2026年7月11日土曜日

修理、修繕、リペア、繕いたい

  ワシ、常々モノは長く使いたいと思っている。もちろんモノは永遠には形をとどめず、行く川の水は絶えずして、盛者必衰のさだめだともわきまえていてもである。

 家電やら情報機器やらの、定期的に壊れる仕様には、そうしなければモノが売れないという売る側の理屈もわからんではないけど常々ムカつかされているのはこれまでも度々書いてきたとおり。なんだけど、また我が家のPCがおかしくなってきて、あなたがこの記事を読んでいる頃、我が家のPCはこの世にはいないかもしれない。データのバックアップはまめにする体制になってるのでいつ死んでもデータが失われる被害は最低限で済むはずで、そこは良いんだけど、使えなくなるともろもろ生活に支障が出るレベルなので、だましだまし動かしつつ予備機を手配した(無事?代替わりしました)。ちょっと悩んだけど、ウインドウズ10のサポート期間が27年10月まで延長になったので、ウインドウズ10搭載の中古機買ってそこまで持たせる作戦とした。なんかウインドウズ11は使いにくいという評判も聞くし、勝手にクラウドにバックアップを作って、クラウドサーバの無料分がいっぱいになると有料のサービスを売りつけてくるという阿漕な商売らしいのも気にくわん。ウインドウズのシェアって徐々に減っててマックやアンドロイド系に流れてるのもむべなるかな。殿様商売のつけを払いやがれってなもんだけど、ワシ結局ウインドウズしかよう使わんので、最終的にツケを払うマイクロソフトに金を搾り取られる側であり泣けてくる。情報弱者は搾取される嫌なご時世さ。

 モノは長く使いたいといっても、なにも漆器(英語圏で陶器が”CHINA”と呼ばれるように”JAPAN”と呼ばれると聞いたこともあるけど誇らしい)のように千年使える必要はない。ワシはエルフじゃねぇしそんなに長生きじゃないからな。でも20年くらいはもってほしいと切に願う。というなかで、最近、PENNの「430ss」のジャンク個体も修理したし、家の屋根とベランダも修繕したしで、なんか修繕欲とでもいうモノに火が付いてしまい、ジャンクな釣り具を探して直したい衝動に駆られている。釣り具は最近の電子制御なブレーキ搭載リールとか電動リールとか以外は手動の道具であり、素人の工作でどうにかなることも多く、直して使って愛着を持つには好適な対象だと思う。とはいえそう都合良く手頃なリールが出てくるかっていうとさにあらずで、直したくもないような真性のゴミは対象から除外すると、なかなか良い弾は出てこない。その点ルアーなら数が多いのもあって、修繕欲を満たしてくれそうな手頃な出物もそれなりにあって、またそういうのは安いからマウスの滑りも良い。れいによってクリッククリックってなもんである。

 ジャンクルアーで一番多いのは、塗装が割れたり剥げたりしたもので、こんなもん箱入りの美品を求めるコレクターでもなけりゃ、使える程度に修繕するのはわけない。見た目にこだわらなければ割れたところにエポキシでも盛ってやればいいし、全体にウレタンコーティングかけてやっても良い。ここで重要なことをカリスマとして皆様にお伝えしておくと、ウレタンコーティング剤は使う分だけ小出しにして使うと冷凍庫保管で長期保存可能。今回使ったのは購入履歴調べると2025年4月14日となっており、1年以上ルアーのコーティングに竿のラッピングスレッドのコーティングにとチマチマと使い続けて使い切れそうになっている。この手の1液性のウレタン塗料は溶剤の揮発と共に空気中の水蒸気と反応して固まるそうで、ビンに直にドブ漬けは空気と触れてしっかり反応が始まってしまった塗料をビンに戻すことになり、そうなると冷凍保存しようが薄め液で薄めようが反応が進んでしまい使いたいと思って冷凍庫から出してくると固まってしまってて使えないということが起こる。エポキシやUV固化樹脂に比べると溶剤の揮発分で”痩せる”というのは否めないけど、1液性で手間がかからないのはありがたく、厚く塗りたきゃ重ね塗りすれば良いわけで釣り具関係のコーティング剤としては現在これが一番気にいっている。銘柄的には「東邦産業 ウレタンフィニッシャーEX」というのを愛用している。

 写真一番上ののラパラ「BXミノー」はバルサをプラスチックっぽい樹脂ボディーで覆った個性的なルアーなんだけど、バルサの軽さを活かそうとしたら樹脂は薄くなるわけで、中古で買ったら所々ひびが入ってたので全体的に筆塗りコーティング。お次は上から順にサルモ「パーチ」、ダイワ「バルサマック」、ザウルス「クランカウルス」もひび割れてたり塗装欠けてたりしたので、エポキシ盛ってから全体的に筆塗りコーティング。これらはみなバルサなりドーム材なりの木製で湿気吸って膨張したり逆に乾燥で縮んだり、もちろんぶつけたりしてもひびとか欠けとか生じやすいけど、ウレタンコーティングして防水処理し直してやれば実用上なんの問題もないはず。木製ルアーってのはそうやって使うモノだってぐらいで、そうやって直し直し疵も愛でつつ使うのは陶器とかの”金継ぎ”みたいで良いんじゃないだろうか。

 とはいえ限度があるって話で、あんまりボロいと塗り直したくなってくる。そうなればお好きな色に塗り直せば良い。リペイントとかいうとエアブラシ買って綺麗にとか考えがちで面倒くさそうに感じるかもだけど、再塗装なんぞ単色仕上げに目玉つけただけでも十分で、それは昔ラパラが自由に塗装を重ねて欲しいという感じでパ-ルホワイト単色のカラーで売り出したら、そのままでよく釣れるとなって定番色化したなんて逸話があるぐらいで、ぶっちゃけワシ黄色一色で塗っとけばいいやぐらいに思ってる。それだと色気がなさ過ぎるとおもうなら、今回したように尻だけ白のツートンカラーやグリッター振りかけとかお手軽でお薦め。今回は蛍光黄色を使ったので、蛍光黄色の塗料は浮子のトップなんかに使うときに光を通して見やすい感じの透明感があって、ルアーの場合下塗りしないと発色が良くないので白を下に塗ったので、ついでにツートン化しているけど、梅雨の晴れ間で急いで仕上げたので、ウレタンコーティングの時に色が若干流れてる。急いては事を仕損じるって事例だけどグラデーションを狙って塗ったということにしておこう。タックルハウス「キーパプース」、ラッキークラフト「ストリームドライブ」は色塗りだけだったけど、ダイワ「ピーナッツⅡDRサイレント」はオモリの固着が外れてカタカタと鳴ってサイレントじゃなくなってたので、ある程度塗装剥いで動いてしまってるオモリの位置を確認して、小さい穴を開けて瞬間接着剤を垂らしてオモリ固定して、穴はティッシュの紙縒りでふさいでから瞬間接着剤で固めて、色塗ってウレタンコーティングってやってる。腹側のネームは残してみた。穴開けて塞ぐのはそれほど難しくなく、小さい穴ならティッシュ詰めて瞬間接着剤で簡単に塞げるし、穴が大きければバルサとか割り箸とか手頃な木片を削って詰めてやればいい。この小技知ってると、ラトルを黙らせるのも、逆に中空の樹脂製ルアーならラトル追加も簡単。重心移動の玉を固定して固定重心化とかもよくやる手法。もちろん開けた穴ではなく開いてしまった穴を塞ぐのにも知ってると重宝する。ティッシュ詰めて瞬着はアマゾンでペーシュカショーロの牙で穴開いたルアーを現地で瞬着とティッシュという最低限の材料だけで補修してる記事を読んでいたく感心して真似させてもらっている。

 で、もうちょい手間がかかるのがリップが折れている、あるいは抜けている場合の補修で、っていうとこれまたポリカーボネイトの板やアクリル板を加工してって思うと面倒だけど、カナ切りバサミ程度で加工できるFRPのいわゆる基盤板やちょい柔らかいプラケースの仕切り板のあまってるのやら百均のタッパーとかの樹脂板をチョキチョキ加工して使うとアクリルカッターとかで切り出すより楽で良い。柔らかい樹脂板のリップって意外に良くて、衝撃に強いので折れにくかったりする。最近買ったラパラ「フローターエリート85」のリップが指で押すとやや曲がるぐらいの柔らかめの樹脂でできていて、さすがラパラと感心したところである。

 でもって、今回リップ修繕は2つで、一つはラパラ「ダウンディープラトリンファットラップ5」で、これがさっきさすがと褒めた同じラパラと思えないぐらいにリップに問題があって、細くてミョーンと伸ばしたリップは急速潜行能力に優れているけどワシの使ってた7センチ版では折れたし、ジャンク一山買ったなかに入ってたのは抜けていた。これ、折れた7センチから回収したリップが上手くねじ込めるように削れば修理に使えそうなんだけど、あえて別の方法に挑戦してみた。カナ切りバサミで切れて、加工がある程度楽な素材として我が家の在庫にアルミの1mmの板があったのでそれで行く。アルミなら曲がることはあってもポキッと折れることはないだろう。ということで元々のリップの形状を正常な個体からもってきて適当に参考にして、アルミ板を切り出して端をサンドペーパーでバリとか取って丸める。差し込んでコニシのSUとかの強力接着剤で接着しても、そもそもそれほど深く刺せるほどリップ用の穴が設計されていない。なのでちょっと考えて、突っ込むアルミのリップの先に穴を開けてステンワイヤーを引っかけて、それを本体の差し込む穴の底にドリルで穴を開けてつっこんで接着剤で留める形にして、あとは隙間を塞ぐ形で基盤板と割り箸で固めてエポキシで埋めるように接着。まあまあの強度でリップを接着できたけど、あとで思いついたけど、リップに開けた穴を使って本体側にネジで留めるレーベル方式のほうが抜けはなくできたかも。ただ、穴が浅い関係上、本体の端の方にしかネジ留めできないので、そうなると本体割れてリップがもげる可能性は出てくる。良し悪しか?で、アルミのリップのルアーは昔からリップを曲げるチューニングがあったぐらいで、深く潜るようにしゃくれさせたり調整可能かなと考えてたんだけど、実際に投げて引っ張ってみると、グルングルンにきりもみしたりそもそも上手く泳いでくれなくて、オリジナルと似たような形状のリップにしたつもりだけど、あのスプーンのように窪んだ形状が水をしっかり噛んでアクションさせているのか、平面的な形状だけ真似してもダメなようだった。素直に真っ直ぐに調整してなんとか回転はしなくなったけど、水中で大きくS字を描くような動きで、他に無いアクションといえば聞こえはいいけど、正直釣れそうには見えない。そして急速潜行してくれない。まあ、アルミの板からリップを成型してしまうという技術は応用効きそうなので、一つ勉強になったということでよしとしておこう。

 もう一つは今回2個目のダイワ「バルサマック」で、リップが折れている。これリップを作って修繕ってなりそうなものだけど、偶然の出会いってあるもので、ネットオークションで本体と同時期に、ラパラとかのリップだけ5つぐらいセットで出品されていた中に、明らかに使えそうなダイワのリップが混ざっていたのでどちらも落札。もちろん安値だったけど、ワシのようなルアーの部品さえ欲しがる好き者はいるので、ゴミになりそうな壊れた釣り具でも、バラして使えそうな部品があればネットオークションなりフリマなりに”部品売り”で出してもらえると、出品側も小遣い稼ぎになるだろうし、落札側は”それさえあれば直せるのに!”という部品が手に入ると大変助かるので、是非お願いしたい。”部品取り用”として丸ごとジャンクで売りに出してもらっても構わないけど、部品売りの方が小さいので送料的にお得で助かる。というわけで、リップのサイズがこれで合ってるのかどうか分からんけど、ちゃんとDAIWAのロゴ入りリップの付いたバルサマックに復活した。コレクターズアイテムにはならんかもだけど、実釣用には問題ないし、リップの折れたルアーとリップがネット経由で我が家で出会って一つになったというのはなかなかに感慨深い。仲人として今後の幸せをお祈りいたします。

 という感じで、ジャンクルアーの修繕は、暇はつぶせるし、実弾補給にもなるし、なにより自分の手によって、ルアーが復活して新たに息を吹き返すのはとても気分が良いもので、生きていればモノは壊すし、自分含めて命あるモノはいつか死ぬし、”さよならだけが人生さ”って昔の人が言ったことが胸に染みるようになってくる白秋のお年頃なんだけど、そういうなかで時の流れにあらがうことができたような、一矢報いたような満足感をおぼえるのである。

 形あるモノはいずれ壊れる、だとしても道具は大事に長く使いたい。

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