2026年9月26日土曜日

ついでにコーモラン

  B級好きなら避けて通れない、キングオブMede in Japanパチモノなコーモラン。まあお世話になった世代で、思い入れもあるけど、そこまで蒐集欲をそそられない。なんでか分からんけど。でも、まとめて買うと送料お得感が出るという謎の動機や、そもそも一山いくらで売りに出てるのに混ざってきたりして、それなりに蔵に転がってる。まあ今回はそのあたりをいってみます。

 ま、コーモランといえば、ハズレ引くとまともに動かんってのがお約束で、この機会にコーモじゃないかもなパチもんも含め、試し投げの結果も含めご紹介していこうかなと思います。とりあえず第1弾。こんな感じ。

 全体的な感想としては、意外にみんなまともな動きというか、良い動きしてて、ガキの頃「横向いてまともに動かんやんけ!」と憤慨したのは、ラインアイをペンチで左右に曲げるいわゆる”トゥルーチューン””アイチューン”という調整方法を知らなかったからというのもあったのかもしれないと思わされた。コーモランに限らずだけど中古で手に入れた状態でまともに動かないチューニングが狂ってる個体が多いってことは、みんなちゃんと調整してないのでダメルアー認定で中古で売うっぱらってるんだという気もする。チューニングの仕方知ってると、逆にわざと斜めに泳がせて岸壁沿いに当てつつ引っ張るとかもできるってのもあるけど、まあまともに使うために必ず知っておいた方が良いと思う。ラパラの箱には昔チューンの方法書いてあったような気がするけど、ペンチで摘まんで泳ぎが曲がる方向と逆に曲げるだけである。

 で、まずはミノー系。一番上のは「スーパーコッド」という名前のミノーで、コーモランがパクりじゃなくてオリジナルなルアーを世に出し始めた頃のルアーのようで、頭出して縦浮き系でノタノタと緩く泳ぐ感じで、頭を突っ込ませてお辞儀とかのトップウォーターミノーイング用に作られているらしい。ネットとか見ているとアルミ貼りでもっと豪華なのもある。側面平面系なのでアルミ貼りだとギラッギラして確かに良さげ。2番目のはコーモラン版ロングAのジョイントタイプ「フォルテシモ」これは、あまり潜らず良い動きすると教えてもらってて見つけたときに確保したもので、これのジョイントじゃない「フォルテ」は「コーモランのロングA」と呼ばれて、ガキの頃仲間内では釣れるルアーと認識されていた。フォルテシモも実に良い動きでこれは釣れるという感じ。で3つめはスピードシャッドっぽい形に尻ビレがついている「ビブフラット」だと思う。コイツも本家に負けず劣らず良い動きしている。

 でお次がクランク系。一番上、人気のの「マルちゃん」シャロー巨人ヘルメット版はメットが邪魔で泳ぎ破綻するかと思ったら、意外に普通にちゃんと泳ぎます。問題なく魚釣れそう。まあ元ネタがファッツオーなら動いて当たり前かとも思うけど、元ネタ通りに動かないのがあるのがコーモランクオリティというのもあって、ちゃんと動くとお得な気分になる。中段右は「ベイビーバグ」で本家のストーム「バグプラグ」よりリップが立った形状だけど、良く水を噛んでブルブルと小気味よく泳ぐ。中段左の名前が分からんけどリップに刻印ありのレーベル「クロウフィッシュ」系もつぶらな可愛いお目目で元気にぶりぶり泳ぐ。ここまでまともすぎてつまらんぐらい。で、下段の2個はコーモかどうかも分からんパチモノで、さすがにまともに泳がないのではと”期待”したけど、右側の素朴なシャロークランクは普通に泳いだ。左のディープダイバーっぽいのが一番危なっかしくて、リップが大きすぎるのかフラットフィッシュを思わせるような、つんのめるような動きが混じって早引きするとひっくり返ったりする。でも使えないってほどじゃなさげ。案外この程度でも魚良く釣れそうには思う。

 で、もいっちょはトップとスプーンで、スプーンはオークラのコーモ版で「コデット」でいいのかな、これは本家の薄っぺらさを上手くパクってる感じでわりと良い動き。コーモのスプーンは北海道仕様のパチ「ドサンコ」が使えると人気らしい。今でも売ってるけどプレス用金型壊れて主力の重さが廃盤になるとか。ちなみにパラバンのバッハスペシャルが元ネタ。ベビトーっぽいのはパクられがちなのでコーモじゃないかもだけど、コーモなら「トップー●」とかの名前だと思う。まあこの形でやることは引っ張ったらペラが回れば十分で、そこはなんなくクリア。で、今回是非泳がせてみたかったのが、「バッカス」またの名を「TOP-4」というヘドンクレイジークローラーのパクりで、これ人によって「泳ぎ不如意」「羽いじっても何やっても泳がない」という意見と、「ちゃんと泳ぐ」「本家のオリジナルとタイニーの中間の大きさなのでローテに入れている」とかいう見解とに大きく分かれる。この形で泳がないってないだろうって思うけど、名前が酒の神バッカスだから酒飲んで泳いで溺死してるのか?とか謎だったけど、今回泳がしてきました結果、この個体はちゃんと”羽モノ”の動きで泳ぎます。泳がないっていう意見が散見されるのはなんでだろう?個体差か、あるいは動かない仕様だったのを後年変更したとかか?いずれにせよちゃんと泳ぐ個体もありま~す。ちなみにフローティングワームヘッドの「パクパク」は今回出してみたら表面塗装が溶けて、袋にべったりとくっついてしまってて泳がせることはかなわなかった。古いコーモランの塗装がベタベタに溶けてしまうのはたまに聞く。

 でお次が第2弾なんだけど、「ビッグO」タイプのシャロークランク達で、こいつらコーモランじゃないパチモノが多い。じつは白ベースにグリッターが振りかけてあるのは、コーモの箱に入ってネットオークションで売られてるのを見た記憶がありコーモラン製だと思ってたけど、違うブランド名のパッケージに入ってるのも散見され、どうにもコーモではない気がしている。っていうかこのあたりの、古いパチモノシャロークランクは複雑な事情が絡むようで、興味持って調べてる人も少なく、資料も現物箱入りぐらいしかない状態で、思わぬところに深い沼として存在していて足を踏み入れた人間を飲み込む。ワシっ、もうダメかもしれぬ・・・ブクブク。

 そもそもは、神奈川在住時に近所の黄色い中古釣具屋(ああっ懐かしい!)で件の白ベースグリッターのを手にしたところ、ノンラトルでかつリグも鉄板リグで興味を引かれるモノがあり、シーバスに投入目的で2個同じのがぶら下がってたのを買ったと記憶している。値段は300円ちょいの在庫処分価格だったけど、その値段にふさわしいショボい作りのクランクベイトである。買った当時は名前もないような国産パチモノだと思ってたけど、前述のようにコーモの箱に入って売られているのを見かけたので、コーモの一味なのかと納得してたんだけど、これが別のネット記事で「サンゴルアー」のパッケージに入ってるのもあると知り、コーモじゃなかったのか?と思ったんだけど、これそんな単純な話でもないようである。同じような鉄板リグのクランクを安くネットオークションで見つけて確保してみたら、今度はラトル入りでかつ塗装の感じもちょっと違う。で、色々と探ってみるとサンゴルアーの方は他にも鉄板リグのミノーとかもパッケージ入りで出てくるけど、プラグ以外にもパチモノ臭いルアーがこのブランドで出ていたようだ。会社は「TONOSAKI FISHING HOOK」というハリ屋のようで、フックを納入しているつきあいからか、どうもパチモノのルアー作ってるような会社から流れてきたブツを自社ブランドで売ってた気配がしてくる。そうなると製造元は別ブランドにもパチモノ作って流しててもおかしくなくて、 コーモランが自社パッケに入れて売ってても不思議じゃないし、コーモランが製造元っていう可能性も否定できない。こんなもんただでさえ40,50年昔の話で、まともに資料も証言も残ってるわきゃないので想像するしかない。

 しかし、もういっちょの青いラトル入り鉄板リグの方は、どうも香港シェイクスピアが作ってた「ビックSHAKER」シリーズのミディサイズの売れ残り在庫の横流しバッタものの可能性が出てきた。SHAKER(シェイカー)シリーズも時代によってリグが普通のエイト管だったりするけど、香港時代のは鉄板リグのもあったようで、本物?は腹にペイントで名前が書いてあるので、箱入りでなくても分かりやすいんだけど、これが、腹に名前の書いてあるモノが「KYOTO」というパチモノ感丸出しの製造元不明のブランドのブリスターパックに入った状態で出てくる。これなど、当時日本でシェイクスピアの企画やらもしつつ代理店してたのはコーッタックらしいけど、香港の製造元がコータックに収めなかった余り在庫をそのまま適当な日本語っぽいブランドロゴのパッケージに入れて売ったんだろうと見てとれる。面白いのは、同じ「KYOTO」のパッケージで同じような造りのクランクが、銘のない状態でも存在するところで、写真の小さめの方は銘がない。ついでにエイト管。でもネット画像で出てくる銘ありエイト管の個体と独特の出目の作りが同じに見える。そうなると正規に発注元に収めなかった余った在庫品のみならず、調子に乗って同じ型使って生産して無銘のままKYOTOブランド?で売ってたのではないだろうか?だとすると、製造元と企画販売元ブランドが異なっててって話で、製造元が正規に発注元に納めたモノ以外に流通させたバッタモノが出てくるのはある意味当たり前で、香港だろうが中国だろうか韓国だろうが、もちろん日本だろうが、こういう適当にパクったパチモノなのか正規品の横流し的バッタものなのかわからんのはいくらでもあって、今更パソコン椅子探偵が頑張ったところで「真実は一つ」とは特定し得ないし、真実が一つとも限らないのではないだろうか。ワシも若い頃、スピードスティックの銘を入れる前のダイコーからの横流しバッタモンという竿を愛用していた。クランクベイトではザウルスが「ジャララ」の名前で売ってた体側に溝が入るブランクスが、あちこち出回っていろんなブランド名で出てるのも、わりとB級好きには有名な話かと思う。鉄板リグとか目立つ特徴があったので今回ある程度推理しようとは試みたけど、そもそもビッグOっぽいパチモノクランクで普通のエイト管リグのなんて推理のとっかかりもないぐらいありふれているだろう。

 で、昔のは分からんでも今のパチモノなら追えるかというと、製造元が東南アジアの新興工業国あちこちに広がって、かつ製造(コピー)技術も上がっているので、やっぱりわけの分からん出所不明のパチモンが出てくる。写真のブツも側面の溝からバンディット「200」かなと思って安かったので手を出したけど、バンディットにこの歩脚まで書いたザリガニカラーはないようだ。このザリガニのプリントカラーはボーマーにはある。でもボーマーにこの形のルアーがない。ネットの海に潜って調べていると、ブランド名もクソもない、紙に英語ワープロ書きの「CRANK BAITーDeep Daiver」 サイズ2、カラークローダットとかプリントアウトされたシールが貼られたブリスターパックで、同じモノが売られているのを見つけた。見つけたけど情報少なすぎてどこのどなたが作ってるのかさっぱり分からん。

 というなかで、実際にルアーを投げてみて思ったのは、ビッグOタイプのパチモノはだいたい良い動きをするなということで、当時は飛距離がどうとかあまりいわんかったので、オモリも入ってるか疑わしい限りの軽い作りで、ポカンと浮いてキビキビと泳ぐ。クランクベイトのあの形は、太いボディーで浮力を確保し、水をたくさん押して動かしつつブリブリと泳ぐという機能のために、開祖フレッド・ヤング氏が設計したもので、パクりは褒められたモノではないけど、パクってもそれなりにその設計した意図のとおりに機能するというのはヤング氏偉いッ!ってことなんだろう。思わずもっと欲しくなってビッグOパチモノを意味もなく買ってしまった。ついでに見つけたオリム「ビックI」?とウィーRパチで鉄板リグの「DAE YANG 」にもマウスが滑った。こいつらもパチモノそのものだけどDAE YANGは妙にできが良い。けどちゃんとリップに名前が書いてあるのは偉い。ビックIとか名前どこにも書いてないので他のパチモノと区別するのが難しい。ケツがヒートンであとはカラーがそれっぽいとネットで見比べて見分けてみたけど正直自信がない。同じようなパチモン他にもあっただろうし、同じモノが別の名前で出ていてもおかしくない昭和の混沌。あとクロームカラーのもノーマン「リトルN」かもだけどノーマンは銘を入れないのでパチに紛れると分からんくなる。そいつを含め上から2段目は全部エイト管モノでそれぞれ目の処理が違うので製造元は少なくとも違うっぽい。にしても、古くて安っぽいパチモノには意外に鉄板リグが多いのは真鍮の板を打ち抜いて穴開けるだけの鉄板リグの方が、ステン硬線を曲げて作るエイト管より安く上がるとか理由があるのだろうか?実は上の写真の真ん中の段の同じパーチ柄の鉄板リグモノ2つ、片方だけラトルが入ってる。もう、わっけわからんな。なんにせよ買いすぎで、アタイ病気が憎いッ!思わずシャロークランク以外の鉄板リグモノにも誤爆している。ついでにパチモノ界隈では大御所の一角ザ・プロデューサーズものもなぜか蔵にあった。一瞬ピーナッツⅡDRに見えるけど表面の鱗模様が独特だし銘がちゃんとある。堂々としたものである。パチモノではないけどダイビングクランク繋がりで誤爆したバークレー「フレンジー」はなにげに新型。金型新しくするぐらい売れたということだろうけど、エエんかアメ人的にはあれで?パチモノ軍団と並べても何ら遜色のない胡散臭さはなかなかのものである。

 今時の”良すぎる”パチモノは正直ワシ使いたくないとこれまでも書いてきた。苦労して開発したり、釣り方さえ提言して売れるところまで育てたルアーを安易に丸パクされて、その市場を食われてしまうとすれば、まともに開発、開拓するのが馬鹿臭くなって、先駆的なルアーメーカーがいなくなりかねない。ただ、40年から昔のショボいデキのパチモンルアーに関しては、笑って許して味わうのも一興かなと思ったところ。

 ちょっとコーモ以外のルアーに話が逸れたけど、コーモランも既に昔のパチものだけのメーカーではなく、いまだと「VIVA」ブランドや、ちょいまえの「プライアル」ブランドでオリジナルの自社製品を世に出すようになっている。とはいえまだ、ヘドン「ソナー」をパクったロングセラー「コーモソナー」も2代目になってしっぽの方がちょっとかっこつけてあるようになって健在だったりする。ソナーって音波探査機の類いの一般名詞でもあるけど、ルアーの世界では当然ヘドンのそれで、それをルアーも丸パクしたうえで、バス釣り少年がフォルテを「コーモランのロングA」と呼んでたのと同じようにコーモラン公式が堂々と「コーモソナー」と命名していたその度胸はちょっと笑える。現在オリジナルな製品が多く、わし次の冬用にコーモラン製の魚バサミなんてのも用意したところだけど、パチモノの王者としての仕事もまた忘れていないようだ。ビックバドのサイズ違いとかも出してるはず。しかも良いできだと高評価。まあ、パチモノは褒められたことではないけど、コーモランなら仕方ないと思わされるぐらいに歴史と伝統のあるお家芸ではあると思う。フロッグの世界では、ほぼスナッグプルーフに端を発する上向きダブルフックの中空タイプが席巻し標準仕様となってしまった中で、脈々といにしえの上向き1本フック”ガルシア”方式を「かへるくん」の昔から、現代の「愛アマカエル」で今に伝えてるのとか、なかなかに味わい深いモノがある。

 ということで、 ルアー図鑑うすしお味第93弾は愛すべき”キング・オブ・パチルアー”コーモランと、よく分からんパチモノクランクあたりでいってみました。ちなみにコーモランって鵜のことだけど、知ってました?

1 件のコメント:

  1. かへる君はよく釣れましたがフック貧弱で困った思い出がありました。
    今にして思えばコーモランのパクり元、中々センス良かったですね。
    コーデルやヘドンやらよく釣れるルアーメーカーのもの上手く選んでます
    更にはコーモラン名義の輸入品、ルーミスのサオや西海岸のワームやら
    一応確実に釣れるって気概があったのは伝わってきました

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