに太くて高浮力でブリブリとよく泳いでアピール度高いのは昼間だと投げて泳がせてるだけでも楽しい。あとこのルア-で面白いことを怪魚ハンターの小塚氏が書いていて、ザ・ファーストはKテンのように重心移動のオモリを磁石で固定する方式ではなく、坂道を金属の円柱が滑り落ちる方式なので、ジャークやらツイッチやらするとボディーの中でオモリが暴れてイレギュラーにダートとかするとのこと。11センチで試してみたら確かにツイッチでクルッとか変なタイミングでターンすることがあって仰るとおりでナルホドと得心。その手の機能を売りにしたのはメガバスのグレートハンティングミノーが最初だったと思うけど、偶然にも同じような機能がそれ以前に備わっていたというのは面白い。ってのもあって中古の弾数多いし安いしゴソゴソと買いあさってみた。ここぞと言うときにジャーク入れてカコーンってワンノッカーみたいな音を出して、っていうのも小技としてはあるかもしれん。

 昔、九州で玄界灘の季節風対策で大型ミノーに片っ端からガン玉詰め込んだ話は何度も紹介してきたけど、その時の”落ち”としてネタにしてた14センチのザ・ファーストにガン玉突っ込んだら重心移動のスペースに空気が残るのでひっくり返った、っていうまさにその個体が、ガン玉詰め込んだままの状態で蔵から発掘された。せっかくなのでこの機会にガン玉抜いて、いつでも出撃できるように元の状態に戻しておいた。ドリルで開けた穴を再度ほじくって、ガシャガシャ振って玉を排出。綿棒の軸を芯にしてティッシュを巻き付けたものを穴にギュッと詰め込んでから出ている部分を切り取り、瞬着を染みこませて固めてからアート-ナイフで凸ッてる部分を削って、目印がてら蛍光オレンジの塗料でコーティング。って感じの簡単なお仕事。

 ま、マッディミノーのあんまり暴れなかった”ハズレ個体”の代替としては、このザ・ファーストの90Fぐらいで充分だろう。他には蔵を探ったら、それこそ重心移動を多目的に使うように設計してあるメガバスのX80もいくつか転がってた。ワシ的にはあんまりツイッチとか想定してなくてブン投げてやや早引き、ぐらいのつもりだけどカヤックで一緒に釣ったときにY君が80UPのスズキ様あげたぐらいで”デキる”ミノーだという認識なのでタダ引きでも働かんことはなかろうて。あとサイズ小さくならシュガーミノー80系、大きくならハードコアミノーF120パワーあたりかタイドミノースリム120ぐらいか。

 で、とりあえずはよしなんだけど、満潮になると砂浜とかと違って浅い方にやってきてスロープ上に魚が来るってあんまり想像できなくて、おそらくスロープ沖の水深深くなったところに魚留まってるんじゃなかろうかと思う。そうするとシャローダイバーより潜るのが欲しくなってくる。のでこれもまあ蔵に転がってるのをいくつか試してみた。

 結果、抜群なのがマジェンダFで何が良いかっていうと、リップ除いて8センチ位のミノー体型のディープダイバーなんだけど、この大きさのディープダイバーにしては引き抵抗が小さくて2号ナイロン使用のそこまでパワーのないシーバスに使ってる竿でも問題なく巻ける。マジェンダには固定重心の初期型と重心移動の後期型があって、見た目では分からんので中古は気にせず買って普段は足場高い護岸からの超近距離戦用に重心移動タイプも前後に動く方のオモリを固定して”ナンチャッテ固定重心”にして使ってたんだけど、そういう改造をしていない重心移動版を使ったら、飛ぶし巻き抵抗は少なく楽だし、潜り方も1.5から2mぐらいとちょうど良い感じで超優秀。デカいリップのわりに細かいバイブレーションみたいな動きで動きすぎないところが引き抵抗の軽さにつながってるんだろうと思うけど、そこそこサイズもあってラトルもあるのでアピール力不足って感じはしない。中古だと安く買えるので、弾数も写真に撮った程度じゃ済まされないぐらい豊富に備蓄してあるけど、なんでこんな良いルアーが廃盤で人気もなく安売りされてるかね?今日日の人気のダイビングミノーとかどんなんがあるか知らんけど、こいつに勝てるのってそうはないだろ。っていうかいわゆるスプーンビルミノーってもう流行らんのか?ラリー・ニクソンが琵琶湖でレーベルのスプーンビルをポンプリトリーブした時代とは年号2つ変わってるからな。

 でも、サクラマスとか大型サケマス狙いならまだその手のもあるよなと思うけど、今時のはどんなのがあるのか知らんので、そんなもん元祖のシュガーディープでも出しときゃ足りるだろうということで、これも蔵にはあるので問題なし。

 で、飛距離出てそこそこ潜って、砂底なので根掛かりはあんま気にしなくてイイとなるとシンキングミノーも使えるなと思うわけで、単純な飛距離重視ならジャクソンのピンテールに始まるヘビーシンキングミノーで良いんだけど、あれってそこそこ早引きしないと動かないとか、総じて動きは良くない。7fの短竿じゃなくて本格的に4.5mの磯投げ竿でブン投げなきゃならん釣りモノなら出番あるけど、港のスロープの沖程度ではそこまで飛距離は必要ない。とはいえCD7では飛距離足らんかなという感じの微妙な遠距離。

 これまた蔵に良いのがございます。またもヤマリアでフライングダイバー、固定重心だけどオフセットリップが効いてるのか飛距離充分。同様のタイプにバスディのドリフトツィッチャーもある。コイツらも案外良い仕事してくれるかもしれん。フライングダイバーは廃盤になった時に後継者選びをしてラパラのFマグ改にカヤックシーバスでのお仕事を引き継がせたんだけど、その後中古釣具屋でお気に入りの赤とか見つける度にお買い求めになってしまい、けっこう弾数あったりする。ドリフトツィッチャーは小さいのはメッキ釣りで活躍中だけど、10センチ前後の大きめのは色がいまいち夜向きの派手なのがないのであんまり使ってなかったけど、スロープ沖は明るい時間の釣りになりそうなのでここが使いどころかも。フライングダイバーの赤もどちらかというと昼向きだな。

 で、チョイ潜らせて深めを狙うなら、なにもミノーにだけ頼る必要もないだろうって話だけど、まずはバイブレーションと鉄板、クルクル系は外す。コイツら意外と底近くの棚を引っ張ってくるの難しくて早く引いてると浮いてくる、それが嫌で底転がすと多分まともに動いてない。引くべき速度の幅が狭くて意外に難しい。引っ張り上げて落としてというのの繰り返しが現実的だけど、なんかイマイチ上手にできる気がしない。引っ張り上げて落としての繰り返しをするなら、スプーンなら適当にやっても着底の感触も分かりやすく引いてくる速度もゆっくり目で底近くを意識すればやりやすいように思うので10g以上ぐらいの重めのスプーンはありかも。早引きが効くならメタルジグもありになってくる。ッテのに比べると、ミノーだのはリップがあって棚を維持して引っ張ってくるのに向いているので技術的に巻きっぱ中心で良くて楽。

 って考えると、リップがあって棚コントロールがしやすいルアーならミノーにこだわる必要はなくて、クランクとかシャッドとかでもいける、というかマジェンダはほぼミノーっぽいクランクなので、クランクはおあつらえ向きだろうと感覚的にわかる。リップが底叩く着底の感触とか分かりやすいし、ルアーごとの潜る深さを把握していけば、ルアーを深さに合わせて選んだら、投げて巻くだけで、自動的に底棚を引いてこれるようになるはず。

 ということで、クランクは重心移動搭載じゃなくても太いボディーの自重で良く飛んでくれるので、あとはシーバス想定のスピニングタックルで巻くのがしんどくないのを選ぶと良いはず。出番あんまないのでポーのセダー1100はどうかと思ったんだけど、飛距離も潜行深度も問題無いんだけど、個体差激しくて泳がんようなのもあったりしてワシいまいち好きになれんかった。ということで、ワシの好きなクランクはピーナッツⅡなので、ピーナッツⅡとそのDRのラトル有る無しを用意して、ついでに潜行深度ごとに数字があがっていく”システムクランク”なスミスのハスティーの1、2あたりを試してみたらそこそこ良い感じなのでこれも合格かな。ディープダイバーの良いところは砂底だとあまり関係ないけど障害物にアタったら止めて浮かせるとか、そもそもリップがハリを障害物から遠ざけ根がかり対策にもなるので、軽く巻ける小型のディープクランクとかは何かと使えるようには思う。

 まあ、このぐらい選択肢あれば色々試して遊べるだろう。ザ・ファーストをガサッと買い増しした以外には、ほぼ蔵の在庫であり、こっち方面での散財は最小限に抑えられたと思う。よかったよかった。

 ちなみに、ジグヘッドのワームという選択肢は全くない。ワームを使わない主義とかではなく、ワシ分解性のワームやワームっぽく使う鳥皮短冊(通称チキンリンド)とかは有効なら使うけど、近所漁港内でワームを使うと、3投もすればフグ軍団に囓られて消えてしまうので使えない。逆に言うとフグがキツくてワームが使いにくいようなポイントなので竿抜けになってて魚が残りがちってこともあるかもしれない。”フグと和解せよ”。フグを味方につけたらこれほどたのもしいヤツもそうはいない。

 などと、横道にそれて妄想しておりました、ルアー図鑑うすしお味第64弾は、珍しく遠投性能の高いミノーなんかを中心にあれこれ書いてみましたとさ。

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