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2021年4月25日日曜日

テイルウォーク「マンビカver.2 100XXH」を何に使うのか?

  我が家の”主食”であるマアジ戦線が、中アジが終わりそうになってて、豆アジにはまだ早いという端境期で渋くて難しくて、アタイ涙が出ちゃうの。っていう釣れない状況だと悪い病気がまた出てしまう。

 今回は症状が竿に出た。テイルウォークの「マンビカver.2 100XXH」は10フィートの長尺でドラグ最大13キロ(ワシそんなにドラグ締めれんけど)、適合ルア-140gまでというごっついスピニングロッドである。

 基本的に磯とかからの大型青物を想定して、船上でも使えるような用途の広い竿で、多分テイルウォークだからチャーマス北村氏の影響あるんだろうけど、遠征先で何にでも使える長めのルアーロッドというのは、我が家にも1本あるザウルス「GTチャーマス90H」と設計思想が似ているように思う。

 川崎に居たころから、磯とかの岸から大型のサメを狙いたいという想いは抱いていて、今もずっとそれは心にある。

 青物狙いでちょっと重めのルア-投げて朝の1時間ほど竿振っただけで足腰に来てるような有様で、なにが岸からサメじゃ、という気もするんだけど、そこはそれ道具買っちまうと気合いも入ってくるというもので、早速昨日、花粉症で一時中断していた近所のジョギングを再開して朝から走ってきたところである。その後昼寝したら近所ちょろっと走っただけで疲れ切ってしまい起きたの夕方だったけどな。まあ、時間はあるので足腰から鍛え直さねばならぬ。

 最大ドラグ値13キロとなってるのを見ると、使う人間を選ぶガチムチ系の竿かと思ってしまうけど、メーカーのテスト風景とかの写真を見た記憶があるけど、長竿がしっかり曲がって負荷を受け止める系の竿のようで、もちろん筋力は求められるだろうけど、非常識な馬鹿力が要求される竿ではなさそうではある。

 ということで体はおいおい鍛えなおしていくとして、サメはどこに釣りに行くのよ?って話だけど、そんなもん”来た魚釣る”っていうこの地でのワシの釣りの大原則に基づいて、高い堤防とかからルア-か死に餌かブン投げて狙うんである。青物釣ってるときにハンマーヘッド(アカシュモクザメと予想)とか回ってくることがあって、掛けるとなかなか寄ってこなくて苦労するッテ話を聞いてるので、剛竿振ってサメ狙う場面は準備しておけばそのうち訪れるんではないかと期待している。90Hでもいいっちゃ良かったんだけど、ちょっと筋トレとか練習に付き合わせすぎて、バットのあたりの表面塗装のヒビも増えてバキバキになってるし、竿自体も腰が抜けつつあるのでもうチョイ長めの強めの竿があるといいなというのもあって、それ程高い竿ではなく「安いけど使える竿」という評判だったので、1万3千円を予算としてネットオークションとかで出物があると入札してたんだけど、”実用的”な竿としてそこそこ人気があるようで、何度も競り負けてきてた。それが今回、ちょい見た目小傷の多いのが1万2千円即決(送料別)で出てたので、パァァン「越後製菓!」ってぐらいの勢いで速攻ポチった。送料そこそこかかるけど釣り具に使えるクーポンがちょうどあったので、1万3千円をちょっとだけはみ出して、まあ許容範囲で収まってめでたしめでたし八丁味噌赤だしとなった。

 我が近所漁港はなんでも釣れるので、そのうち中アジを泳がせてクエを狙おうとかいう話が出てきたりしても、この竿で対応可能ではないだろうか。合わせるリールは男らしく9500ssしかないだろうなと思っている。冬になって青物の時期が来たらGTルア-でも投げて手に馴染ませておきたいところ。

 長期的に欲しいと思ってて狙ってた竿のうち1本が手に入って、あと欲しいのは今愛用しているグラスのグニャ竿「マイクロライトグラス」をもう1本予備竿として”おかわり”したら、いい加減腰抜けてきた8番フライロッドの後継を一本確保ぐらいで、買うモノ無くなり心穏やかな日々が訪れると思ってた。そのために竿整理して軍資金も稼がねばと使わなくなった竿をネットオークションで売り始めており、竿に関しては目標本数の120本に収めるのも目前になって来た。

 と思ってたら、やっぱり竿は消耗品で、使ってる竿は腰が抜けてくのは長期的には仕方ないとして、アジ釣りに今期から導入した宇崎日新の「マルチ2Way枯山水硬調540」が、ワシのキチガイじみた全力の魂込めた”ビックリアワセ”に耐えかねたのか、手元2番がヒビ入ってメシメシいい始めた。

 手元から2番という位置では直しようがなく、現行モデルでもないうえに、中古で買って保証書も付いてないのでメーカー修理もままならず、ほっといて竿が自己修復するわけもないので遅かれ早かれそこから折れてしまうだろう。おそらく超深棚狙いに導入した同じ枯山水シリーズの「62」と先の方は交換可能な気がするので、「62」の方の交換部品要員として折れたら備蓄しておくとまた役には立てられるだろうとは思うけど、まだメシメシいいつつももっている間に代替を探さねばならぬ。新しいのが見つかる前に折れてしまったら、先代の「抜無双54」が先の方折れたのを修理して53ぐらいに短くなってるけどまだ使えるのでそっちを使おうかなと、長期戦覚悟で探し始めたんだけど、Tベリーのネット通販であっさり良さそうなのが見つかってポチッとしてしまった。

 まあ一安心ではあるがこれで竿は現状123本となってしまって、あと3本売らねばである。違うな、あと2本買う予定があるなら5本売らねばならんのか。ちなみにリールは90台規制のところを96台に膨れあがっていてこっちもいい加減売っていかないと収拾がつかん。蒐集癖で収拾がつかんという”誰が上手いことを言えと?”状態。リールも地道に売っていこう。基本的に中古釣り具は売ると買ったときの値段ぐらいはつくので、送料分ぐらい足が出るけどその分は所有して使ったりクリクリしたりして楽しんだ分だということで悪くはないんじゃなかろうかと思っている。

 で、新しい5.4mののべ竿はどんな竿を買ったのかというと、探してたのは宇崎日新のできれば中級モデルかダイワの古めので、新しくて高い竿はハッキリ言って薄くて折れるので回避。趣味じゃないしな。5.4mは「抜無双」「枯山水」と使ってきて悪くない使い心地で気に入っているので宇崎日新のあんまり高くないのがまずは候補。ダイワの古めは今使ってる4.5mの早霧というハヤ竿(写真右)が今時基準だとチョイ重めだけど、”パワーメッシュ”とか”カーボウィスカー”とか銘打ってた時代のダイワの竿は普通にグルグル巻いたカーボンシートに斜めの網状にカーボン繊維とかを上乗せしてあって”パワフル”なことを謳ってて、実際「早霧45」はハヤ竿だけどボラだのサバだのに走り回られて限界近くブチ曲げられても結構粘ってくれて確かにパワフルに感じる。単に強くて折れない竿が欲しいのなら”鯉用のべ竿”という選択肢もあるけど、仕舞い寸法が長いのと、大きくても中アジまで想定の用途なのでさすがに強すぎで却下。
 今時の高級品だと、5.4mで重量100g台前半とかだけど、結局長竿だと仕掛けが5.4m先に付いてるのを引っ張り上げたりしなきゃだし、竿が受ける風とかの空気抵抗もあるし、そもそも先っぽの方にも重量はあってテコの原理からいって”重くなり”がちだしで100gと150gで言うほど使う時に差が出るかっていうとそうでもないんじゃなかろうか?と思ってる。とはいえ200g越えるような重量だと多分片手で扱うのがキツくなるので、硬調以上の渓流竿で150グラム前後の時代の製品、あるいはそのぐらいの重さになる価格帯のを買うとちょうど良い巻きの厚さで丈夫で扱いが楽なんじゃなかろうかと思っている。

 今回竿にヒビ入れたのはワシのアワセがキツすぎるという使い手の不手際が原因で、宇崎日新の竿に対しての信頼感は変わっていない。長く使った「抜無双」が中古で格安だったのに良い竿でその印象が強いので「抜無双シリーズ」後継機種あたりは良いなと思ってた。でも宇崎日新の竿は意外に中古の値段が高い。手頃な値段設定で安心の日本製というのもあって”実用品”として人気があるように感じる。軽自動車の中古価格は安くないのと似ているか?

 対してダイワは古いと値段がガクッと落ちる。最新の5万円以上するようなモデルは全く興味ないので知ったこっちゃないけど、ネットオークションだとワシの狙ってる”カーボウィスカー”系とか落札実績5000円前後のも結構ある。でネットオークション見ていくつか”ウォッチリスト”に登録して、ネットフリマはイマイチ良いのがなくて、Tベリーのネット販売在庫を眺めてたら5千円切る値段でまさに愛用してる「早霧45」の同時期の製品で5.4mの渓流竿「CW早霧 硬調54」というのが5千円切る値段で出てたので、送料入れると6千円がとこ行ってしまうけど許容範囲内だろうということでポチッとな、と購入。

 ふうっ、これで一安心。

 こんな調子で道具買ってたら、老後の蓄えはまったくもって安心じゃないけど、ここから今年は”売り”を頑張って、老後の蓄えにちょっとでも上乗せできるようにしてみたい。

 道具買うのも蒐集欲が暴走してのそれはいただけないけど、釣りたい魚があってとか、使うために必要ってのならまあ仕方ないのかなとオノレの行いを正当化してみる今日この頃でございます。

2020年7月5日日曜日

ア~ナルほどね!


 眠い。昨晩のシーバス4バラしが悔しくて寝付けず寝不足で、豆アジ釣りは完勝といっていい結果だったんだけど、睡眠周期がグダグダに乱れて昼寝して起きたら今18時半頃という体たらくで、頭が眠いんだか寝過ぎなんだかボケて使いものにならない。
 ブログ書くネタは用意してあったんだけど、ちょっと細かい話を今の頭では書ききれないので、今回は最近目にした魚関連の報告でちょっと驚いた事案を紹介したりなんぞしてお茶を濁しておきたい。

 基本魚は陸地を歩いたり空を飛んだりできないので、水路でつながっていなければ孤立した池などに自ら移動することはできない。最初に”基本”と書いたのは例外があるからで、皆様ご存じのようにウナギは雨の日に湿った陸地を歩いて移動可能だったりするけど、そういうある種の妖怪変化に近いような魚種ではなく、水から上げれば死んでしまうような魚が、いつの間にか孤立した池などに棲息していることがある。
 近年では”外来種の密放流”なんてのに象徴されるように、人が人為的に放流する場合は”魚類増殖”の事業としても普通にあって、昔はため池の底の泥を抜いて掃除したら、コイだのフナだの入れて次の泥抜きの時に収穫したとかもあったようだし、人の営みとして昔から普通にあった話。
 そうじゃないのに、人が水の入った容器背負ってとても行けるようなところにない山上の池とかにもなぜか歩いたり飛んだりできないはずの魚が居る。
 なんでじゃろ?と昔から疑問に思われていて、証明はされていないけどおそらく水草に付着する粘着糸をもつような魚の卵が水鳥の羽とかに絡んで運ばれて運ばれた先で育つのだろうといわれていた。ありそうな話で、ただこれだと鳥が飛んでる間に卵が乾燥してしまわない程度に近い場所しか運ばれないという制限はあった(雨の日なら飛距離は伸びそう)。
 ところがここに来て、水鳥の糞の中に未消化の状態で排出される魚の卵があり、それが魚の卵を遠くまで運ぶのではないか。という報告が飛び込んできた。以下抜粋すると「ハンガリー・ドナウ研究所(DRI)生態学研究センター(CER)の研究チームは、外来種として広く知られるコイとギベリオブナの卵をマガモに与える実験を行い、「マガモに与えた魚卵のうち0.2%が消化器内で生き残り、糞として排泄され、さらにその一部は孵化した」との研究結果を2020年6月22日に「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で発表した。(出典:ニューズウィーク日本版7/2日配信)」だそうである。
 ちょっと驚いた。植物のタネが鳥の分に混じって拡散されるのは有名だし、ちょっと前に無人島の小さなカタツムリがやっぱり鳥に消化されずに糞に混じって分布を広げていたというのも目にしていたけど、魚卵は普段から美味しくいただいている日本人としては比率としては低いにしても消化されずにそのまま尻から出てくるとは予想外だった。イクラ美味しくいただいてるロシア人もビックリだろう。
 ちなみにギベリオブナとなっているのは要するにキンギョのこと。そうしておきましょう。深く突っ込むとエラいことになるのがフナ類の分類。
 カモの腹の中なら、消化されるっていう別の問題が生じてくるけど乾燥してしまうことはないだろうから、カモが食べ物を消化するのに掛かる時間で移動できる距離ぐらいは離れた場所に拡散され得る。
 羽に付着も否定されたわけじゃなく近距離ならありそうに思うけど、こんな遠くまでっていうのはカモの尻(CDC?)経由なのかもしれない。
 なかなか目からウロコの研究報告で、こういう身近な、でも永らく謎だった事項に科学的な証拠がでてくるっていうのはとても面白い。こういう記事をお薦めしてきてくれるYahoo様には感謝である。

 目から鱗っていうと、これがまた面白い研究報告が沖縄美ら海財団(水族館の)ほかからきていて、ジンベイザメの目は細かい鱗がびっしり被っているとのこと。目に鱗のある生き物って、昆虫の複眼とか鱗っぽい見た目だけど違うはずで、あんまり思いつかないぐらいで、世界は驚きに溢れている。
 目を意図的に引っ込めることもできるようで、ジンベイザメは目を大事にしている様子がうかがえて、あの巨体のわりにつぶらな瞳でしっかり餌のプランクトンとか見ているのかもしれない。ちなみにホホジロザメは餌に食いつくときに反撃で目を傷つけられないように白目剥いて噛みつく。
 これってジンベイザメだけなんだろうか?近い種類のサメっていうとトラフザメぐらいだろうか?誰か調べて欲しいところ。

 昔はこういう生物ネタって”自前”以外では新書買って読んだり、科学系の雑誌立ち読みしたりしないと手に入らなかったけど、いまもろに科学系の雑誌が紙媒体じゃなくてネット版があったりして、ある程度タダで読めてネットのありがたさを痛感する。
 ナショジオのサイトなんて一昔前なら確実に金払わねば得られないような記事が無料公開分だけでもお腹いっぱいなぐらいで、こんなに情報が安くて良いのかと戸惑うぐらいである。
 ネットにはゴミでしかないような情報も溢れかえっていて、そういうクソ情報が邪魔して欲しい情報にたどり着きにくかったりもするけど、なかなかに面白い情報も転がってて、それが上手くすると布団に寝っ転がってタブレットでヒョイヒョイやるだけで閲覧可能で、オッサンは未来に来たなぁと感慨深く思ってしまうのである。

2017年11月25日土曜日

眠れる獅子はここぞというとき牙を立てる


 いきなりのホホジロ様画像は、ウィキペディアから引っ張ってきております。商業利用とか除いて自由に使って良い画像とかも沢山あってウィキペディアって、いい加減な情報載ってるとか貶したりもしてるけど、ちょっとした調べ物のとっかかりやら暇つぶしには便利この上ないことも認めざるを得ず、ネット上では寄付を募るメールとかがうざいとか書かれてしまってるけど、催促のメールが来るとやっぱりうざいと思いつつも少額ながら寄付させていただいております。
 寄付と無償で情報書き込む名も無き筆者たちで作り上げて、タダで提供している情報源として、限界もあるけど良くやっていると素直に評価したい。

 で、なんでホホジロザメかっていうと、アベマTVのナショジオアワーでホホジロザメを捕獲して通信機能付きのタグ付けて放流調査するという「シャークマン」シリーズの第2弾を観たので、今頭の中にホホジロザメ様が泳いでいるのである。
 今回は繁殖地でのトン超えの大型個体を狙った第1弾と異なり、100キロあるかないかの若魚がやってくる浅い海でホホジロザメの若い個体の成長などの謎を探るということで、米国加州はマリブビーチのサーフィンやらスタンドアップパドルを楽しむ人々の下を泳いでいるホホジロザメを飛行機と連携して空からも探して狙っていた。
 大型個体が海産哺乳類食でアザラシだのと間違えて人を襲うことはあっても、小型個体は魚食性なのでほとんど人を襲う事故はなく、調査が成立するぐらいに個体数は多いのにマリブビーチでの過去の事故例はたったの3件だそうである。加えて初めて知ったのだが、ホホジロザメの小型個体はあのホホジロザメ特有の3角形の歯じゃなくて、アオザメやヨシキリザメのような他の魚食性のサメと同じように尖った形の歯を持っているそうだ。歯の形が餌に合うようになっているっていうのは知ってしまえば当たり前といえば当たり前だけど、実に上手くできているモノだと感心する。
 でもって、前回トンオーバーの怪物には竿とリールをあきらめていた釣り人チームだけど、今回は昇降装置付きの本船の台座に乗せる手前までは竿とリールでやったとったしてた。やっぱり釣り師としては竿とリールでやりたいよね。リールはアキュレートかな?チョロッと投げたりもしてた。
 でもってそのやりとりを観た感想としては、このぐらいの型なら竿とリールで余裕でやれるという感じ。2匹釣ってて2メーターぐらいのと2.5メーターぐらいのだけど、どちらも結局用意していたジンバルとハーネス使わず。まあ向こうの釣り人は力持ちなんだろうけど、それでも同じ人間だしやってやれやンことはないだろうという気になった。
 ご近所で3時間かそこらの釣りでヘロヘロしている状態で何をゆうとるんじゃという気もするけど、健康回復したら釣ったるねン、という思いは胸に抱き続けていくのである。

 毎年、八重山やらの方面からはサメ駆除で400キロのイタチザメとか報道されてて心引かれるけど、餌ずらずらと沢山ぶら下げる延縄では釣れても竿いっちょではなかなか厳しいらしい。
 しかしながら、割と確度の高い情報もいただいていて、風雲児さんが秋に渡船で渡る磯にはドタブカとかそのあたりのメジロザメ系だろうとのことだけど、2メートルオーバーのサメが、目視できる位置に居着いて、ハリがかりした釣り師の獲物をかっさらって行くそうである。風雲児さんの見立てでは食わせるところまでは難しくなさそうとのことで、かけてからどうしようか、磯だし根ズレとかもあるけど、そもそも船で追っかけてもらえないなかでそのサイズのサメを止めて寄せてこれるのか?竿とリールじゃなくてロープで綱引きか?とか悩んでいたが、映像見る限り竿とリールでいけそうに思う。
 我が家にある道具ならスピンフィッシャー9500SSにPE6号ぐらいたらふく巻いたロウニンアジキャスティングタックルか、餌を浮子つけて流す必要があるけどセネターに80LBナイロンこれまたたらふく巻いたスタンダップトローリングタックルで何とかなるんじゃなかろうか。磯の上を根ズレかわすのに移動しながらとか考えるとジンバルだけでハーネス無しが機動的で良いだろう。
 とりあえず腹は決まった気がする。あとは健康と筋トレだな。
 もう一つ観てて思ったのは、昇降機が故障して台座を海中に下ろせなくなり2メートルくらいの個体を4,5人で引っ張っていってドボンと海に帰したんだけど、思ったより水から上げるとおとなしい。前回トン超えのデカブツはシッポ振ったりしたら吹っ飛ばされて大怪我しそうな迫力があったけど、2メートルない個体なら歯のある顔だけ気をつければシッポ持って引っ張り上げることは不可能ではないように思う。まあ、ワイヤーリーダを切断してリリースが安全だけど、種同定するために各部位とか撮影するのに、リリースまで水中で処理するにしてもシッポ固定して拘束というのは気をつけてやればやれるかも知れない。

 でもって、前回のデカブツ仕留めた映像で、ハリ先が内側に向いたネムリ針が口の端の良いところに掛かるという効用を感じて以降、「ネムリ針って実際どうなんだろう?」からはじまって、そもそも針先は内側向いているべきかそうじゃないのかあたりについて、色々考えてだんだん煮詰まってきたので、今回その辺をちょっとまとめて書いておきたい。
 サメだのマグロだのデカブツを狙うときに限らず、ハリはどういう形であるべきかという問題について、釣り人はハリ先の鋭さやハリの曲がらない強さぐらいしか気にしていないようにも思うので、もっと魚との接点となる重要な道具であるハリについてよく考えておいて罰は当たらないと思うので、そのきっかけにでもしていただければ幸い。あなたの使ってるハリが適切かどうか、今一度考えてみて損はないとお薦めするところ。

 ネムリ針ってそもそもなんぞや?というと、一般的には極端にハリ先がキュッと内側に曲げてあって、ハリ先につながる部位も軸に向かって傾斜している形のハリ。
 右の写真は左から、海のフライ用のストレートなハリ先を持った「800S」、真ん中がいろんなハリの原型というかある種標準的な形ともいえそうな「伊勢尼(カン付)」でハリ先はやや内側に曲がる程度。
 そして右がネムリ針の代表格である「ムツバリ」である。ムツバリはかなり内側にハリ先が向いていることが見て取れるだろう。

 シャークマン達がホホジロザメを狙うのに、ネムリ針を使ったのは、ネムリ針だとハリが口の横の端にかかって、放流するときにハリが外しやすく、かつハリのちもとが口の外に出るために金属とはいえハリスが鋭い歯にさらされず切られないという利点があって実に理にかなったハリの形状の選択だと感心した。

 ネムリ針の典型例であるムツバリもハリがムツに飲み込まれてかかって、ハリスがムツの鋭い歯に擦れて切れることを避けるためというのが第一の目的で、口の端以外にはかかりにくいネムリバリとなっているのだと思う。
 さらに、ネムリバリは形状的にかかったら外れにくいということがあり、もっと言うと外れにくいところにかかる、という利点もあって深い海からムツを釣り上げてくるときにはハリ先がしっかりネムったムツバリを使うようになったのだろう。

 最近は、マグロ釣りの世界でも、はたまたマグロ漁の世界でも、英語圏でサークルフックと呼ぶネムリバリの使用が増えている。
 この頃流行のキハダ釣りにおいて、ハリスが歯で切られるのを、口の端にハリ掛かりしてちもとが口から出ることで防ぐことが出来るという利点に注目して、オーナーの「ムツサークルフック」なんてのが使われることもあるようだ。
 遠洋まぐろはえ縄漁業の世界では、亀、サメ、鳥の混獲っていうのは、色々うるさい環境保護団体に漁業が攻撃され国際的に批判を浴びる原因となる。その中で海亀の混獲について劇的に改善効果をもたらすのが「サークルフック」であるらしい。
 なにしろ亀の口のような堅いつるつる平面の多い口腔内にはハリ先が内向きのサークルフックはかかりにくい。かかったとしても口の端の方で、飲み込まれてかかったときに比べれば海亀の生残率も格段に良いし、外す手間も少なくて済む。
 「でも、マグロもかかりにくいんでしょ?」と当然ながら疑うけど、メバチの漁場でのデータでは釣獲率は統計上有意に減りはしなかったという報告だった気がする。マグロ釣れる数が減らなくて、海亀を海に帰す手間が楽になるのなら漁師の側から見ても不利益はなく推進するべきだということで、遠洋マグロはえ縄漁業では様々な海域、国においてサークルフックの使用は推奨されルール化されつつある。
 サークルフックのようなハリ先が内側向いた、いかにもスッポ抜けそうなハリではマグロがかかる数が減るだろうと思うのだが、マグロ釣る延縄のハリスはサメも狙うならワイヤーかも知れないけど基本目の良いマグロにはフロロカーボンのはずで、かかったマグロにハリを飲まれてハリスが切れて逃げられるということとの差し引きと、サークルフックでは「口の横の良い位置」にかかることが多くかかれば外れにくいということもあって、総体的にはいかにもハリがかりが良さそうな真っ直ぐなハリ先のハリを使った場合と結局釣り上げられる魚の数に差が出ないのではないだろうかと想像している。

 言葉だけでは今一想像しにくいと思うので、実際マグロ釣りのために私が用意した、ハリ先がネムッていない右の「カン付きムロアジ」と左側のよく似た形状でハリ先が内側にキュッと曲げられたネムリバリ(サークルフック)で比較してみたい。
 

 まずは私の左手を魚の頭部と見立てて欲しい。
 親指は下顎、人差し指が上顎ということで一つよろしく。
 ハリ先真っ直ぐの「カン付きムロアジ」の場合、ハリのチモトまで口の中に入っている状態で既にハリ先が上顎に接しており、かつチモトが引かれると赤の矢印で示した方向に力が加わるので、ハリ先は上顎が固いかどうかとかを無視すると、その場で突き刺さる方向に力がかかっていきハリがかりする。この場合、ハリスは口の端にある歯と擦れる位置になる。また、かかった上顎が硬い骨とかでハリがかりしにくかった場合はハリ先だけ刺さっている状態ではハリのフトコロが開いてしまったりしてとても外れやすい。 

 次に、ハリ先が内側向いたネムリバリ(サークルフック)の場合だが、ハリのチモトまで口の中に入っている状態でも、ハリ先は矢印で示したように口の内側を向いていて、口の中に引っかかることはなくハリがかりしない。口の中が平坦であるという仮定ではあるけど概ね実際に即しているはずである。

 口の中にかからなかったら困るじゃないか?とご心配の皆様、ご安心下さい。右の図に示したように、ハリが口の端にきてチモトが口から出て、内側向いたネムッたハリ先が顎とかに向いたときにハリが刺さり始めます。
 要するに、チモトが口から出た時点で角度が変わってハリ先が刺さる方向を向く。
 なので、ハリスが口の外に出た状態でハリがかりして、歯でハリス切られる恐れが減る。

 というのが、一般的に言われているネムリバリの利点だけど、実はネムリバリだと2つの理由から、かかった後に外れにくいというのも利点なんだろうなと思っている。1つは口の中にかからず口の端の良いところにかかりやすいので、骨の厚く固いところに浅くかかってしまうことがなく、口の端の方の薄い骨とか軟骨とかを貫通してガッチリかかること。もっというなら餌食って引っ張っていった状態からアワせて口の端にハリがかかるとすれば、右の写真で×印のあたりの魚の上下の顎の蝶番?の軟骨やらでできた関節にガッチリかかるという理想のハリがかりになりやすい。ここにかけてしまえばバレにくいのは釣り人なら経験的に知っていると思う。
 もう1つには、ハリ先が内向いている方がアワセの力が加わる方向とハリ先の刺さる方向が揃っているので、力がかかりやすくハリが深くかかりやすく外れにくくなるということも言えるのではないだろうか。今一何をいってるか分からない人は、真っ直ぐなハリ先のハリをハリスに結んで指にかけて引っ張ってみると理解できると思う。右の写真上がそのイメージ。真っ直ぐなハリ先はハリスを引っ張る方向より外側に切れ込むように力がかかって刺さっていくはずである。引っ張った方向に真っ直ぐハリ先を突き刺したかったら、ハリ先かハリ先からフトコロにかけての部分を内側に曲げてやる必要がある。
 そういえば、真っ直ぐな軸とハリ先をもったワームフックを見ながらナマジ少年が「コレでは貫通力が今一や」と思って、自分なりにラインが引っ張られる方向にハリ先が向くようにデザイン書いたらマスタッドにそういう形のが既にあって、後に同じような形状の「スゴイフック」が出てきてから、セルフウィードレス用のワームフックといえば写真下のこの形というようにスタンダードになっていったのを思い起こす。

 ということで、ハリが良い位置にかかって抜けにくくなるしハリスは歯で切られない。良いとこばかりじゃないか、さあすべてのハリをハリ先ネムらせてしまおう。とはならないのが難しいところ。この世にいいとこ取りばかりの欠点の無いモノなど存在しないわけで、ネムリバリにも程度によっては致命的ともなりかねない欠点がある。
 まあ想像に難くないと思うけどスッポ抜けるのである。右のイメージ見てもらえば分かるけど、ハリ先が内側向いていれば口の中だろうが外だろうが魚体にハリ先が触れる可能性は小さくなってどこにもハリ先がたたないうちに口から引っこ抜かれてしまうなんてことが生じ得る。

 ちょっと乱暴に一般化すれば、ネムリがきつければかかりにくくかかってからは外れにくい。ハリ先が真っ直ぐ(実際には外向き)でネムリが浅い場合その逆でかかりやすいけど外れやすい。といえるのではないだろうか。

 なので、いろんな釣りバリが対象魚や釣り方に合わせて、良い塩梅のネムリ方というのを模索してきたんだと思う。最初のハリの例示で出した伊勢尼型なんてのは、ネムリすぎず真っ直ぐ過ぎず実に良い塩梅をとらえた機能美あふれたネムリ方になっているように感じる。ムツバリの思い切ったネムリッぷりも目的が明確で潔い感じだ。

 ひるがえって、ルアーのフックを見てみるとどうだろうか。昔はトリプルフックでもマスタッドのとか伊勢尼的なゆるいネムリが入っているのが多かったと思うけど、最近はほとんど真っ直ぐなものばかりである。ハリ先はネムっていないけどフトコロからハリ先にかけてが若干中心向けてあるのは見かける。

 ルアーの場合、餌釣りのようにネムリバリ使ってしっかり食い込ませてから口の横にかけるなんて悠長なことしてる暇はない「とにかくカケ重視!」なのかも知れない。
 でもホントにそうだろうか?個々の魚種やら釣り方やら細かく見ていくと、必ずしもかけることに重きをおくより、外れにくさを重視した方が良いように思うことがある。
 まあ具体的にいうと今やってるシーバス釣りでそう思うわけなんだが、春のチョロッと吸い込むぐらいしか口を使ってくれない時期とかなら、とにかくカケ重視のハリでどこでも良いからかけちまえ!なんだろうけど、それ以外においてシーバス食うの下手とかもいわれててしっかり食ってくれないことも多いけど、結局そういうときにどこにでもかかるハリで刺さりにくい場所とかに引っかけてしまうとジャンプ一発バレました、とかであがってこないことが多い。多少かかる確率低くても、しっかり反転させて口の中をハリ滑らせて口の横の蝶番にかけてしまうのが、バタバタ暴れてバレがちなシーバスにおいて、最終的な水揚げ量的に正解なんじゃなかろうか。っていうか途中でバレるとアタイ悲しくなっちゃうノ。

 いまプラグ用のシングルフックは右のガマカツ「シングルフック53」と左のデコイ「プラッキングシングル27」を使ってるんだけど、ハリ先真っ直ぐのデコイよりほんのちょっとだけネムッているガマカツの方が良いところにかかってバレにくいような気がしてきていて、本格的にシーバス釣るのにネムリはあった方が良いのかない方が良いのか、セイゴでも沢山釣って比較しようと、フッコスペシャル改をネムリ有り無し双方作ってみたけど、狙うとセイゴも釣れやンもんで、今のところそんな気がする程度でハッキリしたことを言えるほどではない。

 とはいえ、一般的に釣り人が思っている「ハリは先が鋭く貫通性能が良くて、魚の口だろうが顔だろうが当たった瞬間刺さってしまうのが良い」というのは、たぶん極端すぎてそれを求めすぎると、かえって使えねぇハリになってしまうような気がしている。具体的には余計なところに刺さってバレやすく、貫通性能のために犠牲にした太さの不足でデカイの来たときに伸ばされてしまうとか、ありがちすぎるぐらいにありがちで、だから私は買ってきたルアーのフックを基本シングルに換えてしまうのである。シングルフックは丈夫で、ハリ数が1/3になるということから使う前に想像するほどかかりも悪くない。バラしが減ることとデカいのに伸ばされる危険性を減らせることで相殺できるんじゃなかろうかという程度だ。

 自分のやろうとしている釣りにおいて、ハリに求められる要素は本当のところ何か?きちんと考えておかないと、ハリは直接魚と接して、かけるかスッポ抜けるかバラすか獲るか釣れるか釣れないかという大事なところを左右する道具なので、しつこいぐらい真面目に考えておいて損はないと思う。

 いずれにせよ、かかりやすければ外れやすく、かかりにくければ外れにくい、という傾向のあるなかで良いとこ取りの都合の良い魔法のハリはやっぱりないので、どのくらいのバランスで行くべきか、ネムリ以外の軸の長さとかの設計やハリの大きさの問題とかいろんな要素も含めてなるべく刺さりやすくて抜けにくいというのは、自分の釣りの場合どういうハリがそうなのか、試行錯誤しながら自分なりの答えを見つけていくしかないだろう。

 その中で、かかりやすくしたければ、ハリを研ぐ、フトコロをペンチでつまんで広げる、ハリをシングルからトリプルに、逆にハリを余計なところにかけず良いところにかけるためには、ハリを化学研磨のギンギンの新品じゃなくやすりで研いだ位の良い塩梅のに換える、フトコロをペンチでつまんで狭める、ハリをトリプルじゃなくてシングルに交換、とか手を打って口の中は滑らせて狙った蝶番にハリ先を深くしつこく刺してしまうというのとか、釣り場でも応用できると思うので、そういうことも意識してこれからもハリについて考えつづけていきたい。

 まあでもまずは、ハリを考えるならハリを研ぐことからだと昭和のオッサンは思うのである。指の間でハリをいじり回しながら、ハリ先指先にチクッと刺してみたりしながら、身体感覚的に道具を理解していくというのは大事だと思うのである。
 ハリ先鈍ったら化学研磨のトキントキンの新品に交換でハイおしまい、では寂しいじゃない。私たちってお金だけの関係なの?そうじゃないでしょ。
 どうせならハリもネチネチいじりまくって楽しまなきゃダメよ。今回の写真説明みたいにいちいち手に目とか描いたりまではしないけど、自分の手を魚の口と見立てて実際にルアーがどう咥えられたらハリがどう位置して、アワせるとどう引っ張られてどこでハリがかかるかとかは割と普通にやってます。夜中ニタニタ笑いながら。
 みんなヤってるよネ?

2017年2月4日土曜日

サイモチの神-巨人篇-

 「デカいというのはそれだけで偉い」ととある先輩釣り師が言っていたが、確かにそういう部分があることは否定できない。
 サメからちょっと脱線するが、史上最大の脊椎動物であるシロナガスクジラが水面で潮を吹いて(呼吸して)その後潜っていく映像を見たことあるのだが、最初潮吹いて、背中がでて、そこから延々と背中が続いて、まだかまだかと息をのんでいるとやっと尻ビレが水面上に現れて潜行していく、という感じでその体躯の信じられないまでの巨大さに見蕩れてしまった。デカいというだけで畏敬の念が湧いた。
 さすがにシロナガスには負けるとしても、サメにも充分デカいのがいて、ベストスリーはジンベイザメ18m、ウバザメ15m、ホホジロザメ8m(いずれも全長、日本産魚類検索参照、以下同様)だとされている。
 ただ、ご存じのようにジンベイザメ、ウバザメはプランクトン食で鋭い歯を持っていないので刃を持つ神「サイモチの神」として紹介するには不適当であり、改めて巨人族の「サイモチの神」ナマジ的ベスト3を紹介してみたい。

○3位 イタチザメ
 検索図鑑では4mとなっているけど、実際にはもっと大きいのが確認されていて6mぐらいにはなるようだ。ちなみにIGFAの記録では810kgというのが釣られている。
 ホホジロザメと並んで人を襲う事故が多い種で日本では沖縄などでこの種による被害が散見される。延縄や網にかかった魚を食害するとして、定期的に間引く「駆除」の対象ともなっている。駆除で400キロとかの充分な大物が釣れたりしているので是非釣らして欲しいのだが、延縄で沢山餌を付けて長時間かければそれなりに釣れるけど、竿1本で狙うとなるとなかなか難しいとも聞く。
 特徴的なのは、何でも食べる悪食性で、映画「ジョーズ」では最初にこの種が釣れて、人を食った個体か確認するために腹を割くと、空き缶やらルイジアナのナンバープレートやらが出てきたけど人を食った形跡はなくて・・・という感じだったんだけど、空き缶やらナンバープレートは実際に論文でそういう事例が報告されていたのを引っ張ってきていると聞いて改めて「ジョーズ」のデキの良さに感心した記憶がある。
 「何でも食べる」なかでも特にコイツだけだろというのがウミガメ食で、その特徴的なとがったハート型とでもいう形の歯を使ってウミガメをバリバリ囓って食ってしまうらしい。
 この何でも囓ってしまう大型の「サイモチの神」には特別な力が宿っていると考えられたのもむべなるかな、ハワイのホノルル水族館には、ハワイの原住民が戦闘用に使っていたとされるイタチザメの歯を使ったメリケンサックのような拳に巻いて使う武器が陳列されていた。写真がそれである。
 ハワイ島の釣具屋に行くと「サメ夜釣りツアー」のビデオが流れていて、船縁に寄せられてきた4m位はありそうなイタチザメが舷側をガリガリと囓ろうとしていた。
 英語では縞模様からタイガーシャークと格好良く呼ばれているが、日本にはネコザメの仲間の可愛いサメにトラザメと標準和名で呼ぶのがいて、どこがイタチか理解に苦しむけどイタチザメが標準和名とされている。

2位 ホホジロザメ
 魚食性の魚類が1トンを超えるのは難しいのかも知れない。硬骨魚類でも最大種のマンボウ(ウシマンボウ)は1トンを軽く超えるがクラゲなどプランクトン食である、魚食性のカジキ類は最大のシロカジキでも700キロぐらいまでだ、サメも魚食性の種ではアオザメの500キロ超が最大くらいだろうか。
 ホホジロザメも小型のうちは魚食性である。これが成長すると魚類でこの種だけの特徴といって良い「海産哺乳類食」に移行していく。
 オットセイやクジラといった大型の高次捕食者をさらに食べることで、最大では8m、3トンを超えるともいう巨体を維持しているようなのである。
 さすがに生きた元気なクジラを狩ることはないようだが、死んだクジラに群がっている映像とかは見たことがある。極めて優秀な臭覚を使って死の臭いをかぎつけてやってくる様は英語の別名「ホワイトデス」の通りの白い死神ッぷりといえるだろう。
 南アフリカのオットセイの繁殖地で海底から急浮上して狩りをするホホジロザメは、捕食時水面上にまで飛び上がることから「エアジョーズ」とか呼ばれている。
 この海域でオットセイのシルエットを模した木製の疑似餌を引っ張ると、下からドカンとホホジロザメが飛び出してくるのを観察できるようで、本来はエアジョーズの撮影、ウォッチング用なんだろうけど、フック付けて世界で最もデカい獲物を狙うトップウォータープラッキングをやってみたいなどとアホなことを考えてしまうのである。

1位 オンデンザメ
 2位でホホジロが出てきた時点で疑問に思った方もおられるかも知れないけど、釣りたい順番で単純にデカさ順で並べたわけでもないというのと、ひょっとしてオンデンザメの方がデカくなるんじゃないかということもあっての1位である。
 何しろ、駿河湾とかの深海の底にいるので生態もなにも謎だらけで、検索図鑑の7mというのも果たして最大なのかハッキリしない。というかもっとデカいのがいて知られていないだけだとしても不思議じゃない。ずいぶん前にTV番組で深海を撮影した映像が流れてその時写った巨大なオンデンザメが10m以上だとか根拠もあんまりなくネットで流布されているが、実際には6~7m位らしい。でもたまたま写った個体が最大個体とも思いがたい。もっと大きいのがいるんじゃないだろうか。
 「もっと大きいのがいるんじゃないか説」を裏打ちするのに、ホホジロのところで書いた魚食性魚の成長の限界と最近の大西洋側の近縁種ニシオンデンザメの研究の結果とからのナマジの考察を書いておきたい。
 まず一つには食性。ニシオンデンザメは高緯度地域ではそれ程深くない海にも現れて漁業の対象にもなっているので食性とかがよく調べられているんだけど、何でも食うタイプであり、結構哺乳類を食べている。魚と共にアザラシとかも食べているようで、おぼれたのを食べたのかトナカイが腹に入っていたこともあるらしい。
 オンデンザメも何でも食うタイプでかつ哺乳類も食べると想定すると、当然NHKスペシャルで放送された「深海にクジラの死体を沈めたときに、その死体がなくなるまで大型のサメがそこを縄張りにする」というようなことが、オンデンザメでも想定できるのではないか。NHKスペシャルでは5m級のカグラザメが「深海の帝王」として君臨していたが、サイズ的には上回ることがあるだろうオンデンザメが同じような役割をしてクジラを食べていても不思議ではない。深海にもカグラザメやオンデンザメのような怪物が育つ程度には食い物があるようだ。
 とはいっても、死んだクジラが降ってくるなんていう機会はそうそうないようにも思う。じゃあなぜオンデンザメは大きくなれるのか。最近のニシオンデンザメの研究で彼らがとてつもない省エネでとてつもなくゆっくりと長生きして大型化することが明らかにされてきた。
 平均時速1キロという省エネ泳法で冷たい海の中で代謝を押さえて生活し、成長も1年に1センチとか非常にゆっくり。しかし400年からかかって4mにまで成長。単純計算だとニシオンデンザメの最大とされている7mの個体は700年生きていたことになる。
 ホホジロザメのように活発にエネルギーを消費しながら餌を得ているサメなら、巨体を維持するには飢餓しないように餌を効率的にとり続ける必要がある。
 しかし、超省エネのオンデンザメならしばらく餌がなくても大丈夫で、たまに獲物が手に入るときにガッチリ食いだめして成長していけば、餌をとる機会が少なくても何百年という時間をかけて巨大に成長しうるのではないだろうか。
 ニシオンデンザメは古くから漁業の対象となっているけど、オンデンザメを対象とした漁業は深海に棲んでいることもあり非常に珍しい。ということはオンデンザメの資源のほうが未利用度が高く、古から生きてきた怪物サイズが残っている可能性も高いのではないだろうか。比較的餌の多い浅い海域にも現れて個体数も多いニシオンデンザメと単純に比較はできないのかも知れないが、実際には分からないことだらけな分、期待しても罰はあたらないのではないかと思ってしまう。
 かつ釣りをする場合、深度が深いのが問題だけど、省エネであまり引かないと予想できるので、化け物サイズとのやりとりを想定するうえで、深さを考慮しない引っ張り合いだけのやりやすさなら、オンデンザメが一番楽だと考えられる。
 謎に包まれた魚なので、夜間に浅い水深に浮いてくるとか、冬に浅い海域にやってくるとかそういう深さをチャラにするような生態があるのなら、チャンスは出てくるのかも知れない。などと妄想がはかどる「サイモチの神」なのである。

 いずれにせよ、こいつらを釣ろうと思ったら普通じゃ間に合わない。体も鍛えなければならないし、道具や技術も未知の領域で、正直この人生が終わるまでにたどり着ける気はあんまりしない。
 でも、心の中にはそういう「神」を泳がせておいても悪くはないのかなと思う。

2017年1月28日土曜日

サイモチの神-大海原篇-



 前後上下左右青色が延々と続く大海原のど真ん中を行く、そんなサメたちはいったいどんな景色を見てどんな暮らしをしているのだろう。ヒレで波を切り颯爽と大海原を切り裂いて泳いでいるのだろうか?
 孤独や自由といった概念を彼らが持ち得るとは思わないにしても、圧倒的なその孤独とその自由について、なにか感じたりはしているのだろうか?

 「サメは泳ぎを止めると窒息してしまう」というのは良く聞くフレーズだけど、多種多様のサメの中にはふつうに底生性で海の底に張り付いたまま呼吸ができる種もいる。そんな中で大海原に特化したサメは、やっぱり泳ぎを止めると窒息したり、高効率に行動するために体温を高く保つ体の仕組みを持っていたり、ヒレが効率よく泳ぐのに適した形となってたりということで、有り体にいってサメといってイメージするのはこの手の高速遊泳に特化したサメであろう。
 戦闘機のノーズアートなんかにサメの絵が描いてあると、同じ流線型紡錘形で方や海を行く魚、方や空を行く機械で、その魚の「恐怖」「早さ」「格好良さ」にあやかるように戦闘機に絵が描かれていくという、その「気分」をなんとなく理解できるところだ。

 早い魚というと、カジキだマグロだという魚がとりだたされるけど、これらスズキ目魚類の出現は6千年前と比較的新しい。対してサメの仲間は今のスタイルのサメが出てきたのは1億年以上前とずいぶん古い話だが、その頃からスピードに特化して大海原で生き残ってきた現在の大海原を行くタイプのサメたちは、カジキやマグロにも負けない性能を持って生き残っているとみている。
 ということで、今回は大海原を行く「サイモチの神」ナマジ的ベスト3ということでいってみたいと思います。

○3位 クロトガリザメ
 釣り人の中で黒潮の魚といえば、カツオにシイラ、キハダあたりだろうか?是非これにクロトガリザメも加えてやって欲しい。名前も知られずに外道の「サメ」とだけ認識されてぞんざいに扱われているのは可哀想である。
 今回紹介する中で、この種だけ釣ったことがあるのだけど、かけた瞬間から素晴らしいダッシュで、スパーンと体が抜けるジャンプも披露してくれました。実にスピードのある素晴らしい獲物でした。
 メジロザメ目でメジロザメ、ガラパゴスザメ等々似たような種が多く、同定は難問中の難問ですが、東京都水産試験場の調査では小笠原や伊豆諸島周辺とかでカツオやキハダの操業時に混獲されるサメのほとんどがこの種だったということなので、キハダやらと一緒にイワシボール追い回してるのはこのサメであってると思います。ヤワな道具じゃ太刀打ちできないのでキハダタックルで本腰入れる必要のあるアツい獲物でっセ。

○2位 ヨゴレ
 危険なサメ四天王に入れられていることが多いその名もヨゴレ。外洋性で人間との接触の機会は比較的無いのだが、外洋という餌の限られた世界で生きているため、手当たり次第何でも食べるタイプで、船舶が外洋で沈没した場合など、その際の遭難者が被害に遭う。第2次世界大戦でも沈められた船舶の遭難者を数多く襲ったことで知られている。サーファーやダイバーなどが事故に遭う他の危険なサメ四天王(ホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメ)とは一線を画す殺し屋ぶり。
 ヨゴレの名はその先端が丸く広く長い胸ビレ、背ビレの縁が斑に白ちゃけているところから。その大きなヒレを使って、エネルギー効率よく大海をグライダーのように泳いでいっているんだろうと考えられている。
 いろんな写真を見るとブリモドキ(パイロットフィッシュ)を引き連れていることが多いように思う。よるべない大海でブリモドキにとっては頼りになる兄貴分なのだろうか。


○1位 アオザメ
 これぞ進化の神がつくりたもうた「最速の魚」のマグロやカジキ以外の解の一つではないだろうか。
 ネズミザメ目の特徴である、体内の血管と体表側の血管で温度交換を行い体温を高く保つための「奇網」、流線型のボディーに上下が同じ大きさの尾ビレ。そして水の乱流を制御して水流抵抗を軽減する体表の鱗のパターン。
 アオザメはそのスピード、ジャンプ、そして食味から米国の釣り人にはそこそこマニアックに人気がある。youtubeでもイルカのような回転ジャンプを繰り返している映像が確認できる。
 NYの市場を散策したときにも、輪切りにしたマコシャークは売っていて食用としての人気の高さがうかがえた。紀伊半島でも「サメたれ」と呼ばれる干物の原材料の一つとなっており故郷の味として懐かしく思い出される。
 マコシャークの「マコ」はマッカレル(サバ)シャークがなまったものという説と、マオリの言葉で「人食い」を表しているという説があって、後者の方がカッコいいかなと思いつつも、「サバザメ」呼ばわりされているところからも分かるように魚食性が強く、歯も切り裂く三角歯ではなく突き刺す牙状であり、前者がほんとのところかなと思う。歯からみると人を食いそうにはない。


 いずれ劣らぬスピードスターで泳ぐためにそうなったカッコいい形をしています。是非こいつらともお手合わせする機会があればやっつけてみたいモノです。
 クロトガリザメはキハダを追っかけていれば副産物的にいるはずなので、是非マグロ野郎の皆様におかれましてもワイヤーリーダーと餌用意してそのファイトを堪能してもらいたいです。最高のやったり取ったりの楽しみを保証します。

2017年1月22日日曜日

サイモチの神-異形篇-

 諸星大二郎先生のマンガ「海神記」だったと思うが、主人公が「サイモチの神」と恐れられる怪物と対決することになり、海辺の洞窟でその怪物を待ち構えていると、現れたのは巨大なシュモクザメであったというシーンがあって、「サイモチ」とは「刀を持っている」とかいう意味らしいけど、そこに刀を鋭い歯になぞらえてサメを、しかもサメの中でも異形といって良いシュモクザメを持ってくるところの諸星先生のセンスの良さと絵的な迫力、不気味さ、格好良さが感動的だった。と思ってたらサイモチの神をサメとするのは「古事記」の海幸彦山幸彦にでてくる「その和邇(ワニ)は今は佐比持神という」あたりが元ネタのようである。
 古来、人は海の底からやってくる鋭い歯を持った巨大なサメに恐れとともに神秘的な魅力を感じてきたのだろう。
 現代においても、サメは恐怖の対象としてとともに魅力的な生き物としても認識されているということは、数々のサメ映画が作られていることからもうかがえる。まあジョーズとジョーズ2以外はB級以下のショボい映画だとしてもだ。
 特に米国では、サーファーが襲われる事故があったり、ダイバーがシャークウォッチを楽しむ気風があったり、一部好き者釣り師が狙っていたりということもあり関心と人気があるんだと思う。何しろかの国の「ディスカバリーチャンネル」では「シャークウィーク」というサメを特集する企画が20年以上続いているという。
 そんなディスカバリーチャンネルから流れてきたサメ映像などをアベマTVで見ていたので、ここのところ頭の中にサメたちが泳ぎ回っている。
 ということで、3回ぐらいにわたってベスト3方式でナマジ的「サイモチノカミ」話を語ってみたい。初回はサメの中でも特に異形な奴らを選抜してみた。では第3位から行ってみよう。

○3位 ナヌカザメ
 釣ったときに海中からトグロを巻くようにしてシッポを曲げたままヌボーッと上がってきたときは、魚かどうかも怪しい感じで、巨大なウミウシか何かのような奇怪な生物に見えた。船上に上げてみるとやっと正体がナヌカザメと判明したが、船上でもその奇怪さは衰えるところを知らず、どうも水をたらふく飲んで膨らんでいるようだし、こちらを噛もうと威嚇してくるしでなんとも強烈なヤツですっかり気に入った。
 写真の個体がその時のヤツである、撮影後海の底にお帰り願ったが、実はこのサメ美味しいらしいのである。良く志摩あたりの紀伊半島でネコザメを湯引きや刺身で喜んで食べるという情報を目にするのだけど、てっきり標準和名のネコザメのことだと思っていたら、どうもあのあたりではナヌカザメを「ネコザメ」と呼んで「さめなます」は祝いの席に出すほど珍重するらしい。食っておくべきだったが惜しいことをした。機会があれば味も堪能してみたいところだ。サンショウウオのような見た目に似合わず身は綺麗な白身らしい。卵も親の見た目に似合わない美しいガラス細工のような外見で「人魚の財布」と呼ばれているそうな。

○2位 マオナガ
 オナガ3兄弟の長兄マオナガ兄さんは弟分のニタリ、ハチワレとともに「オナガザメ」と呼ばれる中でも特に尾ビレが長い。全長の半分近い尾ビレは異形と呼ぶのに充分な個性的な見た目である。超カッコいい。
 この尾ビレは何のために長いのか?生物の体にはいちいちそうなった理由がある。
 その尾ビレで餌の魚を叩いて弱らせてから食うという話を初めて聞いたときは正直眉唾だと思った。
 しかし、後年その現場を目撃することになるとは思いもかけぬ暁光であった。
 シイラ釣りに出た船で、イワシの群れが捕食者に追い上げられて水面に固まってグルグル回っている状態を「イワシボール」と呼んだりするのだが、イワシボールを見つけて下に付いている捕食者がシイラかはたまたカツオかキハダかとワクワクしながらキャストを続けるも何の反応も無く、「何も付いてないんでしょうかね?」と確認のために船をイワシボールに寄せてもらったところ、水中のイワシボールの中で幅広のベルトのようなモノがうねっているのが見えた。一瞬何じゃこりゃと理解できなかったが、次の瞬間脳内検索ヒットで「オナガザメや!」と興奮して、慌ててジグを付けて放り込んで誘ってみたけど相変わらずシッポでイワシを叩いている影は見えるけどルアーには食ってこなかった。
 オナガ3兄弟がその長い尾ビレで餌を叩いて捕食しているのはどうも間違いないようで、高知あたりにオナガザメ類を狙う延縄漁船があるらしいんだけど、針に掛かってくるオナガザメの多くが尾ビレにハリがかりするらしい。パラオのガイドさんもジギングで釣れたオナガザメはシッポにフッキングしていたと言っていたように記憶している。
 その辺確定情報無いかとネットを徘徊してたら、youtubeにもろに投げ込んだ餌をシッポではたいてから食べる映像があった。TV番組の「飛び出せ科学くん」の映像のようで「オナガ捕食」で検索すると出てきます。痺れました。
 ネズミザメ目という高速で泳ぎ回るために進化したサメの仲間でジャンプする様も目撃されているというから、かけたらさぞいい気持ちにさせてくれるでしょう。

○第1位 ヒラシュモクザメ
 これぞ海神記の「サイモチノカミ」だろうというサメ。シュモクザメ類最大のコイツは最大6m超えるとかいう異形の怪物。
 シュモクザメ類のあの特徴的な頭部に加えて、なんといってもコイツの特徴は他のシュモクザメと比較しても長い背ビレで、ピンと上につきだした様がやたらカッコいい。背ビレの長さは頭部前方の形状と合わせて他のシュモクザメ類との判別にもつかわれるけど、やっぱりコイツの背ビレが長いのにも理由があったのが最近明らかとなって、ちょっとビックリさせられた。
 「国立極地研究所」の研究者が、ビデオカメラ等をそなえたタグを付けて調べたところ、このサメ、なんか横60度に左右交互に傾いて泳いでいるらしい。模型使った実験とかで確かめると横に体を傾けたときに背ビレが翼のようにはたらいて、効率よく揚力を発生させ省エネで泳げるんだとか。他のシュモクザメ類より外洋性だと言われているけど、広い海原を泳ぎ回るための進化の妙といったところか。海は、生物は、不思議な秘密に溢れていると感動せざるをえない。
 アベマTVで見たドキュメンタリーの中でタヒチのランギロア環礁の外海側の斜面を三匹編隊で泳いできたシーンはやっぱり特徴的な背ビレがシャキンとしていてゾクゾクするぐらいカッコ良かったが、残念ながら横泳ぎはしてなかかった。他のサメを襲って食うと紹介されていたとおり、高次の魚食性のサメなんだけど、なんといってもシュモクザメ類は「エイ喰らい」として有名で、鼻先にある微弱な電気を感じ取れるロレンチーニ器官を駆使してるんだと思うけど、砂に潜ったアカエイとかをバリバリ喰っちまうんである。大型個体の口にはエイの棘が何本も刺さっていたりするとか。
 ヒラシュモクザメはシュモクザメ類の中でも珍しい部類なのでなかなかお目にはかかれないだろうけど、アカシュモクザメは日本近海でも結構いて海水浴場に現れて恐れられたりしている。是非一度お手合わせ願いたいモノだ。

 オナガザメ類とシュモクザメ類は釣りの対象になりそうな気もするので、機会があれば狙ってみたい。海中から上がってきた獲物が異形の怪物だったなら、きっとサメ好きとして最高の気分にひたれるだろうことは想像に難くない。 

2017年1月15日日曜日

2トンの魚を釣る方法


 暇つぶしにアベマTVが実に有能。
 よく見る格闘技チャンネル、アニメチャンネルの他にも、ドキュメンタリーチャンネルなんてのもあってアメリカの「ディスカバリーチャンネル」から番組引っ張ってきて放送したりしている。

 最近見たのでは、大西洋のクロマグロ漁とメキシコ沖のホホジロザメの捕獲作戦が面白くて、見てて思わずアツくなった。

 クロマグロ漁の方は、プロの漁師がシーズン中一匹だけという規制の中、300キロからのタイセイヨウクロマグロで一攫千金を狙って奮闘するんだけど、船ごとに悲喜こもごもあり、何時間もかけて寄せてきたのに足下で船底にラインがこすれて切れて「Fワード」叫びまくりのピー音鳴りまくりとか、釣り師としてよく分かる心境だったり、せっかく大物水揚げしたのに身質が悪くて値段が付かなくて愕然としていたり、という人間ドラマがなかなかに味わい深かった。手釣りでやってる船を除くと、各船みんなPENNのインターナショナル使ってて「やっぱりプロのチョイスはPENN」なんだなと気分が良かった。

 ホホジロザメの方は多数の個体が集まる(繁殖行動のためだろうと考えられている)、メキシコ沖グアダルーペ島を舞台に、科学者と釣り人がチームを組んで、回遊等行動の把握を目的に衛星に情報を発信し長期間行動が追跡できるタイプのタグをホホジロザメの背びれにガッチリとボルトで固定するため、最大2トンを超えるだろうホホジロザメを釣って、作業台の上に乗せてタグ付けてリリースする、というややこしい作戦の現場からの報告。

 ロッドとリールは、はなからあきらめていて、耐加重2トンのロープに、リーダーは「チェーン」、フックは売られている中で最大という強烈なモノで軽く50センチは超えてそうな「ねむり針」。
 一個あたり浮力約22キロ(50ポンド)の浮きをいくつも付けて浮力でサメを弱らせつつ小型ボートで追跡し弱ったら綱引きしながら引っ張って、大型の母船の横に用意した作業台に誘導する。作業台はフォークリフト方式で沈めてあり囲いが設けられていて、その中に誘導し作業台ごとサメを水揚する。水から上げると時間との勝負で、ホース口に突っ込んで海水えらに流しながらタグ付けやら体長等データ取りやらやってから、作業台沈めてリリース。という段取り。

 と書くと大がかりではあるけど簡単そうに思うかも知れないけど、なんせサイズが小さくて3mオーバー数100キロからのデカブツ相手なので、最初の方苦戦しまくり。
 船の下に潜られてロープ切られ、寄せてきても作業台の上にうまく乗せきれず、最強のフックも伸びたり折れたり。

 フックが逝くのは最初から浮力の強い浮きを使いすぎだというのが釣り人チームの意見だったけど、科学者は「2個で100ポンドの浮力ぐらいどうってことないよ」とか言ってて、100ポンド約45キロの負荷ならそら太いハリも折れるって、と私も釣り人チームに同意。ラインが強いとハリが負けるのはありがちか。
 そのあたり、最初からロープのハリの近くに浮きを沢山付けずに、弱らせて寄せてきてから分散させておいた浮きをサメの近くに集めて追加していく方式に改良して成功させていた。最終的にはサメの近くに8つぐらいの浮きが集中してサメの頭を上げさせて、魚体をかなり浮かせたままボートで引っ張り沈めた作業台に誘導することができていた。

 水中で負荷をかけられながら泳ぐというのはホホジロザメのような怪物にとってもなかなか難しいらしく、4m弱、1トンクラスの個体で浮き2個しか沈めておらず、トンクラスの怪物でも100ポンド約45キロの「牽引力」しかないというのは、釣り人としてはまだやりようがあるのかなという気がしてくる。1000キロの獲物でも10キロ単位のドラグテンションが充分意味を持つと推測できるのではないだろうか。まあ私は20キロが限界だけど、45キロの浮き沈めて2時間ぐらいで上がったサイズなら20キロドラグを5時間からかければ上がるのかなという皮算用。道のりは遠いが実現性はないわけでもなさそうだ。実際にホホジロザメのトンオーバーは竿とリール使って釣られていてIGFAの記録にも残っている。

 あと、気づいたのが針先が内側を向いた「ねむり針」の優秀さで、「ちもと」が口の中にあるうちは針先が口腔内に向かないので引っかからず、必ず「ちもと」が口の外に出た状態で口の端に、それも餌を咥えて走った後に引っ張られる関係から口の横の端の良いところにばかりかかっていた。
 リリース前提なら針が外しやすいし、サメのような下手するとワイヤーリーダーとかでも噛み切りそうな獲物にはリーダーを噛ませないフッキング位置を狙えるという利点もありそうだ。イソンボだのの歯のきつい魚にも応用できる手かも知れない。 
 
 正直驚いたのは、トンオーバーとかの水中生物を水揚げしたら自重で内臓とかにダメージが出てリリースできないのではないかと思っていたけど、映像見ている限りダメージあまりないようでスイスイ泳いでいったことである。最大個体は「キメル」という名のついている5m推定2トンクラス、全部で9匹だかにタグ付けしたが、リリース時ひっくり返って沈んだ個体もなければ、ちゃんと移動データも取れていてハワイ沖まで移動した個体もいたとか早速面白い結果が出ていた。やればできるんだ。

 今回竿とリールの普通の「釣り」ではなかったけど、色々工夫しながら怪物を仕留めていく過程は釣り人としてとても参考になったし、豊富なホホジロザメの映像は眼福でもあった。
 ホホジロサメも保護の対象となりつつあるご時世、遊びで釣って良いような空気ではないのかもしれないけど、こちとら船上まであんなおっかない魚を上げる気はさらさらないので、寄せてきて簡単なタグだけ打ってリーダー切ってリリースするような、調査の手伝い的な釣りで良いので是非やらせてもらいたいモノである。などと夢想してみる。

2015年9月6日日曜日

タンスの角じゃないけど小指をぶつけて

 朝起きて、寝ぼけながらトイレに向かう途中、思いっ切り部屋のドアの角に小指をぶつけた。
 眠気と尿意が勝り、あまり痛みも感じずに用を足して二度寝しようと寝室に戻りかけると、なんか足元がネバネバしている。ナンジャロ?と思ったら足の小指から結構な出血。

 爪がチョット割れたかなと爪を触ってみたら、洋式トイレの蓋のように小指の爪がパカパカするぐらいに剥がれかけていて卒倒しそうになった。ヒィィィ

 実は週後半には夏休みで、10日には船もおさえてスタンドアップタックルでのサメ初挑戦という予定なので、足踏ん張れなかったらどうしようと青くなる。拷問で生爪を剥ぐというのがあるぐらいなのでメチャクチャ痛そうなイメージがあったのだが、痛みはなぜかたいしたことなく最悪ビーチサンダルとか履いて小指を圧迫しなければ何とかなりそうな気配ではある。

 とはいえこのまま剥がれそうな状態で放置して良いモノかいっそ取っ払ってしまった方が良いのかよく分からないので、ネットで検索して日曜診療してくれる病院を探して行ってくるつもり。


 ここ2週間ほどで対サメ用の準備はあれこれ詰めていて、初めてのスタンドアップタックルということもあり、ラインシステムも10キロドラグを想定してテストを繰り返して、魚かける前からチョット筋肉痛で腰が痛いぐらいなのだが、なんとかシンプルで強度的にも満足行く感じに仕上がってきた。まあ、実際使ってみるとまた改善が必要になるんだろうけど、まずはこんなもんだろう。

 サメ釣る道具立てとかラインシステムとかあんまりネットでも転がってなかったので、誰か後に続く奇特な人がいた時のために参考までまとめてみた。
 ワイヤーリーダーのリグり方とかまあ普通の釣り人には一生縁が無いかもしれませんが、「工夫」の「ラインシステム」の下に「気分はオルカ号の船長 対サメ用ラインシステム」としてUPしてます。

 オルカ号ってのはあれです、映画ジョーズに出てくるサメ釣り専門の偏屈な漁師の船の名前です。
 オルカ号の船長、太いグラスのフェンウィックのロッドに、クソデカイPENNセネター、ファイティングチェアーのハーネスは木製の拘束具みたいな超ハード仕様で、荒くれ者のマッチョな海の男という感じで痺れます。こういう小道具のしっかりした考証まで気をつけられているところが、流石はスピルバーグ監督という感じです。

 細かいところも手を抜かずにキッチリと詰めるというのは、釣りでも大事なところだと思うのですが、私はいい加減な性格なので、いつも適当な釣りをしていると反省するしだいです。

 まあ、細かいところはいい加減だけどノリで突き抜けているB級映画も嫌いじゃないので、自分の釣りはそういうB級な味わいを楽しめばいいのだと最近思ったりしています。

 サメ釣り、一発で決めてしまおうなんて思っていないが、いつかきっと成し遂げる。

 

2014年6月1日日曜日

気仙沼フカヒレ冤罪事件

 「給食でフィッシュバーガーっていうメニューがあったんだけど、すごく美味しくて魚って言うより’肉’っていう味で、思わず給食の人に「なんて魚ですか?」って聞いちゃったんだけど、何だったと思う?」とガッコの先生である同居人が問う。

 ここで外しては水産のプロの沽券にかかわる。
 脳内検索モードMAXパワーでいく。

 獣肉っぽい魚肉で真っ先に浮かぶのが、マグロとかの大型魚の頬肉や血合いなどだが、「給食」で使うとなるとそれでは量が確保できない。
 値段は安く、関東で給食に使えるほどのロットが購入できる魚で獣肉っぽい魚。脳内検索終了。

 「サメ。しかもアンタの故郷の気仙沼に水揚げされるモウカ(ネズミザメ)やろ。」

 正解であった。サメって表記するといやがる子供もいるようで「フィッシュバーガー」と誤魔化しているそうだが、「こんなに美味しくて安いって、そのうちみんな気付いて流行りそう。」と同居人は言う。
 脂ののりはそれほどでないけど、鶏肉のような歯ごたえのある淡泊な肉質で、衣を付けて揚げ物にすれば、脂ののりも補完できてサメバーガーはなかなかに良いメニューだと思う。気仙沼でも売り出しているが、まだメジャーブレイクしていない。これからブームがきてもおかしくない。

 気仙沼で水揚げされる魚なのに、同居人が関東で給食で始めて食べたというのには、なかなかに面白い食文化の歴史がある。
 気仙沼に水揚げされるサメは、元々はマグロやカジキを獲るときの副産物で、気仙沼にはサメを食べる文化はあまりなかったらしい。ところがマグロ漁業が盛んになるに従い、水揚げされるサメの量も増える。そうするとヒレはフカヒレに加工して中国に輸出するにしても、身が余る。マグロ漁で副産物的にとれるサメはヨシキリザメとネズミザメ(モウカ)が多く、ヨシキリザメはすり身原料に適しているのですり身になって練り製品に、しかしネズミザメはすり身には向かない身質。すり身原料に向く魚ってエソのように普通に食べるのには向かないこともあるが、ネズミザメは逆パターンで普通に総菜用として美味しい身質。

 でも、サメって人を食うイメージもあって食べるのはいやがられる場合が多い。しかし、体内にアンモニア前駆物質が多くアンモニア発酵でアルカリ性に傾く性質から日持ちが良いため、山間部で好んで食べている地域があった。それが北関東の栃木とかで、気仙沼のネズミザメは身はそっちに流通させたのであると当方は推理している。それでもサメって聞くといやがる人もやっぱりいたのか、いつ頃からか定かではないけど北関東では「モロ」という名で売られている。食品表示の問題とか以前からある呼び名でいまも地域名として使われている。北関東の人いつも食べてる安くて美味しい「モロ」がサメとは知らない人も多いらしい。

 というような感じで、ヒレはフカヒレで中国に、身は練り物になったり「モロ」として北関東に行ったり、心臓は地元で「モウカの星」として、としっかり利用されている気仙沼産のサメであるが、国際司法裁判所でボロ負け食って南氷洋から日本の調査捕鯨が撤退するので、いよいよ飯の種に困ったのか、環境保護団体が、また人ンチの食卓にイチャモンつけるような事を言い始めている。
 「フカヒレを獲るためだけにサメがヒレだけ切って捨てられるという酷い漁業が行われている」んだそうだ。
 フィンニングというやつで、昔、遠洋のマグロ漁船は冷凍庫に単価の安いサメの魚体を入れておくと赤字になるので単価が高いヒレだけ持って帰ってくるという実態があったのだが、今は遠洋いっても国際ルールで禁止されているそういう漁のやり方は、世界の警察アメリカ様とかが公海上でも乗り込んできて魚倉の検査をしているので既に実態が無い(ルールに参加してる国は検査して良いけどアメリカ様が多い)。
 近海の延縄や流し網はサメは売れるので魚体全体で港に持ってくる。量がまとまれば値段もつくしでサメも今や立派な漁獲物で、時期によってはサメ狙いの時もあるしサメ専業の船もあるやに聞く。気仙沼の魚市場に行けば運が良ければ山のように積んだヨシキリザメなんかを見ることができるのでヒレだけ切ってということが無いのは一目瞭然。
 でも、欧米の環境団体が作ったような映画では東洋系の漁業者にヒレを切られて沈んでいくサメの映像が流れる。どこの漁船か船籍もわからんような正体不明の船で、明らかなヤラセの上に東洋人蔑視である。

 グローバルスタンダードのクソ野郎様には、所詮世界の東端の小さな島国の価値観などどうでも良いんだろうなと感じる。
 自爆テロしているようなムジャヒディンの行いに正当性があるとまでは思わないが、グローバルスタンダード様の傲慢にムカっ腹が立つというのはよく分かる。
 気仙沼の漁師が、ちゃんと漁業の許可を持ってサメ獲ってきて儲けて、市場も加工屋も儲かる、関東で美味い「モロ」食った人が喜ぶ、中国の金持ちが食ったことあんま無いから美味いんだかどうだか知らんけどフカヒレ食って喜ぶ。資源量は別に減ってるわけじゃない。誰が困っている?なにに文句をいってるんだ?というところ。
 こういうクソつまらんグローバルスタンダード様のいいがかりに、唾吐いて噛み付くのがオレのジハードかなと思うので、ムカつくのにまかせて書く。
 というか、朝飯の干物が、アジかタチウオかサメという地域で育ち、たまに「モロ」を食う関東に住んでる人間としては、自分ちの食卓をけなされた不快感が強い。
 アマゾン焼き払ってつくった牧場の牛食ってるヤツに環境とか語られたくないと、低レベルな偏見と人んちの食卓批判でお返しをしておく。

 アホゆーたヤツがアホなんじゃ。