2020年5月31日日曜日

鳥のように自由に飛んでいくのは案外大変そうだけど、ネコのように自由に生きるのは心底楽しいかも?



 ネコについては川崎にいた頃から色々考えていて、そのうち考えをまとめてブログネタにしようと思っていたけど、結構複雑かつ繊細な問題もはらむので、書くとなったらそれなりに覚悟と根性が必要でなかなか踏み出せないままここまで来た。
 ただ、身近にネコのいる生活を始めてみると、面倒くせえことは後回しでオイオイ書くとして、とにかく楽しい日々がやってきているので、その日々の断片など紹介するところからまずは初めてみようかなと思う。

 紀伊半島に移住して、一軒家を借りたところ窓の外の屋根の上で昼寝したりしている三毛猫がいることに気がつき、釣ったアジの頭で餌付けしてみたら、いつの間にやらそのネコ(=ウニャ子)の下僕と成り下がり、ネコ様のためにセッセと魚を釣って貢ぐ日々になっている。


 現在、最初の1匹であるウニャ子は子育て中で、子供が生まれて1月位経ったハズなのでそろそろ仔猫が外に出てくるかもと楽しみにしているところだけど、実はウニャ子の出産は2度目で、1回目は全く気がつかずにいて「なんか最近ウニャ子痩せて腹の皮がたるんでるな」と思ってたら、3月半ば頃のある日、突然窓から仔猫たちが侵入してきて驚くやら可愛いやらで大興奮という経験をしたのである。
 ただ、そのことをネタにするなら、ウニャ子始めこのネコたちとどう付き合うか、具体的には餌だけやって増えようが減ろうが自然に任せるのか、それとも我が家のネコとしてしまってまず予防接種は受けさせるとして、避妊はどうするか?部屋飼いにするのか外猫にするのか?等々どういう方針で行くにせよ覚悟を決めねば無責任というもので、必ずしも単純に野良猫に餌をあげる行為自体がダメだとは考えていなくて、そのあたりはまた別途グチャグチャと書きたいと思っているけど、一般論じゃなく個別具体的に自分が餌をやっているネコに対して責任ある行動と、ネコ様の幸せについて考えて態度を決めねばと思っていた。
 だがしかし、最近になって拍子抜けの事実が発覚。
 こいつら基本的には裏のお家の飼い猫のようである。かつ餌はそのお宅と我が家と我が家のお隣の少なくとも3軒でもらってるということが判明。どうりで野良猫のわりにはウニャ子は餌にガッついてなくて偏食が激しいと思ってたけど、餌はちゃんともらってるようである。
 裏のお家の崩れかけた”物置のような離れ”に出入りしていてそこがねぐらだろうなとは知っていたけど、そのお宅の表側の玄関先でウニャ子達3匹が爺様の足下にじゃれついて餌をねだってるのを見て、ワシにはあんなに懐いてないのに悔しいッ!っと思ったりもしたけど、人様のネコに勝手に避妊手術受けさせるわけにはいかんし、病気とか怪我とか緊急事態なら獣医さんのところに連れて行くのとかはやぶさかではないけど、とりあえずは無責任な立場で餌をあげてかわいがらせてもらうということに方針決定した。
 世の中にはネコ嫌いや逆に”ネコは避妊して室内飼い”意外認めない偏狭な社会正義の戦士様もいて、外飼いや避妊手術を受けさせないことに批判的な意見を目にしたりもするけど、そんなもん状況によりけりで、昔っから野良猫が生きていけるぐらいの漁獲物のあまりやらアラやらが出る漁師町じゃ、放任主義的な飼い方でもワシャなんも問題ないと思ってるし、地域文化的にもソレは容認されているモノと解釈している。

 ということで、お気楽な立場でワシだいたい早めのお昼を10時頃に取ることが多いのでその後ベランダで餌をあげて、暇ならそのまま遊んで一緒にひなたぼっこ。
 時には部屋に入れてハリ外したルアーで遊ばせたり、夜のご近所を一緒に散歩したりと充実のネコとの”甘い生活”を楽しんでる。
 以前、ネコがゴロゴロと喉を鳴らすのが聞きたい。膝の上でゴロゴロ鳴いてくれたら落涙するのもやぶさかではないと書いたけど、今では結構普通に聞いている。機嫌が良いと割と普通に喉に痰がからんでんのか?って感じのドルルルルルッ、ドルルルルルッっていう呼吸音なのかなんなのかな音が聞こえてくる。聞いててこちらも嬉しくなる。
 仔猫第1期生は最初3匹いたんだけど、1匹はどこかにもらわれていったのかあるいはトビとかにやられたのか今現在雄雌2匹いて、コレが面白いことに2匹とも性格が全く違うというかオカーチャンであるウニャ子ともまた違っていて、1匹1匹の個性が面白い。


 ウニャ子は最初野良猫であることを疑わなかったぐらいに人間に対して警戒心が強く、何ヶ月も餌をあげてるのに餌あげようと窓を開けるとフシャーッと威嚇してきた。それでもだんだんデレてきて、仔猫連れてくるようになったあたりから、部屋の中にも入ってくるようになったし、一時期は仔猫を寝かしつけてから遊びに来て甘えて膝の上に乗っかってゴロゴロいいながら爪を立てて股のアタリをモミモミしてから眠ったり、とすっかり懐いてきて可愛いヤツなのである。
 今現在は授乳中の仔猫がいるせいか割と素っ気なくて餌だけねだりやがって!と思わなくもないけど仕方あんめぇ。
 年の功なのか子供達に比べると格段に賢くて、魚を焼いていると確実に嗅ぎつけてきて”アタイにも食わせて”と窓の外でウニャウニャと鳴いている。最近軽い網戸は爪掛けて開けることができると判明。
 基本ほっそりした小顔の和風美猫でとにかく偏食が激しい。カリカリあげてなかった時期にも、キスとかハゼの生の頭は食ってくれなかったし、冬にカマスばっかりあげていたら焼いたカマスにも食いが悪くなったりした。
 好物はアジだったけど、それ以上にアユは大好物のようでアユ2,3匹食わせて食欲刺激してやるとカリカリも食い始めたりする。アユをあげるとワシの手を噛むぐらいの勢いで食いついてくるのでちょっと嬉しい。

 子供の方は濃いめの灰色のが多分お姉さんだと思うけどハイカグラと名付けた。第1期生はマンガの登場猫の名前で行くことにしてハイカグラは「ストロベリー」から拝借。灰神楽って囲炉裏とかで炭がはぜて灰が舞う様をいうらしいけど、そんな感じの模様でなかなか渋くて綺麗な色合いで、ちょっとアメリカンショートヘアっぽい縞の出方で和風なオカーチャンとは対照的にぱっちりお目々のバタ臭い可愛らしさがある。でもカグラちゃんの寝顔はなぜかオッサン臭い。

 これが、ウニャ子に輪を掛けた警戒心の強さで、だいぶ小さいころから餌あげているのにいまだに触ろうとすると逃げるか猫パンチで「気安く触らないで!」って感じの扱いを受けている。のわりに日向ぼっこしていると横で寝てたりするので単に触られるのが嫌いなだけなのかもしれない。ノミ取りブラシかけたいんだけどさせてくれないので困ったモノである。餌はえり好みなしでなんでも食べるのでその点は楽。


 
 茶色系の雄がコバンで、名前は「それでも街は廻っている」から。コイツが雌2匹の警戒心の強さを補ってあまりあるぐらいの警戒心のなさで、ちょっとバカっぽい。でもバカな子ほど可愛いって言うぐらいで愛嬌抜群で可愛いのよ。





 初めてやってきたときから好奇心旺盛で、ウニャ子があんまり遊んでくれなかったオモチャで釣れまくり。
 部屋でハリ外したルアーで遊ぶのも大好きでカグラも遊ぶけど、コバンは延々とドタバタ走り回って遊んでる。
 釣りして夕方暗くなって帰ってくると、玄関前で待っててくれたりしてなかなかにういヤツなんだけど、とにかく部屋に入ってこようとするので釣り具部屋とか危ないし、実は軽く猫の毛にアレルギーがあるのか遊んだ後目が痒かったりするので寝室には入れたくないんだけど、頭をグリグリとねじ込むようにして隙があると部屋に侵入しようとしてくる。可愛いけど勘弁して欲しい。
 人なつっこいというか甘えん坊で、足下にじゃれついてくるし後ろをついてくるので”猫の散歩”が可能で夜に遊び足りずにねぐらに帰ろうとしないときには近所を一回りしてねぐらの前に連れて行ったりしている。

 膝の上にも良く乗ってきて、ゴロゴロいったり眠ったりと甘えん坊なんだけど、結構な大きさになってから、膝の上で寝ているウニャ子のお乳を飲んでた甘えん坊ぶりには「大丈夫かコイツ」とちょっと心配になったぐらいである。ちなみにウニャ子が起きているときにはお乳吸おうとして”クケッ!”という感じの聞いたことないような鳴き声でしばかれていた。ウニャ子もワシの股にやってたけど、前足で交互に揉むのはお乳の出を良くするための行動を原型とする”甘え”の仕草のようだ。
 好物はクモ。何じゃそりゃ?と思うかもしれないけど何故かクモが好きなようで玄関前で我が家の警備担当であるアシタカ軍曹半殺しにしてて、軍曹を慌てて保護したらしばらく機嫌悪かったっていうぐらいで、1階の作業スペースで遊ばせたときは隅っこの方でなんかやってるなと思ってたら、口の周りクモの巣だらけにして部屋の隅に結構巣があったヒメグモのたぐいを一掃してしまった。
 基本的に食い意地が張ってるのかもしれない。良くウニャ子が口にしている魚とか取ろうとして猫パンチで制裁を受けている。食の細いウニャ子にはとにかく機会があれば餌を食わそうとするんだけど、ウニャ子がプイッとそっぽ向くと、コバンがめざとくやってきて黙々と食ってたりする。なんでも食ってウニャ子より大きく育ったのはいいけどお腹のあたりタプタプしてて明らかに太り気味で食事制限が必要なのかもしれない。けど、うちで食わなかったら他の家で餌ねだるだろうから、とにかくカロリー消費させようとオモチャで遊ばせたり散歩したりと気にはしてる。


 触られるのもまったく嫌がらないというか好きなんじゃないかという感じで、あんまり警戒心がないのもどうかと思うので、最初嫌がらせ的にひっくり返して犬のようにお腹を撫でまくったりしてたら、最近はそうすると喉を鳴らすようになってきた。困ったもんである。可愛いけど。



 という感じで、猫と暮らす楽しい独居老人な日々であります。
 隠居爺さん猫と遊んで良い塩梅。

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