2020年3月8日日曜日
狙う魚が違えども釣りの根本はいっしょ
昔は「魚釣り」って一括りにするのはあまりに大雑把で、トローリングでジャイアントブラックマーリン釣るのと用水路でタナゴ釣るのとでは全く違うと思ってた。「魚釣り」って有名な定義のように「糸の端にバカが居て、もう一方の端に魚が居たり居なかったりすること」っていうぐらいしか共通点はなく、スポーツでいえば「球技」ぐらいの大まかなくくりで、魚釣りが趣味ですっていう人でも私のようになんでもヤる人間は少なくて、普通は熱烈なサッカーファンのイタリア人と長年選手として闘ってきたインドのクリケットプレイヤーが「球技」を共通の話題として盛り上がれるかっていうと通訳の問題はさておき非常に難しいだろうって感じで、カジキ釣りの人とタナゴ釣りの人ではやってることも感じ方も興味の対象も全然違うだろうッテ思ってた。
でも最近、”ゆるふわヘラ道”の続きとしてマアジ釣りに熱中していると、コマセで寄せつつその中にいかに刺し餌を同調させるかあるいは逆に目立たせるかとか、コマセ螺旋にアミコマセ付けて刺し餌オキアミのアジ釣りが、まんま冬のヘラ釣り食い渋り対策のウドンセットの釣りで、2年の短い期間とはいえ、基礎からみっちり試行錯誤して身につけたヘラ釣りの技術がまんまアジ釣りに使えるので、ヘラ釣りもアジ釣りもプランクトン食性の魚を寄せ餌効かせながら、浮子で水中の様子探りながら釣るということ自体は全く一緒で、そうなると縦誘いで刺し餌を動かして口を使わせるのとか、食い渋ったら長ハリスで長待ちが効くとか、違えば違うほどいよいよ同じと思わざるを得ない。
特に、ヘラ釣りでも思ってたけど、消し込むような大きなアタリって実は違和感感じて逃げ出してる状況なはずでイマイチで、教科書見てもそういう”良いアタリ”を出すように餌とかハリスを調整しましょう、ってなってるんだけど、ヘラでもアジでもこちらが見にくい小さなアタリは向こうも違和感感じにくい状態にあって”居食い”していることが多くて、そういうアタリを出せて拾えるようになると上顎センターばっちりで釣れてくるんである。ホントだよ。
ヘラ釣り真面目に練習しておいて良かったと感じるのは、まさに釣りの基本である”ハリとイト”についてきっちり自分なりに試行錯誤して実践をふまえて考え直す機会を得たことだとも思っている。
ハリはそこそこ考えていたけど、イトのほうは切れなきゃいいやぐらいに考えてたので、ハリスの細い太い、長い短い、それによる張りの違いなんかを、オモリと浮子とのバランスも含めて考えるようになって、ハゼ釣りとか小物釣りにおいても”切る札”が増えて如実に釣果につながった感触がある。
三平くんがゴッツイ道具で大物を釣るのがビックゲームなら、繊細な道具を駆使して小物を釣るのも同くビックゲームで”小さなビックゲーム”なんだよって、外国からの客人をもてなした話はまったくそのとおりだなぁと、今では素直に得心する。
結局釣りなんて、糸の先に付いてるハリに魚が食いつくような餌なりなんなりを付けて、口使わせて掛けて釣り上げる、っていう本質的な行為はおんなじで、魚の大きさなんて多少小さくても竿を柔らかくとかイトを細くとかでいくらでも増幅可能であり、どうでもいいっちゃよくて、結局どんな釣りも面白いし、自分好みの釣りをすれば良いんだろうってだけだと思う。
こういうことを、小物しか釣ったことない釣り人が言うと、単なる負け犬の遠吠えに聞こえるので、それが嫌で他人から見てもそこそこ大きい魚を釣っておきたいと思ってた。フッフッフ、ワシゃロウニンアジ30キロオーバーもスズキ90アップも釣ってるから多少エラそうなことほざいても許されるよネ。ロウニンアジ?まあデッカいアジだったですよ、ちゃんとゼイゴもありましたよ。とか生意気言っちゃったりして。
釣りメディアとか釣具屋側が流す情報を鵜呑みにしていると、この魚はこう釣らなきゃダメだ的な洗脳にハマったりするけど、そんなもん同じ魚でも場所や時間が違えば違う性格をあらわしだすぐらいで、同じ魚でもいろんな釣り方があり得る。逆に一つの釣り方でなんでも釣ってしまうっていうことも、きちんと授業料払って身につけた釣り方を持っていればできることも多いと感じていて、私はルアーの釣りをラージマウスバスで憶えたので、基本障害物や地形変化狙いの接近戦が得意で、ルアーで釣るときは渓流のイワナだろうが港湾や河川のシーバスだろうが、障害物・地形変化をピンポイントで狙う近距離戦に特化している。
内房の運河で使ってた6.5fのランカーギアXは多分バスロッドのたぐいで、実際バス用に買った竿だったけど、内房運河で飛距離なんて全く必要ないけど、障害物の際とかにぶち込む精度は必要なのでその長さでちょうど良かった。紀伊半島の河川のシーバスに使ってる竿も7fのアグリースティックエリートで決して長竿じゃない。
バチ抜けは結構川の真ん中でライズしたりするので8fのブリストール持ち出すけど、それ以外ではシーバスって基本岸近くのかけ上がりやら浅瀬をやってくるのが狙いやすい魚なので飛距離なんて必要ないと思っている。飛距離的には6fの竿でもやれると思うけどある程度竿でタメてバラさないようにと思うと7fぐらい欲しいなって感じ。
あと、この地に移住してきて”違えば違うほどいよいよ同じ”だなとつくづく思ったのが、アジ科の魚食魚は種類違えど大きさが違えどルアーとかに対する反応が一緒ってこと。
まあ同じ系統の魚で同じ餌食いにやってきてるなら一緒で当たり前なんだろうけど、カンパチの小さいのが、メッキと同じようにポッパーやらペンシルなんかに食ってくるし、ブリの子供も同じだったのは面白かった。
メッキがギンガメッキでもロウニンメッキでもトップにパコンと出るのは親譲りだなと思ってたけど、一族郎党親類縁者まで含めて一緒のようだ。
カンパチってやや深い根についてて、ルアーだとジギングの印象が強いけど、浅いエリアにやってきたら当たり前にトップに食ってくるんだなというのは、知識としてはミッドウェーだかでフライのポッパーで釣ったデカいカンパチ抱えてる丸橋先生の写真とか見た憶えあって知ってたけど、自分で釣ってみるとやっぱりちょっと意外で面白かった。
陸っぱりからの青物狙いではメタルジグぶん投げるショアジギングが一般的かもしれないけれど、遠目を回ってくるなら飛距離重視でメタルジグ一択だとしても、プラグの射程距離内に回ってくるなら断然大きさがあってアピール力の強いプラグが有利で特にトップが何故か釣れると内房のカヤックでのワカシ釣った経験からも、この地で釣ったメジロの派手な出方からも確信している。
カヤックでナブラ打ちしてたときなんて、メタルジグなんて食わんから使わんかったぐらい。小さいカタクチ食ってても、小さいメタルジグなんて食ってこずにザラパピーを水面滑らせるようにシューッと引いてくるとバコンとでたものである。
おそらく、ブリ一家に限らずどんな魚でも、海域やら時期、天候や潮、餌の状況、魚の機嫌によっていろんな釣り方が成立したり、その時々の勝ちパターンがあったりするんだろう。
そういう、複雑な状況を読み切って、最適な釣り方をいつも選択できるように、なーんていう理想論は机上の空論で、”絶対トップで釣れるはず”とかいう苔の一念で魂込めて釣れるまで投げ続けるのがワシには結局取り得る唯一の方法なんだろうなと思う。
そういう中で情報収集して失敗も経験して修正かけて、自分の中の正解にたどり着いていきたいモノである。大丈夫、今までもそうやって釣ってきた。基本は一緒。
他人がどんな釣り方でどれだけ釣ろうが、オレが釣ったわけじゃないから関係なくって、自分の釣る魚をしっかり見つめていきたい、と隣で釣られると心千々に乱れることが多いのでここに決意として書いておこう。
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