
かっぱえびせん風に始まっちょりますけど、今回もスピニングリール熱にうかされての「こんなモンを買った」的しょうもない記事でございます。お目汚しを。
マニアックなリールネタ、ワシみたいなオタクな人間しか読まんだろうと思ってたけど、もともとこのブログの読者であること自体が相当にマニアックなせいか存外読まれているようで、それならばと遠慮なくスピニングネタ連投させていただく予定。まあ釣り具って魚釣れりゃ良いジャンとも思うけど釣り人ならこだわっちゃう部分だよネということでお楽しみいただければ幸い。写真のリールがなんなのか?は後半あたりに出てくるヨ。
なんというか、朝起きてネットオークションサイトとかで新着のスピニングリールを確認するのは習慣になってしまっていて、12月ぐらいからかれこれ3ヶ月ぐらい見続けているので、だいぶ目が肥えてきた。
みていると、案外人気のある機種って限られていて、なんでコレが値段付かないの?ってのが結構あったりする。
以前書いたようにそういうのでも自分が入札参加すると値段が釣り上がって安くは落札できない。と、羨ましい落札価格を横目で睨みつつ指をくわえていたんだけど、なんか写真写りがイマイチで全然入札されないままのがたまたま目について、ものは試しと入札してみたら開始価格の1500円のまま落札できてしまった。

配送されてきたモノは、赤土コマセでも使ってたのか”土汚れ”が付着していたけど、分解清掃したところ機関良好で見た目もそれ程悪くない。
以前外側ボロッちい個体を500円で落札したオートベールの普及版的なリールだけど、オートベールではワンタッチボタン付きのスプールになるのとベアリングが2個になる程度の違いで、タックルオートは大森ダイヤモンドではお馴染みのハイポイドフェースギアでローター軸のギア直上に歯を掛ける逆転防止機構、真鍮製ブッシュで受けられた硬い鋼製の軸にねじ込むハンドル、樹脂製スリーブ入りラインローラー、折りたたみ収納できるベールワイヤー。という基本機能をそろえた”マイコンシリーズ”以前のダイヤモンドリール標準機という印象のリールである。
このタックルオートのインスプール版が超人気のコメット、樹脂版がこれも超人気のキャリアーで、タックルオートも大森が一時期値段上がってたときにはだいぶ良い値段してたようなので、今でも状態良い箱入り個体とか2万円近い開始価格のもあったりして、多少見た目アレな個体でも1500円で買えるとは意外だった。
ハッキリ言って中古市場の値段なんて、リールそのものの価値やらなにやらとはあんまり関係なくて、単に人気があって誰かが使ってるとか、もっとぶっちゃけ値段が高くなっているからありがたがっているっていう泡のような相場で意外に良いリールでも人気なくて安いのはある。
大森製で今でも異様な値段が付いているのは、コメットGS・G1とキャリアーの一番小さいSSサイズで、他はインスプールのマイクロセブンやウォームギア機のプロラインの小型もそこそこ、オートベールとタックルオートとマイコンのSSサイズもそこそこのお値段だけど、他は普通の多少くたびれた程度の品なら、5千円も出しときゃ買えそうだし、3千円以下の掘り出し物もけっこうある。
コメットやキャリアーが高止まってるのは、大森が傾きかけて人気が陰りつつあった時代の機種なので弾数がかぎられているのも一因だろう。その逆でロングセラーのオートベールやらタックルオートや高い人気を誇ったマイコンは中古の弾数多いのでよく使われていたNo.1サイズとかは欲しい人間にはあらかた行き渡ってて、当時バス用には小さすぎてそれ程売れなかったと思ってるんだけどSSサイズが、今時の細糸つかったウルトラライトな各種の釣りに応じたリール需要と合致して値を上げてるんじゃないかと中古ダイヤモンドリールアナリスト(経験3ヶ月)としては分析している。

コメットだのキャリアーだの今更買うんなら、欲しけりゃ買えば良いけど、オートベールだののSSサイズ以外とかを安く買って楽しんだ方が、ダイヤモンドリールの単純でも手を抜いていない良さとかを知るには充分だし楽しいと思うんだけどどうだろう。シーバス用ならNo.2ぐらいが2号(約8ポンド)200mの糸巻き量でちょうど良いサイズか。
と人様にお薦めするのは、スピニングリール熱が悪化しまくってどうにもならないので、読者の皆様を一人でも多くこの沼に引きずり込んで一緒に沈んで楽しもうという、沈みゆく人間の悪あがきなんである。
なんせ2月は魚が釣れんかったから、道具いじくってるぐらいしか楽しみがなくって、暇さえあればスピニングリール買って分解して清掃して、クルクル回して「ハ~ッ・・・良いッ!」とかつぶやきながらニマニマしておりましたとさ。

でもって、もう1000円縛りとかとうの昔に忘れ去って「安くて良いダイヤモンドはないかね」と南アあたりをうろつく宝石商みたいなことを考えながらネットの海をさまよって、またこれがなかなかのブツをゲットしたったですとよ。
へっへっへ冒頭の写真のとおりリールマニア筋には人気の小型インスプールでっせ。お値段ちょっと張り込んで2200円。また例によって2000円前後の落札価格と読んで2100円まで入れてくる競合者をキッチリ100円差でかわしてハンマープライス!
上の写真のとおり、れいによって潮カブって放置してました系の表面腐食で左サイド塩吹いてて、機関も不動のジャンク品となってたけど、何度も書くように大森のリールが潮カブって放置したぐらいで使用不能になるわきゃなくて、実に狙い目の美味しい獲物。
見た目なんてどうでも良いじゃんと、正直思わなくもない。そう思って買ったばかりのアンバサダー5000をリール下にしてコンクリの上に置いてF師匠に「リールの扱い方がなっとらん」とお叱りを受けたりもして、リールは砂埃とか入れば故障の原因だし、そういうことを気をつけてない証拠がリールの傷や汚れなのでリールの外見もなるだけ綺麗に保たねばならんし、道具を大事に扱うのは何事においても基本だと学んでいくんだけど、自分が不注意で腐食させたスプールとかとっても恥ずかしく思うけど、他人が腐食させたり傷付けたりしたのを使う分には平気である。他人にどう見られようが、自分が犯した過ちのせいじゃないのは自分が知ってるので気にならない。オレが赦せるかどうかだけが重要だろ?てなもんである。
見た目格好いいかどうかは趣味の道具において重要だけど、ピカピカの新品みたいなのがいつでも格好いいかといったらそうでもなくて、古いリールなんてのは経てきた年月に相応のボロさが格好良かったりもするんである。コレクションの価値としては新品箱入り娘が高いんだろうけど、実釣の相棒とすることを考えるなら、ことさらに処女性をもとめる童貞野郎のように未使用とかにこだわる必要などないと思うんだけどね。相棒にするなら相性が大事でそんなもん使ってみなけりゃ分からんって話だろと。中身が大事だろと。
こいつの名前がまたイカしてて「マイクロ二世301」といって、マイクロセブンの後継機的な位置づけで出したけど、あまり売れなかったのか生産された期間も短そうで弾数少なく知名度も低いようであんまり人気もないようだ。
いかにも昭和骨董的な雰囲気の大森インスプールの銘板に漢字で「二世」とあるのがなんとも趣がある。メカに漢字っていうのはアニメ「コードギアス」の「紅蓮」のオペレーティングシステムみたいでどうにもオタク心をくすぐる。
大森製作所にはどうもアニオタいたんじゃないかと疑われる節があって、リールの命名に「タックルファイブ」とか「タックルエース」とかあるのをみると「ボルテスファイブ」とか「ダンガードエース」とか思い出してしまうのはワシだけじゃろうか?もちろん「二世」で思い出すのは「バビル二世」。マイコンは良くわからんけどコメットは「コメットさん」ってアニメじゃないか。ドルオタもいたのか?と疑問に思ってググったら驚愕の事実が発覚、「コメットさん」原作は横山光輝先生やったんや!バビル二世と原作者一緒という原作者繋がりがでてきた。大森製作所には横山ファンがいたのかもという仮説に基づいて横山光輝作品をウィキってみたら冗談のつもりがホントっぽくなってきた。「マイクロ7」の”7”はラッキナンバーでありがちな数字なので「地球ナンバーV7」と関連づけるのはこじつけかもだけど「プロラインNo.101」の”101”を「その名は101」と関係あるとみるのは、他のリールがNo.1とかとなっているのに加え、プロラインがハイポイドフェースギアの得意な大森製作所が高級機種として満を持して放った”遅れてきたウォームギア機”で意外に新しく「その名は101」が「バビル二世」の続編なのと符合しすぎるぐらい符合してくる。ってのは妄想だろうか?当時の大森関係者に誰かその辺聞いてくれないだろうか?まあそんな取材機会があったら他にも技術的なこととかいくらでも聞くことあるだろうけどさ。

もちろんラインローラーにも樹脂製スリーブ入り。
ここまで大森ダイヤモンドリールを何台か分解清掃してきて、いつも感心させられるのは、ドラグがしっかりしていることで、フェルト製にしてもテフロン製にしても、経年変化による劣化が少なく、グリス塗り直してやれば見事に何の問題もなく使えてしまう。正直、機械部分は人様の説明読んでそうなんだ~と思うぐらいで良く分かってないんだけど、ドラグは単純な機構なのでさすがにライン巻いて引き出してみりゃある程度分かる。
素材選定において、間違いなく何十年と使う愛用者のことを考えていたとしか思えず、今時の10年そこらで劣化する素材を使ったリールやら、今後も供給されるか定かじゃないというか供給されないだろう、わっけの分からん素材を使ったリールやら作ってる会社は、供給安定していてなんならドラグなんか自作もできるような一般的な比較的安価な素材使って実用性抜群の耐久性もあるリールに仕上げていた大森製作所のリールの、古くなった固まったグリスでも煎じて飲んでおけと説教したくなってくる。イヤーねぇ昭和のオッさっんは説教臭くて。

ただ、真面目な機械部分については定評あれども、意外にライントラブルが多いとかTAKE先生とかの玄人衆には使用感にダメ出しされてたりもするのがダイヤモンドリールの可愛いところ。
私などはある程度熟成された後期の製品であるマイコンTBシリーズやキャリアーを使ってたおかげか、そのへんあんまり不満はなくて”普通に使える”としか思ってなかった。
ただ「二世」となってるぐらいで、このリールは結構そのあたりも改善されているように思う。”一世”のマイクロ7では重量分散でラインローラーと反対側に持ってきたベ-ル反転機構にラインが絡むとかは、その後のプロラインやコメットではカップが深くなって改善されたとTAKE先生解説にあるけどコイツもカップは深め、そしてベールアームのローラー固定しているナットは六角ナットから円錐を2カ所削ったナットに変更、スプールはワンタッチボタンなしのタイプとキッチリ宿題やってきた優等生になってるように見える。あとは実釣でどうなのか試してみたいけど、このリール使うような渓流の釣りに今後いつ行けるのかわからんので、実釣での報告はまたの機会にということで。
渓流でもメインのリールはどうせPENNだと思うけど、ダイヤモンドリールの地味に良いところはベールが折りたためてコンパクトに収納できるところであり予備機として持っていって使ってやろうと思う。今回紹介した2台も機構は違えど折りたたみ式のベールを備えていて、後期のマイコンとかはベールアームの下のボタンをスライドする方式だったけど、それ以前はベールアームが返ってアタるところの出っ張りを押し込んでベールをたたむ方式になっている。
とまあ今回、大森ネタでいってみたんだけど、スピニングリール熱こじらせて急性の”大森熱”も発症してしまっているようで、まだ紹介していないダイヤモンドリールが4台もござる。どうすんのよ?
コレどうすれば治るのか?あるいは不治の病なのか闘病生活はまだまだ続くようなので、次回も大森ネタ連投の予定。
「使えない大森を2台落札!そしてナマジは途方にくれる!!」にご期待下さい。