2025年3月29日土曜日

ド定番

 フライフィッシングの市場って世界的に縮小しているのか、道具がとにかく高くなってっていうのは、まだ買えるからマシなようなモノの、必要な道具が廃盤になってしまうことが多々あり、カマス狙いでフライ沈めて引っ張るのには当初シューティングヘッドのタイプⅣとかタイプⅥを使ってた。シューティングヘッドシステムは、ランニングをチョイ切りしながら古くなったヘッド部分を交換していくという方法だと、ヘッド自体は割安なので貧乏人にはありがたかったし、ランニングをあまり沈まないようなのにして手前の障害物回避とか小技も使えて重宝したのだけど、既に最大手の3M社サイエンティックアングラーズブランドでもシューティングヘッドはほぼ廃盤になって久しく(っていうかサイエンティフィックアングラーズブランドは現在は独立・別会社化していて”SA社”なのか?)、その後はショップオリジナルや中華製のイヤホンコード系の安物のウェイトフォワードのフルラインを買って使っていた。中華製イヤホンコード系はものすごい癖がつきやすいラインで、逆に真っ直ぐな癖を付けてやるために釣り具部屋の天井の両端にヒートン打って、そこにラインを掛けて真っ直ぐにして釣りに行く前の晩にスプールに巻いて使ってる。使えなくもないけど面倒くさいのと、真っ直ぐになりすぎてラインバスケットに収まりにくく、強風下ではラインが吹けて塩梅悪い。ショップオリジナルのカナダ製ラインは品質的には全く問題ない。ただもうこのご時世高番手のシンキングラインがそんなに売れるわきゃないので、ショッブでももう追加は作らないとのことで売り切れてて新たには入手できない。一番使うタイプⅥがあと2本、タイプⅦが1本確保できているけど、どのみち使い潰したら次の品を探さねばならないんだけど、使えるのか疑わしいあんまり聞かないブランドのを除くと、探すと言うほどに選択肢があるわけじゃない。サイエンティフィックアングラーズブランドの「ウェットセル」と高級品の「ソナー」とかぐらいしかネットでも売ってるの見かけない。まあ、それならと、ド定番の「ウェットセル8WFタイプⅥ」を買って、カマスシーズン終盤に試し投げというか使ってみた。アマゾンで買うのが一番安くて6050円と、7千円以上してた記憶があったけど、ニューパッケージになって紙のショボいスプールやらリールに貼るシールも無しの簡素な包装になったけど、値段が安くなったのはありがたい。かつ、さすが世界のド定番!使ってて全くストレスのない性能で安くなったと言っても多少高いのも、今後も高番手の早く沈むシンキングラインを作ってくれそうな最後の砦であることも加味すると、そのぐらいは払っておくべきだろうって感じで、金払って1票入れておきたくなる。まあ実際には当面の在庫として2本追加して3本確保して3票入れたわけだがな。なにげにワシこれでラインとリールがブランド一緒になった。リールは安くて使える「システム2」だぜ。

 最初、多少巻き癖がついて、巻き癖の少なさではカナダ製ラインの方が優秀かなと思ったけど、使ってるとすぐに巻き癖は伸びて、むしろラインに適度な張りがあって、しなやかなカナダ製ラインより絡みにくい。さすがはフライライン業界最大手の定番品。良い塩梅にしなやかさと張りのバランスをとっていると感心した。もちろん魚釣るのに何の問題もない感じで「ウェットセル」が生き残ってくれれば、ワシの冬場のカマスやらタチウオやら狙うフライフィッシングで使うラインは安泰のようである。どこまで頑張ってくれるか、市場規模縮小の一途のフライフィッシング業界においても、さらに重箱の隅な高番手の早く沈むラインなんていつ廃盤になるかひやひやモノである。ウェットセルが廃盤になるとかになったら、10本単位で買い占めねばならんだろう。もしくはフライでカマスは廃業で、ルアーやら餌やらで釣るしかなくなる。それはそれで楽しめるだろうけど、せっかくだんだん上手になってきて楽しめているのに、その技術を眠らせてしまうのはもったいないし、釣り仲間にもフライマンが多いので案内人としてもフライでの事前情報が取りにくくなる。餌で爆釣しててもフライではイマイチとか、その逆もあったりしてフライマン案内するにはフライロッド振っておいた方が良い。

 なんにせよ、定番品の定番たる実力のほどを知って、今後はウェットセル頼みでいくんだろうなと覚悟したところである。

 フライラインに限らず、釣りにおいて定番品ってのは、使えるから定番としていつでも売ってるわけで、ぶっちゃけそれ買っておけばまずは安パイってなもんである。ただ、以前紹介したようにモーリス「バリバススーパーソフト」なんていう定番品が廃盤になって、後継品が見当たらないなんていうことも起こりうるので、珍奇な機能やペテンじみた広告に騙されて、すぐに消える泡沫のようなポッと出の”企画商品”を買ってると、必要な道具が売ってないという状態を招きかねんので、定番品を買っておけっていうことが、釣り具市場が縮小しつつある現状では自衛策として必要なのかなと思ったりしてます。

 ぶっちゃけルアーの世界なんて、オリジナルが手に入りやすくて性能もそこそこまとまっていてっていうか、変にいじくって差別化を図ろうとした後発品というかパクリモノより完成度が高くて、定番品こそ釣れるルアーだと思っている。水面直下を攻めるシーバス用リップレスミノーが元祖「コモモ」シリーズ以外に必要性があるとは正直思えない。他はみんな劣化コピーにしか見えん。ワシ、ベーシックなルアーはプラドコ製のアメルアが安いし手に入りやすくて好きだけど、釣る能力においてけったいな釣書のついたメイドインジャパンが勝ってる点って、釣果に差が出るほどあるのかね?って常に疑問に思っている。典型例がノイジーで、ジタバグとクレイジークロウラー以外のパクリモノを選択する必要性、理由って、見た目が面白いからとか除けばないでしょ?100年からの歴史をもつ元祖達からいったいナニが進化したっていうのか?全く理解できない。まあ基本が良くできてるからパクったルアーでも魚は釣れるだろうけど、ポッと出て来て、気づくと消えているようでは、実弾の補充に支障が出る。

 悪いことは言わないので、オリジナルをどうせ超えてこない程度の、へんな後出しパクリモノなど買わずにド定番の元祖なのを買っておいた方が後々面倒がなくて良いと思う。まあ、金があれば買って釣り具業界の”発展”はもうしないんだろうけど”延命”に寄与してやれば良いけど、それもむなしい気がする。

 定番品で、ワシが他に思いつくお世話になってるモノとしてては、ダイワ「リールオイルⅡ」とクレハ「シーガー」ブランドのフロロハリスで、「リールオイルⅡ」に関しては初代から愛用しているので、もう何10年というつき合いで、品質確かで安定していて、かつなんか便利そうなスプレー方式でないのがポイント高い。スプレー方式だと機内持ち込みに制限がかかるとかがあって面倒。手前のオレンジ黒のチューブのが初代でジ様世代には懐かしいのではないだろうか。ダイワはこういう安い定番品に良いのが多くて、シーバス用にボビン巻きのナイロンライン「ジャストロン2号」を愛用しているのは以前から書いているところで、最安ではないにせよ最も信頼できると思って使い続けている。フロロのハリスは四の五の言わずにシーガーブランドのを使っておけって話で、フロロカーボンラインの老舗の積み上げてきた信頼と実績を考えればシーガーブランドはド定番ド本命だろう。これからもワシ、廃盤にならないかぎりリールオイルはダイワだし、フロロのハリスは単純に太さが欲しいときとかはデュエルの「漁師ハリス」とかも使うけど、普段使うようなフロロハリスはシーガーしか使う気はない。

 ということで、フライラインにおいてけちくさく安物を愛用していたことが多かったワシが、改めてド定番の「ウェットセル」を使ってみて、ド定番となるのには相応の理由と実績があり、定番品にハズレはないと改めて思ったので、ひとくさり書いてみました。出ては消える「新開発、高性能」な釣り具など、しょせんは”イロモノ”であり、定番品こそ釣り人が信頼するに足る性能を有していることを、長く愛され続けていることが証明していると思うのじゃ。

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