2021年6月13日日曜日

ねこまんま-ナマジのビンボ飯猫飯篇-

 冒頭右の写真例のように冷や飯に温め直した味噌汁ぶっかけて余り物で一食やっつける、というのはビンボ飯的には非常に良くある場面で、ぶっちゃけ割と美味しかったりするし手間はかからんし、残りモンだから節約にもなるしで実に素晴らしい。飯に味噌汁ぶっかけた系の汁かけ飯は洗う食器も少ないし良いことずくめなんだけど、一般的には「猫飯」と呼ばれて犬畜生の餌の形式でありお行儀が悪いとされてたりするが、かまうもんかと思ってる。

 ところで、「猫飯」って西日本と東日本で別のものを言うってご存じだろうか?例外もあるようだけど西日本では一般的に今紹介した味噌汁かけ飯のことだけど、東日本では上の写真の左側のように白飯にかつぶしと醤油を掛けたものをそう言うらしい。ワシも後者は小説かマンガかで初めてかつぶしご飯もそう呼ぶらしいと知って微妙に違和感を覚えたように思う。

 犬猫、昔はこんな餌で飼ってたって言うと、今時のペット業界の嘘に騙されてる人々は驚くかも知れないけど、犬猫は炭水化物消化できるのでこの手の餌でもちゃんと育ちます。以前「犬も猫も人間との長い共存の歴史の中で炭水化物を消化する能力を手に入れている」的なことを書いたけど、ゴメン嘘ついてました。犬はそもそも祖先のオオカミの仲間からしてちょっと雑食ですね。スペインだったかで一時は絶滅したオオカミを再導入したっていう話を追っている記録映像を観たんだけど、葡萄農園に定点カメラが設置されていて、葡萄食いに来るネズミでも狙ってるのかと思ったら、あっちの葡萄は作業しやすいように低い棚に枝が伸びてて、そこにぶら下がってる葡萄の実をオオカミがヒョイパクしてて、そういや狐が「あの葡萄は酸っぱいに違いない」って言ったって話があるくらいで、犬科の肉食獣って割と植物質のモノも食べるんだなと認識を新たにしたのを思いだした。味噌汁やらは塩分過多だとか五月蠅いこと言う”ペットフード警察”もネット上では良く目にするけど、そんなもん人間にも塩分多めだろうし腎臓に悪かったりするのかもだけど、いちいち味噌汁飲むときにそんなの気にしてたら飯がまずくなるって話で気にしすぎだと思う。あからさまに毒になるタマネギとか入ってなければ気にする程かと。

 とはいえ、我が家では愛猫コバンには猫飯を与えてはいない。なぜなら食べないから。元野良でずっとご近所さんにもらってたカリカリと魚屋さんのゴミあさりと我が家からの提供による新鮮な魚のアラで育ってきたので、ご飯とかパンとかこっちが食べてると興味引かれるようで食べたそうにちょっかい出してくるけど、食べるかなとちょっと摘まんであげると意外に食べない。ただなぜか麺類は気に入ったようで素麺とかはアグアグと食う。

 そんなコバンの好物は、アジの頭で野性的にバリバリと食ってくれるんだけど、最近、近所漁港は”禁漁”で水揚げが無いので、たまにセイゴの焼いたのを食べさせてるけど基本カリカリした固形餌を食べさせている。魚を主食に与えてると、おやつ的に与えるカリカリは喜んでがっつきすぎてたまに吐いてるぐらいの勢いで食べるんだけど、毎日カリカリだと飽きてきて食いが悪くなって、皿にいつまでも残ってたりする。沢山食うのは健康の基本だと思うので、たまに残ったカリカリの上にイナバの”チャオチュール”をネリネリッとひねり出して食欲を誘ってやると、見事にチュールだけ舐めとるように食べてて笑える。チュール恐るべし。

 猫用なのでチョイ塩分薄めだけど、味見してみると確かに美味いんだコレが。昔、猫缶も食べたことあるけど、普通に塩味薄めのツナ缶にちょっと手を加えたものって感じで、醤油掛けたら普通に食えたのも思い出す。そういえば映画「マッドマックス」の2だったかで主人公マックスが缶詰の犬の餌開けてまず食べて、次に愛犬に食べさせて、その後元々敵だった手下に食べさせるって場面をなぜか良く憶えている。当たり前だけど犬猫が食って健康上問題ないように作られてるペットフードは人間も食える。人間の食品とは基準が違うはずだけど、原材料表示の義務とかは一緒なので、わざわざ健康に悪いようなものを使用・添加して得られる利益があるとは考えにくい。

 チュールはペースト状なので、これパンに塗ってオーブンで焼いて食ったら旨いンと違うか?という気がしたので、早速試してみた。一本14gと少ないので、塩気を足して増量するために適当にマヨネーズも捻ってみた。当たり前に美味しい。美味しいんだけど14g4本で200円弱で安くはなく、全然ビンボ飯ではない。これは猫缶でも同様で、まあ原材料一緒なんだから当然だけど、猫缶安売りで買うのなら人間用のツナ缶安売りで買った方が安いように感じる。猫様に食べていただく高級品をワシのような貧乏人が日々の糧として食って良いわけがない。

 とはいえ、同じ猫様用の餌でもカリカリは安い。今買ってるのは2.3キロ500円位である。100グラム当たり20円強。コレは蛋白源としては安い。まあぶっちゃけ原材料が大豆小麦主体なんで肉の代わりにはならんだろうけど、保存が効くしコレが美味しく食えるとなったらビンボ飯的には色々とはかどるだろう。

 まずは、そのまま摘まんでカリカリといただいてみる。うん、あれだ食えなくはない。食えなくはないんだけど美味くもない。っていうかなんだろ?この酸味と妙な香辛料臭さは?香辛料なんか猫が好むわけないからそれこそ”ネコにコバン”だろうと疑問に思って原材料表を読んでみると酸化防止剤としてトコフェロール(ビタミンE)とともにローズマリー抽出液というのが入っているらしい。ローズマリーか、なるほどそう言われればそんな感じの臭いのような気がする。

 まあ、材料に混ぜて料理してしまえばどうにかなるか?ととりあえず、肉の代わりの具にしてみようと、お好み焼きの具にしてみた。

 まずくはないけど、そのまま囓った時の食感がそのまま残ってるので、やっぱり美味しくもない。

 まあこの程度の料理で美味しく食べられてしまうのなら、この安価な食材?を使った料理がもっと広く人口に膾炙していてしかるべきで、あんまりそういう話を聞かんということは、あんまり美味くもない代物だというコトなのだろうか。

 っていう結論で終わっても良いンだけど、この程度で諦めて良いのか?諦めたらそこで試合終了ですよ、と心の中で安西先生が叱咤激励してくれるので、何か手はないかと考える。

 ”逆に考えるんだ”香辛料臭さをどうにかしようとするんじゃなくて、香辛料が効いた料理にしてしまえば良いンだ。

 と方針を決めて、香辛料を効かせるなら手っ取り早くカレーだなと、本場インド産の何年モノかすでに忘れたけど冷凍庫から出すと今でも辛いカレー粉を振りかけて、めんつゆで味付けてお湯でふやかしてみた。大豆と小麦という”粉モン”が主原料だから、肉の代わりは無理でもカレーの”ルーの代わり”はつとまるんじゃなかろうか?っていう着想は我ながら鋭いと思ったんだけど、鉢の中でふやけたカリカリは、なおも独特の酸っぱさと香料臭さを発揮してて、本場インドのカレー粉が負けそうになってて依然として食えなくはないんだけど美味くもない代物の域を出ない。

 こりゃ、どうにもならんのかもなと半ば諦めつつも、ラップをかけてレンジでチンしてご飯にかけてみた。

 うん、どうにもなってないな。

 猫様って、もっと美食家だと思ってたけど、こんなもん喜んでカリカリ食ってるっていうのは、どうも人間のような意地汚い生き物とは味覚が違うのか、やっぱり適切にタンパク質脂質が含まれていればなんでも食うんだろうか?分からん?分からんということが分かった程度しか分からんなこりゃ。

 今回、絶対おんなじようなこと試してネットに上げてる人は居るだろうと思ったけど、自由な発想の足かせになるだろうからそういうのは検索せずに独自路線でやってみたけど、誰か上手い料理方法を思いついた人とかいるんだろうか?まあ気が向いたら今度検索してみよう。

 とはいえ、カリカリも食おうとおもえば食えなくはなく、カレー味のも完食したけど当然食った後にお腹壊したりとかもなかったので、カリカリの備蓄は、災害時愛猫のための餌となり得るとともに、マックスがそうしたように、極限状態で相棒と友に生き延びていくための糧となり得るというのが分かって、そういう状況に陥りたくはないけど、いざとなったらカリカリ食ってでもコバンと共に生きていこうと思うのであった。

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