2019年12月31日火曜日

2019年のベスト3(釣り編)

 釣りするのに良い場所をという観点で移住先を選んだつもりなので、釣れて当たり前と言えば当たり前なんだけど、それにしてもこの地は良く釣れる。
 良く釣れるっていっても、そんな簡単にチヌだのスズキだのが釣れるわけはなく、そのあたりは情報収集しながら季節が一回り二回りしてから釣れるようになるだろうと思ってた。
 それまでは漁港とかでアジだの根魚だの”オカズ”を釣りながら地道に情報蓄積していく作業を続けるんだろうなと思ってたら、あにはからんやチヌもスズキも既に釣れてしまっている。むしろアジや根魚には予想外に苦戦させられていて、それがまた楽しい。
 釣りにはけっこうな回数行ったので、ずいぶん昔に引っ越してきたような錯覚を覚えるけど、まだ8月末に越してきて4ヶ月かそこらしか経っていない。
 「あわよくば」と想定していたうち、最も良い方に結果が転がっているように感じる。超々上首尾で今年の釣りには満足している。
 そんな今年の釣りを振り返って、年末恒例のベスト3を選ぶんだけど、正直選びきれないぐらいの想い出が溢れてて、写真のホルダから良い写真選ぶのにも写真の枚数自体多くて苦労するぐらいだ。
 間違いなく、今自分が膝も痛いし物忘れも激しいジジイになりかかってるけど、それでも釣り人として人生最高に”釣れている”というのを実感する。
  ということで着外とか3つに収めきれてない項目もあるけどご容赦願いたい。

○釣り:一位「最初のカンパチの仔」二位「フライで釣ったアカカマス」三位「ワームで釣ったアカササノハベラ」着外「20センチ超えのマハゼ」「一匹目のクロダイ」
 一位の「最初のカンパチの仔」は分かる人には分かると思うけど、釣果としてはショボい。でも、下見で訪れたこの地で適当にルアー投げてたらサクッと釣れた手のひらに乗るようなこの1匹が「ああこのくらい魚が居てくれれば何とでもなるな」という感触をもたらしてくれて移住地を決定するに至った。移住して良い釣りしてきたし、これからもさらに釣るつもりでいる。何しろ強力な切り札の一つだと思っているカヤックとかまだ出していないからナ。
 狙った魚意外は”外道”として相手にせず、脇目も振らずに目的の魚に迫っていくという釣り人もいるけど、私はまったくそういう釣り方はできない釣り人で、魚種も大きさもなんでも良いから魚釣って魚の反応みながら目的とする獲物に近づいていくという手法をとる。そういう釣り人から見ると、この1匹こそが今後数年のうち最も重要な1匹だったというのは当然の結果なんだけどおわかりいただけるだろうか。
 二位のフライで釣ったアカカマスは、仲間内にフライマンが多くケン一からも要望のあった魚種だったというのもあって、探し求めてたどり着いたというのも嬉しい要素だけど、常々「なるべく他人が釣れなくて自分が釣れるギリギリの難しさの魚」をと思っていて、簡単に釣れる魚だといくら爆釣ポイントを見つけたところで、すぐにバレて真似されて釣られてしまう。その点、フライで釣る釣り方を見つけたっていうのは大きい。なにしろ真似しようにも未経験だとフライロッドはまず振れないから真似されにくい。
 もちろん、アカカマスは投げサビキでもワームでも釣れるし、もっと言うなら群れがまとまれば引っかけりゃ早いって話もある。でもそういう他の釣り人や釣り人じゃない魚を獲ってる人が掛けきれない、あるいは引っかけられるのを嫌がってちょっと群れから離れて難を逃れてきた魚がフライなら狙えるのである。理想としては引っかからないぐらい群が薄くなって、縦にしゃくる系の誘いや派手なワームでは食わなくなり、横移動の小さいフライが群れてる棚のチョイ上を通ったときに食ってくる活性は残ってる。とかいう渋めの状況が続いてくれれば一人勝ちできるのにと邪なことを考えている。
 三位がまた地味な釣果だけど、ナマジ的には値千金な釣果で、小型青物にしろシーバスにしろカマスにしろ、ヤツらは移動性が高いので居ないときはまるっきり釣り場に居ない。その点根魚系は居るところにはいつも居る。ただ、いつも居るところには居て移動性が低いので、その年の接岸後は釣りきられたら補充がないような場合が多く、根魚って釣りやすい釣り場の魚はシーズン最初にチョロッと釣れてその後居なくなってしまう。東北に住んでたときに経験したけど、一見釣れそうもない場所で魚が入ってるポイントで持ち帰らずにオールリリースで釣ってるとシーズン終わるまでずっと釣り続けられる。
 さてアカササノハベラに代表されるベラ系、磯場やゴロタに居着く”根魚系”だと思ってるけど、小さいこともあって多くの釣り人には”餌取り”ぐらいにしか認識されてなくて、お持ち帰りされる率が低く、ましてや専門に狙おうなんていうのは瀬戸内海でキュウセンが人気なのを除くとあまり目にしたことがない。
 つまり独り占め系の美味しい獲物なんである。煮付けにして文字通り美味しかったりするしナ。魚が小さいのなんて元江戸前小物釣り師から言わせてもらえれば、仕掛けを繊細にするなり何なりでいくらでも楽しく釣ることはできる。実際楽しい釣りだった。
 昔、メバルがワームで釣れるって話になったときに、多くのルアーマンはあんな小っちゃい魚釣って何が面白いんや?ぐらいの認識だったけど、その後”メバリング”が流行ってからどういう風に認識が変わっていったかはご存じの通り。魚が小さいとか今現在人気がないとかまったくどうでも良いことで、しばらくはこの地では専門に狙う人間出てこないだろうから冬眠中の冬以外は手堅く釣れるオカズ魚として楽しませてもらう。かつ、小磯やゴロタで釣ってればそのうちカサゴやらハタ系も釣るための情報が自ずと入ってくるんじゃないかと期待している。
 着外の「20センチ超えのマハゼ」「一匹目のクロダイ」はさすがに膝ふるえるぐらい興奮した。普通の年なら一位でもおかしくないけど、今年は最初の1匹や独自の釣りの展開に持ち込めそうな釣果があったので着外となっている。
 前半の首都圏での釣りも正直言って離れがたいぐらいの面白さを感じてた。考えてみればボートキビレ初挑戦も今年だったし、ヘラ釣り修行もとりあえず形にはなったとおもうけど一旦終了はもったいない気もした。最後のハゼ釣りは良く釣れて楽しく終われたけど、ダイキリさんと行った最後の湾奥シーバスが、釣れない時間も長かったので「これで東京湾のシーバスともお別れだな」と寂しいような別れの気分になったのを思い出す。それもとても良い想いで。
 まあどこに居ても魚釣りができれば私は幸せなんだと思う。

○残念だった釣り一位「近所漁港ナブラ」二位「今朝逃した魚」三位「ヘラ浮子で釣るボラ」
 一位はツバス(ブリの仔)かサバか毎日午後にナブラが湧いてバシャバシャやってたのに結局一匹も釣れず。特定の餌に狂ったナブラは難しいことも多くて意外に苦戦するけどまさに典型。来年も同じような状況になったら何とかしたいところ。たぶん”釣れないナブラ”になった時点では釣るのは難しすぎて、そこまでになる前の段階か餌食い尽くしてか餌居なくなって解散ってなる間際か、そういう食ってくるタイミングを探るのが正解かもしれないと思っている。
 二位は、カマス狙ってて良い型の魚掛けたときに、ルアーの5ポンド道糸なら獲れる大きさ限られるけど、フライタックルだとバッキングの量も多いし、一番細いところでハリスのフロロ2号だしでカナリの大型でもハリだけのばされないように時間かけてやればあげられるという意外に不意の大物は獲れる道具立てなんだけど、今日はハリスを歯でいかれてしまった。もうチョットかかりどころが良ければあがってたと思うとアタイ悔しいっ!!
 今日の魚正直竿でためきれないぐらいの突っ込みしてたけど、そういう場合は最終的には竿先魚に向けてしまって、腕を前に突き出しながら巻いて伸びた腕をまた引っぱり戻すっていうのを繰り返す”ダイレクトポンピング”が使えるし、竿先魚に向けてしまえばフライリールはギア比1:1で巻き取り力は強いので切れないように加減しつつゴリゴリ巻いても結構やれる。まあまた機会が巡ってくることもあるだろう。次は獲る。
 三位は糠まで買って仕掛けも作って準備はできてるんだけど、アカカマス釣れ始めてしまってそれどころじゃなくなったので放置している。糠にダ二とかわくまえに一回やってみんといかんナ。


○ルアー:一位「ワンダースリム」二位「フラッタースティック」三位「CD5」
 一位の「ワンダースリム」はお尻だけ白に残して蛍光黄色に塗った”紀伊色”で、70と90が絶好調でシーバス連れてきてくれた。この手の陸っぱりで使うシンキングペンシルの元祖ってワンダーシリーズだと思うけど、元祖が一番手に入りやすいし釣果も安定してるように感じる。
 二位「フラッタースティック」は廃盤の7センチは東京湾でもお世話になったけど、まだ生産されている4センチがメッキ釣るのに大活躍で、メッキ釣りにおいては絶大な信頼をおいて愛用してきたBHポッパーより後半投げる機会が多かった。良い型のチヌも2匹連れてきてくれて良い仕事しまくりである。
 三位はやっぱり偉大なラパラのCDという感じで、水底でフック着底させて立つぐらいの絶妙のユルい沈み具合と、大きめリップで着実な立ち上がりと安定した動きが見釣りで狙うチヌに効果ありで良い魚2匹連れてきてくれた。来年もたぶん10年後とかも投げてるだろう。


○釣り具:一位「マイクロライトグラス76UL2」二位「クレイジーチャーリーオレンジ」三位「白滝330」
 一位は、バスプロショップスの通販で米国から取り寄せてみたものの、ぱっと見の余りのショボさにややガックリきたんだけど、使ってみるとこれが働く働く。グラスのグニャ竿なので、アタリ弾かないのとバラしが少ないのは期待どおりだけど、7フィート半と長めなのでメッキで気持ちよく曲がる竿先の柔らかさと、年無しのチヌの突進もためる根元の力強さが同居している。長い分持ち重り感はあるけどそれを我慢して使うに値する万能ッぷりで、米国人はクラッピーやらギル釣っててデカバスやナマズ系が来ても獲れる竿として使ってるんだろうけど、この地じゃメッキやセイゴ釣っててチヌや小マシな型のフッコが来ても獲れる竿として予想外の大活躍。もう1本欲しいんだけど送料の方が高くなるような安竿なのでいっそ2本買っちまおうかとか真剣に悩んでいる。暇ができたら使ってない竿何本か売りに出して整理して買いたい。アメリカの釣り具は見た目どうかと思うのも多いけど実用性はかなり高くて信用できる。ただ、アグリースティックのガイドだけは何とかして欲しい。昨年買ったエリートのガイドはトップだけで済まなくて結局全部取っ替えた。
 二位のクレージーチャーリーのオレンジ色は、クリスマス島にボーンフィッシュ釣りに行くのに巻いたけど、毛足の長いのは現地ガイドのお気に召さなくて使わしてもらえなくて余ってたので使ってみたってだけにもかかわらず、なぜか近所のアカカマスには気に入られて好成績。フライ巻く材料は在庫沢山抱えてるのでフライで釣れるというのは経済的にもとっても助かる。単純なパターンなので巻くのも楽で良い。単純な造形にもかかわらずチェーンボールの目が付いてるからか見た目愛嬌があってフライボックスに並んでるのも楽しい感じがする。
 三位の延べ竿「白滝330」は「早霧4.5」とともに、当地での小物釣りで大活躍。ハゼにマアジにゴンズイにとなんでも釣れて楽しい小物釣り。特にヘラ浮子使ってコマセをチョットずつ効かせて釣るマアジ釣りは、後半キタマクラとの壮絶な戦いの要素も加わって俄然難しく面白くなった。キタマクラ邪魔だけど、邪魔をかわしてなんとか釣ろうとする苦労の中にこそ釣りの醍醐味があると思うところ。あんまり攻勢かけてくれるなと思うけど、キタマクラも居ないような海での釣りなんてつまんねぇゼと強がっておきたい。

○PENN:一位「430ssg」二位「420SS」三位「714Z」
 遠征のお供の「タックルオートSS」、「タックル5」と安っぽさを楽しむ「アクションM」「タックルA」といった大森勢も使ってるけど、やっぱりアタイはPENNが好きっ。
 ということで、一位はメッキやらチヌやら釣る主軸に、黄色のマイクロライトグラスにいつもの430ssg。とりたてて優れてるとも思わないんだけど、なんだかんだで長いつきあいになってて手に馴染んでるし信頼している。理屈じゃなくて好きなリール。
 二位の4200SSは師匠であるJOSさんからの餞別。コイツと300円で買ったパックロッドでメッキ釣ったりチヌ釣ったり、新天地でのスタートダッシュを決めたりました。
 三位の714Zはシーバス用のアグリースティックエリート7fのシートに430ssgの樹脂製で厚みのある足がイマイチしっくりこないので起用中。やりとり中にドラグの音出しの部品が外れて困った以外には問題なく、ドラグもカーボンシートにしてあるので今時のリールと変わらんというか、PENNなので優秀でシーバス釣るのはしばらくこいつに任せたい。ドラグの音出しパーツのネジには緩み防止剤「ロックタイト」を垂らして対策済み。インスプールのリールは慣れると使いやすいように感じる。この時代のリールで魚釣るのに何の問題もないっていうのが分かると、新しい釣り具売るのって難しいンだろうなと実感する。
 この3台はしばらく出番がない予定なので、昨夜分解清掃してグリスとオイルを入れ直した。シーズン中は基本、ラインローラー、ハンドルノブ基部、スプールハズして主軸の根元に注油のみで済ませているので、年に1回ぐらいはと、日頃の感謝を込めて手入れしておいた。

 という感じで、今年は新天地で良い釣りを満喫したという印象が強く満足度が高いんだけど、一方でこの好釣も想定内ではあって、もっと想定外の突き抜けた釣果を得て、特別な釣り人になりたいという欲深い思いがないわけではない。たぶん、ここから5年ぐらいが気力体力的に思いっきり釣りできる最後の期間だと思うし、仕事もしてないので何かあっても迷惑かけることも少ないはずで、ぶっ倒れても良いから行けるところまで行くつもりで全力で行ったれって思っている。アホやなぁ。
 皆様、今年の釣りは楽しかったですか?それでは良い年をお迎えください。

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