2020年3月21日土曜日

長竿の物理


 竿は短めが好きである。短い方が取り回しが楽だし、操作が正確にできる気がするので、そもそも釣り方からしてほとんどの釣りで接近戦特化型なので短い竿ですむなら短めで済ましている。延べ竿でも3m台ぐらいまでは多少重くなるグラスロッドでも釣るのに問題なく、グラスの延べ竿ぐにゃっと曲げて小物釣りとか釣り味最高なので可能ならその長さの竿を使っている。
 アジ釣りも棚が一ヒロ半ぐらいと浅かった秋には3.3mのグラスの延べ竿で釣っていた。
 ただ、長竿じゃないと届かなければ長竿にせざるを得ず、最近の船だまりでの釣りでは棚が深く5.4mの小継ぎ渓流竿を使っている。
 長い延べ竿の出番って案外少なくて、距離を稼ぐ必要あるならリール竿の出番だと思うので、ほぼ深棚の釣りにしか使ったことがない。深棚の釣りでもリール竿を使えば良いんじゃないかと試してみたけど、軽いオモリの仕掛けを遊動式の浮子で素早く沈めるのが難しかったりして、へら浮子のトップで微妙な変化をとらえる釣りにはやっぱり延べ竿があってるという気がしている。
 今使ってる5.4mの宇崎日新「抜無双54」はもともと、関東のダム湖の陸っぱりワカサギ釣りのために買った竿で、最終的には6mの棚のワカサギ釣るために7mの鮎竿も中古で買ったりしている。
 ワカサギ釣りはミャク釣りだったけど、リール竿ではさっぱり分からんような6m水深の底で食ってくるワカサギ1匹のアタリが、両手で持ってる7mの鮎竿を通してとらえることができて、長竿独特のアタリが増幅されているような感度の良さを感じたものである。鮎釣り師に言わせると2m、3mのルアーロッドの感度がどうこうは鼻で笑うような話でたいして感度の良さが出せるわけがない。9mとかの長竿だと感度良いヤツになると囮がシッポ振って泳いでるのぐらい余裕で分かる。ンだそうな。
 なんにしろ深い棚で小技を効かせた釣りを展開したければ、断然リール竿より延べ竿だナと思っている。

 ただ、今の私のアジ釣りのやり方はヘラ釣りの応用なんだけど、ヘラ釣りでは水深2~3mとかの釣り場でしか釣ったことがなく、そうなると竿は短いのがつかえるので、8尺とか10尺しか使ったことがなく、5.4mはヘラ竿でいうなら18尺の長竿になるんだけど、そんな長竿で浮子を竿先近くに持ってくる”提灯”の釣りというのは初めての経験だった。
 そうすると実に面白いことが起こるのである。何が起こったかというと、浮子が壊れまくって、仕掛けがバツバツと切れたのである。
 深棚の釣りということで、浮子の浮力大きめでオモリ重くして素早く沈めようという意図で、浮子の足は軽い竹製で製作した。ヘラ釣りの時も底釣り用の浮子はそうしてたのでコレまで特に問題はなかったンだけど、これが折れまくりで最初はたまたま竿にあたって折れたのかと思ってたけど、直してもまた折れてかつ竿にあたってる気配はない。さらには折れるのなら竹はやめてカーボンにしようと、足の素材変更したら足は折れなくなったけど今度はトップが折れる。中空のトップを本体に接続するためにポリカーボネイトの芯を突っ込んで接着してあったんだけど、ポリカーボネイトの芯がひん曲がる。仕方ないので堅いグラスの芯を使ったらだいぶマシになったけどそれでも中空のトップは芯の終わるところあたりから折れたりして、芯の長さを長くしたり、中空トップを諦めてポリカーボネイトムクのトップにしたりしている。
 何が起こっているのか?
 多分アワセの時の道糸が引かれる速度が早くて、大きめ(=重め)の浮子が慣性力で止まろうとする力と道糸に引っぱられる力で浮子がへし曲げられて折れているんじゃないかと思う。
 ルアーとかを投げるのに、遠投性を求めるのなら振り切れる範囲で長い方が、同じ振り方をした場合に竿先の速度が出るので飛距離が出るのと同じで、長竿なのでアワせたときの竿先の速度も速いのだと思う。
 よくルアーロッドで飛距離を売りにしている製品があるけど、コレまでも何度も書いてきたけど、あんなもん飛距離が欲しけりゃ竿長くすりゃいいだけで、4.5mの磯投げ竿でジグぶん投げると10フィート3mぐらいのルアーロッドとは異次元の飛距離が出る。ワシャ飛距離が必要ならそっちで投げる。でも飛距離必要な状況って遠くでナブラが立ってるときぐらいで滅多にない。
 っていうぐらいで長い竿の先っちょは速度が出ている。
 そうなってくると、浮子が壊れる以外にも仕掛けが切れたりの不具合が出てくる。常識的に考えると一番細い0.5号のナイロンハリスが切れるはずで、実際ちょくちょくアワセ切れはあるんだけど、ハリスはしょっちゅう替えるのでいつも強度は新品同様のままで、かつバリバス「SVGナイロン」は丈夫で意外に切れなくて、道糸は2回の使用で交換してはいるけどヨタってたり傷がいってたりしたんだろうか、1.5号の道糸が切れることが何度かあって道糸の太さを2号にあげたところである。1.5号ってシーバス釣るのにも使ってる6LBでっせ!アジでアワセ切れするかよって驚くけど、実際切れたのである。
 あと、予想外だったのが松葉式のウキ止めが切れる。松葉式のウキ止めは自分で適当なナイロンライン使って作ってたんだけど、今までコレが切れたことはなく、最初切れたときにはアワせたら、魚は掛かって釣れたんだけど浮子が外れて海面に浮いてるのを見て、何が起こったのか理解不能だった。けど、浮子回収したら松葉式のウキ止めの、道糸に通す輪っかの部分が切れていた。瞬間的に道糸との摩擦で切れているようだ。ならばと、フロロの2号で松葉を作ってみたら、なんとコレも切れて驚いた。現在フロロの4号で作っていて今のところ切れていないけどコレで切れるようならウキ止め自作は諦める。
 
 今まであんまり長竿って使ってこなかったので”長い”ということから生じる物理的な特性の違いがもろに出てくるのに新鮮な驚きを感じている。理屈考えてみると、実際に起こってる現象だし納得するしかないんだけど、よく使う4.5mとそんなに違うとは思ってなかったので虚を突かれた感じである。
 と同時に、長竿で深棚から魚の引きを楽しみながらあげてくる釣り味の良さにもすっかり魅了されているところである。
 長い竿に、それほど釣りをする上での利点があるとは思っていなかったけど、長い竿を使うこと自体に、その釣趣やら使いこなす楽しさに、利点じゃないけど使う価値があるのかなと薄ボンヤリと思うところである。
 長竿もまったくもって悪くないと思う今日この頃である。
 片手で扱える軽めの6.3mも欲しくなってきて困ったものである。

2 件のコメント:

  1. 長目の竿って運搬の問題と取り回しが悪いからホームグラウンドのシーバスとショアから青物とシイラ釣る時以外使いたくないんですが、
    バラシ対策と足場の克服なんかでやむ無しって感じです。

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    1. たしかに、足場高いと長さ必要ですよね。
      長竿はタメが効いて、そのあたりはご指摘のとおりバラし対策にもつながるんだと思うんですが、そのあたりには長竿独特の味もあるように感じています。

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