2020年12月31日木曜日

2020年のベスト3(エンタメ編)

ねこ娘大全
kindle版「ねこ娘大全」より引用

 今年も釣りに忙しく、249日も釣り場に出てると、なかなかじっくり本を読む時間とかは減る。しかしながら毎日が休日のご隠居生活でもあるので、場所中は夕方の相撲の時間が待ち遠しかったりして、なぜ釣り場の爺さん連中は相撲の話が多いのか身をもって理解した。ネット配信の映像は地上波放送など一切見なくても大丈夫なぐらい充実していて、相変わらずアニメやドキュメンタリーはメシ食いながらとかダラダラと楽しんでいる。

 という状況で、今年も小説やルポルタージュ等活字の本は選ぶほど読んでないのでなし。あえて上げるなら、久しぶりにシリーズ新刊出たライトノベルの「涼宮ハルヒの直感」が懐かしくもあり、ミステリネタで楽しめて印象に残ってるってぐらい。


 マンガについては、続き物は新刊出たら読むし、週刊モーニングは電子版で購読するようになったのでそこそこ寝る前の睡眠導入剤兼ねて読んでいる。今年は結構最終回を迎えた作品も多く、新しく読み始める作品より終わった作品が多かった気もする。ということで選んでみると、

○マンガ:1位「ハコヅメ」、2位「波よ聞いてくれ」、3位「地球侵略少女アスカ」

 で、1位「ハコヅメ」はモーニング掲載中の、女性警察官を主人公としたマンガで連載開始当初から、ワシの中ではツボにはまってて、現実では煙たがられて不祥事とかで叩かれて嫌われがちで、創作の中では格好良すぎて現実離れしてることが多い”警察官”のごく当たり前の人間としてのバカバカしくも愛おしいアレコレやら、警察官ならではの正義感や”役所”ならではの面倒臭さとか、実際に女性警官だった作者の経験に基づくんだろうけど、等身大の警察官の息づかいが聞こえてくるような、時に真面目で熱くて格好良く、落差でクソバカバカしくて良い塩梅の描かれ方に警察官も大変だなと、ワシらの生活を守ってくれてありがとうと感謝したくなるようなそんな作品です。オタクじゃない人にも超お薦め。

 2位の「波よ聞いてくれ」は沙村先生の独特のネタの面白さも切れまくるアニメ化もした人気作。北海道のスープカレー屋の従業員の女性がひょんなことからラジオのしゃべり手として、活躍したり引っかき回したりというドタバタ喜劇の中で、登場人物がたまに良いこと言ったりするのが胸にグッとくる。主人公のライバル?の放送作家志望の女性が、事情があって家に泊めてもらってた好意をもってる男性の部屋を出て行くときに、また遊びに来なよと男性が言ってくれたのを「もう来ません」とクールに決めて出て行くんだけど、すぐに思い直して電話してやっぱりたまに遊びに来させてくださいって前言を撤回する。曰く自分が好きな物語はストイックないい人が書いたお話しではなく、汚れた水を吸って咲いた花のような物語だ、として「欲望を醸して生きていこう。」と決意する、なんてのがなかなかに人の心の機微を分かってらっしゃるな。へいラッシャイっていう感じなんである。

 3位の「地球侵略少女アスカ」の伊藤伸平先生は、オレ好みなマンガを書いてくれる先生で、何というか特撮と今時のマンガの融合っていう聞いただけでは分からん芸風なんだけど、ウルトラマンとかゴジラとかが分かる年代のオッサンでマンガ読みなら読んで損はないと思う作品をコレまでも世に問うてきました。今作は、今時マンガっぽく”百合”成分多めでお得になっております。3巻で完結しました。サクサクッと読めて楽しくてワシャ好きです。前2作品はウルトラセブンと仮面ライダーが元ネタだったけど、今回元ネタ何なんだろう、「狙われた学園」とかの古い特撮と缶コーヒーのBOSSのCMだろうか?


 アニメは、コロナに負けずに(ちょっと制作遅れたのはあったり影響は出てた)たっくさん作られてるので今年も沢山楽しんだ。

○アニメ:1位「ゲゲゲの鬼太郎(第6期)」、2位「放課後ていぼう日記」、3位「ID:INVADED」

 まあ1位は、放送が終わった年の1位にしようとずいぶん前から決めてたくらいに超面白かった。鬼太郎なんで、異なるモノ同士(妖怪と人間)の融和とか対立とか、まさに今の時代にこそ求められるテーマが根底にあり、かつ、バトルアニメの要素も抜かりなく、萌えも百合も猫姉さんに任せておけば良いし、不条理なすくわれない話も、心温まる良い話しも、全てが合わさって、今期の鬼太郎は素晴らしいできだったと絶賛したい。猫姉さん関連では思わず冒頭写真の単独の特集本を買ってしまった。新作イラストがちょっとと声をあてた声優さんへのインタビューの他は、アニメの登場シーンの切り抜き程度という内容的には薄いモノだったけど、ファンなら高くない”お布施”だと。作ってくれたアニメ制作関係者とあの世におられる水木先生に深く感謝を。

 2位はブログでも既に取り上げているけど、先日亡くなられた矢口先生の「釣りキチ三平」以来の、素晴らしい釣りマンガのアニメ化で、釣り人だったら楽しめること請け合いなので強くお薦めしたい。

 3位は、芥川賞に夏樹先生とかエイミー先生が強く推した才能”舞城王太郎”先生がSF探偵モノの脚本を書いた。結果、クソ面白い作品に仕上がった。やや難解なSF設定と謎解き部分は人を選ぶかもしれないけれど、まごう事なき傑作だとワシャ思っちょります。SFとミステリーどっちもイケる口でアニメも嫌いじゃないというなら、コレはあなたのための物語です。


 NHKオンデマンドとネットフリックスの”ドキュメンタリー作品”がクソ良いのが多くて、見る時間たらんぐらいで困っちゃう。特に良かったのを3つ選ぶなら。

○ドキュメンタリー:1位「アファンの森よ永遠に(NHK)」、2位「サメ700匹!狂乱の狩りを撮る(フランス製作でNHK配信)」、3位「ラストバレー・レストーラー」シーズン1~3(ネットフリックスオリジナル)

 1位は、今年亡くなったC・W・ニコル先生の日本での自然保護活動などの模様を追ったドキュメンタリー、日本の人間が山川海をコンクリで固めて小銭を稼ごうと裏道小汚く這い回っているなかで、ウェールズの出身の先生が、こんなにも日本の森を、自然を愛し、力の限りそれを守るために闘ってくれた。先生の思いが胸に響いて鼻の奥がツーンときた。津波で被災した松島の小学校の再建という復興に関する取り組みにも「自分の残りの生涯の半分をあげます」と情熱を燃やして、木造の、裏の森と行き来できるような学校を創りあげた。市側との会議で感情が高ぶって、英語になって「ファーストプライオリティー チルドレン(子供が最優先)、モーストインポータント チルドレン(子供が一番大事)」と熱く訴えておられて、未来を託す子供達のことをどれだけ大事に考えてくれたのか、その思いの一端に触れて感動やら感謝やら、視界がぼやけて爺さん前がよくみられんかった。あなたが日本にしてくれたこと、子供達にしてくれたことを胸に、自分も生きていきたいと思った。

 2位はおフランスもやりおるぜ、という映像。最新の映像技術で映し出されるクロヘリメジロザメの群れの夜の狩りは、日替わりのペアを組んで獲物に襲いかかり、時に別種のネムリブカとも共闘関係を結んで狩りを成立させるなど、なかなかに興味深い映像が満載で、特に半円上に並べたカメラの映像を処理して、CGじゃないのに現物を写した映像でそこで裏を見るとかの視点の変更が後から可能で、なかなかに凝った面白い映像だった。

 3位が、カナダの乾燥した谷に車が錆びにくいので中古車屋が集まってる場所があるらしく、そこに趣味で400台からのボロ車を集めた不動産屋さんが脱サラして始めた自動車レストア屋の奮闘記なんだけど、これが収集癖のあるオタクの常で”売るより買う方が多い”悪癖全開でまったく儲からず収拾つかなくなって迷走していく様が自分を見るようで身につまされてクソ笑えた。いまシーズン3まで視聴したところで、次のシーズンも楽しみである。


 地上波無し。ネット配信はアベマTV、NHKオンデマンド、ネットフリックス、アマゾンプライムビデオ、GYAOを利用している。金払うとなかなか面白い映像も見ることができて、今年もいろんな作品が私を楽しませてくれた。作品を製作・提供してくれた方々に感謝する。来年も良い暇つぶしとなってくれる以上の価値がきっとあるだろう。価値など特になくても観るけどな。

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