2015年7月12日日曜日

臭かった魚の話





 釣り人同士の、釣りに行く道中やら遠征先の宿やらでのバカ話って、なんであんなに楽しいんだろうかっていうぐらいなんだけど、今回、小遠征でお世話になった風雲児さんとの道中の会話も、ひょっとすると面白かった釣りそのもの以上に面白かった。

 2人ともコテコテの魚の汁で煮込んだぐらいの魚好きなので、当然マニアックに「スジシマドジョウが見えてるのに餌を食わないんですけど、どうすれば口使わせられるんでしょうね?」とかほかではあんまり無いんじゃないかという感じの特殊な魚釣りの世界に突っ込んでいく方向はもちろんあるんだけど、何からそっち方面にいったのか、風雲児さんが「昔四国にはセブンイレブンじゃなくてセブンエイトっていうコンビニがあったんですよ」というネタに「営業時間一時間かいッ!」とナマジが突っ込むとか、まあ午前7時から午後8時までというのは分かりつつも、久しぶりに関西人ノリで拾うターンとか、どうでもいい話も真面目な話もウダウダと楽しかった。

 中でも結構印象に残っているのが、臭くて食えなかった魚の話で、まあ2人とも多少の「磯臭い」といわれる魚はむしろ好物で、風雲児さんから、チョット磯臭い魚と味噌漬けが風味がマッチしてすごく美味しいとか教えてもらったりなんだりと話していたのだけれど、風雲児さんがギブアップしたのが、磯臭いとされる「ニザダイ、タカノハダイ、イスズミ、ニセカンランハギ」の鍋。「キムチ鍋にしたらいけるやろと舐めて、というか興味本位でろくに血抜きもしてないまま持ち帰ったら甘かったです。」というもの。
 個体差もあるといわれているこれらの魚だが、臭いのにあたったことがある人なら聞くだに辟易とするだろう代物である。

 対して、泥臭いセイゴとかでも多少の臭いのは根性で食いきるナマジだが、絶対無理だとギブアップしたのが、火力発電所の温排水の流れるドブで釣ったテラピアニロチカ。
 鯛の偽物として流通していたぐらいの美味しい魚という話を聞いていたので、初めて釣った時、迷わずどんなに美味しいんだろうとワクワクして締めて持ち帰ったが、腹をさばいて流石に付着藻類とかデトリタスとかも食べる魚らしく腸が長いなと観察しつつ泥の詰まった消化器官を抜いて、煮始めてすぐに、母親に「あんた何煮とんの、なんやのこのニオイ?」と言われるぐらいの、既に異臭レベルの臭気が漂う。
 ちょっときったねェドブやったから臭いあんのかなと、生姜を追加したりしたが、そんなもんでどうこうなるものではなく、皿に盛って勇気を出して食ってみたが、もう工業廃水で煮しめた魚があったらこんな感じだろうという泥臭いを通り越して、刺激物臭いぐらいの異臭で、釣って殺しておいて、捨てるとは何事だと心の中でもう1人の自分が激しくなじるんだけど、どうにもこうにもゴメンナサイという感じでギブアップ。
 聞けば、養殖モノの綺麗な水で育てたヤツでも、出荷前には泥臭さを抜くため餌止めして腹の脂とか落として臭みを抑える手間をかけてから出荷するらしい。
 ドロドロッちいドブからあげたての風味を食卓に持ち込んでしまったのは大きな誤りだったようである。

 風雲児さん、道中お世話になりました。
 楽しい遠征でした。またご一緒しましょう。

2 件のコメント:

  1. 遠征お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

    真夜中のカワムツとか、欧米人の「クイーン」観とか、盆踊りへのお誘いとか、釣りも道中もこんなに楽しいことがあったのかと驚いてしまうほどの2日間でしたね。
    次の機会が今から待ち遠しいです♪

    そうそう、さっき調べたらセブンエイトは「七転び八起き」に由来するというような記事がありました。最後に利用してから約15年、深夜に開いていたのかという謎がようやく解けました^^
    最近まで一店舗だけ残っていたようですが、最後は起きられなかったんだとか・・・。

    返信削除
  2. ナマジです こんばんは

     宅急便で送り返していた荷物が届き、同封のお土産に持たせてもらった「うまいか」食ってます。
     イカフライ系の駄菓子の元祖なんですね。チョット今止まらなくなってます。
     酒が飲めたら確実にビールグビーな感じですね。

    返信削除