自分の身近な魚についてよく見て考えて、そこから釣りにおける一手を導き出すも良し、魚とそれを取り巻く様々な事象を知ることそのものを楽しんでもまた良し。とにもかくにも五感六感全開で感じて観察してアーでもないコーデもないと思索にふけっておくべきと、口を酸っぱくして書いてきたにもかかわらず、ナマズに2つの種が含まれていそうだということについぞ思い至ってなかった。気付いていてもおかしくない事象を耳に入れており違和感まで感じていたのに、そこからさらに突っ込んで行けてなかった。
悔しいので、身近な魚についていくつか通説に反するような「ナマジ予想」を紹介しておきたい。ワシも出し抜かれてばかりっちゅうわけにはいかんけんのぅ。
「釣り人の常識」が間違っているなんてのは、あげてたらきりがないぐらいでむしろ「釣り人の常識」なんて嘘ばっかりなので基本疑ってかかった方が良いってぐらいの感じがするので今回は放置しておいて、ナマジ予想が正しければ図鑑やら今のところの学術的な報告が訂正されそうなものをいくつか紹介してみたい。過去にも書いたことあるネタもあるけどご容赦を。

でも、釣ってきて腑分けしてみると、多毛類・甲殻類なんてのはほとんど入っているのを見かけない。写真の個体が典型なんだけど胃内容物は左の塊で緑色の藻類の繊維がグチュッと絡まっている。その後ろの腸管内容物は消化液の色なのか茶色がかったペースト状のものであり泥なのか藻類なのか判別しかねる。
湾奥の運河で見釣りで釣っていると、石の上に陣取ってモシャモシャと石に付いた苔を食べているような行動を取る個体も見受けられ、石の上を縄張りとして他の個体を追い払う行動も見られる。
腸管の長さが植物専食にしては短いので、海の比較的深い所では動物プランクトンや小型甲殻類をもっぱら食べているのかもしれない。
でも、河川などでは藻類が利用できるので、まるでアユのように藻類利用しているのではないだろうかと思っている。ハゼ釣ってて朝まずめあまり早い時間よりは、お日様登ってくる時間に活性上がるのも藻類の増殖速度とかと関係してるのかなと密かに思っている。
アユも虫食ってても、活性上がるのはお日様上がってくる時間とかが多くて、かつ消化管がそれ程長くない、もともと動物食性の魚が藻類食うようになっている感じがして意外なほどマハゼと共通点があるように感じている。
ということで、マハゼって主な生息地である浅い日の光の届く水域においては主食は藻類やデトリタスといった底生の植物質のモノなのではないかというのがマハゼに関するナマジ予想である。
「うちの方では胃内容物アミとか小型甲殻類ばっかりだよ」という方は教えてくれると嬉しいです。
その3「ウナギはエッグフィーダー」 今回の目玉ネタです。ウナギの孵化したばかりの稚魚ってナニ食ってるのか謎が多くて、胃内容物のDNA調べると動物プランクトンが出てくるらしくて、最近だと窒素同位体比で推定して動植物プランクトンの死骸や糞の「マリンスノー」だといわれていてこれが正解だろうと思われているけど、思い切って「ダウト」。
根拠は孵化直後の稚魚の顔を見た直感。柳の葉の形のレプトケファルスまでいくとマリンスノー食ってるって言われてもそうなんだろうなと納得する顔しているけど、その前の段階プレレプトケファルスの顔は下あごから歯がつきだしていて凶暴でマリンスノー食ってる顔じゃない。でも動物プランクトンとか与えても育つほど食べない。育つのは今のところ深海鮫の卵ベースの餌を与えたとき。
ナニが餌なのかよくわからん?というのを親が産んだ卵を初期餌料として食べると考えると矛盾が少ない。胃内容物からウナギのDNAが出てきてもそれが餌とは気付かないというのが盲点になってるんじゃないかとナマジ大胆予想。どうでしょう。当たってれば実験室で孵化した稚魚がまだ孵化してない卵食いまくってバレるはずなのでハズレの確率高いとは思うけど大穴狙いで行きます。ウナギは親が稚魚の初期餌料として卵を産んで与える「エッグフィーダー」。
その4「遺伝因子にはまだ知られていない謎がある」 ちょっと身近な魚たちを離れた大きなネタだけど、最近の生物関係の研究手法としてDNA調べたりといった分子生物学的な手法が最終的な切り札となりつつあるんだけど、どうも調べてみたら訳が分からない結果が出たというのが、何か「違和感」感じる程度に目に付く。単なるミスやら個別に納得できる背景やらがある場合もあるんだろうけど、なにか我々人間がまだ知らない「遺伝」をめぐる大がかりな仕組みが、ドカッと残っているんじゃないかという気がする。
違和感感じた例としては、日本のゲンゴロウブナ除くフナ類のDNA調べていくと、今の図鑑で亜種と整理されている分け方と全く関係なく、3パターンぐらいに分かれるように見える結果が出たりするらしい。なんてのとか、どっかで地域の生物の多くが種が生まれて数10万年しかたってないという結果がでたりとかいうのも目にした。
ビシッと快刀乱麻を切るごとしの結果が出ることもある反面、どう理解するべきなのか判断に困る妙な結果がでることが無視できない程度にはあるように感じている。
「DNAを調べた結果」が絶対の正解ではないのかもって囁くのよ・・・私のゴーストが。
だれか研究者とかが報告してくれて予想外れててもご愛敬。もし正解だったら「言ってたとおりでしょ」と大いばりするつもりなので、その時は拍手喝采をお願いします。