2026年5月30日土曜日

糸ヨレしないスピナー

 ギャルギャルギャルギャルと頭の中でブレードが回転し続けている。スピナー熱が全然治ってません。アタイ病気が憎いッ!

 せっかくなのでスピナーでシーバスとか釣ってみたいんだけど、スピナー独特の本体も回転してしまい長時間使い続けるのは難しいという問題があって、なかなか出しどころが難しい。どうにかならんのかと思うんだけど、実は回転しないスピナーにはアテがある。2パターンあって一つは皆さんお馴染みのスピナーベイトである。

 スピナーベイトは回転部分とオモリ部分を二股に分離してあって全体がグルグル回ってしまうようなことはない。これ案外スピナーの得意なメーカーも気がついてて、ワーデンス(ヤマキ)「ルースターテール」のスピナベバージョン「スーパールースターテール」とかメップスミノーのスピナベバージョンとか、渓流とかで使うスピナーのサイズ感のままスピナーベイト化した製品は存在した。まあそういうわけで小型のスピナベってのは一つの解決方法ではある、実際スピナベでシーバスは釣ったことあるしいけるだろうってのは目星がつく。つくんだけど”スピナーで釣る”っていうときにそれでいいのか?と自問すると、なんか違うんだよねって気がする。まあスーパールースターテールは買ってしまったので使っても良いにしてもだ。実際試し投げしてみるとスーパールースターテイルは良くできてて正解の一つだとは感じた。

 で、もう一つの回転しないスピナーとしては、ウェイトフォワードスピナーという日本ではあまり馴染みのない分野があって、これはスピナベとは違っていかにもスピナーな感じがしてワシ的にはこっちが本命である。もともと湖とか流れのある川とかで、その名のとおり前方の重めのウェイトでドンと沈めて、広い範囲を効率的に探るためのものらしく、日本でも売られてたとおぼしきものとしては、メップス「ラソックス」、ABU「モラムスピナー」の2つがあって、まあどちらも入手しました。ちなみにモラムスピナーは日本時代のもので、ABUはハイローの時にも紹介したけど日本でルアー作らせてた時代があって、買った2個はそれとは別口だけど、そのころの工場在庫の放出品とみられる、いわゆるバッタモノがネットオークションに流れてて、100枚づつぐらいでドカって売ってたんだけど、トビーとかスプーンの塗装前のとかはともかく、モラムのブレードだけでも大量出品されてて、そんなに買っても使いどころがないだろうと思うけど入札してる人はいた。
 テツ西山氏監修・翻訳の「改訂版ルアー&フライフィッシング アメリカ淡水魚釣りのすべて」によると、「魚が広範囲に散らばっていたり、ある深さにサスペンドしている場合には、このルアーが抜群の威力を発揮する」となっていて、五大湖とかのウォールアイをはじめ、スモールマウスバス、パイクやトラウトにも効果的と紹介されている。このルアーは特徴として、ブレードの前方のオモリが下方重心になっていて、形状とあわせて全体が回転してしまうのを防いでいる。じゃあ、普通のスピナーのブレードの後方にあるオモリも下方重心にしてしまえば良いのではないかというと、そうはいかず、ちょっと考えると分かるけど下方にオモリを出っ張らせるとブレードがぶつかって回らなくなるので、今時のスピナーはだいたいある程度はそうなってるようだけど限度がある。でも、オモリを前にしてあればいくらでも下に出っ張らせることやラインアイを上方にもってくることが可能。じゃあなんでそれが主流じゃないのか、みんな本体も回転してしまう普通のスピナーを使ってるのか?まあ、利点もあれば欠点もあって、後方重心じゃないので重量のわりに投げにくいし絡みやすいというのとかがあって、そのために絡み止め兼、歯ズレ対策で前方にワイヤーが接続されていることが多い。ただ、このタイプが一般的ではなく使われていないかというと、よく考えるとそうともいえない面もあって、前方に重いウェイトがあってラインアイが上で下方重心、そして後方にブレードがある、というと日本でも結構普通に使われているルアー達がそうだと思い当たる。クルクル系のルアーがそれで、ワシも元祖的存在であるマンズ「リトルジョージ」とかカヤックのシーバス釣り、青物釣りでお世話になった。

 まあでも、またシーバス釣りにリトルジョージ出してきて釣っても「スピナーで釣った」という満足感は醸し出せないように思う。ということでウェイトフォワードスピナーで釣りたいと思うんだけど、元々の使い方が、広く探るためにぶん投げて一定の棚まで素早く沈めてやってっていうものなので、そもそも日本の中古市場に弾が少ない上に小型のモノはなお少ない。一応メーカーが不明な小型のモノを確保したけど、正体不明では簡単には補充が効きそうにないうえに、ワシがイマイチ信用していないインラインスピナーなので、ブレードがクレビスで接続されているやつを、れいによってまた作ります。ついでに後方にメップスの樹脂製ミノーを搭載されていた、ポールバニヤン「66」もお色直ししてみます。ちなみにメーカー不明の小型ウェイトフォワードスピナーは試投してみたら思いのほか良くできてて、回り出しがもたつく印象のあったインラインのブレードも問題なく回ってて、本体回転して糸ヨレ生じさせることがない小型スピナーとして、前方に下方重心のオモリをブレードにアタらないギリギリの形状で配置してコンパクトにまとめてあって、中国製だとおもうけどオリジナルの設計ならたいしたモノだと思う。スピナーというルアーを良く理解していないとこうはならないだろう(D3カスタムルアーズ「ファーラップ」って日本のメーカーのものが元ネタと判明。元ネタ買ってパチモノは封印しておこう)。

 前述の「アメリカ淡水魚釣りのすべて」では、多くのウェイトフォワードスピナーではフックは活き餌を刺すことが多いのでシングルフックになっている、とあるけど、「66」とかはそのシングルフックにニワトリの毛が巻いてある。該当箇所の写真左のページ右下の黄色いヘッドのがそれで、軸の長いシングルフックにグリグリとハックル巻いて尻尾に派手な色のをあしらってあって、巻くのも簡単だし見た目もシングルフックむき出しより良い感じになるので真似させてもらう。活き餌刺す予定はないからな。66のお色直しはルアーの世界では伝統的な色使いである赤白に、自作のには白系のハックルに尻尾はオレンジと黄色のミッキーフィンカラーにミラージュ(派手にギラつくフラッシャーの一種)混ぜてという感じにした。

 自作ウェイトフォワードスピナーの作り方としては、まずステンレス硬線を中通しオモリに突っ込んで、片方をひねって輪っかにしてラインアイとして、オモリをグイッと曲げてラインアイを上にくるようにしてヘッドを成形。後方のステンレス硬線にクレビスを使ってブレードを装着、金属ビーズをいくつか入れてステンレス硬線を折り曲げてフック交換可能なスナップみたいにして毛で飾り付けたシングルフックを取り付けた。ヘッドは黄色く塗装して金色のグリッターをふりかけてウレタンコーティング。

 ヘッドの先にワイヤーがいるかどうかは、歯のきつい魚対策としては、そもそもフックがワイヤー介して後ろの方に付いているのでいらないという判断。絡みにくくするための天秤的な必要性は投げてみて要判断という整理でいく。ヘッドの形状は下方重心でオモリをぶら下げるような設計だと加工が難しいので、ペンチ2本で曲げれば済む上方にラインアイを持ってくる方式とした。これで回転しないようになるはずで、でなければ多くのジグヘッドが回転してしまう。重さはシーバス用に表層引くのが想定されるので0.5号と、コチとか砂浜で底物を狙うのも想定して5号のを用意してみた。ブレードはルアー自作のお供「日本の道具屋」で見繕って重いのはインディアナの3号、軽いのはウィローとコロラドの1号を用意してみた。

 で、完成して試し投げしてみると、意外に上手くいかない。

 まずは、重い方は回転が悪い。ブレードなんて真っ直ぐな軸にクレビスで接続してあればブンブン回るモノと思ってたけど、ヘッドの真後ろだとスリップストリームに入ったみたいになって回すのに必要な水流がたりないのかも?ぐらいしか思いつかない。自作の重い方よりはヘッドが軽そうな66と比べてもブレードが小さい。だったらブレードでかくするかと、スピナベ用のコロラドでサイズアップ。ステンレスの硬線を曲げて作ったのを真っ直ぐに戻しながらの作業は面倒くさかったけど、とりあえず正解だったようで回り出しややもたつくけどブンブン回るようになった。小さい方2つは回転はスムーズで良く回ってるけど、たまにフックが接続部でクルッとひっくり返ってエビってしまって、この状態だとブレードじゃなく全体がバランス崩してフラフラ揺れるだけで回らん。こちらはじゃあフックがある程度固定されるようにと、アイにゴムパイプをかぶせてから本体に接続してやったら問題解決。

 ついでに小さい方は軸の長いフックを後方接続だと全体的に間延びした感じになるので、フックを軸の短い「管付きチヌ」にして交換。接続部の位置はブレードが当たって回転を妨げないように余裕持たせたけど、回転するときはブレードは軸から少し離れるのでもうちょっとヘッドに寄せて全体を短くまとめた方が、ヘッド食ってきてフッキングしにくいとか長さがあると飛距離出しにくいとかを回避できるかも。今のところは普通にフックの方食ってくる感じではあるし、絡まず投げられて飛距離も必要充分に出せている。いずれにせよまずまず欲しかった性能のウェイトフォワードスピナーに仕上がってくれて、小さい方は既に魚も釣っていてスピナーはシーバスにも有効であるっていうあたりまえ体操なことを再確認しつつ、本体回転せずワンポイントリリーフ的な使い方しなくても良いスピナーという手持ちの切る札が新たに増えて良い感じである。

 ルアーを自分で作ってみると、きちんと機能させるにはなにが必要か、基本のところから実体験として理解が進むので非常に良い経験だったと思う。病状悪化して使いもせんスピナー買いまくったけど、最終的に自分の”芸の肥やし”になってくれたようで無駄にはならんかった、とブログには書いておくルアー図鑑うすしお味第89弾はウェイトフォワードスピナー関連でいってみましたとさ。

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