2020年8月29日土曜日
僕のそこそこの規模の失敗
失敗の多い生涯を送ってきました。
最近では、病気と上手く付き合って何とか永く勤め上げようと思ってた仕事を病状悪化で早期退職することになったこととかを始め、ここには恥ずかしくてとても書けない人間関係の上での失敗とか、仕事の失敗とか、釣りでの失敗とか、突然布団の中で思い出してしまって、嫌な汗をかいたり、いたたまれない気持ちになるような、そんな失敗の数々。
昨日と同じ日々を送りたいと思って手堅く行っておけば犯さずに済んだ失敗を、欲をかいて昨日よりも楽しく、良い日々を送りたいと願ってしまうが故に犯してきたように思う。
失敗の数は多く、成功の数は少ないはずなんだけど、その数少ない成功の甘美さに魅入られて昨日と同じ今日じゃいられなくなる。博打打ちや釣り師が一度の成功体験でハマってしまい抜け出せなくなるのと似ている。
猫を飼うことにしました。一番懐いているコバンを、外に出さない部屋猫として我が家にすでに迎え入れてます。
猫は、田舎じゃ自由に家と外を行き来する”外猫”が理想的って以前書いてなかったっけ?と突っ込まれるとその通り。
その考えは今でも変わっていない。
でも、今回は外猫ダメで室内飼い部屋猫でいく。
飼うことを決意した状況が二つあって、近所のあるお宅に迷惑をかけているということが判明したのと、家のベランダに餌を食いに来ていたのが飼い猫ではなく野良だと判明したということ。
なにげに朝の挨拶とかしてて、ご近所さんから猫に困っているという話を聞いて、その状況が自分の予想してなかったものだったことから、正直聞いてて「失敗したーッ!」と顔が青ざめてたと思う。
その場で、自分も考えなしに裏のベランダで餌を与えてたことを白状して平謝りに謝って、問題解決のためにできる範囲のことをやらせてもらうと約束した。
先方は、私が移住する以前からずいぶん我慢してきたので、あなたのせいってわけじゃないとは言ってくれたけど、確実に自分にも責任がある。
迷惑の内容については個別具体的に書くのは個人情報保護の観点からまずそうなのでやめておくけど、解決するには猫をそのあたりにたむろさせておかないことが重要になってくるようなことで、餌やって呼び寄せてたら悪化の一途のはず。
自分でも、状況把握が甘くて軽率だったと思うけど、読者の皆さんにしてみればもっとそう思うだろう。ただ言い訳させてもらうと、猫たちは私が来る前から近隣の家々から餌をもらっていて、今更自分がちょっと餌あげるぐらい問題ないだろうと判断していた。地域みんなで昔から野良猫に餌やって世話してきてたんだろうと感じてた。
ある意味それは正しくはあったんだろう、ただ私が来るまで餌をあげているのは家のあるブロックの裏手のお家で、そっちに餌もらいにいく分には問題は起こさない。
我が家の裏のベランダまできても問題は起きない。問題はそこから猫たちが私に懐いて、我が家の表側の通りにまで出てくる機会が増えて問題が悪化した、というのがありそうで申し訳なくて仕方なくなったのである。
ご近所さんは、「よく見るのはオレンジの大きいの」と言っていて、「コーバーンか~!!」と頭を抱える。ヤツは人なつっこくてあんまり人を恐れないうえにちょっとバカっぽい。余計なことをして迷惑掛けるのが簡単に想像できてしまう。
自分のできることっていっても、実際には限られていて、猫がご迷惑かけているご近所さん方面に行かないようにするには、そっちに来たら脅して来ないようにする、っていうのと、野良猫だというなら捕まえて引取先を探すっていうのもありだろう。
地域猫として避妊して管理していくっていうのもちょっと検討したけど、行政や地域の人も巻き込んだ合意形成が必要なようで、とてもじゃないけどヨソモンのコミュ障の引き篭もりであるワシの手にはおえん。ホント無理です勘弁してくださいという感じ。
猫を引き取って里親を探してくれるようなボランティア団体はあるハズなので、ネットで調べて一番近くの団体に相談してみた。
捨てられたりする犬猫が多い中、飼育施設や経費も限られていてなかなか引き取れる枠が空かないのが実情とのことだったけど、たまたま雌の仔猫を探している人が居るとかで該当するのが居れば1匹、病院とかで掛かる諸費用+手数料もらうけど引き取ると言ってくれたので、ちゃんとした里親に引き渡してもらえるなら安いモノと、2期生の生き残りであるテブクロの引き取りをお願いした。
テブクロ、どんくさくてすぐつかまるし、つかまって狭い衣装ケースに拉致されても、割と平気で餌も食ってくれた、トイレもちゃんと猫砂にするし、ちょっと懐いてスリスリしてくるしで良い子である。野良で生きてくには心配な有様だけど、逆にこれなら里親さんには可愛がってもらえることだろう。
2期生はすでにワフーもどっか行ったのか、交通事故やら烏や雄猫の襲撃に遭ったのか居なくなってて、あとはウチに餌食いにきていたのは、ウニャ子とハイカグラとコバンである。
まあ、問題児のコバンが好都合なことにワシに一番懐いている個体なので、無責任に餌だけやるんじゃなくて、責任持って飼うことにして外に出て悪さしないように部屋猫にしてしまう。っていうのが一番真っ当な責任の取り方ではないかと考えた。
ウニャ子は野良猫としての生活が長くて今更部屋での囚われた生活には慣れないだろうし、カグラはあんまりワシに懐いてない。
この二匹に対しては、表側に出てきたら両手を広げて襲いかかる振りをして「フシャーッ!」と威嚇の声を上げて追いかけ回すことにした。
特にウニャ子との間には1年近くかけて築いた絆的なモノがあったはずなのに、それを威嚇して追いまわすとか、とんでもない裏切り行為でしかなく。ウニャ子の何が起こってるのか分からないような顔を見ると自分のやってることのあまりの酷さに、自己嫌悪で涙が流れる。その心苦しさはオノレの軽率が招いた失敗の罰として甘んじて受けよう。ウニャ子達が人に迷惑を掛けずに可愛がってくれる人達のいる方に足が向くように、酷い自己嫌悪にさいなまれながら追いまわそう。めげそうになるほどしんどいけど。
今回、港町という猫には古くから寛容だったはずの地域であり、安易に”猫への餌やり”は許容されるだろうと思ってしまっていたのが誤りだった。個別具体的な事例毎にそのへんは変わってくるはず。ただ、今回エサやってる人も多いっていうのを理由に「オレだけのせいじゃない」とか「猫が居て当然だから被害受けてる側でも工夫して欲しい」とか、餌をヤる側の理屈で数押し的に行くという”最悪の失敗”だけは何とか避けたつもりである。困ってる人がいるのに、それを少数派だからといって我慢とかを強いるのはたちの悪い間違いだという気がしてならない。そういう迷惑受けてる少数派としての立場にあったこともままある自分が、それを言っちゃあおしめぇよ!かなと。
というわけで、動物病院を予約して25日コバンを捕獲する。
捕獲は簡単にいった。ベランダに出るドアを開けて餌で釣って招き入れてドアを閉める。つかまった意識のないコバンを抱えてとりあえず、風呂場に監禁するかと入れたら、ニャーニャー鳴いて抗議が始まった。
しかたないので、一階の作業場を解放することにして予約時間まで1Fで遊ばせておくと割と機嫌良く探険とかして遊んでた。
病院には山寺の和尚さんじゃないけどネコを洗濯ネットに押し込んで、キャリーケースに入れて持って来てくれとのことだったので、そのようにしてケースを肩からかけて自転車で爆走。
初日はとりあえずノミ取りの薬「レボリューション」をつけてもらい、今後の検査やらワクチン接種やらのおおまかな日程について説明を受けてきた。
病院から戻ってくるまでニャーニャー鳴きっぱなし。そら不安だったろう。
前日注文した猫グッズとかを部屋に設置してる間も、コバンは一階で遊ばせておいた。
一階で囓られたり爪掛けられて困るようなモノは、一つドアが閉まる部屋が余ってたのでそちらに収納して、一階作業場はそれなりに広いので長時間家を空けるときとかの”遊び場”として使えそう。
基本、目の届きやすい居室で飼おうと思ってて、部屋に積んであったりしたモノたちは蓋の閉まるボックスを買って収納した。
コンセント周りやカラーボックス前面、障子の前には鉄製のフェンスで侵入を防止。
あと、寝るとき暴れられるとワシが眠れずに困るので、しばらくは寝るときは組み立て式のケージ内で過ごしてもらうことにする。冬になったら一緒に寝たい。
餌もトイレもケージ中に設置で、猫ってトイレのしつけは簡単なようで、特に教えなくても、そこにしか砂がなければそこでトイレをする習性のようだ。写真ではまだダンボール箱だけど猫トイレも買った。ネコ様用の高級品を買ったけど、まあタダの桶で良かった気がする。
ただ、これまで自由な野良猫生活だったのがケージに閉じ込められるのはえらい気に入らないようで、蓋を閉めるとニャーニャーと抗議の鳴き声を上げ続けるし、何とか脱出しようと敷いてあるダンボールを爪でガリガリやったりする。
狭い場所での生活にもある程度慣れてもらわないと、ワシ基本もう猫のために遠出しない生活にする覚悟だけど、冠婚葬祭はそうも行かないだろうから、うちの街にはないけど出先ででもペットホテルを探して預ける場面も出てくると想定され、鳴こうがわめこうが無視して疲れて寝るまで放置。
疲れて最終的には寝てくれるんだけど、その間寝られないワシの方が寝不足で体調崩し気味。
だんだん、慣れてきたようですぐに寝るようになってきたけど、その分朝早く起きて鳴き始めるので、結局寝不足で、朝起きて布団を上げて部屋に掃除機をかけて猫トイレ掃除、コバンを放流後、一緒に朝食にして再度寝る。
拉致監禁して酷いことしているはずだけど、懐きっぷりはあまり変わらなくて、横でひっついて寝てくれたり、アゴとか頭とか撫でてくれと差し出してくる。可愛い。
お互い慣れていって、一人と一匹のペースができるまでは、ちょっと疲れるかもしれないけど、末永く仲良くやっていこう。
猫の寿命って15年かそこらで、長くて20年と聞く。ワシもそこまで生き延びる必要が出てきた。
釣りのために健康やら寿命やら削っても惜しくないと思ってたけど、コバンのために長生きしなければならなくなった。健康損ねて長期入院とかもマズい。ある種バカにしていた”健康で長生き”も真剣に考えなきゃならん。
ちょっと体調崩しぎみなので、まずは無理せず回復させねば。
自由にやんちゃに外での生活を楽しんでたのを、拉致監禁して飼うんだから、外に出さないことによる事故とかの危険の減少とかは当たり前として、相対的な”幸せ”がワシとの生活で野良猫生活よりも多くなるように、できるだけのことをやってあげたいと思う。
まずは先立つものとして金が結構かかったんだけど、アベちゃんからもらった10万円の給付金。無職で収入の減少もクソもなかったのでもらうべき理由もなく、どっかに寄付でもするべきか悩んでたけど、ネコ様に使わせてもらいます。海川をコンクリで固めまくる自民党政権の施しを受けるなど屈辱だけど、ここでも魂など売れるなら売っておく。正直ありがたいお金。
無職で持病抱えて、それでも猫と一緒に幸せに暮らしていけたなら、わしの人生は失敗じゃなかったと思えるんじゃないだろうか。病めるときも健やかなるときも共に生きて幸せになろうね。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
そーですかついに猫様の下僕に‥
返信削除うちもいま、ハハオヤという名のでっかくて猫様ほどかわいくないいきもののお世話が必要になりつつあり、長期外出も難しくなってくるだろうという状況ですが、負けずに生き抜いていつかゆっくり三重を訪ね、コバーン少年にも挨拶したいです。
carankeさん こんにちは
削除ハハオヤに親孝行する時間がきたということでしょうね。昔”テノカカルムスコ”としてお世話してもらった身としては、我々ムスコはハハオヤに孝行するのも順番がきたということかもしれませんね。幸いウチはちょっと父親がヨロめいてきてますが、ハハオヤは元気なので「もしもの時は頼ってね」とは言ってありますが基本2人の老後を楽しんでいるようです。ありがたいことです。
遅くなってもいつでも良いので来られるようになったら是非遊びに来て下さい。猫と一緒にお待ちしております。