2021年1月24日日曜日

3日間すり身汁とかで暖まりたかったらエソを恵んでもらって料理しなさい

  皆様のご厚情におすがりして日々口に糊しておりますナマジでございます。ありがたいことでございます。

 この度は、見知らぬ釣り人に大っきなエソ(ワニエソ)を恵んでいただき、オマンマにありついたときのことなどネタにしようかなと思っちょります。

 漁港で釣ってて、物乞いで入手可能な獲物としては、筆頭がボラ、今期多かったのはアイゴ、自分で釣っても良いけどゴンズイ、そして今回のエソ系だろうか。アイゴとゴンズイは毒針の処理があるので素人には手が出にくいかも知れないが、ボラに関してはなぜ、この美味が”捨てる”ように放流されがちなのかは理解に苦しむ。この週末は自前で釣ってきたボラを刺身でポキでズケ茶漬けで、アラは味噌汁の具にと楽しんで「やっぱり寒のボラは最高やな!」と堪能したので、チヌもそれ程悪くない味だったので見直したけど、ボラを放流してチヌを後生大事に持ち帰る感覚が全く理解できない。ボラの方が数段美味しいと思うンだけど、そう思うのはワシだけか?

 ゴンズイとアイゴは毒魚だけど、棘に毒があって身に毒は無いので、フグのように調理するのに免許がいるわけでなく、バチバチ棘を切れば後は普通に美味しい魚である。皆さんが気付いて持ち帰るようにはならないようなので、ワシの取り分が安泰でありがたいっちゃありがたい。

 それらに比べるとエソ系は”調理が難しい”という難点があるので、持ち帰るには相応の技術が求められる。ちゅうても要するに小骨が多いのが欠点なので、骨ごと叩いてすり身にしてしまうという方針であれば、手間は掛かるけど難しい工程はないので、フグのように素人が手を出してはいけない獲物ってわけではない。

 もらったワニエソは冒頭写真の様になかなかの大物で、すり身にしたらすり身汁と薩摩揚げぐらいは余裕で作れそうな良型。

 早速捌いて”すり身”を作っていく。なるべく骨の入らないような捌き方とかあるのかなとググったら、上から身を押して潰して腹側から背骨を引き抜くと、潰れた身から小骨が背骨にくっついて抜けてくる、という裏技的な捌き方が紹介されていて”なるほどその手があったか”と感心して早速やってみようとした。この方法だと身が潰れてるので刺身は無理としても焼こうが揚げようがご自由にな状態になる。

 すり身は鮮度大事な印象あるので、帰宅して早々に捌き始めたんだけど、鱗落として、内臓を腹びれの下から包丁入れて頭を捻って背骨折ってはずして、内臓抜いて腹側から背骨まで包丁を入れておき潰してから背骨を引き抜こうとしたら、コレが上手く背骨ごと小骨が抜けてくれない。っていうか背骨が抜けない。鮮度が良すぎて身が締まっているのと型が良いので身が思うように潰れてくれなかった。もっと小型のややや身が柔くなってないと使えない技のように感じた。ということで、途中から普通に3枚下ろしだけど、皮がぬるついておろしにくい。途中からの方針変更もあってイマイチ捌くの上手くいかず背骨に身が残ったので可能な範囲でスプーンでこそげて回収しておいた。

 ここからはナメロウ作るのと一緒で、2本包丁でチタタプしていく。その際塩が重要。生の魚肉の細胞が壊されて塩で溶けたタンパク質が網目のようになってすり身をまとめるので練り物は弾力が出るという理屈のはず。塩加減は少なめに振って、叩いてちょっと味見して塩気が感じられなかったら、また振ってから叩く。っていうのを繰り返していると、エソの場合、ちょっと尋常じゃなくすり身の段階でまとまってきて、まるで餅のように持ち上げることができるようになる。すり身がまとまる力は”座り”と練り物業界では呼ぶんだったと思うけど、この座り方は凄い。過去エソ肉ですり身汁作った時は、出張先で買ってきてやや時間が経ってたのでそこまでの座りは出なくて、今回”産地直送”ですり身化してみてエソの練り物原料としての真の実力を思い知らされた気がする。必要なら卵白をつなぎに入れようかとも考えていたけど、コレ全くそんなモノ必要なく、むしろエソすり身をほかのすり身原料、例えば当地では底びき船が操業している時期ならニギスすり身とか安く手に入るんだけど、あんまり”座り”的には優れていないニギスすり身にエソすり身混ぜたら良い塩梅に弾力のある”足の強い”練り物ができるんじゃなかろうか?”高級カマボコ”の原料と言われるエソだけど、エソ自体が白身で美味しい味であるっていうことよりも通常ならカマボコなど練り物に作るには”座り”が弱いような魚種をエソすり身の”座り”でまとめてしまえるので、鯛カマボコでもなんでも作れてしまえるっていうのも大きいのかも。今時の練り物原料というと船上で冷凍すり身に加工して使うスケトウダラすり身が主力だけど、昔はエソ類とかイシモチ類使って各地で良い塩梅に原料を混合してご当地練り物作ってたんだろうなというのは想像に難くない。いまどきそんな”まっとうな”練り物作ってたらちょっとお総菜として気楽に食べられる値段にはならないと思うので、食べたいなら自分で作ってしまうというのはありかもしれない。すり身原料は冷凍保存ある程度効くのでニギス+エソの練り物は機会見つけて是非作ってみよう。

 でもって、すり身にまでしてしまえば、後は煮るなと焼くなと好きにしてくれぃっ!ってなかんじで、塩味ベースで昆布とすり身の出汁に具は大根とネギでシンプルな”すり身汁”にしたところ、まあエソ自体は上品な白身で澄んだ出汁が出るので、昆布出汁と合わさって上品な感じのすまし汁に仕上がった。旨い。

 余ったすり身は、油引いたフライパンで焼いて薩摩揚げ風に。これも旨い。旨いんだけどすり身汁のすり身もこの薩摩揚げ風も、思ったより弾力が強くて”足が強すぎ”るぐらいで、エソ単体ですり身にするならもう少し”寝かせる”時間をとった方が良いのかも知れない。もちろんさっき書いたように”混ぜ物”して良い塩梅に仕上げるのも楽しいだろうと思う。

 出汁は良い味出るので、薩摩揚げ風は味見だけして残したものを具にして、醤油仕立ての野菜チャンコを大鍋いっぱい作ってみた。キャベツと大根どっさりにネギと揚げ。

 これまた、冬の寒い時期に暖まるには最高の良いお味。3日越えて大根グダグダになるまで煮返して堪能しました。

 エソ、すり身にしてしまうなら小骨が多いのは問題にならず、せっかく釣れたこれほどの美味な食材を、みすみす見逃す手はないなとおもうところ。

 こんなに旨いんなら、青物狙うときにメタルジグも投げて底狙って釣ってみようかと思って、安定して釣れるようならすり身作るのに2本包丁で叩くのは時間が掛かってしんどいのでフードプロセッサー(ミキサー)でも買おうかしら?とか思ったけど、獲らぬタヌキのなんとやらで、狙うと案外釣れず難しい印象。まあ今後も釣れてる人が居たらスススと寄っていって”物乞い”作戦で行くか。皆様釣り場で”外道”を欲しがられたら、実はその魚は旨いということを知っておくと良いかもです。

 ワシが欲しがったら、素直にお恵みいただくよう、そこのところはよろしくお願いします。

2021年1月16日土曜日

テツ西山の「ヒット:バスルアー」

 最近、目についてイラつかされる言葉に「トイルアー」というものがある。

 本来の意味は釣ることそのものよりも”面白さ”優先のB級バカルア-を示す言葉だと思う。例えば、蓮の葉っぱからツルが伸びていてそこに止まったトンボにハリが付いているという「ホバールアー」は多分トイルアーなんだろう。なぜならば、そのバカバカしい面白さにそのルア-の存在価値があるから。例えば、前から引くとポッパー、後ろから引くとバズペラスイッシャーというマンズ「トゥーファー」の”押しつ押されつ”感は唯一無二でこれまた馬鹿臭くトイルアーといってお叱りは受けないだろう。もちろんこれらトイルアーが意外な実力の持ち主で実釣能力が高いとしても、あからさまな”ウケ狙い”の要素が強いキワモノであるかぎりトイルアーと整理することにあまり異論は出ないだろう。

 ところが、最近ネットのオークションやらフリマ-ケットやらを物色している際に、どうもこの言葉をはき違えて使っている輩が多くいて、実釣能力抜群の古くからの名品に見た目が今時のリアルな造形ではないからぐらいの安易な理由で、”トイルアー”と書いているような事例を散見する。全くもってルア-というモノが、ルアーの釣りというモノが分かっていない田子作及び抜け作だと唾を吐きかけておく。「ホットエヌ」がトイルアーなわけねえだろ?ストーム時代我が国でもバスルア-としてブイブイ言わせて、ラパラ傘下の現代でもトローリングやアンカー打っての下流流しの釣りでサケだの釣るのに米国じゃ定番。もちろん現在の日本でも使いどころがあると踏んでワシも使い始めたところである。インビンシブルがトイルアーだぁ?ボケがっ!ルア-で最も”オモチャ”から遠く実用性重視の”漁具”に近いモノの一つがラパラフローティングである。そのへんがわからん人は楠瀬・福原両先生著の「ラパラ解体新書」でも読んで勉強しておくように。”ラパラの出自は漁具”。本国フィンランドでそのラパラの向こうを張って未だに生き残っているニールズマスター社のミノーが”オモチャ”なわけねえずら!なんか見た目がそれっぽいだけの今時ミノーなんてインビンシブルを総合力で上回る実釣能力など備えていないはず。安価良品「BHポッパー」のどこがトイルアーやねん!あの軽さからくる小気味よい反応、タダ引きしたときの泡引きと揺れ、メッキ釣るのにワシャ絶大な信頼をおいて魂込めて投げている。BHルア-が”トイルアー”だというなら、紀伊半島のこの地でBHポッパー以上に釣れるポッパーを持ってきて見せてくれといいたい。当然メッキ用の名作クリスタルポッパーとかは使った上でBHポッパーをワシャ選んでる。

 なんで、そんなに”わかってない”輩が多いのか?要するに、ルア-の歴史についてあまりにも無知で、見た目今時じゃない”アメリカン”なルア-達が、どういった歴史の中で産まれ、そして現在まで使われているか、愛され続けてきたか、釣り人に魚を釣らせ続けてきたか、今あるルアーの原型となり発展の基礎となってきたか、あたりが頭にないので、古くからあるルアーにお化粧し直して売れそうな”釣り書き”添えてみました。程度のルア-をありがたがって、歴史と実績に裏打ちされた”歴戦の勇士”を”オモチャ”扱いしてしまうという愚挙に出るのだと思う。

 ルア-の、バスルア-の歴史を知りたいならグリッツ・グレ-シャム著「コンプリートブック・オブ・バスフィッシング」あたりを紐解かねばならんのかなと思ったりする。この著名な”バス本”からの引用やらはあちこちで目にするので、一度は読まねばナと思いつつ、そのままにしてあり、多分そのままにしたまま読むことはないのだろう。翻訳ソフト使いつつ英語原文読むのしんどいからな。誰か日本語訳出してくれ。

 でも、そういう基本的な文献をふまえつつ、日本の事情も加味して書いてくれている人がいて、そういうルア-解説本があるので、ちょっと古いけど読んでお勉強してはいかがかと無知蒙昧な田子作または抜け作どもには薦めておく。抜け作でない諸兄にももちろんお薦め。元80年代のバス釣り少年とかなら懐かしくてむせび泣けること請け合い。

 というわけで今回は久しぶりの「ルア-図鑑うすしお味」です。地道に回を重ねて第44弾を 西山徹著「ヒット:バスルアー「カラー図解 釣れるルアー大図鑑」」でいってみましょう。今回ルア-じゃなくてルア-本です。

 故テツ西山氏は、北米やカナダの釣りなんかも守備範囲にあって、英語も堪能な国際派の釣り師という一面も忘れてはいけないと思う。何でも釣れる全方面対応型釣り師としての釣り番組での顔が一般的な印象だけど、米国のルア-釣りの教科書を翻訳しているのも、多くの著作と共に彼の成した仕事の小さくない側面で、こういう”釣り人はどこからきたのか 釣り人はなにものか 釣り人はどこへいくのか”的な歴史的裏付けに基づく筋の通った哲学のある釣り人っていうのが、なかなか表に出てくる今時の釣り人には見当たらずもどかしい。釣り具の広告屋ばっかじゃどうにもならんぜ。

 でもって本著、昔誰かに借りて読んで面白かった記憶があったんだけど、買い直すほどではないかなと思ってたら、ネットフリーマーケットでルア-を検索していたら、お手頃な値段で売られていたので即食いついた。

 当初読んだ時には、いろんなルア-が紹介されていて、田舎の貧乏ルア-少年としては憧れを持って”ええな~欲しいな~”と読んでいたものである。今なら片っ端から買っただろう。っていうか出てくるルア-の多くはうちの蔵にもある。

 ”図鑑”としての構成は、こういっちゃなんだけど一般的・基本的で、ルア-のタイプ毎に代表例の紹介と動かし方、使う場面・状況の解説って感じで、よくあるっちゃよくある形式。ただ、自分がバス釣り少年だったころのルア-達がズラッと並ぶので読んでて心躍りまくるモノがあった。その心の動きは当時のバス釣り少年のものと同じものも要素としては大きいんだけど、改めて読んでみて、テツ西山氏が各ルア-の出自や歴史についてきちんと解説していて、どのような経緯でそのルア-がバスルア-として人気をはくし使われるようになったのか、そのあたりが実に簡潔ながら肝が押さえられていて”分かってらっしゃる”と今回は唸らされるモノがあった。ワシもそれが分かるほどにはルアー投げつつ歳を重ねたということか。

 例えば、バスルア-が最初大型の水面系だったのは、道具が小型ルアーを投げるのに向かなかったというのに加え、「心情的な部分では、巨大なプラグで釣るという意外性こそがバスフィッシングの面白さであり、他の釣りとの明確な差別化であったのだろうと想像できる」というような見解も書いており、なるほどなと、そこは今のバスプラグにも他のルア-にも引き継がれてる要素だな、とか、最も古いバスルア-の一つはシンキングのスイッシャーで、それは心棒にシルクを巻いてペラをつけた大西洋サケ用の”ファントムミノー”が原型で、そこからスイッシャーになり、ペラをハズしてペンシルベイトができたっていうような流れも”歴史があるんだな~”と感慨深い。

 全体読んでバスルア-、特にプラグの歴史で大きな事柄としては、米国で初期の水面系ルア-でいろんな着想が出て試されたことと、バルサミノーの始祖にして最強”ラパラショック”と元祖クランクベイト、フレッドヤングの”ビックO”があるんだろうなと、あらためて歴史を俯瞰して実感することができた。

 これらの歴史的な”仕事”に比較すれば、今時のルア-のコチョコチョとした改良ごときは些末な話であり、たいして今時のルア-が進化してるかっていうとそれ程でもなくて、100年近く前からあるようなルアーが実力発揮する場面もあるんである。日本製ルア-で真に評価に値する工夫は”重心移動”ぐらいだとおもっている。実は高く評価しているけど、みんなが使うから、逆にワシャ近距離戦に特化してあんまり重心移動搭載ミノーとか使わない。けど、これは世界に誇って良いぐらいの技術だとはやっぱり思っている。ルア-の歴史を40年からその身をルア-釣りの世界に置いて感じてきてそう思う。だとしても重心移動搭載形ミノーが有利な飛距離が必要な場面を除けば、固定重心の方が良く釣れることが多いと思うので、ワシャ、ルアー入れるケースの中身がこの「ヒット:バスルア-」からあんまり進化してないルア-で埋まってるんである。

2021年1月9日土曜日

ひょっとしてウチの猫って特別可愛いんじゃないだろうか?

  などとネコ様の下僕なら誰しも思いがちで、実際にはそんなわきゃなくて、ウチのコバンなどどこにでも居るような茶白の雄猫でしかない。でも可愛いノ。そんな阿呆な猫自慢を読まされる身にもなってみろって思うかもしれないけど、ワシのブログやからワシが何書こうと自由やさかい書かしてもらいまっさ。

 コバンたぶん昨年2月ぐらいに産まれたはずで、もうじき1歳ぐらいなんだと思うけど、最近かしこいのです。コタツの入り方をちゃんと憶えました。足だけ入れて頭を出す。頭寒足熱で良い塩梅。以前はコタツで丸くなって、のぼせるまで暖まってから水を飲みに行くというのを繰り返していて、サウナを楽しむオッサンか?整ってまうぞ?と思ってたけど、お利口さんで可愛いのです。でも冷え込んだらやっぱり中に入って丸くなった。ちなみにコタツに入るときは自分で頭でコタツ布団(毛布)を押して入れば良いのに、コタツの前で立ち止まってこちらをチラ見してくるので、下僕としては早急にコタツ布団の端を上げてコタツに入ってもらうしだいでございます。

 猫って思ったより賢いというか人間くさい部分があってそのへんも面白い。ネットの映像とか一緒に視聴可能でわりと楽しい。アニメあんまり興味なくて熱く語り合えないのでちょっと寂しいけど、格闘技やらの動きのある映像は好きなようで、好きすぎてマズいのが動物番組の小鳥や小動物が出てくるヤツと岩合先生の”世界猫歩き”で画面に文字通りかぶりつきになりそうな勢いで、一緒に視聴するにはイマイチ向かない。お魚映像は適度に興味を引かれるものがあるようで一緒に視聴可能。画像が本物ではないというのはどうも理解しているようだけど、鏡に映った自分を自分だとは認識できないようなのはちょっと意外だった。鏡に映った自分を自分だと認識できるのは、ウィキペディア先生によると大型類人猿、アジアゾウ、イルカ、シャチ、カササギで、不思議なのはこれに最近ホンソメワケベラが追加されたそうな。鏡に映った自分の体の汚れを落とす行動が認められたとかで”鏡で身だしなみチェック”とか全くもって鏡の使い方として正しくて、その点身だしなみなどあまり気にしないワシより賢い。ホンソメワケベラは実は評判が落ちない加減を見定めつつ”お客”の体囓ってるとかも聞き及んでおり、なにやら腹黒い賢さがあるようだ。今後も要注目だぜ。よく考えると、犬も水面に映った自分が咥えている骨を奪おうと吠えて骨を落としてしまうとかいう寓話があったよな、って感じで意外に鏡像自己認知は犬の知性でもまだ足りないぐらいの高度な知能が必要なようだ。

 でもって、雄猫はバカでやんちゃっていう定説があるらしいけど、ウチのコバンも例に漏れない。なんか鳥の毛が飛び散ってるなと思って、外に出してないのにコバンが鳥を狩ってくるわけもないし何だろう?毛鉤素材のカモの尻毛でもこぼしたか?と思ったけど、アッと気がついて着ているユニクロのやっすいダウンベストの背中を確認したら穴開けられてた。座椅子の背もたれの上に登って眼鏡のつるにちょっかい出したり、毛繕いしてくれたりしてたけど、多分その時に背中をガブガブもやってた。コバンとの生活を始めてから繕いものの機会が増えた。布団のシーツはもう諦めて、ある程度穴だらけになったら買い換えるしかないと思い始めている。

 スマホやらカメラやらは電源共々壁掛けの収納ラックに収めてるんだけど、コレを狙ってしつこく押し入れの上の棚の出っ張りにぶら下がる。今のところぶら下がってからの次の手が打てずに被害が出ていないけど、蛍光灯のツマミはバッチンバッチンと点けたり消したりするようになったので、ごく短く結びなおした。ジャンプ力は相当あって、縦の動きはオモチャで遊んでても好きで、これは噂に聞く”キャットタワー”とかいうのを買ってあげないといかんのか?と思うも、エラい値段で無職にはとても無理。自作するのが安くて良いかなと考えているところだけど、とりあえず脚立はどうかなキャまでは一緒やし似たようなもんやろ?とダメ元で部屋に立ててみると。割とお気に召したようで上り下りして楽しんでいただいて下僕冥利に尽きる。飽きたくらいに自作キャットタワー的な何かを作ってみよう。壁に棚を階段状に設置する方式が高さを稼ぎやすくてよさそうかなと思案中。ただ、懸念としては、コバンなんかデカくなってきてて、最近測ってないけど6キロ近くいったんじゃなかろうか?ジャンプして落ちてくるときのズドンという音が響くようになってきた。脇を触って外から肋骨が感じられないようなら太りすぎらしいけど、触れば肋骨は確認できて固太りな感じ。健康に育つように新鮮な釣ってきた魚のアラを中心に餌はタップリ食わせているので発育が良いんだと思いたい。大っきく育てるならドライフードじゃダメで生の餌じゃなきゃ沢山食ってくれない!って大型肉食魚ファンは言うけどワシも同意。ナンボ栄養バランス満点の総合飼料でも量食ってくれんかったらガッチリ骨太には育たんですよ。たーんと食えよコバン。

 重くなってくると、膝の上に長時間乗られるのも下僕の務めとはいえしんどくなってくるけど、デカいと一緒に寝るとき温かくて抱き心地が良くてものすごく良い。「温かくなったらどうせ外で寝るんでしょ」って思うけど、この寒い時期の布団に入ってくる猫は最高であると言い切れる。布団の中で2匹の獣が絡み合うようにしてヌクヌクと眠る幸せよ。なかなか布団に入ってこないときは、布団の中でガサゴソ音をさせて誘ったりという寝る前のやりとりもなかなかに楽しい。

 縁っていうのは不思議なモノである。タダの雑種の元野良猫が、縁あってウチにきて仲良くなって愛着がお互いに湧いてくると、もうそれは特別な関係であり、たとえ何十万ってするような高級猫様を持って来ても”ウチの猫の方が可愛い”ってなってしまうのである。

 猫なんて”犬畜生”であると割り切っているつもりではある。例えば人の命とどちらが大事かというような選択をせまられれば人の命と答えるだろう。でも大金積まれて売るかって聞かれればそれは断る。だって特別可愛いんだもん。

2021年1月1日金曜日

一年の計はガンタンク


 皆様明けましておめでとうございます。本年もよろしくおねがいします。

 新年早々の使い古した持ちネタであいすいません。しつこくウンザリするぐらい繰り返すのがオヤジギャグの使い方かなと実践しております。


 元旦に1年の目標など考えてみるのだけど、釣りに関してコレといった目標が思い浮かばない。個別に細かい目標としては直近ではカマスの安定水揚げとか、排水ボラ復讐戦とか長期的にはシーバス80以上のを今年は釣りたいなとか泳がせでもそれなりの大きさのをとかチヌの釣りをもうちょっとどうにかするとか、あるっちゅえばあるんだけど、それが最終的な目標ではない気がしている。最終的な目的はというと、なんか良く分からんけど”突き抜けた釣り人になりたい”って思ってて、そのためにはどうするべきか、なにをどう釣る実績を上げたら客観的に突き抜けられるのか、皆目見当がつかない。ただ、見当がつくような想像の範囲内にいれば決して”突き抜けて”はいないんだろうと思う。だから一生掛けて追い求めて、死ぬときに「ああワシャちょっと先っちょだけ突き抜けてたかもしれん」って思えるように精進を続けるしかないのかなとも思う。

 ということを考えると、今年の目標としても、れいによって”来た魚を釣る”という基本方針にしたがって、なるべく釣れるように作戦練ってなるべく沢山釣りに行く、っていうことしかないのかなと思う。

 しかしながら、昨年の反省をあげるなら”アホウのように行きすぎた”ということを若干思ったり思わなかったりで、もうちょっと賢くいかんもんかいな?とアホのくせに賢くあろうと考えたりする。別に倒れるまで突っ走って倒れたらそこで休憩というコレまでの人生でそうやって来たやり方を踏襲してもかまわないんだけど、ワシにも養うべき存在ができて、無責任に倒れたり死んだりできんよう縛りがかかってしまっている。

 近所の野良猫として餌をあげて可愛がってたコバンを我が家に迎えたのは、なかなかに自分にとって大きなことだったと思っている。部屋の中をなんか毛玉のようなものがウロウロしているのを感じて生活するのは楽しいし。冬場は布団の中に入ってきて温かく心癒やされたりもする。遠出がしにくくなって遠征はもうほぼ諦めた。猫の下僕として残りの人生の何割かを費やすことになるということは、面倒臭くもあるけど喜びにも満ちている。

 コバンのために健康である程度長生きしなければならない。

 今年の目標は「ちょっとは健康のことを考える」で行こうかなと思う。

 具体的にはまず”疲れたなと思ったらなるべく休むようにする”で、魚釣りなんてやってると体調悪かろうが、魚が釣れそうな日には行かざるを得なくなるってことがあって、ある程度は仕方ないとは思う、けど健康度外視で行けるだけ行くっていうのはなしにしよう。歳も歳だしな。

 もいっちょ”週2回程度のジョギング”を再開したい。川崎にいた頃習慣化していたのを釣りに忙しくこちらに来てから”膝痛”もあって止めていたけど、膝はまずまず小康状態なので様子見つつ再開してみたいと思う。

 もういっちょは、LDLコレステロール値が高いという健康診断結果を受けて、揚げ物を減らすのと飲酒を原則休漁日に限るというのは続けていきたい。まあ意識して休むようにしても釣行日数は200日かそこらにはなるだろうから、飲酒日150日ぐらいに抑えられると思う。

 というような感じで、本年も楽しく魚釣って、猫と遊んで暮らしていきます。

 コロナ禍も終息が見えてこずいろいろと厳しい情勢ですが、皆様にとって今年が良い年になるように祈っております。


※ 写真は鏡餅っぽく丸くなった猫で写真とれんかなと挑戦しましたが、あんまり上手くいきませんでした。猫にはミカンの皮の成分が毒らしいのでミカンそこらに転がしておくのが不安で蓋の閉まるタッパに入れるようになったらカビるのが早くなった。まあ食おうとはしないけどね。

2020年12月31日木曜日

2020年のベスト3(釣り編)

 紀伊半島に移住して2年目。とりあえず目標としては240日以上釣行することをあげていた。そのぐらい行きまくれば何か見えてくるだろうと思ったんだけど、実際249日行ってみて、何か劇的に”分かった”とか”変わった”とかは正直言って無い。無いんだけど数撃った分の蓄積っていうのはあるのかなという感じで、何をどう目標にすれば良いのかも良く分からないなかで、とにかく場数踏んでみるっていうのはそれほど的外れではなかったように思いたい。その結果、体力削られて病気になったりしたにしても、やり過ぎてるなら不足はなかったんだろうと心安らかである。2年目でありルア-での主な対象魚であるシーバスとチヌは昨年以上に釣れるものと思ってたけど、そうは問屋が卸さなかったし、ハゼがドハズレ年で残念だったけど、釣り人誰も気付いてないけど遡上してきてたアユ釣りまくりとか、マアジの堅さが盤石と化しつつあるとか、良い釣りもあれば悪い釣りもあり、これまでもこれからも「来たモノを釣る」という基本方針は変わらないのかなと思っているところ。

 という感じで、全体ならして見ればそこそこ良い釣りだったのかなという今年の釣り関連。年末恒例となりましたベストスリー行ってみましょう。ジャカジャン


○釣り:1位「のべ竿マアジ釣り」、2位「73スズキ」、3位「92メジロ」

 1位はとにかく”堅い”釣りに育ってきました「のべアジ」。早春の長竿で攻める深棚の釣りから、夏の豆アジは海面に落ちているのを拾い集める作業のような数釣り、秋本番の小アジは2日料理して食うのにちょうど良い40匹釣って操業終了撤収というのが毎度のことのようになる異様な水揚げ目標達成率。釣り人少ない釣り座の選定から、棚とハリスの調整で食わせ続けて掛け続ける小技の効かせ方、第5世代まで開発して沈下する固形物への反応を上げる要素まで考えたパン粉とアジのハラワタ主体の安くて”効くコマセ。フグ軍団との闘いも、やられっぱなしだった昨年と違いそこそこかわせるときもあった。アジ釣りについては昨年のワシとは違うワシに生まれ変わったと言っても過言ではない。釣って良し食って良しのアジ釣りは”おかず釣り”の本命として来年も研鑽を重ねたい。

 2位、ダルトンスペシャルにバコンと飛び出たスズキ様は衝撃的だった。雨に誘われて川に入ってきたやる気のあるシーバスは、早瀬とかの速い流れに突っ込んできている、という持論を証明する1匹。残念ながら今年10月11月の秋の雨が少なくてシーバス不調に終わったけど、まあ降らない年もあれば降る年もあるだろうから、「雨が降ったらシーバス」は来年も徹底していきたい。ダルトンスペシャルがまたアメリカンな味わいのある良い塩梅のスイッシャーで100年近く生き残ってきただけあって、間違いなく釣れる動きをしている。

 3位、カマス釣ってるとカマスを餌に泳がせ釣りで青物だのヒラメだのと釣ってる上手な人達がいて、羨ましく指をくわえてみてたけど、こんなもんルアー投げときゃそのうち食うだろと投げ続けること何回目かで、ミノーで合わせ切れやらかして、ザ・スプラッシャーで釣ったりました。堤防から92センチの青物が釣れるとか正直ドン引きする釣果だけど、わりとそういうの珍しくもないのがこの地の実力。


○残念だった釣り:1位「フライでボラ」2位「カヤックの釣り」、3位「泳がせスズキ」

 1位は、フライでアイゴだのグレだのオカズ釣りつつ、チャンスがあればイッパツいわせたろうと思ってたけど、アンカーロープに突っ込まれて力かけて引っ張り出そうとしてたら身切れっぽい感じでポロリ。ボラの走りは制御不能で沿岸魚では随一ではないだろうか。食っても旨いので来年も機会があれば狙って仕留めておきたい。

 2位は、満を持してカヤック出したけど、意外に簡単な釣りにならなかったのと、まだ体力が足りてない感じでえらく疲労してしまったので、コロナ禍でなんか見たことない船が出てるってことになるとヨソから来る人に自粛をお願いしている時期でもあったので通報くらったりしかねないというのもあって、岸から釣る魚にそれ程困ってもいなかったので、1回だけしか出さなかった。リヤカーで河口まで運んで出航とか段取りは一通り試せて特に問題ないので、体力戻ったらまた挑戦したい。

 3位、モノほんの餌、しかも目の前で襲って食ってる”現物”ハリに掛けて泳がせたら、シーバスぐらい簡単に釣れるだろう。って思うジャン?全くそうは問屋が卸さなくて小売店また困ってしまう。ハリの付いた餌を横目に見ながら併走して最終的に見切って食わんとか、キーッ!アタイ頭きちゃう!!って感じで熱くなったけど、結局小さいのしか釣れなかった。見えてるのには余裕でスズキ様の大きさのもいるので、来期はなんとかしてみたい。


○ルア-:1位「ダルトンスペシャル」、2位「インビンシブル8DR」、3位「ザ・スプラッシャー」

 1位は、さっき書いたので省略。ヨレヨレッとヨレる動きがシーバス向きかと。

 2位は、雨が降ってN川の流れ込みの水量がそれなりにあれば”鉄板”ガチガチの堅さを発揮してくれてたフィンランド名産のバルサミノー。インビンシブルはメチャクチャ優秀なミノーなのでコータック潰れてから正規代理店が日本にないようだけど、どっか輸入してくれないモノだろうか。弾数は確保してあるっちゃあるんだけど、オレンジの一番釣れる色の在庫が心もとない。いざとなったら黄色く塗っちまえば良いんだけどな。

 3位のザ・スプラッシャーもメジロ釣ったとさっき書いたけど、ちょっと補足。この手のスプラッシャータイプのルア-は現行品ではタックルハウスの「リップルポッパー」とデュオ版の「ザ・スプラッシャー」があるけど、使ってるのは古い「ブルーアイランドタナカ」版のもので固定重心。これが実に良い動きしやがる。早引きすると水面滑るように走りつつやや横揺れ。水を噛むスピードだとグネグネと横に体を振る。近所漁港ではカマスを追い込んで青物が堤防近くまでやってくるので飛距離は要らない。固定重心のほうが動きは安定しているし立ち上がりも早い気がする。動かない方が良いときもあるけどルア-の動きが良い方が食ってくる場面ってやっぱり多くて、そういう時飛ばさなくて良いなら固定重心のルア-の方が良い動きをして結果良く釣れる。飛距離が出ないと届かないっていう場合を除くと重心移動のミノーとか重いルア-とかより、固定重心、軽いルアーが釣れると思っている。


○釣り具:1位「-16度保冷剤」、2位「マイクロセブンCシリーズ」、3位「コバンフライ」

 1位の「-16度保冷剤」はちょうど良い材質を良く見つけてきたなと感心する。凍らせるのにも時間掛かるけど、溶けるのが遅くて秋とかなら三時間ぐらい釣りして帰ってきてもまだ霜付いている。やっすい保冷バックでも中がキッチリ冷たく冷やされて、これは良いものだと感心した。お薦めします。

 2位の「マイクロセブンCシリーズ」は大森製作所のアウトスプールスピニングの最高到達点だとワシャ勝手に思っちょります。樹脂性で軽いけど、適宜金属で補強してあって強度や耐久製にも気を配ってある。小型リールはこんなんでいいんだよ、って思っちゃう。耐久性が評価できるほど使い込んではいないけど、魚釣るのに必要な性能的には問題なく、とても良いです。ボラの突進さばききって、ドラグ出されまくってラインチリチリにされつつもちゃんと釣れました。人気の同社キャリアーもやや値段落ちてきたけど、むしろ評価されるべきはこちらのマイクロセブンCシリーズではないかと。キャリアーは軽さに振ってあって、作りとしてはマイクロセブンCのほうがしっかりしてます。

 3位の「コバンフライ」は我が愛猫の毛を集めて巻いてる。流れてくるゴミを食ってるアイゴ、グレ、ボラを狙うために、ちょっと明るめで見やすい”毛”があると良いなと思ったときに、ウチの猫は茶白で抜け毛はちょうど良い塩梅の明るめの茶色だよな、ということで寝床のボロ布からゴム手袋で抜け毛を集めて作成。なかなか優秀な成績。黒のフリースが抜け毛収集機のように毛が付いて目立つので最近は黒フリースから素材集めてるところ。


○PENN:1位「714Z」、2位「4500ss」、3位「430ssg」

 1位は、シーバス釣りの時に主軸となってるインスプール。これが716Zのスプールの直径だけ大きくしたようなリールなんだけど、スプール直径の大きい小型スピニングってラインさばけやすくて飛距離もだしやすいし、巻き癖も付きにくいしで、とっても使いやすいように感じている。大森の「No.2」の大きさもそういう傾向があると思う。ウォームギアは巻きチョイ重めだけど何というか”巻き心地良い”し、全体的に単純で丈夫。ライントラブルもほとんどなくて使ってて面倒臭いことが何もなく快調に使える。この大きさの主軸機は長く430ssgに任せていたけど、ssgは瞬間的逆転防止機構が寒いとグリス固くなって誤作動起こしたりするので、寒い時期はこちらの方が安心できる。たぶん今後の主軸機になるんだろうなと感じている。

 2位は青物釣るのに引っ張り出した。中古で買ったときにハンドルノブが壊されていて、割り箸で握りを成型して自作してある個体。4500ss以上の樹脂性のT型ハンドルは軸の根元がワシの手にはやや太くて指が痛くなるので、軸の所が細くなっているこの個体は手に馴染んで使いやすい。樹脂本体だけど強度やドラグ性能には全く問題なく、青物釣るのに好適です。

 3位は、714Zが主力化しつつあるとはいえ、暑い時期とか問題生じないのでまだまだ使い続ける第4世代。コイツの単純さも捨てがたいのよね。使ってての不具合は寒いと逆転し始める瞬間的逆転防止機構ぐらいで、逆転してもベールアーム指で引っかけて止めればいいしであんまり問題ないといえばない。リールなんて多少デキの悪いところがあったとしても、ブチ壊れたりしない丈夫さがあれば、なんとかなったりするものである。無事コレ名馬的な名機です。


 今年は、世の中はコロナ禍だったり私自身は帯状疱疹だったりで、なんか抑制させられてた気がするけど、振り返ってみるとそんなに悪くない。240日以上も釣りに行ってて悪い一年だったなんてのはありえんということか。好きなだけ釣りに行ける贅沢な暮らし。ありがたいことです。来年も釣りにはしっかり行っておこう。

 皆様、今年の釣りは楽しかったですか?それでは良い年をお迎えください。

2020年のベスト3(エンタメ編)

ねこ娘大全
kindle版「ねこ娘大全」より引用

 今年も釣りに忙しく、249日も釣り場に出てると、なかなかじっくり本を読む時間とかは減る。しかしながら毎日が休日のご隠居生活でもあるので、場所中は夕方の相撲の時間が待ち遠しかったりして、なぜ釣り場の爺さん連中は相撲の話が多いのか身をもって理解した。ネット配信の映像は地上波放送など一切見なくても大丈夫なぐらい充実していて、相変わらずアニメやドキュメンタリーはメシ食いながらとかダラダラと楽しんでいる。

 という状況で、今年も小説やルポルタージュ等活字の本は選ぶほど読んでないのでなし。あえて上げるなら、久しぶりにシリーズ新刊出たライトノベルの「涼宮ハルヒの直感」が懐かしくもあり、ミステリネタで楽しめて印象に残ってるってぐらい。


 マンガについては、続き物は新刊出たら読むし、週刊モーニングは電子版で購読するようになったのでそこそこ寝る前の睡眠導入剤兼ねて読んでいる。今年は結構最終回を迎えた作品も多く、新しく読み始める作品より終わった作品が多かった気もする。ということで選んでみると、

○マンガ:1位「ハコヅメ」、2位「波よ聞いてくれ」、3位「地球侵略少女アスカ」

 で、1位「ハコヅメ」はモーニング掲載中の、女性警察官を主人公としたマンガで連載開始当初から、ワシの中ではツボにはまってて、現実では煙たがられて不祥事とかで叩かれて嫌われがちで、創作の中では格好良すぎて現実離れしてることが多い”警察官”のごく当たり前の人間としてのバカバカしくも愛おしいアレコレやら、警察官ならではの正義感や”役所”ならではの面倒臭さとか、実際に女性警官だった作者の経験に基づくんだろうけど、等身大の警察官の息づかいが聞こえてくるような、時に真面目で熱くて格好良く、落差でクソバカバカしくて良い塩梅の描かれ方に警察官も大変だなと、ワシらの生活を守ってくれてありがとうと感謝したくなるようなそんな作品です。オタクじゃない人にも超お薦め。

 2位の「波よ聞いてくれ」は沙村先生の独特のネタの面白さも切れまくるアニメ化もした人気作。北海道のスープカレー屋の従業員の女性がひょんなことからラジオのしゃべり手として、活躍したり引っかき回したりというドタバタ喜劇の中で、登場人物がたまに良いこと言ったりするのが胸にグッとくる。主人公のライバル?の放送作家志望の女性が、事情があって家に泊めてもらってた好意をもってる男性の部屋を出て行くときに、また遊びに来なよと男性が言ってくれたのを「もう来ません」とクールに決めて出て行くんだけど、すぐに思い直して電話してやっぱりたまに遊びに来させてくださいって前言を撤回する。曰く自分が好きな物語はストイックないい人が書いたお話しではなく、汚れた水を吸って咲いた花のような物語だ、として「欲望を醸して生きていこう。」と決意する、なんてのがなかなかに人の心の機微を分かってらっしゃるな。へいラッシャイっていう感じなんである。

 3位の「地球侵略少女アスカ」の伊藤伸平先生は、オレ好みなマンガを書いてくれる先生で、何というか特撮と今時のマンガの融合っていう聞いただけでは分からん芸風なんだけど、ウルトラマンとかゴジラとかが分かる年代のオッサンでマンガ読みなら読んで損はないと思う作品をコレまでも世に問うてきました。今作は、今時マンガっぽく”百合”成分多めでお得になっております。3巻で完結しました。サクサクッと読めて楽しくてワシャ好きです。前2作品はウルトラセブンと仮面ライダーが元ネタだったけど、今回元ネタ何なんだろう、「狙われた学園」とかの古い特撮と缶コーヒーのBOSSのCMだろうか?


 アニメは、コロナに負けずに(ちょっと制作遅れたのはあったり影響は出てた)たっくさん作られてるので今年も沢山楽しんだ。

○アニメ:1位「ゲゲゲの鬼太郎(第6期)」、2位「放課後ていぼう日記」、3位「ID:INVADED」

 まあ1位は、放送が終わった年の1位にしようとずいぶん前から決めてたくらいに超面白かった。鬼太郎なんで、異なるモノ同士(妖怪と人間)の融和とか対立とか、まさに今の時代にこそ求められるテーマが根底にあり、かつ、バトルアニメの要素も抜かりなく、萌えも百合も猫姉さんに任せておけば良いし、不条理なすくわれない話も、心温まる良い話しも、全てが合わさって、今期の鬼太郎は素晴らしいできだったと絶賛したい。猫姉さん関連では思わず冒頭写真の単独の特集本を買ってしまった。新作イラストがちょっとと声をあてた声優さんへのインタビューの他は、アニメの登場シーンの切り抜き程度という内容的には薄いモノだったけど、ファンなら高くない”お布施”だと。作ってくれたアニメ制作関係者とあの世におられる水木先生に深く感謝を。

 2位はブログでも既に取り上げているけど、先日亡くなられた矢口先生の「釣りキチ三平」以来の、素晴らしい釣りマンガのアニメ化で、釣り人だったら楽しめること請け合いなので強くお薦めしたい。

 3位は、芥川賞に夏樹先生とかエイミー先生が強く推した才能”舞城王太郎”先生がSF探偵モノの脚本を書いた。結果、クソ面白い作品に仕上がった。やや難解なSF設定と謎解き部分は人を選ぶかもしれないけれど、まごう事なき傑作だとワシャ思っちょります。SFとミステリーどっちもイケる口でアニメも嫌いじゃないというなら、コレはあなたのための物語です。


 NHKオンデマンドとネットフリックスの”ドキュメンタリー作品”がクソ良いのが多くて、見る時間たらんぐらいで困っちゃう。特に良かったのを3つ選ぶなら。

○ドキュメンタリー:1位「アファンの森よ永遠に(NHK)」、2位「サメ700匹!狂乱の狩りを撮る(フランス製作でNHK配信)」、3位「ラストバレー・レストーラー」シーズン1~3(ネットフリックスオリジナル)

 1位は、今年亡くなったC・W・ニコル先生の日本での自然保護活動などの模様を追ったドキュメンタリー、日本の人間が山川海をコンクリで固めて小銭を稼ごうと裏道小汚く這い回っているなかで、ウェールズの出身の先生が、こんなにも日本の森を、自然を愛し、力の限りそれを守るために闘ってくれた。先生の思いが胸に響いて鼻の奥がツーンときた。津波で被災した松島の小学校の再建という復興に関する取り組みにも「自分の残りの生涯の半分をあげます」と情熱を燃やして、木造の、裏の森と行き来できるような学校を創りあげた。市側との会議で感情が高ぶって、英語になって「ファーストプライオリティー チルドレン(子供が最優先)、モーストインポータント チルドレン(子供が一番大事)」と熱く訴えておられて、未来を託す子供達のことをどれだけ大事に考えてくれたのか、その思いの一端に触れて感動やら感謝やら、視界がぼやけて爺さん前がよくみられんかった。あなたが日本にしてくれたこと、子供達にしてくれたことを胸に、自分も生きていきたいと思った。

 2位はおフランスもやりおるぜ、という映像。最新の映像技術で映し出されるクロヘリメジロザメの群れの夜の狩りは、日替わりのペアを組んで獲物に襲いかかり、時に別種のネムリブカとも共闘関係を結んで狩りを成立させるなど、なかなかに興味深い映像が満載で、特に半円上に並べたカメラの映像を処理して、CGじゃないのに現物を写した映像でそこで裏を見るとかの視点の変更が後から可能で、なかなかに凝った面白い映像だった。

 3位が、カナダの乾燥した谷に車が錆びにくいので中古車屋が集まってる場所があるらしく、そこに趣味で400台からのボロ車を集めた不動産屋さんが脱サラして始めた自動車レストア屋の奮闘記なんだけど、これが収集癖のあるオタクの常で”売るより買う方が多い”悪癖全開でまったく儲からず収拾つかなくなって迷走していく様が自分を見るようで身につまされてクソ笑えた。いまシーズン3まで視聴したところで、次のシーズンも楽しみである。


 地上波無し。ネット配信はアベマTV、NHKオンデマンド、ネットフリックス、アマゾンプライムビデオ、GYAOを利用している。金払うとなかなか面白い映像も見ることができて、今年もいろんな作品が私を楽しませてくれた。作品を製作・提供してくれた方々に感謝する。来年も良い暇つぶしとなってくれる以上の価値がきっとあるだろう。価値など特になくても観るけどな。

2020年12月27日日曜日

敗者にはなにもやるな?

  今回格闘技ネタです。年末のベストスリーネタの格闘技版をちょいはやいけど書いてみよう。

 格闘技は年内”年末興行”ってのが残ってるけど、まああれだああいうのはお祭り騒ぎで見世物でどうせ無料ネット配信は年開けてからとかなのでとりあえず無視しておこう。

 我が家にゃアンテナ立ててないので地上波放送が見られないけど、「RIZIN」はGYO!で後日配信があるし、アベマTVはそこそこ充実していて、国内老舗団体の「Kー1」「RISE」が立ち技系、「パンクラス」、「修斗」が総合格闘技、そして「大相撲」が視聴可能に加え、アジア中心に興行をうつ世界的な団体である「ONEチャンピオンシップ」が配信されていて実に良い感じに楽しめている。米国の総合格闘技の2大団体「UFC」「ベラトール」の放送権手放したのと「ミャンマーラウェイ」の配信が無くなったのは残念だけどアベマTVは良くやってくれている。引き続きプレミアム契約を更新することにしたい。

 でもって、本年のワシが見た格闘技の試合ベスト3の発表いってみよう。ジャカジャン。

 1位「那須川天心挑戦者決定トーナメント決勝:志朗vs鈴木真彦(RISE)」、2位「夏場所照ノ富士関優勝(大相撲)」、3位「K-1スーパーライト級タイトルマッチ:安保瑠輝也vs山崎秀晃(K-1)」

 となりました。1位は来年キックボクシングからボクシングに転向する那須川天心選手に最後にキックボクシングで挑戦する権利を得るために、那須川選手に負けた強豪でトーナメントを組んだ(一人欠場で代打は未対戦)という、なんというかすざまじいトーナメントの決勝戦で、いかに那須川選手が非凡な天才かというのを改めて思い知らされる興行だった。ワシのような素人目に見ても那須川選手はちょっと尋常じゃないようにおもう。なんぼ極真空手出身だといっても、試合で胴回し回転蹴り(浴びせ蹴り)を決めるかね?それも相手本場タイのムエタイチャンプだぜ?大山先生も草葉の陰でお喜びだろうて、とか片手をマットについてのハイキックとか”カポエラ”かよ?!って話でもう極真がどうこうではないわけが分からん強さがある。それでもその華麗な足技を捨てて、コレまで唯一土を付けられた経験がある”ボクシング”に挑戦するっていうところがまたマンガの主人公じみている。安パイで勝てる相手に泡銭稼いでるメイウェザーには爪の垢でも煎じて飲めと説教したい。あんなゲスを客寄せパンダで日本に呼ばんといて欲しいと強く思っている。でもってその挑戦権を賭けた決勝戦、どちらも那須川選手には負けているけど実力者で、特に鈴木真彦選手はアベマTVでRISEが配信されるようになってからは負けてないはずっていうか、那須川選手に負けて次からは無敗で準決勝で30連勝だったそうである。何度も勝利後のマイクパフォーマンスで那須川選手とやらせてくれと訴えていて、さすがにこれは最後にやらせてやれよと感情移入しながら、志朗選手に恨みはないけど応援しながら視聴した。結果素晴らしいカウンターもらってダウン一回、反撃実らず敗戦。なんというかいたたまれないというか、30勝しても努力して積み上げて全てを賭けても、それでも敗北は容赦なくやってくるという事実にあらためて、心の底から怖くなった。負けて得られるモノが無いとは思わない。そういう美しい物語が今回選んだ2位、3位に繋がっている。でも勝って得られる経験、賞賛、金銭、地位、名誉、悲しいことに比較にならない。那須川選手に負けてもONEチャンピオンシップで欧州の強豪サバスマイケルからダウンとって勝利した内藤大輝選手のように強くなって活躍している選手もいる、リベンジできなくても鈴木選手も強くなれるかもしれない、でもそうであったとしてもあまりにも厳しい現実だと、これが自分が生きている世界だと身を引き締めさせられる気がした。鈴木選手再度立ち上がって奮起できるのか?できなくても不思議じゃない打ちのめされかただとおもう。でも私は今年一番この試合にその敗者に心動かされた。「この世では不平等が平等に与えられる」とネットの賢者が書いてたけど全くもってその通りだと思う。だからこそ勝利には価値があり、賞賛するに値して、全てを賭けてもぎ取りに行かなければならない、そういう得ることが難しい勝利にこそ求めてやむにやまれぬほどの価値があると肝に銘じておきたい。

 2位は話題になったと思うのでご存じの方も多いだろう。大関経験者の照ノ富士関が膝の手術や糖尿病で”序2段”まで落ちて、一時は本人も辞めさせてくれと親方に泣きついたけど、親方の説得もあって奮起して再入幕。幕尻からの優勝という素晴らしい物語。序二段って物事のとっかかりを意味する”序の口”の次の駆け出しの地位でっせ。勝手に”膝痛仲間”として応援しながら見ていたけど、優勝決定したときには本当に良かったと胸をなで下ろした。アベマTVの中継見てたら、新大関朝乃山関戦前に解説の元力士とすれ違って「やってやりますよ!」と自信を覗かせていたとか。自分の力が発揮できるところに戻ってきて存分に相撲を取っている喜びに満ちあふれているようで見ていて元気づけられた。千秋楽前日、部屋の後輩力士である小兵の照強関が切れ味鋭い”足取り”の奇襲で朝乃山を破って援護射撃していたのも印象深い。その後の場所も好調で優勝争いに加わっていて、3場所33勝の大関当確の基準を満たすのも現実味を帯びてきた。欠場多くてそろそろ限界であろう横綱2人が引退した後に、強い悪役外国出身力士として場所を盛り上げて欲しいものだ。格闘技には良い”ヒール(悪役)”が必要だっていうのは何度も書いてるけど我が持論。日本人は判官贔屓なところがあって照ノ富士関は悪役になるには条件が悪いけど、なーにムカつくぐらい勝ちまくれば右効きの爺さんどもは手のひら返して罵声を浴びせ始めるだろうて。勝って勝って勝ちまくって欲しい。来年も応援する。

 3位は、格闘技好きには、これも照ノ富士関に劣らぬ”復活劇”だったよなと納得いただけるだろう。寝技無しのキックボクシング系の立ち技格闘技としては一世を風靡した「K-1」が経営状態悪化して、欧州のキックボクシング団体「イッツショータイム」に身売りして欧州で興行がうたれるようになり地上波放送もなくなって、それも消滅しただかなんだかで再度日本で軽中量級中心に興行をうつ「新生K-1」が立ち上がった。そのときに、山崎選手は最初の方から参戦していて、当時目玉選手としてタイから連れてきていた絶対王者と呼ばれるようになるゲーオ・ウィラサクレック(タイ人選手はリングネームの後ろは所属ジム名のことが多い、当初はフェアテックスジム所属)選手にハイキックで頭蓋骨陥没骨折させられ敗北、リベンジを期してのぞんだ試合ではゲーオ選手負傷欠場で代打でやってきたゴンナパ-選手に膝を壊されこれも敗北(というわけで”膝痛仲間”認定)、怪我もあって長く不調に沈んでいて、怪我から復帰しても、K-1の若手育成的な場所でもある「クラッシュ」という興行で実績的には格下と闘わされたりしていて、この人は怪我に泣いて栄光を見ることなく去って行く選手なんだろうなと失礼ながら思っていた。ところが膝の状態も良くなって本領を発揮し始めると若手とかとはさすがにモノが違って、怪我の多さからも分かるように”打ち合い上等”な感じで”黄金の拳”をぶん回したり空手仕込みのカケ蹴りとかの変則的な蹴り技も派手に繰り出して実に見ていて面白い試合でKOを量産し始め、すぐにK-1の舞台に呼び戻される。そして迎えたタイトルマッチ。宿敵ゲーオからベルトを奪った安保選手は乗りに乗ってる勢いのある王者で複数階級制覇も視野に老兵なんか眼中に無いというような舐めた態度。しかし試合は始まってみると3分かからなかった。山崎選手怒濤の猛攻で”黄金の拳”炸裂。ド派手にKOして戴冠。怪我で消えてく選手だなんて思っててスイマセン。良いもん見させてもらいました。脱帽。やっぱり膝が痛いぐらいは言い訳にはならんね。

 とまあ、なんちゅうか勝負の世界は厳しくてコロナ禍の中での興行で青木真也選手が「負けたくないヤツは闘うな、家に居ろ」ってなことを言ってたのがわりと的を射ているなと、闘わなければ負けることはないけど何も得られんぞと、思ったり思わなかったりした今年であります。そういう厳しい世界で膝痛仲間が活躍していると励まされたり、やっぱり厳しい現実を見せつけられたりすると覚悟を飲まされるような気がしたりもしております。来年はどんな闘いが見られるのか、金払って配信見ているパトロンの一人として期待してたのしく視聴していきたい。きっと名勝負がこれからも産まれ続けるだろう。今年闘った全ての格闘家に惜しみない拍手を送りたい。パチパチパチ