2019年7月20日土曜日

症例5についての報告ー大森製作所「プロフィットSS」の場合ーと”安ダイヤ”の世界

<症例5>大森製作所ダイヤモンド「プロフィットSS」

 この記事がいったいどんな層に需要があるというのか?やっすいダイヤモンドリールに興味ある人がナマジ以外にどれほどいるというのか?そんなことは一切お構いなしに自分の書きたいことを書きたいだけ書く、それが「ナマジのブログ」の基本理念。アー楽しい。
 「プロフィット」は以前紹介した「タックルA」、「アクションM」と見た目似たような、というか本体の金型あきらかに一緒の末期大森製作所の作で韓国製。 
 とはいえ名前だけ違うのかというと作りも微妙に違ってて、プロフィットSSはワンタッチ折りたたみハンドルでラインローラーはセラミック製と見た目からしてちょっと高級感が漂う(当社比)。

 分解清掃していくと、ドラグは樹脂製本体の大森スピニングではお馴染みのテフロン製ドラグパッドの3階建て方式、ワッシャーが錆びついてるあたりのメッキのお粗末さとかは末期大森の特長か?主軸にもちょっと錆。
 なぜかこのスプール、タックルAとは微妙に合わなくてアクションMとは合う。
 本体パカッと開けてみると、プロフィットSSはなんとボールベアリングが2個も入っております。高級や!!よく見ると本体表面にもその旨明記。
 タックルAとアクションMのハンドル軸のギアに填まっているブッシュはなんであんな大きいのかなと疑問に思ってたけど、要するにプロフィットではベアリングが填まってた場所にそのまま填まる大きさの樹脂製ブッシュだったわけだ。納得。
 ついでに購入時はズレて機能していなかったけど消音化のためのバネがハンドル軸のギアに付いててプロフィットはカリカリ音しないのが正常のようで復活させておいた。やっぱり高級だ(当社比)。
 過去の写真よく見ると、消音化のバネがおさまる溝がアクションMのハンドル軸のギアには存在して、タックルAの方にはない。
 以上のことから考えて、おそらく3機種のうち最初に作られたのはプロフィット兄貴でその廉価版として同時期かやや後に同じ本体、ギア、スプールを用いて、ドラグや消音、ワンタッチハンドルとかの部分を変えて安く仕上げたのがアクションM。
 タックルAはそれより後の製品で本体だけ共通で、スプールの上下幅より広すぎる糸巻き部分の幅を改善したのだと思いたいけどスプール形状変更して、プロフィットからはやや経費削減仕様にして、ちょうどプロフィットとアクションMの間ぐらいの設計で売った、というのが今回のパソコン椅子探偵ナマジの推理である。
 プロフィットのドラグノブの上には例のハイポイドフェースギアをあしらったトレードマークが残ってるのも時代がより前なのを裏付けているかなと思ったり思わなかったり。
 3兄弟並べるとこんな感じ。


 で、一件落着なら良かったんだけど、実はこの「プロフィット」から派生した、と今のところ整理している一群の樹脂製本体の韓国大森製作所作のリールはこれら3機種だけじゃないようで、ネットオークションに出品されているのをサイズが大きいので手を出さなかったのとかで確認しているのだけでも他に「ビックフィット」というのとスプールが金属製の「UPフィット」というのが存在して、スプール金属製のにはスズミ版の「Steams Spin」というのまであり、他にも資産家のスケベ爺ちゃんが死んだ時みたいにあっちこっちから母親違いだのの兄弟機は出てきそうなのである。
 大森製作所は最後釣り具量販店の上州屋に吸収されたので、上州屋のブランドであるスズミとかリョービとかのリールを韓国大森が作らされてたってのはあるんだろうなって想像してたけど”スズミ版プロフィット”があるってことはやっぱり現実にあったようある。リョービ「サイノスフィット」とかが出てきたとしても、やっぱりなというぐらいで驚かない自信がある(※その後「メダリオン」というのも確認)。
 そんなワシも、さすがに韓国シルスター社がダイヤモンドブランドでリールを作ってたっていうのをネットオークションで発見したときには腰抜かしたわい。
 「DIAMOND EX35」っていう大森製にもおんなじ名前のなかったっけ?なロングマイコンの黒っぽいやつという感じのリアドラグスピニングで、多分本体ロングマイコンと金型共通だろうなって感じのだったけど、世の中にはどんな分野でもマニアっているようで、入札ワシぐらいだろうと思ったら意外にも競って1600円まで値が上がってさすがに使うあてもないのに買う気満々の相手とこれ以上競るのは危険と判断して手を引いた。あぶねえあぶねぇ。ひょっとして落札した人ココの読者さんだったりして。
 シルスターも上州屋が輸入している上州屋と縁の深い会社だから上州屋が作らせたってのが普通にありえるっちゃありえる話だけど、どうもシルスターって韓国ダイワとか韓国大森の部品下請けしてたか、もっと直接的に韓国ダイワや韓国大森っていうけど、日本の日吉産業がルーやゼブコのブランドでリール作ってたようにシルスターが韓国製ダイワや韓国製大森を作ってたってこともあるんじゃないかと思える。


 そう思ったきっかけは、写真の韓国大森製「ポスカ1」のクランクの方式。
 このブログの読者のマニアックな皆さんなら「アッ!」と驚かれるかもしれない。そう、私が「PENN101」をダイワ製と推理したときの決め手とした製造会社の”癖”が韓国大森にも認められるのである。
 メイドインジャパンのダイワの安リールにもPENN101にもクランクの金具を2回直角に折って主軸を囲んで上下に主軸ごとピンを貫くという方式がとられていて、その方式が韓国大森製ポスカ1にも使われている。しかもダイワの安リールとPENN101はちょっと同時代のダイワと毛色が違う設計でどっかで部品作らせて日本で組んでたんじゃないかということが疑われる。ということを韓国の1つの製造元があちこちから受注して得意の方法で図面引いてたと考えるとしっくりくる気がするけどどうだろう?
 その製造元がシルスターかそうでないのかは、韓国語堪能ならネットで調べりゃすぐ分かる気がするけど誰か調べてくれんだろうか?
 あるいは90年代ぐらいのシルスター社製のリールをお持ちの方で、パカッと蓋開けたらクランクが”2回直角曲げピン貫通方式”だったりしたら謎はだいたいとけた気がするので是非情報提供お願いしたい。
 シルスター製のリールも欲しくなってくるけどここは我慢のしどころだろうな。
 プロフィット兄弟に関する情報とかも「こんなんもありましたよ」とか教えてもらえるととっても嬉しいです。

 で、実際のところ安ダイヤは使ってみてどうなの?って話だけど、まあこの手のリールにあんまり厳しいことを言ってやるなということかもしれない。先日旅先で使った同じ大森製作所のタックルオートSSが、巻いてて作りの良さが伝わってくるようなカッチリとした機械の使い心地でストッパーのカリカリ音もシャリリリリっと軽やかに気持ちよく釣りができたのと比べるのは、正直野暮ってくらいのデキである。
 正確にどう違うのか、専門的知識もないので感覚的にしか書けないけど、現在使ってるアクションMは軽さが安っぽさにつながっててカスカスと精度の低い巻き心地という感じで、かつローターが軽い上にバランスやや取り切れてなくてプルプルするのが、普通部屋で回したときにプルついててもライン張って巻くときにはその分の”重石”がかかるので案外気にならなくなるんだけど、軽さ故に手に来る感触としてバランスの悪さとストッパーのカリカリが明確に増幅されてる感じで使ってて苦笑が漏れるところ。


 でもまあ、このリールやらの”安ダイヤ”の良いところは良くも悪くも安っぽい軽さにあって、アクションMは実際にはSSサイズでもロングスプールでベールも張り出してて他の機種よりはちょっと大きくて、並べたら左の写真ぐらいの違いがあるんだけど、それでも重さはアクションMも写真右のタックルオートSSに軽さじゃ負けず190gぐらいで、さすが樹脂製という軽さは小型リールとしては評価して良いんじゃないだろうか。プロフィットとタックルAは高級?な分金属部品増えるので200グラムぐらいはあるけどそれでも充分軽いといって良いだろう。
 あとは、釣り場で道具が人とかぶらないのと、クソ高い道具買わされてる釣り人どもに「ごくろうさん、魚ぐらいこのやっすいリールでも釣れまっセ」と歪んだ優越感にひたれるところが使ってて楽しいところだろうか。ドラグもちゃんと効くように調整したし魚釣るのに問題があるわけじゃない。楽しい釣りの共に悪くないリールたちだと思う。気楽に行こうゼ。
 カリカリの振動が気になってたのは、無視してても、何なら逆転スイッチ切って釣っても良かったけど、プロフィットではバネ一本で消音仕様になってたのをみて、例によってタチウオ用ステンレスワイヤーで消音部品自作してカリカリ音しないようにしておいた。
 スプールの幅が広すぎるのも調整してあるし、ハンドル軸のギアの芯、ブッシュが填まってない方にもジュラコン樹脂のブッシュ填めたし、だんだん使いやすく改良できているような気がする。結構気にいって愛着も湧いてきた。

 アクションMとプロフィットはスプール共有できるので替えスプール有りの1組と考えて、他にタックルAは3台もあるんだけど、1台は逆転防止がぶっ壊れてるのでスプールだけ使ってやっぱり2台で1組と考えると、1台余るのでプロフィット入手と入れ替えで売りに出す予定。
 これでなんとか90台に収まると思ってたら、なんとなかなか出物がないと書いたそばから「マイクロセブンC2」が某ネットオークションで安く手に入って、また売るリールを選ばねばならぬ。
 書くと出物があるパターンは結構あってPENN720も722に比べたらあまり見ない機種だったけど魚模様のが出てたりした。ワシが入札しないときは安くてムカつく。書き込み欄で話題に上ってた稲村のロディージャイロも出てた。
 ひょっとしてこれ読んで出品してる人居るのか?って疑いたくなる。自分で書くのも何だけど、このブログは読者が少ないので宣伝効果あんまりないと思うんだけど、逆に読んでる熱心な読者さんは末期的なスピニング熱患者の方も多いから、沢山売りさばくわけじゃないならむしろいいのか?一台ならワシがまず買うしナ。まあ人様の商売の心配しても意味ないな(っていうか単なる偶然なんだろうなってのは薄々知ってます。)。
 マイナーリールのファンの人からすれば、いらんこと書きくさんなヤ、相場が上がるやろ!って話かも知れないけど、不人気機種って金額付かないので売りにも出されずゴミとして処分されがちだと思うので、多少相場上がるのは我慢していただいて中古市場での安定供給に寄与できればなとおもっちょりマス。

 ただ読者少ない我がブログにおいて”スピニング熱”ネタは本人予想しなかったぐらい人気で、まあ普段が日曜と月曜には50人ぐらいの固定客様に読んでいただいているってのが、倍の100人ぐらいになるってだけで目くそ鼻くそレベルの話なんだけど、それでも当社比で倍に達するような多くの人に楽しんでもらえたのならば素直に嬉しい。
 ただ、自分も道具買ったりいじったりしてる時って、実際の釣りの方が不調の腹いせ的な部分って結構あったりして、読者の皆様が釣り場で苦戦されてるんじゃなかろうかと心配である。
 魚釣りは魚釣ってナンボだと思うので、道具イジリも楽しいけどほどほどにして皆様良い釣りをお楽しみください。

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