これはそっち方面に症状が出ているのではないかと疑われるかもだけど、ちがうんです!そのあたりをご説明さていただきたい。お願いします。
この冬は苦戦したけど、フライで狙うカマス釣りにおいて、主力のラインとして使ってたタイプⅣとタイプⅥのシンキングのシューティングヘッド(ST)というのが、もう製品としてはどこのメーカーのもシングルハンド用のは廃盤になってて、ウェートフォアード(WF)のフルラインよりは短い分割安で、接続するランニングラインの部分を細くして飛距離重視にするか、ある程度太くして絡みにくさ重視するか好みで選んだり、ランニングをヘッドほど沈み早くはなくして手前の沈み根とかへの根掛かりを回避したりと、用途に合わせて組み合わせを変えつつ使える便利さもあって、まあ最初に沈める釣りをやったときにJOSさんに組んでもらったのが、シューティングヘッド使ったシステムだったってのがぶっちゃけ大きいけど、長年フライ沈める釣りにはシューティングヘッドを使ってきた。とはいえ、今使ってるのが最後の在庫ぐらいで中古で出物もあまり期待できないし、もう手に入らないと考えた方が良い。となると”無ければ作る”というのと”代替品で済ます”というのをそろそろ考えざるを得ない。
ということで、ちょっと今季は魚釣れてない時間も長かったので、その辺を模索して色々試していたんだけど、一応魚釣るにはタイプⅣとタイプⅥを状況に応じて使い分けたいので、いま使ってる「ラムソンLP3」のスプール2個は釣るために必要で、もう一個替えスプールがあると試し投げには便利。ついでに替えスプール持っていない主にボラ釣るのに使ってる9番用の「システム2 89」の替えスプールは前々から欲しいとは思ってたので、替えスプール狙いで安ければ本体ごとでもかまわないぐらいの心づもりで、ラムソンとシステム2の出物がないかネットオークション等を見張ってた。出物はラムソンに関してはスペアスプールだけ格安でっていう都合の良い出物はないけど、本体はそれなりにある。あるけどさすがに良いリールなので中古でもお高い。1万円近くしている。システム2のほうは元々安めの価格帯のリールで玉数は豊富。ただ、ワシんちにあるスプール側面に穴が開いてない古いタイプは滅多に出てなくて、穴の開いた時代のがほとんどで、買ってもスプール互換性があるのかどうか良く分からんので手が出ない。出ないんだけどふと、最初っからスペアスプール付きのを買ってしまえば、スペアスプール有りの体制になるじゃんと、いらんことに気がついてしまった。穴あき時代のは中古で本体だけなら5000円かそこらのもあって、替えスプールが付いても7,8千円ってところでお買い得。ボラ用の9番運用のは必要性・緊急性に乏しいのでまた別途探していけば良いとして、都合が良いことに替えスプール2個付きの「システム2」が7500円送料込みで売りに出されていて、コイツ確保で問題解決だな、というかフライリールはそれ程かさばらないので、いつものラムソンに魚釣る用にタイプⅣとタイプⅥのシューティングヘッド巻いておいて、新しいシステム2を試し投げ用にして釣り場に持ち込めば3種類一度に試し投げ可能。ということでスルッとマウスが滑って確保してしまったのが冒頭写真の、穴あき時代のSM社サイエンティフィックアングラーズブランドの「システム2 78M」であります。3台買ったわけじゃないです、2個は替えスプール。
システム2シリーズは、比較的安価でちゃんとしたディスクドラグが付いていて堅牢という優等生で、往年、エーベルとかの高級リールを買えない釣り人にちゃんとした使えるドラグが付いてて海でも使えるリールを提供してた立派なシリーズである。ちなみにイングランド製。なんで安価なのかっていえば、高価なアルミ無垢からの削り出しとかじゃなくて、アルミ鋳造で堅実な作りをしているからで、じゃあほかのメーカーもアルミ鋳造にすれば良いじゃん、ってのは鋳造(ダイカスト)につかう金型は高額で、フライみたいなマイナーな釣りでは普通数が売れないので金型代が回収できないとのことで難しいようだ。そこがフライラインの世界ではトップブランドであるサイエンティフィックアングラーズの強みで、米国中心に数がはけるから鋳造でも儲けが出る。削り出しの方が強度が確保しやすいので軽量化とかの利点もあるけど、フライリールは片軸受けとはいえ、スピニングリールのように回転する軸を90度曲げたりという面倒くせぇ方式ではなく、スプールの真ん中に軸をブッ差してギアも介さず巻き取りする単純な”センターピン”とかよばれる構造が基本(ラージアーバーの機種で”ピン”に刺さってはいないのもある)なので鋳造でも充分実用的な軽さ強度のものが作れるとおもう。 で、我が家に来たのであればまずは分解清掃。が必要なほどどこも具合悪くなってないし悪くなるような箇所もないんだけど、右巻き仕様になってたので、わしフライリールは左巻きなのでどのみち分解せねばならず、ついでにグリスアップしておいた。まあ単純な作りで手間ちゅうほどでもないんだけどね。スポッとスプールを抜くと、真ん中にブレーキディスク。端がギザギザしているのは、上の方の音だし(クリック)をカチカチ鳴らすため。でもってブレーキはそのディスクを上と下から挟みつけるかたちで音出しと反対側下に付いている、分解途中の右の写真のディスクの上に白い部品が見えてると思うけど、これが上下あるうちの上のブレーキパッドの柄の部分でツルツルするテフロンみたいな樹脂素材。構造的には自転車のディスクブレーキと似た感じだと思う。でもって、このブレーキディスクの根元の填め殺されている黒いドーナツ状の部品の中に逆転防止の部品が入ってて、巻くのが左か右かで、ブレーキディスクごとひっくり返して、リール巻くときにはディスクが回らず軽く巻けて、ラインが引き出されるときにはディスクが回って、ブレーキパッドがディスクを挟み込んで発生させる設定したドラグ値が掛かるという仕組み。なぜ、ハンドル側以外穴開けてないか?軽量化には効くだろうに?というと、ブレーキに浸水してドラグの作動に悪い影響が出るのを防ぐためだと思う。穴開けまくれば軽くはなるだろうし別のモデルでは実際に開いているけど、ドラグの安定した作動環境を確保するためにこのモデルでは”開けてない”という設計意図が明確で、その辺もあって信頼にたる堅実なフライリールとなってるんだと思う。今時の軽量なリールは極端なモノだと自転車のスポークを思わせるぐらいにスカスカの穴だらけというか骨組みだけというかな状態だけど、そうなるとドラグ部には水かかり放題なので、ドラグ部自体を防水シーリングしてしまって分解清掃できなくなってきているとのこと。仕方ないといえば仕方ないと理解できるけど、フライリールって”単純な糸巻き”なところも魅力であって、そこまでやる必要あるのかなと個人的には思う。フライマンのエラいところは、頑固にフライリールの単純さにこだわるところってのもあると感じてて、ワシなど増速ギアぐらい付けりゃ良いのにと思わなくもないけど、かたくなにギアを介しての増速は認めない。増速で許されるのはスプールの直径を大きくする”ラージアーバー”までで、そういう”縛り”があるからこその工夫とかが、それはそれで楽しめる部分だと思う。道具は固定で技術を磨くっていうのがストイックなフライマンの基本姿勢だと思う。ワシゃインチキフライマンなのでこだわらんけど、さすがに最近の”飛距離”を売りにして細分化したわけの分からん投げ方用の道具とかは正直邪道だと感じてる。そんなに飛距離が欲しけりゃ投げ竿でジェット天秤に毛鉤付けて投げとけって思う。もっと言えば飛距離が足らんと思ったらキャスティング練習でもして技術で飛ばせって。
ということで、システム2は大事な部分に水入りにくい構造ではあるんだけど、使ってりゃ普通に水被るし水入ります。そら魚がいる水中に投げ込んだ濡れたラインを巻いてくるんだからあたり前、塩水で使ってりゃ塩水対策はやってたとしても完全に腐蝕を防ぎきれるものではないけど、それでも気を使ってやればかなり防げる。とりあえず本体内側、スプール裏、ブレーキ周り含め中の部品あたりは全部マキシマの青グリスで濡れてるようにしておく。ついでに足を止めているネジも一回外してグリスまみれにして本体と足の間にもグリス塗って締め直して増し締めしておく。スプール内外、本体外側もちょっとグリス塗って拭き拭きして磨いておく。あとは使ったら水道水でジャバジャバ洗って布で拭いて乾燥、長期使わない時期はラインを抜いてグリスで拭き直しておくぐらいか?やったことないけどネジ周りとかシリコン系接着剤で覆ってやるってのも聞いたことがある。って感じで、リールの方は準備完了。ぶっちゃけ、カマス釣るのごときにディスクブレーキいらんがなっていう実態もこれあり、たまたま出物があったのでシステム2になったけど、同じサイエンティフィックアングラーズブランドのフライリールでもクリックブレーキのシステム1でも良かったぐらいで、クリックブレーキのリールならそんなに性能差って無いだろうから、なんでも良かった気もする。ただ、8番運用ならボラとか走る魚を釣る機会もあるだろうしディスクブレーキ付いていて困ることはない。その時にディスクブレーキの良いリールって意外に貴重で、有名メーカーでもろくでもないクソリールを市場にぶっ込んで来てたりしてたので、自分が使った事のある”間違いのない”リールならば迷わなくて良い。システム2は古いリールだけどそういう迷わなくて良いリールだと思っている。フライリールは増速無しの片軸受けセンターピン方式のまま変わらないんだろうから、とんでもない新機軸の製品が出てくるわけはなく、せいぜい軽くなるぐらいの変化しかないだろう。さすれば、古くてもちゃんとしたリールを使っておけば失敗することはないと思っている。
リールの体制が整ったので、ラインをあれこれ釣り場で時合い待ちとかの時に試してみて、良さそうならそのまま実釣にぶち込んだりもしてみた。
重めのシンキングのシューティングヘッドが廃盤になって、「自分で作る」か「代替品を使う」かという、対策方針なんだけど、自分で作るっていったって、PEラインとかの編み糸を芯にして、そこにタングステン粉を混ぜ込んだ樹脂を重ね塗りしていって、必要な太さ(重さ)を必要な部位に負荷しつつ、きちんとターンするようにテーパーを付ける。っていうような本格的なのは、そういう目的に使える樹脂が市販されているのかどうかってあたりからして全く知識がなく、ちょっとさすがに素人の工作の範疇を超えている。となると実際には”作る”といっても、既存の製品を切り貼りしてシューティングヘッド的ななにかをでっち上げるというのが実態だと思う。一番単純な”製法”としてはシンキングのウェートフォアード(WF)の前方14mだかの太い重さのある部分でぶった切って、好みのランニングラインに接続するという方法で、ケン一が実際にこの方法を採用している。WFのラインはタイプⅣならラインの全部がタイプⅣで沈むので、シューティングヘッドでランニングを中間浮力のインターミディエイトとかにした場合よりもライン全体が底に這うことになり、引っ張る速度によると根掛かりが怖かったりする。逆にいえば深い棚をキッチリひく能力は高い。あとランニングラインを軽くすれば当然投げるのは楽で、軽いランニングラインを引っ張って飛ぶほうが飛距離的にも有利。ということで、既存のWFのラインを切ってシューティングヘッドシステムに改造してしまうのは、ラインの番手を上げてヘッドの部分を短く仕上げるとかの応用も併用すれば、いままで使ってたシューティングヘッドシステムをほぼ代替するものを用意することはできる。ただ、問題としてはシューティングヘッドは10m無いような短いのが多かったけど、WFラインの太い部分は14mとかそこそこ長いので、同じ番手のラインを使うと同じ長さのヘッドにはならない。逆に短いヘッドににしようとすると、どの番手のラインをどの長さに切って使えばいいのか、調整は面倒くさい。そして、無職的には結構地味だけど効くのが、シューティングヘッドは短い分価格抑えられた設定だったけど、フルラインのWFは安心・定番のサイエンティフィックアングラーズの「ウェットセル」シリーズで5千円ちょいとそれなりにお高くて、切って使わない細い部分が生じたりもして割高になる。ということでなんか良い手はないかと考えつつ、WFのラインぶった切るにしても、最初っから良いラインでやるのは失敗したら悲しいので、まずは安物で試してみて経験積んでみようか、ということでネットオークションに怪しげな安いフライラインを出品している業者さんからいくつか買って、色々試してみた。
まずは、9番のタイプⅤ相当のシンキングのダブルテーパー(DT)ラインという、なかなか笑えるブツが出品されていたので確保した。なぜ笑えるかというとダブルテーパーっていうのはフライラインの前と後ろを除いて一定の太さになっていて、前端後端がテーパー掛かってて、片方が使っててすり切れて滑りが悪くなったら逆転させてもう片方の端のテーパーを使う、という1本で前後ひっくり返して2度使えるお得なラインなんだけど、高番手のフライラインはそれなりに重いので、ラインがWFラインのように途中から細くなっていなくて、DTでずっと太いと投げるのがしんどい。普通のメーカーはDTは5番ぐらいまでしか用意していない。9番DTのタイプⅤ相当のフライラインを作ってるって時点で、そのメーカーがかなり怪しいことは間違いなく、多分フライフィッシングなんぞしたことがない、イヤホンのコードとか芯に樹脂をコーティングした製品を作ってる新興工業国の工場にどっか欧米とかのフライ系の釣り具メーカーが発注して、納品しなかったB級品とか、頼まれてもいない試作品とかの”バッタモン”を流して、流れ流れて日本のネットオークション出店の通販会社が買い付けて売りに出したとかそういう代物かなと思っている。写真でイヤホンコードと一緒に写してみたが違和感なく溶け込んでいると思う。触った感触とかはさらに似ている。ただぶった切る前のフルライン状態でフライラインとしては既に安い。2000円ちょいぐらい。それを2本に切って前後とも使うのである。上手くいけば2本シューティングヘッドが手に入る。1本1000円がとこっていうのは、無職に優しい経済性。早速ぶった切って、重さをいま使ってるタイプⅥのシューティングヘッドにあわせて18グラムにしたら長さは11m、ランニングラインに繋いでリーダーも繋いで実際に投げてみると、ちょっとラインが堅い感触があって、投げ続けているとランニングラインの方に変なヨレが入ったりするけど、使えなくはない。正直デキの良い製品では全くないけど1000円がとこで1本手に入るなら、値段相応って感じで及第点をあげようとおもう。でもってそれならともいっちょ調子に乗って10番DTタイプⅤ相当という同じ系統のラインを買ってみた。これはもっと短く切って3本ラインが作れないかと考えた。前後は当然テーパーが付いているけど、真ん中の太いだけの部分はどうするか。今時のややこしい投げ方をするときにラインの先を沈めて、抜くのに抵抗が掛かる状態を作って、竿をより曲げてやってキャストのパワーを稼ぐとかいうときに使うらしいけど、ポリリーダーというナイロン単繊維の上にフライラインの素材でちゃんとテーパー付けて樹脂コーティングしてある製品が有り、コレ接続すればあまった真ん中もシューティングヘッドとして使えるようになるのではないかと考えた。考えたんだけど、とりあえず端の方で作った、なんちゃってSTは7mという短めに仕上がったのは良いんだけど、太くなった分ラインの素材の堅さが強く出た感じで、明らかに使ってるとランニングラインが縒れてくる。コレはイマイチでございます。ということでお蔵入りかな。まあこういう試みに失敗はつきもの。気にせず次にいこう。次に「代替品を使う」って方向だけど、まあシューティングヘッド(ST)売ってないならウェートフォワード(WF)のフルラインを使うのが普通なんだろうなとはおもう。WFのタイプⅣとかならさっきも書いた定番の「ウエットセル」シリーズの買っときゃまず間違いはないだろう。ただ、WFをそのまま使うという線もあるけど、「自分で作る」に移行して、WFの太い部分を切ってランニングに繋げる方式も当然ありえて、そうなると安いラインがありがたいなと、またネットオークションで安ラインを探す。あまり安くても耐久性が悪ければ”安物買いの銭失い”になるので、フライライン表面のコーティングが剥がれたりヒビが入ったりは、芯が伸びのあるナイロン芯だと根掛かり引っ張ったときとかに起こりがちで、芯が編み糸(ブレイド)系の方が丈夫。ということで、芯が編み糸(ブレイドコア)系のをいくつか買ってみた。さっきぶった切ってST2本作ったDTラインつくってた同じメーカーのモノらしい、WF8番SタイプV相当というのを1600円ぐらいでと、カナダのメーカーに作らせたというWF8番の5ips、7ips(インチ/秒)をそれぞれ2000円強で買ってみた。
1600円のはやっぱりちょっと堅めで、どうしても”イヤホンコード感”が抜けない代物で、ちょっと太くもありタイプⅤ相当とあったけどせいぜいタイプⅣぐらいかなという感触。ただ1600円という激安価格をかんがえるとまあこんなモンかな、と納得できる程度には使えるので、とにかく安いのをという基準で選ぶのなら”あり”ではないかと思う。前に飛ぶし、海に沈んでいく。芯はブレイドである程度丈夫そう、上等。
2000円のカナダ製のは、ちょっとこれは”当たり”という感じで、多分米国のメーカーから発注受けてライン供給してたとかの工場の製品なんだろうけど、これはイヤホンコードじゃなくてフライラインらしいしなやかさがある。芯もブレイドだしすぐに樹脂がハゲチョロげるということもなさそうで、2000円という価格でこれはお値打ちと言わざるを得ない。使ってみて一シーズン持ってくれるぐらいの耐久性があればワシなんの文句もないんだけど。
で、WFのままとりあえず釣り場で投げてみたんだけど、STとランニングラインは色が違うので明確に見分けが付いて、かつSTが見えてきてフライが上がってくる時にアタるパターンが多いので、どの辺まで上がってきてるのか分かりにくいWFフルラインは慣れるまで、そのへんに派手な色のスレッドで目印付けるとか工夫は必要だと思うけど、投げやすさや根掛かり回避能力的には、まあそのままでも行けそうな感触である。ワシもともとたいして遠投できんからな。ぶった切ってランニングラインに接続したほうが良さそうな状況が生じたら、その時ぶった切ることにしてとりあえずはWFはそのまま運用でいけそうな感触である。
という感じで、色々と試すにあたって、フライラインとリーダーの接続、STとランニングラインの接続、ランニングやWFラインの後端とリールのバッキングラインとの接続を何回もやる必要があったので、色んな方法を試してみた。
大別すると、フライラインにリーダーなりバッキングラインを直接結ぶ”直結系”と何らかの形で輪っかを作って、輪っかに輪っかをくぐらせる”ループトゥーループ系”の2系統あって、それぞれに利点があり欠点がある。
まず直結系はフライラインの表面はある程度弾力のある樹脂でできているので、いわゆる電車結びをフライラインを芯にして締め込んでやると、ガッチリ食い込んで真ん中のフライラインが抜けないネイルノットと呼ばれる結びになる。リーダーを結ばず摩擦系ノットで道糸を抜けないように止めるのは難しいのに、フライラインの場合は素材の特性からフライライン自体を結ばない方法もわりと簡単確実。写真のようにリーダーをフライライン先端に接続するのに使う場合もあるし(段差をならすためと目印にオレンジのセキ糸巻いて瞬着で固めている)、ナイロンの編み糸のバッキングラインをフライライン後端に接続するのにも使う。ただこの場合交換するたびに結び直しが必要で、限られた数のスプールでフライラインを交換しつつ運用する場合やらにはあまり向かないし、シューティングヘッドとランニングラインのようにフライライン同士では結び目が大きくなりすぎて使えない。 となると、ループトゥーループ方式で輪っかをつくることになるんだけど、これは色々な方法がある。フライライン後端とバッキングラインみたいな滅多に出てこない部分であれば、写真の様にフライライン側は折り返して3箇所ぐらいをナイロンラインでネイルノットでギュッと束ね留めてしまえば割りと簡単丈夫であとはビミニツイストとかでバッキングに輪っかを作ればループトゥーループで2回回して接続、交換自在となる。でも、それじゃあ接続部分が太すぎて投げるたびにガイドを出たり入ったりするような場所には使えない。ってなるとフライラインの芯を出して芯で輪っかを作るのと、”ブレイデットループ”と呼ばれるチューブ状の編み糸の先端に輪っかを作っておいてチューブにフライラインを突っ込んでこれまたナイロンラインでネイルノットかましてやるという方法がある。ブレイデットループの作り方は昔ケン一に教えてもらった方法をサイトで紹介してあるのでご参照下さい。あと売ってる段階ですでにループが付いてる場合は作らなくて良いけど、限界ギリギリの引っ張り合いするような釣りでは剥がれるという噂もあるので強度試験はした方が良いかも。
でもって色々と作ってみると、ブレイデットループ方式(写真左)はやや接続部が太く長めになるので、投げるときSTとランニングの接続部とかだと、カシャンカシャンと引っかかる嫌いがある。熱収縮チューブで覆って引っかかりを少なくするとかはできるけど、手間もそれなりにかかるので、可能ならフライラインの芯を剥き出しにして”もやい結び”とかでループを作ってのほうが釣り場では使いやすい(写真右はオレンジのランニングラインが元からループ付きで黒のDTぶった切ったSTは芯を剥いてもやい結びのうえセキ糸巻いて瞬着)。ただ、フライラインの樹脂を剥いで芯だけにするのは結構難しくて、ワシャちょっとずつニッパの歯で挟みつつこそげ落とすように剥いでいくんだけど、綺麗に剥けずに時間が掛かったり、せっかく途中まで上手くいってたのに、失敗して芯ごと切ってしまってイィーッ!っとなったりする。フライラインの種類によって剥きにくいのがあるようなので、そういう場合は素直に別の方法をとった方が良い気がする。ということで、最終的には①バッキングとフライライン(ランニングライン含む)後端との接続は、フライラインを折り返して3箇所ナイロンラインでネイルノットで留めて輪っかにしてバッキングラインをビミニツイストでループトゥループ。②ランニングラインとSTの接続は、可能であればフライラインの芯を出してもやい結びで輪っか作って、結び目と結び目の余りをセキ糸でグルグル巻いて瞬着で固める。芯剥くのが難しい場合は、ブレイデッドループを作ってフライラインに被せて、ナイロンラインで3箇所ネイルノット。輪っか同士をくぐらせて必要なら熱収縮チューブで結び目を覆ってガイドの通りを良くしておく。③フライラインの先へのリーダーの接続は、フライラインの芯が剥けたら芯で輪っか作るのは②同様、難しければフライラインに直接ネイルノットで接続。という感じ。
で、リーダーなんだけど、ブレイデッドのリーダーが最近流行んないみたいであんまり売ってなく、ナイロンのテーパーリーダー買うのも面倒なので、違う太さのラインを適宜結んで”ノッテッドテーパーリーダー”作って、そっちに順次移行していっている。いま使ってるのを例示すると、まず40LBナイロン1m強をバット部としてフライラインの先にネイルノットで接続して、ついでに目印にもなるようにオレンジのスレッドで巻いて瞬着で固めて引っかかりなくしている。でその先はもやい結びで結び目を瞬着で固めて輪っかにしておいて、そこから先を交換できるようにする。そこに5号フロロ40センチ、3号ナイロン約1.5m、先っちょのショックティペットはフロロの4号か掛かりが悪い時は3号を4~50センチを接続って感じになっている。市販のテーパーリーダーも中古屋で安く買ったのがまだ在庫あるんだけど、ワシほっておくとフライ交換のたびにリーダー短くなっていって気がつくとエラい太い部分にフライが付いてる事があったりしたので、結び目が無い市販のテーパーリーダーより自作のノッテッドテーパーリーダーのほうがティペット替え時が分かりやすくて向いている。もやい結びを多用しているのは、もっとも結び目が小さい結びだからで、太いフライラインの芯やリーダーの根元で他の結びだと結び目がガイドに引っかかるような場合でも比較的引っかかりが少なく仕上がる。フライマンは「もやい結びってなんや?」って思ってるかもだけど”パーフェクションループ”のことね(ちなみに”もやい結び”だと気がつく以前に「テツ西山の海のルア-&フライ講座」を読んでパーフェクションループを作ろうとしたら結べなくて難儀した。図が間違ってます)。という感じで、今時廃れてしまっているシューティングヘッドシステムにブレイデッドリーダー付けてっていう古い体制を刷新して、兵站おさおさ怠りなく運用できるようにしましたとさ。冬の時期、フライでカマス、ときどきタチウオルーレットは主軸の釣りなっているので、快適に釣れるように細々とした改良は今後も続けておきたい。
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